きらきら 夕焼けの中 微笑みなげて|080906

『主は 鷹狩のことになれば 竹千代君に戻りもうす』
そう言って半蔵は はは、と笑った。
『お、しかめっ面の頭目殿を 破顔一笑させたぞ! わしもなかなか捨てたものではないな』
家康は まるで勲功をたてたかのように得意げな顔をしてみせた。
その様子がおかしかったのか、半蔵は
『世に武士 数多くあれど、そのようなことできるは主のみ、と申しておくべきか?』
と いたずらっ子のような口ぶりで返答した。
主君と影、という定めから ほんの少し解かれたような時がそこにあった。

半蔵の肩に止まっていた蜻蛉が ふっと飛び去ると同時に、
彼は 空に向かい指笛を吹いた。
飛遊していた鷹が主君の腕に戻ってくる。  
『さ、帰りましょう』と、呟いた半蔵は、
もういつもの凛とした影に戻っていた。

家康に先だって歩みはじめた半蔵の背を見つめて、
彼の主は願う。
天下泰平のその時まで どうかその笑顔をなくさないでおくれ、と。

 

家さまは半さんの笑顔を見るのが好きだけど、その笑顔を見る度にすこし切なくなってそう。
諜報・暗殺・謀略という半さんの任務の過酷さゆえに
いつか半さんが 笑顔のできない人間になってしまったらどうしよう、っていう不安がありそうな。
(ほら、世話をかける、とかそういう謝罪的なことよく言うから 家さま。
いや、まあこの二人 最後はハッピーエンドだとおもうんだけど、
それはいろんな苦難や曲折があっての賜物だってこと!
ってわけでBGMは めぞんのOP『陽だまり』^^