日記

■2007年09月27日(木)21:51  Chapitre.167 傷つきし忍(感想その1)
まず、拍手ぽちありがとうございますー。下のが長くなったので、文頭に。

そして、昨夜のチャットおつかれさまでしたー! 楽しかったです!>参加された皆様
(ぶっちゃけいらしていただいただけで、超うれしくて……誰も来ないかと思ってました/ほろり)
ふんどしの話を延々としていた気がします。あれ〜。
167話についてもちゃんと叫びましたよ!

2度目があるとすれば、もうちょっと前から予告したいです……でも突発に叫びたかったんだ。例え翌日仕事でもな!

しっかし、昨日叫んで大分落ち着いたけれど未だまとまりませーん。思いつくままに書き連ねていきます。いつものこととも言いますが。


以下、167話感想です。まだまだ語りたいことは多いのですがとりあえずさらっと駆け足。




驚いた。
どれくらい驚いたかというと、先週の某テニス漫画の最終ページに審判がいなかったときくらい驚いた。
で、コンビニで漫画雑誌読んでてフリーズしてしまったのはあれだ。幽白の最終回以来かな……意味合いは大分違いますが。
あー、あのときはパソコン通信(インターネットじゃないんだ)で最終回とバレを知って、朝の5時半のファミマに駆け出したっけ。一緒に買ったレトルトのクラムチャウダーがなぜか苦くって……って何の話でしたっけ。
本題に戻ります。


場所は日本国で黒鋼は布団で寝てて左腕を負傷していて傍らに知世が居て三日月の夜。とことん黒鋼が白鷺城に保護された夜を踏襲してるんですな。
しかし、知世姫の言葉かー。一応黒鋼の母親も魔術師と似たような職業(職業?)なので、もしかして経験則による自己判断かとも思っていたのですが、やはりこの方が自然なんだろうか。まーねー。

そして、やっぱりセレス編はファイ過去編と見せかけて裏では黒鋼過去収束編でもあったんですね。途中まで空気だなんて言っててごめんなさい。幕切れは壮絶でしたが、晴れ晴れした黒鋼の顔を見るとちょっとだけは気は楽になる、かしら。

「大事なもの云々」は元より「知っていても言えない苦しさは 知らない者には分からねぇ」ってくだりは、これ嘘ついてたフローライトにもかかってるんですよね?
ここだけ知世姫が目をまん丸にして驚いてるのが印象的……これで驚愕されるなんて、旅以前の黒様がどれくらい狭量だったかが判るエピソードでございます。本当、大人の男に……(もらい泣き)。


しかし、本当知世姫は母だ、まるっと保護者だ。
個人的には黒知も大好きなのですが「恋愛ではない」と断言したくらんぷてんてーの言葉を踏襲するに「偉大な母」って位置づけなんか。とことん対でこられていることを考えると、フローライトもサクラさまには「姫君」言いつつも「母」を見てたってことでしょうか。
つくづく本っっ当〜〜〜に対極な似た者同士であることよ>黒鋼とフローライト
「願いがかなわなかった(戻りたくない言ってたセレスに戻っちゃった)」直後に「願いがかなう(日本国帰還)」なんてな、おい。
アシュラ王の横でうなだれてるフローライトがさぁ! これが黒様の回想だと思うとただの使い回しなのに心に滲みます。


そしてそして、知世姫が一声かけてすぐ現れたってことは、フローライトは一部始終を聴いてたってことですね……! ちゃんと「知っていても言えない〜〜」も聴いたかフローライトよ。
振袖は……比較対象として黒様小狼以外のその他大勢な日本国男子出て欲しいわ。でも小狼くんの袖もやや長めっぽ?
あとは、日本国での次回お色直しお着替えがどうなるかかが楽しみでございます。その方向性で色々決まる。でも、黒様過去の眼帯の人の服に似てるなぁ。
足袋の艶っぽさはやばいけれど、231ページの裾から覗く生足(のはず)の影がどす黒くってレギンス履いてるみたい。印刷悪いせいかしら……生足が見たいです、くらんぷてんてい。切実。


