”初恋は実らない”

そんな話を聞いた。


俺はそんなの信じないって思ってた。実らせてみせるって思った。


俺の初恋はヒナタ。

でも運命は、そう簡単にいかないもので
…ヒナタは他の奴が好き。


”初恋は実らない”


その言葉通りに、結局はなっている。







「キバくん、あの…がんばろう…ね?」
ヒナタがそう言った。

なんでかというと、俺が「またDランク」とか「草抜き怠い」とか漏らしていたからだ。


俺はヒナタから話し掛けてくれたことに、ささやかな喜びを感じていて
本当に…好きなんだな…と、そう思った。


・・・なに考えてんだろ、俺…。



「そーだな!よーし赤丸!だりぃけどがんばろーぜ!」

そういったら、ヒナタはなんだか笑っていた。





「あちぃ…」
「あつい…ね…」
「・・・・」

暫くたち、草抜きはかなり進んでる…
でも暑くて、もう少しがかなり長く感じた。


ヒナタも暑いねといっていた。
シノは黙ったまま…平気なのか?


先生は…涼んでやがる…クソババァ…



心の中で呟いたことがわかったのかは知らないが、キッと睨まれた気がする。
俺はちょっとビビリつつ、なにも言わずに草抜き再開。

こえぇ…




「そろそろ…おわりか?」
「うん、あとすこし…だよ」

「よっしゃ!一気に行くぜ〜」


気合を入れて、あと少しをがんばる。
早く終わってかえりてぇ。







「ひゃっほう!終わったー!かえれるぜー!」
「ワンワン!」

任務が終わって俺は叫んだ。


「ふぅ…お疲れ様」
「そうだな」

ヒナタとシノも話していた。



「よし!皆よくやった!」

「先生…」

「よくやった!じゃねーよ!1人だけ涼んどいて!」

「・・・キバ、何か文句あるの?」

「いえ、ないです…」


迫力に押されて反論できない。

やっぱり怖い。すごいな、先生。



「んじゃ、かえろーぜ!」

「そ、そうだね…」
「ああ…」


「気をつけてかえんなー!」

「わぁってるって!」



そして、シノとヒナタと三人で帰って、途中でシノが別れて
ヒナタと二人きりになった。





一緒に帰ってること。やっぱりうれしい

言いたい。いうなら今しかない。

叶わないってことはもうわかってる。
でも伝えたい。

どうせなら、ハッキリ断わられて、キッパリ諦めたほうが気持ちいいから。



隣りを見たら、すこし、赤くなってるヒナタ。

かわいいな…なんて思ってしまって
ドキドキしてる、俺。

顔は赤いんだろうなって思う。



「なぁヒナタ…」
「ど、どうしたの?キバくん」

「俺…ヒナタに言いたいことがあるんだ。」

「な、なに…?」



「こんなこといったら困っちまうかもしれねーけど…俺、ヒナタのこと…好きだ。」

「え…?」


驚いたような顔をしてヒナタは止まってる。



「と、友達として…とかじゃなくてさ…ドキドキしたりするって言うか!
ヒナタに、好きな奴いることは知ってるけど…言っておきたくて…やっぱ迷惑だったか…?」

言わないほうが良かったのかも。と言った後に思った。

もう過ぎたことだから仕方ない、けど。


「ううん、迷惑なんかじゃ…ないよ。」
「え…?」

今度は俺が驚く番だった。



「私も…キバくんのこと…好き。です」

「・・・・・」


ヒナタの言ったことに俺は止まって
目の前には顔の赤いヒナタがいて



「っ〜〜!よっしゃぁ!」

気が付けば叫んでた。
嬉しくて嘘みたいで。



「俺…マジで嬉しい…」

「わ、私も…嬉しい…よ。」





―。

”初恋は実らない”

そんな話を聞いた。


俺はそんなの信じないって思ってた。実らせてみせるって思った。


俺の初恋はヒナタ。


でも運命は、そう簡単にいかないもので

ヒナタは他の奴が好き。



”初恋は実らない”

その言葉通りに、結局はなっている。



…そう、思ってたけど

本当は

失恋、 してなかったみたいだ。













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TITLE byキバヒナ50のお題 配布元

調子に乗って書いてしまったお題第二弾です。
初々しくを目指しているキバヒナですが、出てるだろうか…。