「ほ……ホントにいいの?ルリ姉」 「いいもなにも……したいんでしょ?あんた」 「それはそうだけど……」 裸になった弟の前で、わたしは同じく裸でベッドの上に横になりながら余裕たっぷりな風でそんなやりとりをししていたけど……ホントは今まで無かったってぐらいに緊張してた。 だってこれから、わたしはこいつと……血の繋がった、実の弟とセックスするんだから。 |
とうとう、こんなことになっちゃったって感じ。 その夜も、弟はわたしの部屋にやってきてた。そして言ったのはもう何回目かの『裸を見せて欲しい』ただ、それだけ。 そしてとうとう、わたしはキレちゃった。 「……あんた、それでいいの?」 そんなわたしの言葉の意味を、最初弟は理解できなかったみたい。だからわたしは重ねて訊いた。 「あんたは、それでいいのかって訊いてるのよ」 「それでって……」 「あんた、わたしとその……エッチしたいって思ってるんでしょ?」 「う、うん……」 そのものズバリを言われてたじろいだりしてる弟に、わたしはさらにたたみかける。 「それって、わたしのことがそれぐらい好きで好きでしょうがなくなっちゃったってことじゃないの?」 「……………………」 「なのにあんたってきたら、毎回毎回『裸みせて』って言っては、ひとりエッチして帰っていくばっかじゃないの……自分の気持ちを、わたしが好きだって気持ちを、実らせようって気はないの!?」 |
そして、そこまで一気にまくし立てて……まともに返事もできない弟をふん、と鼻で笑った。 「あんたのわたしに対する想いなんてのは、結局はその程度のもんだったの? 要するに『手近でおかずに出来る女の裸が見たかった』って程度だったんでしょ」 「……そんなこと、あるもんかっ!」 さすがにこの一言には、こいつもムカッときたらしい。 「僕は……僕は、ルリ姉が好きなんだっ! ルリ姉と一緒にいたい! ルリ姉を抱きしめたい! ルリ姉とキスしたい! ルリ姉と……」 叫びながら握りしめていた弟の拳が、震えてた。こいつのホンキ具合を示すみたいに。 「自分でも変だって判ってる!でも、でも……どうしようもないんだよっ!」 「そう……」 ………………臆面もなくまともに気持ちをぶつけられてしまった。 わたしは気持ちを落ち着けようと小さく息を吐いてから、弟に向き直って言った。 「だったら、何でそうしないの? わたしと一緒にいて、わたしを抱きしめて、わたしにキスをして、わたしと……」 「したいよ! したいけど……」 「姉弟だから? 血の繋がった」 「………………」 他にどんな理由があるんだ。弟のもの言いたげな顔がそう訴えていた。 そんなこと、わたしにもわかってる。けど、 「それがどうしたのよ」 「え」 弟は、呆気にとられたような顔をしていた。 「それがどうしたっていうのよ。姉弟だから? そんなの関係ないでしょ? あんたがホントに本気なら!」 「か、関係ないって……」 わたしは腰掛けていたベッドから立ち上がると、つかつかと弟のすぐそばまで……ほとんど身体を密着させるまでに近づいていった。 「ホントにわたしが好きなら! どうしようもないほど好きって言うんなら! いつまでもだらだらだらだら自分をごまかしてないで………」 そして、頭半分ほど高いところにある弟の目を、じっと見据えて、言った。 「覚悟、決めなさい」 「…………………………………………」 どれぐらい、弟は身動きできないでいただろう。すごく長かったようにも、一瞬だったようにも思う。 けれど、その間に弟は、やっと『覚悟』を決めたらしい。 「……………………………ルリ姉っ!」 目の前のわたしの身体を、弟は抱きしめた。力一杯、ちょっと痛いぐらいに。 (ああ……とうとう、動き出しちゃった) 弟に抱きしめられながら、わたしはぼんやりとそんなことを考えていた。 「ホントに………いいの?」 抱きしめながら、これは夢じゃないかというような面持ちで、弟はわたしに尋ねてくる。 「いやなら、こんなこと言うと思う?」 まだ念押しするか、とわたしは弟の腕の中で小さなため息をつく。 わたしの決心まで揺らいじゃうじゃないか、バカ。 「少なくとも、弟におねだりされて裸見せたりしないと思うけどな」 「…………あれ、アルバイトだからじゃなかったの?」 次の瞬間、わたしは平手で盛大な音を弟の頬の上に立ててやった。 ……もっとも、最初はそうだったんだけどね(笑)。 わたしが寝てるベッドの上に、弟が上がってきた。弟の体重が加わってベッドがぎしと音を立てると、わたしの身体はぴく、と小さく反応しちゃった。 「………」 覚悟が足りないのはわたしか、なんて思っちゃう。 (こうなることを予想してたんでしょ?……ちがう。こうなることを期待してたんじゃなかったの?) 頭の中で、もうひとりのわたしがささやいてるような気分。考えに考えた末に出した結論だってのに…… こいつはわたしのことを好きだって言う。姉として、そしてそれ以上に異性としてセックスの対象になるまでに。 