このまま初夜になだれこんでもいいかしらと思ってたけれど、黒様最初の「あいつらは!」のところで、全く起き上がれてない……!
こんな大事な場面で咄嗟に起き上がれないなんて、まだ全然回復してないんだ……ここがどこかも判らないってことは世界移動して、周囲の状況把握する以前に昏倒したんすね。
しばらくは二人でお手手握って眠ってるといいと思います。き、清い。清すぎる。一応まがりなりにも18禁サイトらしきことを言うならば、満足に黒様が動けるようになるまでは、フローライトはご奉仕してあげてください。手と口で。頭から布団の横から突っ込んでやればいい。
もし、今に至るまで未遂の二人だったらば、ちゅうからはじめればいいよ。萌える。


それにしても、魔力がほとんど尽きたらしいフローライト(MPは回復するのかは不明だ)。
片腕を落として獲物をなくして重傷の黒鋼。


しばらく静養していたらいいと思う。
せっかくの日本国なんだから、湯治にでも行けばいいと思う。
半年くらい。
二人きりで。


いや! 黒ファイ的には大団円しちゃったから、もうあとは主人公にお任せだなんて考えてないyo?
写し身小狼だっているし、まだファイの片目だって吸血鬼問題だって残ってるし、サクラさまの心と身体だってあるし、黒様もまだ飛王に一矢むくいたいだろうと思うし。

でもあんな出番のなかった夜魔の半年がめくるめく黒ファイ妄想をもたらせてくれたように、いっそ、ここで二人きり(作中で)。そのまま半年経っちゃったら、どうだろう。
言葉が通じなかった夜魔とはうらはら(例えモコナがいなくなったとしてもフローライトは夜魔の半年があるから日本国の言葉は大分判るはず)。しかもデレ×デレ!

湯治だけれど、最初は清拭がいいのです。看病萌えです。フローライトに黒鋼の世話を焼いてもらいたい。服の着替えも食事も身の回りの世話を全て!
多少お互い気恥ずかしくはあっても、同性同士だから機械的にぱぱっとやるのがいいです。でも、互いにその間は無言です。だって恥ずかしいからさ! そんなこと口にしないけれどね!
やっぱ最萌えは清拭かなー、黒鋼に足湯だけ使わせながらフローライトが背中や頭を洗っている最中、何かの拍子に手が止まって見つめ合えばいい。ふんどしだと私の思考が止まるから、手ぬぐいを置いて前だけ隠す感じなシチュエーションで(細かい)。

「……」
「……おい」
「……え?」
「どうしたんだと言ってる」
「あ、ああ、ごめんごめん……」
問われ、慌てて持ったままだった濡れ手ぬぐいで黒鋼の背中を擦ろうとするフローライト。しかし、その手が丁度伸ばしてきた黒鋼の手に触れ……。


そんな妄想に悶えつつも感想第二弾に続く。

しかし、あの布団の上の天蓋というか蚊帳というかカーテンみたいなのはどんな作りになってるか気になります。思わず13巻出したけれど、よく判らない……。
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■2007年09月26日(水)08:26  うわああああ! チャットのお知らせ
マガジン、読みました。
うわぁぁぁああああああ!!!!!

はぁはぁ……やばい……てなわけで腹くくって急ごしらえの叫び場を。
こちら

*終了しましたー。お疲れさまでした!

私は今夜21〜24時くらいに入ってる予定ですが、私がいなくてもご自由に入って使ってくださっても構いません〜。

……さ、動悸はおさまらないけれど仕事行ってきます(苦)
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■2007年09月25日(火)20:14  語りたいの>チャット
いやー!
まだ全然166話について語れてないのに、明日マガジン出ちゃう!

