「雲があるから雨が降るんでしょう?」 「いや、雨になる前の水があるから雲ができるんだろぉ?」 じゃぁ補いあいだね、といえばそうなのかもなぁ、と笑顔だった。 きれいな、笑顔。はきっと僕だけがみれる、の。 めぐるめぐる、雨は 恵みの水は 僕がいるからあなたが、 あなたがいるから僕が、 どちらがいなくてもダメ、で。 (大空があって自分がいるなんて言わせない。) (だっていくら広大でも貴方に触れられない、もの。) 「僕がいるからあなたがいるんだよ。」 「う゛ぉ゛ぃ…いきなりなんだぁ?」 「でも、あなたがいるからぼくがいる。」 (離れないでね。) (ずっとずっと。) 捕まえていて。 捕まえるから。 触れていてよ抱きしめていて。 忘れないで離れたら 「ばらばらじゃ」 「生きられない、よ。」 お互いね、と紡ぐのは縛りつけるための、言葉。 芯の優しいこのひとはきっと逃げられなくなるから。 あいしてて。 鎖で繋ぎ止めて飾ってぐるぐると、縛ってあなたをずっと見ていたいそんな欲求。 (あなたの一番近くは) (貴方を支配するのは) (僕、だけ、…。) 水はめぐりめぐって 周りに左右されても 汚すのは 僕、 だよ。 だからあなたも僕を汚して淀んだ雲にして。 ---- ヒバスクヒバ2作目。同じ日にばばっと製作。 『何度だって、触れてよ。貴方の成分に僕を含んで下さい。』 執筆 07/02/01 UP 07/02/08