2007/10/5

有働姉ちゃんズ


「あの子たちと遊んでおいで」
「…ううん…」

ゆうちゃんは恥ずかしそうに、うちの後ろに隠れた。
小学校に入るまでは友達の輪にうまく入れずに、
いつも一人で遊んでたゆうちゃん。

四姉妹が構いに構って育てたから、もしかして
男の子の世界がわからへんのかもしれへん。
特撮ヒーローものとか、ほとんど見せてへんもんなぁ。
取っ組み合いの喧嘩もしたことがない。
ああ、可哀想なことしたかも…

…とか思ってたら!

あんな男ばっかりの世界で喧嘩みたいにモミクチャの
ムキムキになるなんて思いもせんかった!!

ゆうちゃん極端すぎ!!
2007/10/6

花飾り
2007/10/17

有働


京都大会決勝。

花園へ連れていくのがオレの役目やと思っていたし
なんとしてもここで負けるわけにはいかんかった。
自然と力が入る。

でも、オレがはやすぎるのか先輩らが遅すぎるのかわからへんけど
うまくパスがまわらへんことにイライラしてた。

つねに先頭に立ってるから、相手はオレに集中的に当たって来る。
脚に絡みつかれて倒れる。
肘が目の上に当たる。
口の中から血の味がする。
ボロボロになったオレは明らかに動きが鈍くなった。

体中が痛い。
どうしても負けられへんのに、どうしよう…!
あとワントライ…!
ワントライ必要なんや!!

疲労で足は止まってるのに気持ちだけが焦り
冷静さを失った時、先輩が言うた。

「最後はモールで行く。皆で押す!」

その瞬間、オレは一人で闘ってたことに気付いた。
一人でラグビーはできひん。だから点も入らへんかった。

「ええか、皆で笑って花園へ行くんや!」

先輩はオレの頭をクシャクシャとしてボールに向かって走って行った。



※モール=ボールを持ったプレーヤーを中心に、
 両チーム合わせて3人以上が立った状態で組み合う。
2007/10/18

チアガール


「見て見て〜!有働くん!」
「うわッ!なんやそのカッコ!」

有働くんは磨いていたボールを落とした。

「花園出場おめでとう!うちらの女子高のチアリーダー部
 有働くんの応援に行くことに決めたよ!」
「いらんよ、そんなヒラヒラしたん」
「先輩さんら、み〜んな喜んでるし、ラグビー部顧問の先生の許可も得たもん」
「え…!!」
「花園、頑張ってね。うちらお正月もそっちのけで
 ずっと有働くんを応援してる!」

有働くんは眉毛をかいて困った顔をしたけど、
きっと照れ隠しなんやと思う。ふふ、か〜わいッ!
2007/10/21

稲嶺


有働が人に対して優しいのは

思いっきり愛されて育ったことと

「負ける」ことを知っているからやと思う。
2007/10/29

有働


学園祭の劇で先生は色んなクラスから声のかかる人気者や。
男子校で可愛い女の子を演じれる生徒はなかなかおらんから
当然のように先生が指名される。
学校行事やし、断るとノリ悪いから、仕方なく変装(女装)に応じてるけど
男としてのプライドはボロボロになってると思う。

生徒らも喜んでキャッキャと先生を囲むけど、
一番嬉しそうに先生の周りをウロウロするのは高橋や。
2007/10/30

有働


先生は今まで出会った教師の中では
かなりグータラ系(力抜け系)ではあるけど、
やっぱり大変な職業なんやなぁと思った。

頑張れ〜!!
   おまけ