担任
有働はいつもクラスの中心的存在や。
身体がでかいだけで、なんとなく人が集まってくる。
おまけに体育会系らしく平等で誠実ながら、男世界独特の
どこかはずしたところがあるから、余計に信頼を得るみたいで
教室で彼が一人でいるところなんかみたことがない。
いつも数人にかこまれてはアホな話で爆笑してる。
オレには決してみせてくれへん表情や。
たまに有働と親友になりたかったと思うときがある。
恋愛関係はないけど、信用して何でも話せる一生の友達。
安い居酒屋で安い酒を飲みながら愚痴を言い合ったり。
有働やったら本当にいい親友になってくれるやろな。
でもオレは有働とキスやセックスがしたいから、親友にはなれへん。
１年Ｄ組 ブリーフ鈴木
一年Ｄ組は学校一幸せなクラスやと言われてる。
もちろん学校のアイドル、稲っちが担任やからや。
他のクラスの奴らをはじめ、先輩までもが
「いいなぁ羨ましいなぁ」
「授業だけやなくてホームルームでも稲っち見れるもんなぁ」
と、本日の稲っち情報を聞きに来るぐらいや。
これやから男子校は・・・・・・・・。
オレは当然女の子の方が好きや！（この前ふられたばっかしやけど）
・・・・でもまぁ、確かに稲っちは女の子のように可愛い。
いつも髪の毛はふわふわやし、肌のキメも細かくて
おめめパッチリ、唇は柔らかそうや。全体に清潔な感じがして
悪友、アホの有働と同じ「男」の部類とは到底信じられへん。
でも・・・・・
あんまり知られてへんけど実はヒジョーにオトコマエな先生で、
教室が騒がしい時いきなりキレ、机をバァァァンと叩いて
「じゃかァーしわッ！だぁーってぇ！（うるさいよ、黙ろうね）」
と一括したあと、静まりかえった生徒に向かって
「じゃ、１３６ページ開いて」
ニッコリ天使のような微笑みで、授業に入ったりするんや。
稲嶺
有働は現在、１８６センチ、９６キロ。
・・・・・９６キロ・・・・もうそれって１００キロやんか。
高校一年生として、１６歳少年として
その体重はどないやねん。
でも、ラグビー選手は身長の下二桁＋１０キロが
理想的な体重らしい。
だから、有働は見事にピッタシカンカン。
しかも体重は重いけど、体脂肪なんか全然ないし。
まだ筋がギシギシ痛ぁて寝れへんとか言うてるし
この先、どこまで育つのか楽しみでもあり恐怖でもある。
（正直、乗られたら重いねん！！）
稲嶺
学校のほこりっぽい匂いが好きや。
図書館のしけた匂いも好きや。
雨の匂いも好きや。
でも一番好きなんは有働の太陽と土の匂い。
２６歳青年
「え？ソウニューすることがセックスちゃうの？」
十六歳少年はキョトンとした顔で言うた。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
オレはその・・・・・えと・・・・・
ソウニューせんでも十分満足を
得られることを知ってるから、そうは思わへん。
教授とベットで過ごしたこともセックスやと思てる。
いやでも、十六歳少年は「セックス＝ソウニュー」で
普通に健康な思考やと思う。
オレも１０代を通ってきた男として気持ちはわかるから。
少年の将来に期待・・・・・もあるけど、
実は若く青い性に振り回されるのも悪くない。
稲嶺
はじめ有働がいいな、と思ったのは
ただ単に外見が好みやったからや。
（いや、誰でもそうやと思うけど）
夏に暑がってシャツの前をはだけて授業受けてる
姿を教壇の上から見てはムラムラと欲情した。
猛アタックされてたときは、毎晩有働の全裸を
想像したり有働とセックスするのを想像しては
身体が熱くなった。
「あんな身体とセックスしたい・・・・」
正直、はじめは外見と欲情だけやった。
いまはリッパなカラダは当然ながら、優しい温厚な性格も、
たまに狂犬になるとこも、アホなとこも、早漏なとこも
