2005/11/2
有働


一番興奮するのは

教壇に立つ先生とのギャップ
2005/11/3

苦学生稲嶺

オレの大学時代は有働以上に苦学生で
三万ちょっとのアパートに風呂なんかあるわけがなく
しばらく銭湯に通ってたんやけど、それを知った兄貴(次男の方)が
「うちのマンションに入りに来い〜ッ!!」
って血相かえて怒った。
まぁ、たまにオッサンが変な目でオレをみたけど、
たいして気にしてへんかったのにな。
そんで、兄貴のマンションに毎日入りに行ってたんやけど
教授と付き合うようになって、豪華マンションの風呂(テレビ付き)
にも入れるようになった。賢一(友人)のマンションは
ユニットバスで苦手やったけど、徒歩3分の距離やったから
迷惑がられても無理やり入りに行ったし、風呂渡り歩きの四年間。

でも、本当は銭湯が一番好きや。
人が少ないときはコッソリ泳いだり歌ったり、牛乳うまかったり。
2005/11/4

苦学生稲嶺

自分で言うのもなんやけど、
オレは銭湯に来るおじいちゃんらのアイドルやった。
オレと同じ湯につかると若返ると喜ばれたし、
プロポーズもしょっちゅうで
牛乳も大抵誰かがおごってくれた。
湯船でいっしょに演歌歌ったり、
脱衣所で野球観戦したり、楽しかったなぁ!

おじいちゃんら元気にしてるやろか。
2005/11/5

稲嶺


オレが教授と付き合い始めた頃って有働はまだ8歳で
掛け算とか割り算とかしてたと思たら、キスされて
ドキドキときめいてるのが不思議に感じる。
2005/11/17

稲嶺


ラガーマンの神経ってどないなってんねん、といつも思うのは
「ラグビー名物魔法のやかんの水」や。

試合中、悶絶し倒れても魔法のやかんの水をかけたらムクッ

激しいタックルくらって気絶しかけても
魔法のやかんの水をかけたらムクッ

とりあえず、なんでもかんでも魔法のやかんの水をかけたら
ムクッ ムクッ ムクッ。

・・・・・あほちゃうかと思う。

あのやかんの中には一体なにが入ってるんや!!
2005/11/18

稲嶺


ラガーマンの握力ってどないなってんねん、といつも思うのは
手伝いを頼んだときや。

電球が切れた時。
身長の高い有働やと台なしで楽勝やから
付け替えを頼んだら、電球を握った途端
割りやがった!!!!!!

セックスのあと、布団のカバーをはずすのを頼んだら
チャックを壊しやがった!!

洗濯干しを頼んだら、パシッと服を伸ばした瞬間
破りやがった!

etc etc・・・・・・・

うちの物が地味にジワジワと壊れていく。
それはすべて有働がかかわったものなんや。
2005/11/20

稲嶺智晴


2005/11/23

稲嶺


K●S京都で地区大会の放送があるから、
いっしょにみようってことやったのに
途中で有働が突然盛って襲いかかられ・・・・・
まぁその、ナニになだれ込んだわけやけど、
テレビはついたままで。

画面の中でひたむきに走り、懸命にタックルし、
見事なトライをする爽やか少年と、
いまオレの後ろでケモノのように動き続ける男とは、
ほんまに同一人物なんかと思う。

とか言いながら、画面の有働を見ながらの
セックスって興奮するなぁ。
2005/11/24

山沖


トモはキスをされると安心するようで
優しく何度もキスをすると必ず眠りに落ちた。

子供のような寝顔を見ているうちに
恋人というより父親のように感じて
苦笑する。
2005/11/27

稲嶺



「一年生の歓迎試合をするので、良かったら見に来てください」
入学式から二日後、高橋先生に誘われた。
ラグビーなんかルール難しいし、全然興味なかったけど
うちのクラスの「10年後が楽しみ」な可愛い新入生に興味があったんで
ホイホイ見に行った。

・・・・ていうか!すごいなアイツ!

