永遠を誓うなんて、可笑しいだろぉ?
神に誓うことに、何の意味がある?
分かり切ったことをいちいち呟くのに、何の意味がある?
だから、俺たちは

行きすぎた言葉の契りは交わさない
交わすのは、言葉ではない契りだけ


それでも時折、甘い睦言をいうのは、やっぱり欲しいからだ。
確認なんかじゃない。
彼奴は滅多に愛してるなんて言わない。
俺が言う、だけ。

きっと彼奴にもいって欲しいのだろう。
何故かはわからない。
分かり切っていても欲しいのか。
馬鹿げてる、と思う。
確認なんか要らないのに。




「スクアーロ。」

短く俺を呼ぶ声は、それ以上何も紡ぐことはなく。
ただ名だけを口にして、俺に側に来るように促す。

テーブルを挟み向かいに座る此奴はいかにもボスといった格好で
ある意味スペルビの名は此奴のほうが似合うのではないか、なんて思った。
まぁそこまで傲慢でも横柄でもない、のかも知れないけれど。

案外ボスは部下のことを考えている。容赦ないのは違いないが。
他がどうかは知らないが、俺はそのことを知っている。
俺には少々態度がきつい気もしないではないけれど。
それでもついて行くと決めたし、俺は此奴が…好きだし。


「隣まで、こい。」

向側にいたら、そういわれ、傍らまで近づく。
すると立っている俺を、下からじっとみるボスの目線があって
鋭い眼差しに目を逸らしそうになる。

怖いような恥ずかしいような、そんな。
ずっと黙っているから、余計。


「ちょ、何だよボ…「好きだ。」

は?


突如、本当に唐突に呟かれ、一瞬何事かわからなかった。
一瞬後に理解して、急になんだよと頬に集まる熱を感じながら言えば

「るせぇ。言いたかったんだよ。」
なんて、何とも此奴らしい、答えが返ってきて。


「愛してる、スクアーロ。」

再度紡がれた愛の言葉。
似合わねぇなぁ、などと思うのに、自然高鳴る胸が矛盾していて、おかしかった。



「俺も。」
ザンザスを、愛してる。

それは、なんだか誓いのような。




あぁ、誓いなんて馬鹿らしいと
分かり切ったことの確認になんの意味があるのかと

そう、思っていたけれど

案外俺も女々しいらしく、たまには言葉で言われたいようで。
一言だけでこんなにも、幸せな気分。

そうなることを知っていて、俺が欲しいのを知っていて、此奴は言ったのだろうか?

やはり敵わない、とそう思った。
改めてこの男を愛しいと思った。



好きだ。


そう俺が呟いた後のキスは、どちらともなく。












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花さんからのリクエスト、ザンスク甘です。
二度キリリク踏んだので捧げ物…!もらってばっかはあれなので…!
遅くなってすいません;
いまいち甘くない感じだったので、ずっと渡すか悩んでました…。

また甘いのは、リベンジしたいと思います。風邪ネタとかで(笑)
ちなみに始め裏行こうかなと思っていたので、
任務後でシャワー浴びた後だとか、そんな一文がありました(ぇ

ちなみにタイトルは、響きが好きだったので、普通に英語で「誓う」


『口付けるたび鎖で繋がれる感覚。』

執筆 07/01/01 UP 07/01/20