笑顔なんてどうでもいいと思ってたんだ。
誰かの、そんな顔なんて
みていて吐き気がするほどに
嫌い
嫌い


呑気に幸せとか思ってる奴等が欝陶しかったんだ。
壊そうと思った。
皆所詮、独りきりだと知らせてやりたくて。



なのにね。

「ねぇ、笑ってよ。」
お願いだから。





「んな、急に言われても…」
「貴方は…いつもヘラヘラしてるくせに…」

無理なことを言ってるのなんて知ってる。
ただ
「貴方の笑顔がみたい。貴方以外の笑顔なんていらない。」 
それだけ。


「バカ…お前なぁ。傍にいる誰かが笑ってくれるから、自分も笑えるんだぜ?」
「なら、僕も笑う。
…それなら貴方以外誰も笑わなくても平気でしょう?」

この世界がなくなってしまうことを考えたら
僕が笑うことも、貴方を笑わせることも、きっと容易。



「笑うって…そういうことじゃねーよ。」
そう言った顔をみたら、にっこりと、笑顔だった。

「本当に幸せーって時までとっとけって。もったいねーからさ。」
「ならなんで貴方は、そんなに笑うの?」


「…それは…
恭弥と一緒が、嬉しいから。」


笑ったままのくせに赤くなっている彼は、なんだか幼く見えた。

そしてのちに繋げられた、絡んだ指が、手のひらの温度…人のぬくもりが
少し、怖くて。


ゆっくりと目を閉じる。
貴方にだけみせる、とくべつ。



笑顔なんてどうでもいいと思ってたんだ。

けれど今は少し違ってて
貴方の笑顔は好き。

貴方が好きだから。


いつか
僕も貴方も一緒に笑って
素直になれたら、いいのに。


ひとつに、なりたい。









----
『そのまま溶け合ってしまえば、僕と貴方は』


ヒバディノのつもりですがディノヒバぽくもある、ヒバディヒバ。
甘め。弱い雲雀も良いかと。


ディーノさんと一緒にいて、本当の笑顔知ったとかだと私的にはすごく萌えます(笑)

お気付きな方もいらっしゃるかもしれませんが、
(そしてなんか違うよこれと思ったかもですが)
この話はSHAKA LABBITSのMONSTER TREEを題材にしてます。
頭の中にずっと流れてました。作ってる間(笑)

サビとサビの前のメロディの歌詞が特に素敵です。
機会があったら是非。ノリ良いですよ〜!


そしてやはり私がかく雲雀子供っぽいなぁ…
余裕のなさを…受け入れてもらえれば幸いです。
つくづく、雲雀がディーノさん大好きだなぁ…このサイトの文章(笑)


執筆 06/10/24 UP 06/10/28