有働
昨晩、先生はまた酔っ払って道路で寝転がってたらしい。
でも何故かいつも朝になったら自分の部屋の玄関で寝てるんやって。
自力で帰ってきてるのか、誰かに連れて帰ってもらってるのか
いっさい記憶がないらしい。
ああ…オレに門限がなかったら、
絶対こんな危険なことはさせへんのに…！
とりあえず先生は、お尻ペンペンの刑や！！
（酔っ払いさんは商店街の人々に迷惑かけまくっているのでした）
（そして今朝も学校遅刻）
有働姉ちゃんズ
ドンッ
境内に大きく太鼓の音が響いた。
ゆうちゃんは細いのに、誰よりも大きな音を出すと
夏祭りの太鼓叩きに抜擢された。
「ゆうちゃんカッコイイッ！！」
「よっ！オトコマエッ！」
私ら四人姉妹は浴衣でオメカシして、ゆうちゃんに向って
囃し立てたり投げキッスをすると、少年らしく赤くなりながら
大人みたいに眉間にシワを寄せた。
有働
亡くなった姉ちゃんの彼氏は、臆病なオレにいつも言うた。
「なんでも逃げたら追いかけてくる。
正面からぶつかれ」
有働
亡くなった姉ちゃんの彼氏は、臆病なオレにいつも言うた。
「なんでも逃げたら追いかけてくる。
正面からぶつかれ」
はるちゃん三歳
稲嶺智章
正月の席で、ハルちゃんは程よく酔っ払いながら
「さっき親戚のおばちゃん連中が長男と三男はソックリって
言うてたんやけど、そうかなぁ？」
酒をグビッと飲んだ。
「それ、昔からおばちゃんらの口癖やからな」
そう言うておいたけど、ハルちゃんは知らへん。
親戚のおばちゃんたちは、僕が子供の頃と
現在のハルちゃんがソックリやと話していることを。
有働
出会った頃、まだほんまに子供の体系やったイガは、
高校になって久々に見たら、身長がグンと高くなってて驚いた。
中学のときはオレからイガのつむじしか見えへんかったのに。
ヒョロッとしてたのに、筋肉もついて逞しくなってる。
完全にラグビーをする体や。
オレが中学を卒業してからも、すごく努力したんやろな。
イガが三年のときは、地区大会決勝で負けて、全国大会に行けへんかったと悔しがった。
でも、誰よりも頑張ってたんやろうな。
体を見たら、わかる。
ハルチャン
Buon Natare