は。
22日のオンリー、スペースにまで足をお運びいただけた方いらっしゃいましたら、ありがとうございました。次はJ.GARDENです。オフ本は力尽きました。これからコピ本作ります……。
でも、イベントは楽しみだ。J.GARDENはサンシャインでやるのでイベント自体はもちろん立地的にも楽しみなんです。朝、メゾンカイザーでパン買って、スタバでコーヒー買っていくのです。ビッグサイトもこんな楽しみがあれば……無理か。今のままじゃ。


それはそれで頑張るのは当然として、ツバサいうか黒ファイについて語りたい。語りたおしたい……。明日とかに、突発で文字チャとかひらいてたら笑ってください。いや、もし良ければおつきあいください……(原稿の進み具合による)。


あと、拍手のとこに「返信不要の方は……」と但し書きを追加しました。返信不要の方が多いようなので。私自身は返信は全力で大好きです。ちなみに相変わらずお礼小説などは皆無です。


あとで余裕があれば、166話でまだ語れてないことを追記します。
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■2007年09月22日(土)02:12  mainに追記
公式のサクラさまが凛々しすぎる。じっと見ているうち脳裏に「見敵必殺 強力若本 Brand new Alexander Anderson」なんて単語が浮かんできました。さ、さ、さ、サクラさますみません……!

……前二つの黒様と小狼くんがセンチメンタルな仕上がりだけに余計。


ばたばたしているので以下取り急ぎ。
ご質問があったので、mainのCLAMP in 3-D LANDおぼえがきに追記しています。ネタバレです。 

今日のコピー本作ってたり、来週の原稿やってる間に馬鹿な166話後の妄想を延々と書いてたんですが、167話前にさくっと更新してさくっと削除したい感じです。ようするに看病話です。エロくはないです。
*んー結局間に合わなかった……がく

そして、拍手ありがとーですー。
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■2007年09月14日(金)23:42  追記
拍手ありがとうございます。
いつもは文末ですが、流石に長文なので最初にしてみました。



未だマガジン読み返し中。
ダメだ。まだ箇条書きで済ませられない。そんなわけで色々追記。

もう何回「グッ」「グイッ」を見返したか。数えるのにも飽きたので、そのうちノギスか何かで文字の大きさを計りだしそうな勢いです。
しかし、黒様の左腕が最後に持ったものってフローライトの腕、そして、こんだけ掴んで引っ張ってるからには、フローライトの白磁の肌にはしっかと黒様の手の跡が残っているといい。次の世界でひとりじっとそれを見返しているといい。



今回球状になった世界から黒鋼がフローライトを引きずり出したのは「連れてってくれる誰か」の最終的な答えということでよろしいか。
「ずっと待っていた連れて行ってくれる誰か」が、将来的に黒鋼になるんじゃないかという憶測を読者に振っておき、実は過去の出来事でアシュラ王だよーんと思わせたところで、本当は黒鋼でしたー! だなんて裏の裏という展開

アシュラ王は確かにフローライトをあの塔から出して別の世界に連れていってくれたかもしれないけれど今までずっと飛王の掌中にだったわけだからね……。
特に閉ざされた世界から連れ出すってのが、実に象徴的。


そして衝撃から落ち着いて読み返すと、腕切断から引きずり出す見開きのコマ流れが、まるで何かの教材のお手本のよう(笑)。
二人ともまるっきり無言なのが、またクル。
紙の荒させいで見づらかったけれど、黒鋼の脇腹の傷にもトーンが貼ってあるんですね。
実際どういう風に貼ってあるのか、コミックスが楽しみです。



ああ〜、↓にもちょっと書きましたが、世界移動した直後のやり取りを想像するとニヤニヤしっぱなしです。
例え医療技術が進歩した世界に落ちたところで、病院のなかやそれに類する場所や人の前にでも現れない限り治療までにはインターバルあると思うんですよ!
涙目になりながらも冷静に止血処理をするのもいい、んで荒い息を吐きながらも黒鋼は無言でいるといい。目と目だけで会話するがいい(黒鋼はさすがに話すだけの余裕はないだろ……)。
あるいはよろけて昏倒したところを「くろがね!」と叫んでくれてもいい。茫然自失かフローライト自身衰弱してまともに動けず、小狼が手当するのを眺めていてもぐっときます(これは、小狼くん大変すぎてかなり気の毒な展開)。いくらでも妄想広がります。

