声高に 喉が張り裂けんと嬌声は酷く耳障りなノイズとなり鼓膜に反響
ああ鮫よ。お前の牙はどこへいった?
衰退化する為に、鋭い牙を丸める為に生まれたわけではないだろう
どんなに乞うても永遠に手に入ることの出来ない紅の花ならば
自分で手折って、永遠に自分の物にしてしまおう、なんて恐ろしい考えが頭を過ぎる。
けれども理性という名のダムは決壊ギリギリ。
眼窩に隠された理性の欠片
どうかばれません様に、永遠を、求めないように―――――――――――――




緩やかに、窓へと向けられていた視線は俺へと移される
紅い双眸に見つめられれば全てを見られているような感覚をどう表現すればいいか
体の内側から、何もかもを見透かされているような感じ。(それは心の思いもまた然り)


「おい、」
「・・・・・なんだぁ・・。」
生返事をすれば怪訝そうな顔
あぁまた殴られるのか。
イカレタ頭は痛覚神経さえも麻痺させ痛みは感じない
そうイカレてはいるが妙に冷静な脳は近づく紅を捉え覚悟を決める
数秒後、顔面は冷やりとした無機質な机へとダイヴし刹那の冷たさとその直後の熱さへと変わるはず、だった
だが驚きべき事に冷たさとは正反対の、まるでその瞳の紅のように熱く、熱情的なキスが
舌を絡ませ快楽という名の深海へと
酸素を求めればまるで干からびた水槽を泳いでる鮫のようだ、と自分
熱情を惜しい、と思うけれど理性。押し倒しそうになるのを堪え口唇を離す

「っ・・・!いきなり何しやがる・・!」
「・・・・・・。」

絶対零度の瞳で見つめ返されれば凍死。
一瞬で固まれば再び求められる唇。今度こそ限界、

だんっ!
「っ・・!」

壁に体を思い切りぶつけさせる。
痛そうな声が聞こえるけれども走り出した熱情はとまらない。
無理やり愛撫もせずに入れれば嬌声と血が流れ、艶やかに、落つる。

「ん、っくあぁぁ!!」
「っ・・!XANXUS・・・!」

ぼたり、落ちる落ちる。
白濁と赤が混じり奇妙で、不気味な色だ。
紅潮した頬。潤んだ目。いつも俺以外のやつにそんな顔をしているのか?
そう思えば沸々と、煮えたぎる嫉妬の炎

肩で息をするXANXSUの胸倉を掴んで狂気の色が溢れ出す


「っ・・・!何・・だ・・・・。」
「なぁXANXUS。これ以上他の奴にお前を抱かせねぇぞぉ。」
「・・・?何、言って・・・!!」

凶暴な鮫の歯で首筋の肉を、食いちぎる
ぶち、り。嫌な音が耳に木霊する
噛むたびにジワリと溢れ出る甘い果実の鉄のような臭いに酔いしれれば狂人
ごくり。飲み込めばず、るりと食道を通りカニバリズム。


愚かな鮫の酷く醜く美しい結論。

いっそ手に入れられないのならば己で喰ってしまおうと、

永遠を、謳えば馬鹿馬鹿しい嘲笑が。


「っ・・!何しやがるっ・・・!!!」
「・・・お前が、悪い・・んだぁ・・・。」
「・・・・・!」

頬を伝う暖かい何か。
あぁ気づきたくない、それ。

「スクアー、ロ・・・・。」
「俺のことを・・・見てくれよぉ・・・・!」



暖かい何かに包み込まれる。
それが何かも気づきたくなかったけれど、耳元で囁く声はあぁまさし、く


「悪かった、愛してる・・スクアーロ・・・。
ただ、お前に伝えられなかったんだ・・・・・。」




今更、なんて言葉は喉の奥へと戻ってしまった
熱情的なキスは思考回路をも溶かしてしまったからだ

「・・・・今からでも遅くは・・ない、か?」
「っ!・・あぁ・・。」
傷口を舐めれば少し痛そうに顔を歪めるXANXUS。
申し訳ない顔をすればそれに気づいたのかXANXUSは俺の頭に手を乗せる。
そんなことをさせてしまった自分に自己嫌悪の嵐
それでも、こんな俺でも許してくれるというあいつはなんて優しい俺の、マリア




「愛してるXANXUS」




それは白熱としたスカーレット












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花鳥風月さんのサイト、
激情カタルシスの1000HITフリー小説です。
独特な文体が素敵です…!そしてどんどん上達してる感じでして、
私もあやかりたい…!なんでこんなに上手にかけるんですか…!

フリーだったので持ち帰ってきました…v花さん素敵な文章をありがとう…!
何か問題がありましたらご報告頂けると助かります。