なにもかもひっくるめて、愛しい。
高橋もうすぐ三十路
うわぁぁぁぁ、稲嶺先生ごめんなさい！
毎晩、稲嶺先生が淫らになって
オレを誘ってくる妄想でオナニーして！
しかも、何回も・・・・。
ああ、今朝もまともに稲嶺先生の顔が見れへん。
ごめんなさい！
ごめんなさいッ！
稲嶺
鍵を渡しても、いつも有働は外で待ってる。
「冷えるし、中入っててええんやで」
て言うても
「うん」
と笑い返すだけ。
また待ってる。何時間でも。
どんなに遅くなっても絶対責めたりせぇへん。
オレの姿を見つけたら嬉しそうに笑うだけ。
その表情にオレは胸が締め付けられる。
有働は人の部屋に勝手に入る子やないて
わかってても、恋人の部屋ぐらい堂々と
入ってくれていいのに。
切なくなるから。
有働
先生の髪はいつもサラサラでフワフワやから
どんな高いシャンプーつかってるのか聞いてみたら
「なんでもええから一番安いやつ選んで買う。
シャンプーきれたりしたらたまに石鹸で洗う」
・・・・・・・・・・・・・オトコの中のオトコやッ！
有働
・・・・・・・・・・・・・・でも先生。
いや、こんな考え・・・・男らしくないんは
わかってるけど・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・でも・・・・・・・・・なんで
・・・・・・・・・・・・全身性感帯なん？
だ・・・・・・誰に・・・・・・・・・・・
稲嶺
有働の声はハスキーでつぶれているから
普段あんまり綺麗な声とはいえへんけど
セックスの時だけは特別や。
切羽詰ったあの声で呼ばれるだけで
容易く勃起してしまう。
ヤング有働
「あ〜、やっぱりクリスマスっていいなぁ、ロマンチックで・・・・・・」
「日本中の奴らが一番セックスする日の、どこがロマンチックやねん」
先生は競馬新聞を読みながら呟いた。
「・・・・ほ・・・・・ほんならほんなら・・・・・・・・
その風習にのっとって、オレらもセックス・・・・」
丸めた競馬新聞でデコをパカーンとやられた。
「あほか！それより有馬や有馬！！オレは明日に一年の全てを賭けとんのじゃ！」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
有働
先生を見てると・・・・・・
将来オレが有名になって、頑張って稼いで、
先生を養っていかなあかんとつくづく思う。
さびしんぼ高橋（いっしょに合宿中）
ああ・・・・・この試合でも稲嶺先生来てはらへんな。
やっぱり年末は忙しいんかな・・・・・・
高尚な人やから、きっと勉学に勤しんではるんやろな。
第九なんか聞きもって・・・・・・。
稲嶺先生が来てくれはると、生徒らも活気付くんやけどなぁ。
早よ新学期はじまらへんかなぁ・・・・。
Ｇ稲嶺
夏休みとか冬休みとか、長い休みは嫌いや。
会うのに理由がいるから。
学校のある日は会って当然（担任やし）。
彼に触れられんでも、決まった時間に決まった席に彼がいる。
ただそれだけでいい。
逢いたい。
逢いたい・・・・・・・・。
Ｇ有働
先輩らもそうやと思うけど、毎日やってるから
合宿なんかの集団生活が数日続くと結構辛い。
出さんと気が狂いそうになる。
みんな無言でゴソゴソとトイレに行く。
オレも誰もおらんのを見計らってトイレに行った。
先生の淫らな姿を思い出してナニをする。
「うう、イク！」って瞬間、
「くぉらッ！有働！！マスかいてんなよッ！」
ドンドンドンと扉を叩かれて全身固まる。
先輩三人の声やった（童貞トリオ）。
いつもこうやって邪魔されるから萎えてなかなか出せへん。
・・・・オレ、たまりまくってる・・・・・・。
先生に会って・・・・・セックスしたい・・・・・。
・・・・・会いに行こかな・・・・・・・・・・・・・
でも、どうやって？
（この後、本編のタクシーで稲嶺宅へ）
