2008/5/4

稲嶺


ヒロ兄を邪険にしたり、なるだけ会うことを避けてると
「お〜い、ハルちゃん、ちゃんとセンセーしてるか」
店をほっといて学校までオレの監視に来る。
「怪しい人ですから校内に入れんといてください」
と門衛のおじさんに言うたときにはすでに
同じ野球チームが好きという理由から二人は
仲良くなってて追い出し作戦は失敗した。

うっとおしい…と思っていたのに、最近はラグビー部の
練習にはりついて、
「なんや、その高いタックルは!低ぅいけ!」
有働にいろいろチャチャを入れてる。
ああ…もう、勘弁してほしい…とゲンナリしてるのに
「はいっ!石ころタックル参ります!!」
有働はすっかりヒロ兄に懐いてて、さらにゲンナリする。
2008/5/8

稲嶺長男


「おんなおんな」
とハルちゃんのまわりをまわっていじめたあの子たちは
きっとハルちゃんが初恋やったに違いない。
2008/5/17

稲嶺


スクラムのとき、最後方(8番)の有働は前の尻を触り放題や。
鍛えたピチピチの若い尻を押し込む姿…
ちょっと腹が立つ。
2008/5/23

三十路の山沖


若い頃は日本の文化から風習まで、なにからなにまで嫌悪していた。
自分にとって日本は締め付けのなにものでもなかったから。

十代で海外に渡って勉強して遊んで、男女関係なく恋愛した。
結婚もせず、いろいろな国をまわって、すこし落ち着いた三十代後半。
なんとなく日本に帰ろうと思った。
東京の実家に帰るつもりはない。
どうせなら、あんなに嫌悪していた日本的なところがいい。

「京都…京都かな」

帰る飛行機の中、日本地図を広げて呟いた。

実に単純なものだ。
2008/5/26

稲嶺


オレとこうなってへんかったら、今頃有働は
誰と恋愛してたんやろうといつも思う。
2008/5/30

待ち合わせ
2008/5/31

有働


男の兄弟がおらんからか、オナニーっていうのは、
すごく恥ずかしいことで、そういうことしてるのを
誰にも知られたらアカンし、口には出さへんもんやと思てた。

でも現在、シモネタ飛び交う男子校、しかも男子寮生活で
だいぶん鍛えられたかもしれん。

たとえば、寮での「おやすみ」が「マスかいて寝ろ」や。
オレもいつも先輩に言われるし、実際マスかいて寝る。
そうしてるうちに、そういう部分の羞恥って麻痺してくるもんで
風呂場に誰もおらんときなんか、先生のこと想って
堂々とオナニーしちゃうもんね!!!