ぬるい裏。初っぱなからやってます。OKな人はどうぞ
. 貴方の手を掴むのは僕だけで良い 「や、め…恭…!…っ…」 「声、出しなよ。耐えてるの辛いでしょう?」 「別に、…らく、なんかっ…ぁッ…」 見え透いた嘘をつく彼は、声を出すまいと手を口元に持っていこうとして 僕はその手を掴まえ、指を絡めた。 彼のあたたかな温度が伝わってきて、良い感じ。 互いの熱が、溶けて混ざり合って、どちらのものだかわからなくなる。 キスをすれば、経験はきっと積んでいるくせに苦しそうな顔をして 上気した頬と潤んだ瞳は僕の心を駆り立てる。 「んっ…恭弥ぁ…」 静寂に響くのは甘い声。 普段とほど遠く、僕の前だけの、貴方の姿。 この声を聞くたび、これは僕の行為のせいで発せられるということを実感して、 なんとも言えない恍惚を感じさせる。 貴方を僕だけの物にしたい。でもそれができない。 そんな僕にとって、この時間はとても至福であり感情は高揚の一途を辿る。 どう足掻いても彼が沢山の人に必要とされていることは否めず、 僕は多くに嫉妬しているのだけれど。 彼は気付いているのか。 きっと気付いていても、その多くの手を彼は拒めないのだろう。 物わかりは、良くない。 わかってても認めたくないし、認められない。 だからいつもいつも、所有物だと刻みつけるように愛撫をしてキスをして時折噛みついて 痕をつけるなという言葉を聞いた試しは一度もなくて 愛してるだとか好きだとか、馬鹿みたいに呟いて 恥ずかしがる貴方をじっと見つめて、優越感に浸ったり だってこんなのは僕以外誰も知らない。 それだけは確実だから。 今までのことなんて知らない。 ただ今は僕だけしか見ていないんだから。 「はぁッ…や…っ…!」 「イイの間違いでしょ。貴方は、いつもそう…。」 僕に犯されるのが屈辱的だというように、嫌だ嫌だと紡いで身をよじる。 始めは本当に嫌だったのかも知れないが (僕はそんなの関係なく欲するし行動する。前述のように物わかりは良くないんだ。) 今はそうではないことは、表情や反応や言動でわかる。 第一本当に嫌ならば、本気で僕を殺そうと刃向かえば済むこと。 彼にはそれができる。 それをしないと言うことは。 少なからず心を許していると言うことで こうやって組み敷かれるのも 隙があるから、と言ってしまえばそれでお終い。 何も僕が悪いわけじゃない。 「恭、弥…恭弥っ……い、っ…」 指を絡めたままの手に、ぎゅっと力が籠もるのは、苦しいからだろう。 答えるように握りかえして、「力、抜いて」とそういって、 「無、理…」なんて、余裕の欠片もないような声で呟かれて あぁ、本当に、貴方は…。 そろそろ限界が近い様子が垣間見えたので、僕はそこまで深くないキスを落とす。 そう遠くない時間で、この場は白に染まるだろう。 ---- 直前止まりて案外ない(と私は思う)ので、本当直前で止めてみたり。 雲雀はとても子供っぽいと思います。それで悔しい。 してる時は自分が優位だからすごく気分がいい、みたいな感じ ディーノさんはディーノさんで年下にしてやられてるので悔しくて でも、それほどそれは嫌ではなくて お互いなんだかバレバレな、いじっぱりという気がします。 すれ違ってはいないけれど、素直になれず。 …結局はお互い愛し合っちゃってるんです←話とんだ! 執筆 06/10/22 UP 06/10/23