「さぁ、めんどくさいけど送るから、戻ろうか?
まさか嫌だなんて言わないよね。この期に及んで…。」

「う゛お゛ぉい!俺はそんなに馬鹿じゃねぇぞぉ…!」

「ふぅん。僕にはそんな風には見えないけど。」

「此奴…!」

「いいから、帰るよ。」

ディーノに見つからないことはないだろうけど…。
遅くなると余計面倒でしょう?

有無を言わせない雲雀は、スクアーロが反論する間も与えずに
また手をとって、走り出す。
スクアーロにとってはまだ、慣れない土地。
自由自在にすり抜けていく雲雀。


手を引かれながらふと
あぁ、ディーノが世話を焼きたくなるのも、わかる、と。
人の多い時との態度の差に、スクアーロは思った。

そして微かに、微笑。
最近はなんだか無性に、色んな事を面白く思う。


人を殺すことも
人を騙すことも
人との関わりも
人への裏切りも

すべて、何ともなく、してきた。
今も殺せと言われれば殺すし、別にどうともないものの

ただ、それと同レベルだった世間的に”楽しい”事が
本当に、なんだか楽しく思える。


それはディーノのお陰か。影響された、らしい。
ボスになっても優しさを捨てない、ディーノ。
感情を殺すことのない、彼。
部下の前では流石に隠すが、思い切り悲しむし、怒る時は怒る。

人一倍部下思いの、ボス。


奴に雲雀も影響されているのかもなぁ。


もう一度笑って。
何笑ってるの、という不満げな少年に
なんでもねぇ、と嘘をつき。



スクアーロはただ、ついて行った。
















----
ディーノさんが出ていていませんが…!大切に思ってる二人です

執筆 07/01/28 UP 07/03/21