「あ」

自販機の前を通り過ぎた時に貴方が立ち止まった。
「どうかした?」
そう言っている僕の目の前にはいちご牛乳。
「…giaponeの自販機って凄いのな。お釣り出てくるっ!!」
「そんなのここでは普通だよ?」
そんな貴方の目はキラキラしている。



「で、なんでいちご牛乳なの?」
目の前に差し出されたいちご牛乳。
正直僕はそんなに甘いものは好きじゃない…。
何故貴方がいちご牛乳を選んだのか。


「あぁ、昔をちっと思い出して…かな?」
「ふぅん」
いつまでも昔を引きずる貴方も好きじゃない。




次の瞬間に貴方の目はベンチを捉えていた。
「なぁ、少し休憩、な?」
そのベンチを指差して貴方は僕を引っ張っていく。


ベンチに腰を降ろして貴方は幸せそうにそれを飲む。
「ん。やっぱし甘ぇな」
苦笑しつつも甘ったるい匂いを漂わせて貴方はそれを飲む。
「だったら飲まなければいいのに」
「いいんだよ。そんな気分だったから」
本当に貴方は訳のわからない人だ。
ふと貴方の見せた微笑の唇はいちご牛乳の甘ったるい匂い放ちながら
いちご牛乳に濡れていた。


その甘い液体を拭うような口付けは



鼻に付く甘ったるいいちごの匂いと。
甘ったるいいちご牛乳の味と。
心地よい貴方の微かな香水の香りと。
唇に触れた柔らかい感触と。
そして目の前の貴方と。
とても甘かったけれど
決して悪いものではなかった。


そんな甘さなら。
少しは好きになれるかもしれない。



貴方の一部分として。


これだけの貴方への思いと同じだけ。



















----
chakoさんに頂きました、ヒバディノです。素敵に甘い!
キリを踏んで、リクエストさせて頂きました。ま、まさか
い ち ご 牛 乳 ネ タ が 来 る と は。

ちょ、ほんっとうありがとうございます。めちゃくちゃ萌えました…!
スクアロ匂わせてくれてありがとうございます!
キリ番踏めて本当によかったです(笑)

chakoさんのサイト、romance is delusionへはこちらから