あの人と別れてからの寂しさを、癒してくれる彼の存在
討条さん。討条さん。

少し前までそう呼んで、ずっと傍に居たのに。
今ではもう、そんなこと、できなくて。





一人で居ると、まだ寂しさが襲うのがわかる。
よくわからないけれど、悲しい気持ち。
何なんだろう。
俺はあの人を本当に。

けれど今は
もう…。

引きずっていない、つもりなんだけれど。

選んだのは俺だ。
あの人から離れることを決めたのは俺だ。

あまりにも自分勝手な己に嫌気がさす。

けれどこの心は言うことをきかず締め付けてくる。


どうしたものか。






「刺々森くん!」


ぱあっと笑顔になって、俺を呼ぶ斬。
ぼうっとしていたところに走ってきた。

「ねぇ、一緒にお昼食べない?」

ほら。と弁当をちゃっかり取りだして、返事もまたずに、隣に座った。

「斬が言ってんだからもちろん文句はねぇよなぁ!」

貫木も、追うようについて、斬のとなりへ。



「は、はぁ…?」

なんなんだ。と、俺はいまいち状況を飲み込めずに、
曖昧な返事で返す。


「皆で食べた方が、美味しいじゃない。」

ね?と見つめられたら、なんだか恥ずかしくて、ふいと顔を逸らしてしまった。
それが不服らしい貫木は、てめぇ…と呟いてから、俺の傍にきて
”斬はお前が最近暗ぇから心配してたんだ”
なんて、ぼそぼそと、言う。
てめぇちゃんと礼言いやがれコラァ!というわけらしい。

あたたかい、気持ち。

なんだか久しぶりに感じる、ほのぼのとした思い。



「…あ、りがと、斬」


寂しさは、今感じない。
そして斬といるうちに、段々と一人も平気になってきた気がする。


俯いて呟いた言葉に、斬は何も言わないで、微笑んだだけ、だったけれど
それで十分すぎるほど、嬉しかった。
気持ちが、伝わってきた。



ほんわかとして、和む想い。

こんなのは本当に

初めてかも知れない。

改めて考えれば

最近想うのは斬のこと。




美味しそうに弁当を食べる、斬を見て

そうか、自分は好きなんだなぁと、思ったけれど。





「斬、ご飯粒ついてんぞ!」

「え!?あ、ホントだ!」

「ハハッおもしれぇー」

「笑わないでよ〜!」



二人の、普通と少し違う雰囲気とか。
貫木の思いを、知っているから。



もう少し、自分の思いは胸に秘めて

このまま一緒にいたいなと、そう思った。










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なんなんだろうこれ…!討条さんと別れて斬好きに、的な。
でも貫斬。なんかすごいことになってるぞ…!

突如思いつき。WJ読んで、あの三人なかよければいいなぁ。とか。
討刺好きなんですが、三人絡みもいいなぁ、と最近思います。

執筆 06/11/01 UP 06/11/02