「すき」

「好きだよ。ねぇ、スクアーロ」

「あいしてる、」


何度も何度も、俺に向かって何度も、ヒバリは呟いた。

恥ずかしくて、フイ、と顔を背ける俺の、手を握って
下から顔を覗き込んで、こっちをみて、と言って
頬を両手で包み込んで、すきだよ、と近づいて、
触れ合う、唇の感触は柔らかい。軽く短い、キス。


「なぁ…何度言うつもりだぁ?」

流石にくすぐったくて、聞いた。多分俺の顔は紅潮しているだろう。
嫌かと言われれば、そんなわけもなく嬉しいのだけれど。

ヒバリは、妖美に笑んで「何度でも」とそう言った。


「貴方がきちんとわかるまで、ね。」
「も、充分…だぞぉ?」

「ううん、貴方はまだ全然わかってない。」


ねぇこんなにも好きなんだよ僕は
胸がくるしいのは貴方のせいだし
いつも気がつけば貴方を捜してる

幸せも何もかも司るのは貴方で、貴方で
僕を悲しませるのも何もかも、貴方なの



「…じゃぁなぁ、こっちだって言わせて貰うけどなぁ」
お前だって、わかってねぇぞぉ。

「何を、」

「俺は、絶対お前が思う以上に」

お前を見てるし、お前が、好きだぜぇ。


俺がそう言ったならヒバリは、予想外、だったようで
目を見開いて、そしてまた笑んだ。嗚呼自分はこの奇麗な笑みに惹かれている。


なぁ、好きだぜぇ?
俺だってなぁ
こんなにこんなに、ほらお前の中では収まりきれずに
ぽつりぽつり地へ降り落ちていく。
愛されるだけじゃ足りない。
俺だって、お前を


「ヒバリ、」

だから
受け止めてくれよぉ、と願いながら

今度は俺から、同じ場所へ触れた。














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ヒバスク好きです、といって下さる方がいて、調子に乗ってかいてみました。

愛されるよりも愛したい、そんなイメージです。
どちらも想い始めたら一途に愛して、相手に愛されることはあまり求めない気がします。

スクアーロは率直な愛情表現とか、愛されることに慣れて無くて
嬉しいんだけど、どう反応すれば良いのかわからないし
自分だっておんなじように好きだ、って伝えたいし、で複雑という…(笑

なんだ結局思いあってて甘いんじゃないか、みたいなヒバスクヒバでした。


『黙って抱き締められててよ。嫌だ、俺だって抱き締めてぇ。』

執筆 07/08/05 UP 07/08/06