信じられへん動きをする。
でかいカラガダやのに、動きのすべてが軽やかで、
でも力強く俊敏でキレがあって、
ルールわからんけど一人で2・3年生を圧倒してる。
すごいヤツっていうのはわかった。


・・・・ていうか!単純にかっこいい・・・!

胸のどこかが熱くなった。こんな気持ち、久し振りや。


2005/11/28


有働


「うわッ!稲っちが見に来てる!こんなんはじめてや!」
「ほんまや!き、緊張するなぁ・・・・!」

ハーフタイムに先輩らがザワついた。
稲っちって?・・・・と先輩らの視線の方向を見ると・・・・・
うわわわわ!!
担任の稲嶺先生や!!稲嶺先生がいる!!!

二日前、
「一年D組、有働雄哉です!」
と、はじめて部室で自己紹介したとき
「なにぃ?!D組やとぉ?」
「お前!あの憧れのD組なんか!!!」
先輩らにいきなり胸座を掴まれた。
担任というだけで、激しく羨ましがられる学内で人気の先生。
可愛いもんな・・・・可愛すぎるもんな・・・・。
オレがちょっと触れるだけで、壊れそうな感じ。
担任やけど、話しかけるのもなんか恐れ多い。
オレなんかとは住んでる世界が違うんや、きっと。

後半がはじまっても、オレは稲嶺先生が気になって気になって
ノッコン、パスミス、反則連発、しまいにはボールを顔面で受けて
鼻血まで出した始末や。
うう・・・・カッコワルッ・・・・・!


2005/11/29


稲嶺


だいたいクラスの雰囲気っていうのは、
中心になる(目立つ)生徒の性格による。

入学式からしばらくして、うちのクラスはスポーツ特待生の有働雄哉が
それに当てはまることがジワジワわかってきた。
まるで大木に雨宿りするかのように、有働を中心に生徒が集まり、
なんとなくまとまってきてる。

よく見てると、やんちゃな子らも有働には一目おいてるみたいや。
ただ背が高いだけやなくて、明らかに鍛え方が違う大男に
かかわらんとこと、やっぱり思うもんなぁ。
だいたい男ってのは、単純に自分より体力的、肉体的に
勝ってるヤツにはかなわへんと思うもんや。
頭がいいとか性格がいいとかとはまた別で、これって本能かな。

そんな有働は穏やかで優しく、どっちかというと硬派なタイプやったから、
(でもめっちゃもてるみたいやから、彼女はいてそう・・・)
クラスもそんな感じで収まってる。

うちのクラスに有働雄哉がいてくれて良かった。

・・・・もっと彼のことが知りたいなぁ


2005/11/30

有働


いまから稲嶺先生の初授業がはじまる。
どんな可憐で優雅な歴史の授業をするのか、皆ドキドキ期待してた。

ガラッと勢いよく入ってきた稲嶺先生の初授業第一声は
「皆は、自分が好きな物事や人物の歴史を一時間語れるか?!」
やった・・・・。
いきなりで、オレも含めクラスの皆、目が点になってたと思う。
オレは・・・・オレはラグビーの歴史なんか全然知らへんなぁ。

それから稲嶺先生は、歴史の教科書を握りポカンとしてる生徒を置いて、
自分の好きな球団の歴史・名試合を熱く語りに語り、格闘技の歴史にうつり、
馬の名レース、演歌の過去の名曲の話題になったと思たらチャイムが鳴った。
「あれ?もう時間か〜!」
先生はまだ喋り足りひんといった表情で時計を見て
「続きはまた次!ほな!」
左手で敬礼して颯爽と去っていった。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

唖然。呆然。

・・・・なんやったんや、この時間・・・・・
つうか、なんやあれ、なんやあの先生・・・・。
その時、はじめて稲嶺先生の本性に気がついたオレら・・・・。

か・・・・変わり者ッ!!!!!