あぁ、今日は君とゆっくり会える。
仕事を終わらして
昼休みに、呼び出して
そろそろくるかな
僕らしくもないけど
わくわく、してる




「あの、何か用事、ですか…?」

ノックをして入ってきた綱吉はいつも通り、相変わらずびくびくしていて、
何がそんなに怖いの?なんて自分の行動のせいだけれど。
口ではともかく君のことは、どうにかしようなんて思ってないのに…。
どうにも僕は怖がらせるしかできないみたい。

やさしく、してるつもりでも、伝わらないのかな。

もっともっと、色んな言葉。言ったら、いいのかな。

君は

「僕と一緒にいるの、嫌?」
扉の前に立っている綱吉。一瞬目を見開いて、ぶんぶん頭をふるのは
本当に、そうなの?嫌じゃないの?


綱吉に一歩一歩近づいたら、固く閉じられる瞳に
僕は暴力なんて、する気はないのにと、思って
ただ小さく震える綱吉の額に唇で触れた。

冷たい、感覚。
と、上気した頬は
この寒い中を走ってきた証だね。


僕はきみがすごく好きなんだよ。


精一杯色々な想いを込めて触れた。
わかるかな、気付いて。今まで言ってきたことも僕の気持ちも、嘘じゃない。気まぐれじゃない。



わかってくれてるの? わかって、ここにいるの?
ただ怖いからくるの? 怖いのにくるの?


綱吉、僕は。

「ヒバリ、さん…。」
思わずぎゅっと抱きしめた僕に、戸惑う、君は
それでももう震えなくて、静かにやんわりと抱きしめかえしてきた。
どうとったらいいのかな。この行動の意味。

「あの、嫌じゃ、ないですから…!」
確かに怖いときもあるけど、とつけたして。
素直なこの子は一生懸命。あぁなんて小さいのか。弱々しい、腕の力。


「一緒に、いたいですから…」
つぶやきもか細くて




ねぇ、君はなんでマフィアなんかに関係して
弱いのに、とても

でも、ね

そんなきみが、ぼくは好き。

なんでもいいから
近くにいなよ

こわくても

逃げない君が、好き。


無理矢理に
捕まえるしかできないけど…。

笑ってほしいんだ。
ほんとうは…




もう、春が近づいているのか。
窓から差し込む日だまりが暖かく感じられる。
用事はなくて
ただ一緒にいたいだけなのだと
告げたぼく
きみはわらう。

それは陽射しよりもあたたかくて
小春日和が僕を包んだ。












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一万を踏んで下さったお友達の椎名さんのリクエストです。
CPは比較的自由で(笑)ほのぼのということでした。
なので多分今好き(なはず)のツナ受けで…!
ブームさってたりしたらどうしましょう;

甘いようなほのぼのなような。中学生ということを少し意識してみました。
なので雲雀さんが子供っぽいです。
なんだか雲雀さんは子供過ぎるほどに子供で
素直すぎるほどに素直な子、な感じがしたりして。
子供らしい残酷さとか、拗ねたりとか我が侭とか。
ディーノさん相手だと背伸びしようとする気がしますが、
ツナ相手ならそうでもないかなぁと。

リクエストして下さった椎名さんのみ、作者記名で転載可です。


『知らなかった暖かな気持ちに僕は溺れたくなる。』

執筆 07/01/26 UP 07/01/27