ここまで考えたところ、もう1パターンあることにうっかり気づいてしまいました。

新しい世界に到着後。
フ「サクラちゃん! サクラちゃんは!?」
小「あ、ああ、大丈夫じゃないけれど、とりあえずは無事らしい……」
フ「良かった……」
黒「…………」
後ろでほっとかれた旦那昏倒寸前。

すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみません。
でもきっと、黒様はそんなでも文句言わないと思う。

けど、それだけで終わらず今回の腕切断についてフローライトと黒鋼がどんな思惑で絡むのか楽しみだ!
四月一日と百目鬼みたくフローライトに自身の価値を判らせるっつー流れになるんでしょうか。


今回の「行け」の言葉と表情に萌え燃えしちゃいましたが、吸血鬼化直前の「やめろ」といい、旦那への命令が二回連続反故にされているのにも萌え。


あと、モコナのコート姿が激かわゆかったわけですが、あまり出番もなく見納めになりそうなのがやや寂しい(笑)。


そんなこんなでまだ続く。
いいんだ、萌えたら勢いが大事! だから前回の日記に書いた療養妄想文が色々変でもキニシナイ!
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■2007年09月12日(水)22:42  Chapitre.166 閉じた世界
先週末から今週にかけては、地球へ…とでんおーとグレンラガンと結界師とツバサバレで涙ちょちょぎれまくりですよ。

つか、マツカの流れは結構かなり原作に忠実で驚いた。全く同じじゃないけれどさすがにあれが限度かな。シロエのときと同様、作画気合い入ってたし。頑張ったな、スタッフ……。
別の意味で泣けたのは結界師。タイトルからもろってちょっとどうなのよ。あれじゃ原作知らない人でも判っちゃうでしょおぉぉ! 頼むからタイトルくらいもうちょっと考えて……。


そんなさなか、友人のリクエストもあってよしながふみの「愛がなくても〜〜」に出てくるイタリアンに詣でてきました。私自身は二回目の来店。
うちら含めて他のお客さん皆が「魚介のサラダ」を注文してて笑った。でも確かにこのサラダはうまいです。
同席した某さんは夏→グッコミ→インテ→オンリーと一ヶ月連続イベント行脚中で、萌えできらきらとまばゆく輝いていました。今月もあと2回オンリーに参加するそうな(うち一回は私も一緒だが)。
他人ごとのように「すごいねー」と言ってましたが、よくよく考えれば私も今月はあと2回イベントがあった……9月はサークル参加3回という死の行軍なのでした。

栄養を十分とったところで今月二回残ってる締切りを乗り越えたいと思います。

そして、拍手パチありがとうございますー。気合いいれてきますですー。


以下、今週号感想。






う、腕……orz



今回の感想はこれに尽きる。
一行で終わらせようかとも思ったけれど、このサイトはそもそもくらんぷてんてーに踊らされることを前向きに自覚し、かつダンシングに徹するための場所なので、それじゃサイト存在意義に反する! てなことで続きます。



扉のフローライトは美人さんですね。ロンゲだー(ロンゲ好き)。最近フローライトの出てる扉って引きばかりで、バストアップが少なかったので嬉しいな、と。もしかするとお洒落眼帯(…)シリーズでこんなアップってはじめてですか。
しかし、担当さんこのあおりは無駄にドキドキするので止めてほしい……愛するものってあと黒鋼しか残ってないじゃないですかぁああぁ!(←個人的主観) 不吉……。


