生存を知ったときどれだけ嬉しかったことだろう。 泣きそうになったなんてそんな情けない自分を、 彼はいつものあの笑みで答えるだろうか? (生きてた。) 改めて噛み締める歓喜。 "彼"のために生きて、戻ってきたというのは わかって、いるけれど。 (それでも、いい。) もう一度、視界に脳裏に焼き付けろ己。 見失いはしない。きっといつか (俺の方が) 大切だと謂わせて見せよう。 (俺を、貴方は映して。) その瞳には、自らだけを。 「スクアーロ。」 名を謡えば振り向くこの彼が愛しい。 「あぁ?なんだぁ?」 腑抜けた面してんじゃねぇ、なんて。 仕方のないことなのだと嗚呼思い知らせてやれるなら、 自身はどれだけ救われようか? 「でも俺、うれしーんだって。」 「はっ!だからテメェは甘いんだぞぉ。」 「かもなー。でも、いーじゃん?」 嘘偽りなく事実なのだから。この想い。 ハハッと笑えば、少し照れたように相手は目をそらして。 「真っ直ぐすぎんだよぉ…テメェは。」 呟きはすぐに空へ消えた。 後には、ただ銀糸の輝き。 真っ直ぐなのはこの銀の持ち主の方だろうと、 俺は静かに思っていた。 ---- スク復活祝いでぽつぽつうっていたもの。 『どうしてそこまで固執する?てめぇは明るい世界で生きろ。』 執筆 07/02/06 UP 07/03/14