「なんですか!?その格好は!!」 「えへへ〜」 土曜日、本来なら休みのはずやのにもうすぐ行われる文化祭の打ち合わせかなにかとかで学校に行かされて、それだけじゃぁつまらんなぁとグラウンドでサッカーをして帰ってきた。 サッカーをすること自体は、たぶん問題はない。 「えへへ〜じゃありません!!」 圭がすっごい顔して怒ってる理由はたぶん二つ・・・三つかな。 一つは制服のまましてしまった事。 そしてもう一つは、そのグラウンドが昨日過ぎ去った台風の所為で、どろどろのぐちゃぐちゃだっ事やろな。いや、俺としてはな、その水溜りにも果敢に突っ込んでいく感じがおもしろかったんやけど。 「その制服はどうするんです?」 「え――っと、クリーニング?」 制服のパンツは跳ねた泥や、スライディングで擦った土がぐちゃぐちゃについていて、特に左足の方は上の方まで泥だらけ。 シャツにいたっては、原型が白色だったことがにわかには判断がつかない色になってしもてる。 「あなたはいったいおいくつなんですか!?」 「育ち盛りの16歳!ぴちぴちやでっ――痛ぁ!!」 頭を叩かれた・・・・ 「今、ここで、その服を脱いで、そのままお風呂場に直行してください」 あ、青筋発見★・・・・・・なんて言ってる場合ちゃうな、この怒り方は。 かなりまずい空気を感じて、俺は慌ててシャツとパンツを脱ぎ捨ててパン1になるとそのまま風呂場に直行した。 家には風呂が3つあるねんけどな、俺は1階にあるメインの風呂を選んで入った。別に湯はまだ沸いてなくてシャワーだけやからここちゃうくてもいいねんけど、広い方がいいやん。 勢いよくシャワーをひねって、ぬるま湯が降り注いでくる。俺はたっぷりのシャンプーを手にとって髪を洗うとしてんけど、泥で固まっていてなかなか取れへん。 「う〜・・っ・・」 イライラして髪を無理矢理引っ張る。 「あーそんなに引っ張らないで」 「圭!?」 髪を洗っていて目を瞑っていたのとシャワーの音にかき消されて、圭が入ってきた事に全然気付かへんかった。 っていうか、なんで入ってくるねん!? 「まったくこんなになるまで・・・」 圭の手が俺の手を払いのけて、優しく髪を梳いていく。 来てくれるなんて思わんかった。さっきの話。怒ってる三つめの理由やねんけど、それはいま圭がすんごい忙しいからやねん。 だから、こんな事で手を煩わされたくないんやと思ってるんやと思ってた。 「制服は新しいのを出しておきますね。あれはクリーニングに出しますが・・・」 「・・・ごめん」 「本当に反省してますか?」 ・・・服を汚しちゃったことはな。 俺がそっと圭に手を伸ばすと、圭はまだ服をきたままやった。 「服、来てんの?」 「まだ夕方ですからね。まさか裸で一緒にお風呂にはいるわけにはいきませんよ」 ちぇっ。でもさ、シャワーかかってるし、どうせ濡れるやん。それやったら脱いだ方がよくないかぁ? 「さ、いいですよ。流しますから目をしっかりつぶってくださいね」 俺がコクンと頷くと、勢いよくぬるま湯が降り注いできてた。泡を流していくその手のすべりが、心地いい。 「もういいですよ」 シャワーが肩をまだ濡らしているけれど、頭は終わったらしく俺は顔をこすって目を開けると、圭の顔がそこにあった。 「身体は自分で洗えますね?」 圭はシャワーのノズルと壁の下の位置にかけて、額にかかった髪を少し横に流して出て行こうとする。 俺は思わずその服の裾を掴んだ。 「何か?」 「・・・・・」 行っちゃう。 昨日も、一昨日も、その前も触ってもらえなかった。なんか今度するパーティーの準備があるとかで、家と会場を行ったりきたりで圭は今物凄く忙しいねん。 だから俺の相手なんかしてられへん。 俺と一緒にいるよりも、一番上の兄ちゃんと一緒にいることのほうが多いもん。 「まだ忙しいんですけど」 ―――なんやねん・・・・それ。 そんなん嫌ちゅうほど知ってるわ。圭のあほっ あかん。泣きそうや。ここが風呂場で良かった。泣いたって、誤魔化せるし、目が赤くなったら水に顔を突っ込めば腫れもきっと誤魔化せるもんな。 「なぁ、いつ・・・・暇んなる?」 聞いちゃいけないってわかってる。でも、聞かずにはおれへんかったのに、圭のため息を聞いて、言わなきゃ良かったってすぐに後悔する。 俺の指は、圭の衣服から滑り落ちて力なく垂れる。 「ナツ」 行っちゃうくせに、なんでそんな優しい声で言うん? 「ナーツ」 「っ」 圭の離れていった指先が、俺の頬に触れる。優しく撫でてくる。 「顔あげてください」 ・・・・・あ。 俺はかなりドキドキしながら目を開けると、大好きなとろけるくらい甘い笑顔をした圭がいた。 「寂しかったんですか?」 問われて。 俺は思わずその胸に飛びついてしまった。圭の服が濡れることも考えられへんくなって、しがみついてまう。 久しぶりに圭を抱き締める。感じる圭の香り。ぎゅっと抱き締め返されて、その強さにうれしくなる。 「だったら言えばいいのに」 「だって、圭仕事やし・・・」 我侭なんて言えない。 普段は我侭で甘えたなのに、肝心なところ、本心はなかなか言えない。