呪いはフローライトの魔法強制発動なんですね。世界を巻き込んだメガンテ(違う)。どこのファイナルウェポン。世界に二人きりでどっきどき☆
>なんて言ってる場合じゃなく。閉じるだけ? それとも完全に世界が壊れちゃう?
条件に「姫の身体を連れて」ってことは、世界移動できないように閉ざしちゃって姫をゲットだぜ! ってことなんでしょうか……判らない。
ああでも、ファイかアシュラ王なりがサクラをともないながらも、飛王に与しないと決意してたらってこと??? この辺は説明待ち……。

もし世界破壊だとすると、片目の魔法だけでも世界をいっこ潰せるのかと、ちょっと展開とは場違いにしみじみしました。実はアシュラ王の激強さ加減に「両目揃ったフローライトはアシュラ王よりも強いのか……旦那瞬殺……」と思っていただけに一層身に滲みた。


黒様がいったん手を離した場面の満足そうな顔と腕を切り落とした以降の驚愕顔。対極なのはやむを得ないんだけれど、またフローライトは自分のせいで……と自虐っちゃうんでしょうか。


黒鋼の欠損は戦士としての更なるパワーアップフラグだと信じています。[ガッツ@ベルセルク、鳴海@からくりサーカス、エド@鋼、コブラ@コブラ……]
信じています。信じています。信じて……ああでも腕……腕……腕……。切った腕が落ちるコマの甲の傷にぐっときた。
救いは自傷で、他人による強制でなかったってことかなー。あと生命の危険もとりあえずないっぽいので良かった(予断を許さないのは、どっちかというと吐血までしているフローライトですか、もしや)。

こんなショックなのはアレかなー。目抉りのときは前回からの前振りがあったけれど、今回は突然過ぎて気持ちの整理が……正直小狼がフローライト引きずって出て来たときは「とりあえずフローライト死ぬなー!」という方にしか主眼がありませんでしたから。目抉られでもとりあえず生きててよかったよ、本当。

でもちょっと落ち着いて考えると、これでフローライトと黒鋼の死亡フラグが遠のいたような気がしないでもないような。こんな盛りだくさんにして殺すなんてしないよね! と思いつつも、悲しいけどこれクランプせんせーなのよね……。
つか、フローライトはこれで瀕死すれすれ&力使い果たしたってことかな……そうなるとしかし、ファイはもしかすると、コピーから片目が戻ってくるか新展開とかがないとしばらく身動き取れないのは確定ですか?(涙)。左腕と剣を無くした黒鋼も一時的にせよ、戦線離脱なんかな(アニメの設定画ではしつこく『左利き』とあったけれど、原作はどうなの)。

完全にパーティーから離脱するとは思わないけれど、夜魔のときみたく大人組と子ども組とで一時的に分かれたらどうしよう。過酷な旅は二人と一匹にまかせ、静かな国で療養に専念する大人組。
以下突発妄想。


