ザンザス死ネタ。ツナスク気味、痛め、なんてものです…宜しければどうぞ
. 「俺を殺せ」 静かにそれだけいうのだ、銀の彼は。 そう言われ苦しい想いをする我も知らずに。 痛々しい包帯がまだ残る体は 小刻みに震えているけれど恐怖でじゃない。 そんな風に俺の手を求めないで 俺に君を燃やすことが出来るはずがない。 だって君の姿も振り払えないのに。 いつも脳裏に浮かぶ君でさえ燃やせやしないのに。 「で、きないよ…」 大切なもの 全て捨てられない。弱い自分は君のようにただ一人を選べない。 殺さないのが、君にとって究極の苦痛というのなら 僕にとってのそれは、君を手に掛けることなのに 「なぁ、殺せよぉ…せめてお前の手で」 逝かせて 君は哀しそうに笑うんだね。 いっそ泣いて、鳴いてしまってよ。 そうしたら抱き締めもできるのに、前君がしてくれたみたいに。 そんな顔しないで。 残酷だよ、ねぇ 君を求める人の悲しみまでも背負わせるの。 「なぁ、綱吉…」 愛してるから忘れないで 「わかっていたのに、何度だって精一杯運命に抗った、愚かな愚かな罪人がいたことを、 ――お前だけでいいから覚えててくれよぉ」 その瞳が俺をしっかりと捕らえていたことが、悲しかった。 せめて彼があの人しか見ていなければ、俺は救われたのに。 彼は俺を見据えて離さなかった。 そんな風に目に映さないで。 そして銀は記憶に深く刻まれてきっと一生、消えないのだ。 彼があの人しかみていなくてこちらをこれっぽっちも愛していなければ、 この残酷な願いに耳を傾けなくて済んだのに。 愛しているから忘れられない。 ---- スクアーロはもっとも信頼する、敬愛する、守るべき人に 最期を預けるんではないかな、という妄想より。 酷いことをいっている自覚はあるけれど、ツナが無下にしないことも知っているのです。 『跡形もなくお前の中から俺を消してなんて言えない』 (そして俺はまた罪を侵しお前を縛るんだ) 執筆 07/07/21 UP 07/07/30