負担になりたくないし。秘密だから。何気ない風でいなければいけないから。困らせたくない。 板ばさみで困るのは、圭やから。 「そうですけど。あんまり平気そうにされると」 ――――不安です。 耳元で囁かれて、不安に一杯やったんは自分だけちゃうんやって知った。圭もそんな風におもってくれてたんやって思うとうれしくなって。 圭の落ちてくる唇がを受け止める。舌を絡めて、口腔内をかき回される。 キスも、圭が教えてくれた。 シャワーで濡れた体躯を、圭の指先が滑っていく。 「・・・・ぁあ・・・」 圭の指先が背骨を通って、奥の秘めたところにたどり着いた。まだ離されないキスに、微かな喘ぎは吸い取られて、圭のもう片方の手が俺の中心を握る。圭に触られるだけでも興奮してしまうのに、やわやわと揉まれて、甘いキスと重なって濡れていくのがわかる。 そのぬめりを圭の指に絡め取られて、後ろに塗られていく。 「はぁ・・・っ」 指で先をグっと強く擦られて、背筋に甘い快感が走る。そのたびにあふれ出す先走りを、何度も何度も後ろに塗られて、圭の指先も蕾も濡れそぶっていく。 自力では立っているんがツラクなって、圭の服に指を絡めてもたれていると、不意に身体を離されて不安に見上げてしまう。 「壁際に立って、後ろ向いてください」 俺は言われたように壁に手をついて立つ。 「あぁっ!」 するといきなり圭の手が尻にかかって、指先がゆっくりと中へ入ってくる。先走りで濡れている所為か、大きな違和感もなく入ってきて、内部をゆっくりと指がうごめいて感じるところを擦り上げられた。 「っ、・・・ひゃ、ぁぁ・・・・」 そこは凄く感じるけど、感じすぎていつも恐くなる。せやのに、圭は容赦なくそこを攻めてきて、指も増やされる。 増やされた指を中で良いようにかき回されて、甘い感覚が身体に広がっていく。腰が溶けそうな快感に、嫌なのに口からは甘い声が上がって。 風呂場に反響して響くんが恥かしい。 指に十分になれて、指以上の快感を知っている奥が欲しくなってたまらなくなって、目の前のタイルについ爪を立てて。ねだるように腰が揺れてまう。 そんないやらしい仕草も、この明るい中で見られていると思うと、一層感じてしまって。 「もう・・・・っ」 「欲しい?」 分かりきったことを聞く圭に腹立つけど、意地なんて張ってられへん。 俺は素直に頷いた。 「・・・っ」 硬く熱いモノが押し付けられる。 「力、抜いて」 「・・・っ、あああぁぁぁ―――――っ!」 あまり大きな声を出しちゃいけないって思うのに、指とは比べ物にならないその質量に、つい声が上がってしまった。 反射的にずり上がった腰を、圭にしっかりと握られて引き戻される。 「あっ・・・んん―――っ・・・・」 慣れた感覚だけれど、やはりこの瞬間だけは身体が緊張してしまう。 「大丈夫ですか?」 圭の息が耳元にかかるのがこしょばい。 「へーき・・・っから・・・・」 もう動いて、その言葉を言う前に、ゆっくりと圭が腰を使い始めた。かき回されて、イイところもその切っ先で突いてくる。 「あぁ・・・っ、や、ああ・・・・・」 触られてもないのに、前はしっかりと勃ち上がってタラタラと涎をこぼしている。 「気持ちいいですか?」 「ん・・・、もっとぉ・・・・」 ねだるように腰を押し付けると、グっと奥まで深く突き上げられた。 「ああ・・・・ふっ、ぁぁぁぁ――――っ」 深く何度も突かれて、甘ったるい痺れが全身を駆け巡っていく。自分でも、腰を回して快感を得ようと淫らに動いてしまうと、より激しく腰を叩きつけられる。 「ひぃっ、・・・ああぁぁ・・・・っ、んんっ」 圭の手が前にも回ってきて、濡れている中心をゆっくりと扱いてくる。 「だめぇっ・・・」 前も後ろも刺激されて、その快感に翻弄されていってしまう。湧き上がってくる快感の波についていけない。 深く突き上げられるたびに、もう堪えることの出来ない声が上がってしまって。 「ふっ、・・・・け、い・・・・けい・・・・・・」 大好きで、大好きで、大好きな人の名前を呼ぶ。 それだけで、身体の中が熱くなっていく。 「ナツ」 「あっ」 名前を呼ばれただけで、圭に握られた中心がドクっと大きく脈打つのが自分でもわかった。なんだか、切なくてかっこ悪くも半泣きになってまう。 「もうイキたい?」 「ん・・・っ、イキ、たぃ・・・・・」 久しぶりのSEXは快感が強すぎて、いつもより早い限界を告げていた。 「もう少しだけ・・・」 圭の声も少し擦れている。 「ああぁっ!!」 圭の動きがさっきよりも全然激しいものに変わって、容赦なく叩きつけてくる。奥まで届くその快感に、俺の身体はきしんで、どんどん駆け上がってくる快感に理性も吹き飛んで喘ぎ声を響かせてしまう。 「ひぃっ・・・・、ああっ・・・・・」 なすすべなく身体がずりあがる腰を捕らえられて、引き戻されて。一層深く突き上げられて、俺はとうとう耐え生きれなくなった熱いほとばしりを放つ。 「っ・・・・ああああぁぁぁ・・・・・っ!」 ぎゅっと圭を締め付けて、圭のうめく声が微かに耳に届いたと思ったら、身体の奥の圭の放つ精を感じた。 |