 大きくはないけれど、異邦人が紛れ込んでもさほど気にされない規模の町。その中心部から少し外れたアパートの一室に、二人の青年が転がりこんでからそろそろ二週間が過ぎようとしていた。
 何日かに一度、年老いた医者が白い塗装のはげかかった木のドアを叩くほかは、住人の片方、金髪の男の出入りしかない。もう一人は部屋にこもったっきりだ。住みはじめた当初青々としていた街路樹も、段々と黄色く色づきはじめていた。
 数日前窓から街並を覗いた黒髪の男が「紅葉だ。秋が近いんだろ」と、つぶやいたその言葉、口調、表情全てが、何故だか強く印象に残っている。
 太陽が落ちる寸前の逢魔が時。石畳に靴音を響かせながら、隻眼の男が帰宅した。買物に出ていたらしく、胸元に大きな茶色の紙袋を抱えている。重荷を苦にもせず、緩い坂をのぼり玄関ドアに至る階段の段を一段一段丁寧に踏みしめていく。
 最初は立て付けの悪いドアが軋んで鳴かないようそっと開いたが、リビング奥からの物音に慌てて大股で歩きだす。
 玄関から真正面にあるドアを開けると窓際で、隻腕の男が柔軟の途中なのか右腕を横へ伸ばしていた。同居人の帰宅にはとっくに気づいていたのだろう、たいして驚きもせず振り返り出迎える。反射的に緩く笑った。
 ファイの心配気な顔は、彼が振り向いた途端に呆れきったそれへと変わっている。この怪我人が他人に……特に自分に気にかけられるのを好まないのはよく理解していた。
「まだ身体は動かさない方がいいって」
「ずっと寝っぱなしだと、身体がなまっちまう」
 空のベッドに抱えていた包みを置くと、ファイが選り分けるよりも早く黒鋼の手が伸びて赤い果物をひとつさらっていった。洗いもせず皮ごとかじる。
 甘い菓子は嫌がるくせに果物は好物の部類に入るらしい。子気味良い咀嚼音が重ねられるたび、甘い芳香が部屋を満たしていった。
 もともと帰宅したら彼に振る舞うつもりだったものだから、奪われた果実には頓着せず、野菜や加工肉にパンなどの層をかき分け、紙袋から薬包の束を取り出した。
 小分けにされた白い錠剤を、サイドテーブルに並べる。その横には何種類もの錠剤や粉薬、塗り薬や湿布などが丁寧に整頓されてあった。これでもかなり量は減った。
「ほら、薬局で切れてた化膿止めももらってきた。前のと変わらず食後に一錠だから」
 決して、怪我の心配だけをしているわけでない。
 彼が、強靭な肉体を持っていることなど百も承知だ。順調に回復していっていることだって。今も無茶な運動をしていたわけではないのだ。慣らし程度ならば問題ないだろうし、ずっと安静にしているより気も晴れるだろう。
 ただ、見ているとつらい。怪我は癒えるだろう、しかし快癒しても決して元通りにはならない。
 日常生活に問題はなくとも、彼のような戦士にはどうなのか。それを思うとつらい。それ以外に言葉が出ない。
 目の奥に熱を感じ、とっとと退出しようと思ったができなかった。腰を屈め紙袋を再び抱えようとした途端、天地が反転したのだ。怪我人に容易く腕をひねられて、ベッドに仰向けになっていた。あっという間だ。
 黄ばんだ天井が映っていた視界が男の顔で占められ、ぐいと右手で顎を掴まれる。
「忘れるな」
 間近に迫った赤い目がすわっている。だが、怖くはない。ただ真摯すぎて突き刺さるように痛い。
「俺が片腕をなくしたのは、お前にそんな顔をさせるためじゃねぇ」
 以前より、後ろ暗い出自を見透かされていた節はあったが、全てをさらけ出した現在、彼にとって自分の心の動きは透明なガラス越しであるも同然らしい。
 掴まれた頬と男の勢いが苦しくはあったが、気圧されてはいない。されるがままになりながらも、胸の片隅にあの日以来ずっと抱き続けている疑問がむくむくと膨れ上がる。
「……じゃあ」
「何だ」
「……何でもない。すぐ夕飯作るからそれまで寝ててよ」
 動きかけた唇と舌だが、理性でもって歯止めをかけた。
 するりと男の下から抜け、部屋から逃げ出した。煩悶に曇った頭を必死に日常へ切り替えようとする。今夜は何を作ろうか。肉を中心に献立を考えれば不平はでないが、それだけでは。せっかく、気候に恵まれた国にいるのだから、なるべく潤沢な種類の食材を食べてもらいたい。
 球状になった瑞々しい葉野菜をシンクに置いたボールで割り広げた中心に、水を真上から浴びせた。水道の勢いが強すぎたのか、跳ねた水が頬に数滴あたる。
 何気なく手の甲で散った水を拭ったつもりだった。
 しかし、さらさらとした水道水の手触りだけでなく、ぬるりと重い液体の感触がある。
 指の腹できつく肌を擦って鼻先に近づけると、微かに甘酸っぱい。黒鋼が齧っていた果物の香だった。おそらく彼の手についていたのだろう。全く同じではないが、故郷にもあった果物のものと酷似していた。
 舌先でそろりと舐めるが、この身体だから全くの無味だ。匂いの方がより強く過去と結びつく。城で、派遣された町や村で、あの実を味わった思い出。もうどこにも存在しない世界。本来の甘酸っぱさだけでなく、鉄の味しか味わえない舌から蘇る記憶は酷く苦い。
「黒鋼」
 その舌の感触を振り払うかのように、ひとりきりで名前を呼んだ。隔絶された世界から連れ出してくれたふたり目の名。
 「オレはまだ君の『本当の理由』を聴いてないよ」と。



