二人で、俺にとっては歩き慣れた道を歩く。
日が傾きかけていて、オレンジが辺りを包み込んでいた。


「ディーノさん」

俺。

話し掛けたなら、ん?と暖かな微笑みで、前を歩いていた彼は振り返って。
振り返った途端に
ふらり、バランスを崩した体は
ぱっと手を差しのべた自分によって倒れることはなく
わりぃな、と言う彼はやはり笑顔で
俺は言いたくなって

けれど


(言える、わけない。)

(貴方を、俺は)

好きです。


そんなの。



「…で、なんだ?言いかけてたこと…。」
途切れさせてしまったことをすまなさそうに、聞く。
やさしい彼に惹かれてる。

「…俺。」

ディーノさんかっこいいなって。
憧れてるんっすよ。

なんて。
嘘ではない。けど
本当でもないんだ。


「ありがとな。」

照れたようにはにかんだように彼は笑う。
いろんな笑みを彼は見せる。


太陽のように
照らす金色は
きらきら、きらきらと
俺の心に
差しこ、んで。



どうしたら言えますか?
受け入れてくれますか?
幼いと笑いますか?

いつか俺のためだけに笑ってください。
笑顔を俺に向けてください。


ほかの誰かへ笑うのをやめてなんて言わないけどせめて


今日この笑みだけは俺だけのものに。















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山ディノ。アニメに触発されました…!

『一緒にいる、この時間だけでも、幸せ、なのだけれどでも。』

執筆 07/02/04 UP 07/02/16