「あ、わかった。」

二人でいたときに突如頭に浮かんで、ばっと口にした。


「急になんだぁ?」



「俺とスクアーロの似てるところ。…実はもろいとこ、だと思うぜ。」

「う゛お゛ぉい、実はじゃなくててめぇは元からへなちょこだろうがぁ。
それに俺はもろくなんてねぇぞぉ!」

不満そうだなぁ…まぁ、そりゃそうか。


「ハハッ結構弱いじゃん。精神的に。」
「それはてめぇだけだ!」

酷い言い草。

うそばっか。
やさしくてもろいくせに。
一見貪欲なくせして、実はそんな単純な思いじゃなくて。



強くなるため
犠牲にした
たくさんのものを
想って
背負って
涙を流す
心の中で
血の如き雨を



そしてそれを洗うようにまた殺しまた背負う繰り返し。
消えはしない。亡骸と傷跡。
その弱さを消したくてまた強くなろうとする。
馬鹿みたいに真っ直ぐな、渇望。



今考えると、情けない弱さの自分と
この優しい弱さを持つ彼を似てると称したのは、
あまりにおこがましいことだったなと思うけれど。
最後の最後まで彼奴は、弱さと戦い続けて、
結局最後まで消し去ることができずに、優しいままだった。


残酷なまでに雨が打つ。












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「cielo stellato」とリンクしたお話。
学生時代でも現在でもとれる感じ。 似てるのはこういうところかな、と。
お互いがお互いをすっごく理解して、
意地はってても本当はすごく認めてると良い。


『悲壮の白を塗り潰せ。』

執筆 06/10/25 UP 06/11/17