……恥ずかしくなったので強制終了。

キスクラと涼風も終わった(終わる)ことだし、空いたラブコメ枠をツバサが埋めるのはどうだろう。ひとつ屋根の下で暮らしながらもくっつきそうでくっつかない男と男。
半分冗談だとしても(半分は本気なのか)、ツンも取れてお互い全てをさらけだすこととなった大人組がじっくり話し合う機会が、この次の展開にあるといい……。



萌え的にいうと、このあと世界移動した直後のフローライトの反応を想像すると悶える。
取り乱してもいいし、冷静に傷の手当をてきぱきしててもどちらでもいい。



アシュラ王関連とか何故嘘ついてたのかとかどうして黒鋼が腕切ったとかはとりあえず置いておきます。そのうち侑子さんか飛王かが話してくれるの待ち。

箇条書き感想は何かキリなくなったのでまた明日以降にでも……。

以下、箇条書きでなくおまけっぽいの。





感想はテンション上げて書いているのですが、こっから下は萌え抜きでちょっと真面目な話。

フローライトがアシュラ王にとどめを指すという王道展開が覆され、黒鋼が取り返しのつかない大怪我をした格好でセレス編終了(?)。

感想というか希望ですが、ここまで黒鋼とフローライトの過去を対に描いてあるのだから、この先フローライトが誰かを救う展開があればいいなーと思います。
左手の古傷と「眠らせて〜〜」という言葉とで救われた黒鋼が、同じ左手と言葉とで他人を守りぬいて父親との約束も果たしたと。フローライトの過去に決着をつけただけでなく自らの過去も昇華したのではないかなーと解釈してます。

だから、この次の世界かあるいはその先。ツバサの最終回かあるいはリンクしているxxxHOLiC最終回までに、具体的でなくともそういう描写があればいいな、と思うのです。
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■2007年09月05日(水)20:55  Chapitre.165 記憶の塔+インテ御礼+拍手返信
インテで当スペースまで足を運んでいただいた皆様、まことにありがとうございます。
ヲタク的意味と気温的意味両方を含め、今年最後の夏って感じでした。(それでもやっぱり6号館2階は涼しいのね〜…)
で、その日のうちに東京戻ってきたら既に秋の気配という……セミでなくコオロギが鳴いてたよー。35度仕様の服では寒うございました。
でも、夏の名残にインテのフランクとサンターアンダーギーを食えて満足です。


以下、今週号感想と拍手返信(今週号ネタバレ含んでいらっしゃるので下げさせていただきます)です。







私、今までのツバサで何が一番おかしくてしょうがなかったかというと「星史郎と封真が兄弟」設定なんです。
昴流と神威のツインズは「かわいこちゃん二人だねぇ」と、それはそれでって納得したのですけれど、この二人は……ああ、さわやかなふりしてこいつら……いいのか、こんな人たちを少年誌連載漫画の扉に使って。ねぇ、ちょっと編集部、ねぇったらねぇ。


扉も濃かったけれど、中身も濃かった。
王様は婿殿に息子を託してお亡くなりになったのですね。今までの戦闘もいわゆる「親父の一番長い日」だったと! あの一閃も「奪って行く君を殴らせろ♪」だったと! ……おかげで黒様瀕死ですか……。

