”俺と君ってよく似てるよな”

そういうたびにあいつは「どこがだよ」と認めなかった。
確かに性格も容姿も境遇も、自分で描く未来も
全く違う。
共通点といえば、マフィアに関係してるということくらいだ。

けれど、どこがどうとかはわからないけれど
何かが似通っている。
俺とお前。

だから何度も
思うたびに口にした、似てるという言葉。
それに一度も頷くことはなかった、お前。


「覚えてるか?俺が何度も言った台詞。」
「てめぇと俺が似てるってやつだろぉ?何万回ときいたからなぁ。」
「そこまで言ってねーって。」



ただ
あのとき一緒に消えてしまえばよかったという想いにだけは
同意してくれて。



わかっていたんだ。
ずっとこのままいられるわけないってこと。

それでも慣れ合いの関係をだらだらと引きずっていた。
繰り返していた。


もう今はどうにもならない。
後悔はしていない。ただ歩む道が違っただけ。

けれどスクアーロが辛いのは、嫌で。

本当に、どうしてこうなった?



「こんなことは…馬鹿らしいと思うけどなぁ」 
「ん?」
「ガキの、何もしらねぇ間に、お前の言うとおり。」
どっかいっちまえば、よかったのかもなぁ。


二人手を繋いで
スクアーロは拒否せず
なんとも珍しいことだ。こんなに穏やかなときは
嘘みたいな


こうしていられるなら何もいらない
君さえいれば
もう何も欲しくない

だけど一番手に入らないのは君なんだ。



「また会おうぜ。」
「馬鹿かぁ?次なんて」

あるわけねぇ。
そう君は言った。

確かにそうなのだろう。
今だって話せたこと自体が奇跡に等しい。





思い出すたびに
あぁ君なら今こうしただろうとか
考えるよ

最後まで欲張りで
君にいろんなもの背負わせるけど
一度くらいは泣かせて
泣き虫だったあのころよりはずいぶんと、預けるモノは少ないはずだから

進んだ道に迷いは、ない。

ただ悲しみが深く耳について離れないけど


また笑って会えると信じて俺は

君が、はじめて会ったとき口ずさんでいたうたを唄う。


満点の星空がみえた。












----
死ネタだか悲恋だか!な文章。お好きな方でとってください。
シャカラビッツの「星空の下で」が題材です。大好きな歌。
どこがにてるんだ?な二人ですが似てる部分についてはまた文章をアプします。

過去と現在がすごく混在してる文なので、わかりにくい、かもしれません;
行を多く開けてるところではなんらかの変化があると思って下さい。
心境とか、時間の流れとか…。


『星空は綺麗すぎて悲しい。君みたいで悲しい。傍にあるように見えて本当はとても遠いんだ。』

執筆 06/11/01 UP 06/11/04