ぬるい裏。強姦気味。痛め。でも最後はハッピー?OKならばどうぞ
. 本能的に率直に汚れない君の心と 静寂の中に響くは、悲痛の声だ。 鳴咽と、繰り返す問いだ。 けれど罵倒はなく、殴られもしなくて、 こちらがそれをなぜなのかと聞いてしまうが、わずかに微笑むのみだった。 「ぅ、あっ…」 「犬…」 ギュッと握りしめた手には血が滲んでいた。握りすぎて 「柿ピ、辛そ…な顔、してる、びょん…」 それはそっちのことだろう。 痛そうに顔を歪ませて何をいうのかと、「そんなことないよ」と返す。 …なのに心が痛むのはなぜか。 いや、痛いのではないのかもしれないが、 もやもやとした影がさす。どうしようもない。 「柿ピー…」 「な、んで」 なんで怒らないのかと、なんで自分ではなく こちらを気にするのか、理解できないことが多すぎる。 自分は酷いことをしている。犬は決して嬉しくないだろうことだ。 わかってやっているから尚更質が悪い。 でも止まらなかった。 愛しくて愛しくて愛おしすぎる君を、 支配したいといっても過言ではないだろうこの行為への衝動が。 「らって」 苦しげな中に笑みを浮かべながら犬は一言だけ。 「好きだから。」 多分随分と久しぶりに俺は目を見開いた。 「俺の世界は、骸さんと千種だけだびょん。」 だから何されてもいーの。二人になら。なんて。 これは骸様と自分を同一視… 否、骸様のほうが上なのだろうが―そういった類いの言葉で。 ただただまっすぐな、友愛も恋愛も親愛もなく、 純粋に混じり気のない『好き』という犬の想いを物語るものだ。 ずっと、ずっと三人だったから それは俺にもわかる心。 ただ犬のほうが本能的に感じ素直に口にできるという。 「なぁ、千種は俺が嫌いらから、こんなことすんの?」 「違っ…それは、逆…」 犬の意志を無視しておいて何を、とも言えるがこれは本当だ。 「ならいーびょん。だからそんな辛そーな顔ですんなって。へーき。」 にっこりにっこり 他人にはあまり見せない、警戒しない姿に、罪悪感が強まった。 胸が苦しい。 「俺馬鹿らし、あんま千種の気持ちわかんねーけど。」 「…ごめんね…」 「らから、いいって。」 「ごめん…犬。ごめんね…」 そして 言う資格も、ないかもしれないけど 好きだよ。 溢れるのは君への。 ---- 柿犬明るいほのぼのかきたいなぁと軽く思っていたのに何故か暗くなるという。 今度は骸さんとも絡んで明るく取り合いしたい。 でも実は骸犬←柿な切ないのもう一つネタはあったりして…。 思いつくのに忠実に書いていこうと思います…(笑 執筆 06/11/05 UP 06/11/12