一連の過去編で、フローライトが魔術師と言いつつも限りなく王様の養子に近い育てられた方をされてたのは判りましたが、成人男子(つうか年齢的には既に老境越え)と義父の対人距離じゃないよぉ。文化と習慣の違いとは言い切れないほど、スキンシップ過多です。
ほら、あらぬことを妄想したのか後ろの忍者もハァハァいってます(違う)。
それにしても、ファイと黒鋼の目が合ったところは必要以上にエロいな……。



ああでも、これで結着がついちまうだなんて。
本っっっっ当〜〜〜に、黒鋼とフローライトはくらんぷてんてーの中でセットなのかyo!
王様が「私などの為に泣〜〜」のあと、そのまま第二形態になって連戦するんじゃないかと、ドキドキしてた私のピュアハートは……! ほら、額のひらひらからにゅ〜〜っと変形とかしそうじゃないですか(きっと飛王は顎が割れて第二形態になると思う)。
萌えと戸惑いで涙目です。

いや、展開自体には納得がいってるッス。
育ての親を手にかけるって流れはフローライトに酷すぎるし、「愛するものを守れ」っつー黒鋼の本懐も小狼やサクラ(さまの身体)、モコナ、そしてフローライトの心の平穏をももって遂げられたと。
あと捨て身のフローライトに対し「俺が殺してやる」という約束も守られたってことですね(あれは「死にたきゃ俺が殺してやるから! 自分から死ぬなっていってるんじゃないんだからね!」っていうツン表現だから)。比較的円満な大団円とは思うんですよ。


でもしかしけれど……ますます一蓮托生になってきたな……これ。どうしよう。
どうしようっていうのは、このままだと日本国エンド夢見ちゃうじゃないですか! さんざんネタにしつつ「どんだけ〜」と感じている心の醒めた領域までドリームまわっちゃうじゃないですか!
目と目で通じ合っちゃったり「越えてゆける」なんて義父から公認されちゃったり、「眠らせてやれ」の一言で納得しちゃったり。
夢に手が届きそうに思えちゃうじゃないですか。

でも。でもね。
クランプてんてーに心を許しちゃ駄目なんです。

こちらにおいでのお若い(18才未満立ち入り禁止だから、20才前後か)方、CCさくらやちょびっつ以降からがリアルタイムの方にはお判りになりますまい。バビロンに聖伝にレイアース第一章の衝撃を。


だから読み返すたびに最後のページの呪いのあれは、何かデレ×デレの等価交換のように思え………いやいやいやいやいや。鬱っぽいことを書き連ねましたが私とて、できるならば第二の桃矢&雪兎として昇華していただきたく……正座して来週待ってます。

以下例によって箇条書き。


・扉ヤバい。今までのなかで一番ヤバいかも。
・王様、静かなお顔ですね>「抜きなさい」のとこ
・涙拭い&抱き寄せって。
・ハァハァしてるのと口元に血を付けたまま見つめ合うのはイエローカードです。
・でも今回作画ちょっと荒い? ↑のシーンの蒼氷とか。
・サクラさまの羽根を取り込むシーン長い! コマでかい!
・やっぱこの双子の一人称って自分の名前なんですかね。
・震えながらも「眠らせてやれ」と言う黒様GJ。
・王様の目を閉じさせるのと子どもファイへの「眠らせてやれ」のところは、黒鋼母の一連のシーンと対なのですね。
・本物ファイたんいいコだ……。
・サクラさまはお姫様というより、最早女帝の存在感ですね。
・あ、またフローライトの目がぐるぐるしてる……。
・魔法陣? 見たことのないやつだー。
・何があっても黒鋼は手を離しませんでした=結論
・つか、黒鋼の怪我は本当大丈夫なのか、ちょっと。






以下、拍手返信です。他ぽちいただいた皆様、ありがとうございました。
>石の中に羽根〜〜
ああ、当たったみたいですね(笑)。感想は下手に考え込むと駄目なので、いつも思いつくまま10分ほどでだだーーっと妄想を書き連ねているだけなのですが。こんな感想でよければどうぞまたいらしてください〜。
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