そしてわたしは……それに対してイヤだとかイヤラシイとか感じなかった。 世間一般で言う<タブー>に触れてるのに。 それどころか、いつまでたっても煮え切らない態度でいるこいつに腹立たしささえ感じてた。 わたしだってこいつのことは、好き。だって弟だもん。小さいときからずっと一緒にいた。母さんが死んでからはわたしが母親代わりって気持ちもあったし。こいつが年頃になって、わざとエッチなフリをしてからかったりするのは楽しかったし、ちょっぴりコーフンめいた気持ちも味わったりもした。 ……それはすでにこいつをどこかで『異性』として見はじめてたってことかもしれないんだけど、でも、だからってこいつと姉弟以上の関係になりたいって思うほどに好きなのかといえば……そうかもっていう気持ちと、そうじゃないって気持ちがおなじぐらいあって…… えらそうなこと言ったけど、結局わたしはこいつをけしかけて、自分で出せない答えの決定をこいつに押しつけただけなんじゃないかな。 ……ええい、もうこうなったら考えるの、やめ。動き出しちゃったものは仕方がない。わたしは決めたんだ。こいつの気持ちを受け入れてやるって。 頭の中のぐるぐるを振り切るように、わたしはわざと明るい声で弟に話しかける。 「さ、あんたは、どうしたいの?」 「ルリ姉……」 かすれた声でつぶやくようにわたしの名前を呼んで、弟が顔を近づけてくる。 あ、やっぱそうきたか。 弟の気持ちを察して、わたしは目を閉じてほんの少しだけ顎を上げてやる。 「ん……」 弟の唇が、わたしの唇に触れた。 |
(ふぅん。キスって、こんな感じなんだ……) 生まれて初めての「男女のキス」をまさか弟相手にするとは思ってもいなかったけど、いやな気分じゃない。むしろきもちいいかも。あったかくて、やわらかくて。 ……なんて思っていたのも最初のうちだけ。こいつと来たら、いつまでたっても押しつけた唇を離さないから、だんだん……息……が…… |
「………ん、ん…………ん〜〜〜〜!」 わたしはたまらず両腕で、ぐいぐい弟の身体を押し戻す。 「あっ、あんた、いつまでしてんのよっ!」 やっと自由になった口から、ハァハァとわたしは必死で酸素を取り入れる。 「いっ、息が出来ないでしょーがっ!」 「あ……ご、ごめん」 我を忘れてました、みたいなマヌケ顔で弟が謝る。 「っく、初めてがこんなんだなんて……」 「へ?」 「なんでもないっ!」 聞かれなくて良かった。 「……それより、あんたがホントにしたいのはキスなんかじゃないんでしょ?」 気恥ずかしさをごまかそうとして、わたしはついいつものようにからかい半分で挑発しちゃう。上体を反らすようにして胸をぐっと突き出し、そしてふりふりと揺り動かす。 「ホレホレ。触ってもいいんだぞ〜」 「………(ごくっ)」 弟は生唾を飲み込むと、目の前でタプタプと揺れ動くわたしのおっぱいに、おそるおそるって感じで手を伸ばし……そして、触れた。 (ん…………) 漏れそうになった声を、わたしはギリギリガマンした。 (おっぱい触られちゃった……) もちろん、エッチな意味で触られたのは初めて。しかも触られるだけじゃなくて、手のひら全体で包み込むように揉まれたり、下からすくい上げるように持ち上げられたり、押されたり、つままれたり…… 「あっ」 弟の指先が乳首をはじいた瞬間ピリッ! と走った電気みたいな感覚に、わたしは思わず声をあげちゃった。 そのせいで弟はわたしの乳首が感じることに気づいちゃったらしく、ヤツの興味はおっぱいそのものから乳首に集中していった。 乳首を指で挟み、つまみ、転がすみたいにこすって…… (ば、バカ……あんまりいじるなぁ〜〜〜〜!) 弟の掌の中でわたしの乳首はどんどん固く、熱くなっていく。そしてそれとシンクロするみたいにわたしの呼吸は少しずつ乱れてきてしまう。 (わたし……乳首いじられて感じてる……) 弟がわたしの乳首に吸い付いた。 |
「ひゃうっ!」 びっくりして、変な悲鳴上げちゃった。弟もわたしの声にびっくりしたのか、あわてて唇を離す。 「ごっ、ごめんっ!……ダメだった?」 「う、ううん。ちょっと、びっくりしただけ」 ううっ、みっともない……頬が真っ赤になっていくのが自分でも判る。 でも、いつもは完全にシリに敷いてる弟にこんなところで弱みは見せられない、なんて思って……わたしはまた余裕のあるふりをしちゃう。 「吸ってもいい……よ」 「うん……」 きちんと許可?をもらったと判断したのか、弟は思う存分わたしのの乳首に吸い付いてきた。ちゅうちゅうと音を立てて吸い上げ、舌で転がし、はむはむと甘噛みして……きっと頭の中でずっと『こうしたい』って思っていたことを今、思う存分わたしのおっぱいにぶつけてるんだろう。 ハァハァと熱い、弟の息。ぬるぬるぺちゃぺちゃと這い回る、弟の舌先。ちくちくと時々乳首をかすめる、弟の歯…… 次から次へと押し寄せてくる生まれて初めての感覚に、わたしはもう余裕のあるふりなんかどこへやら。あふれ出る声を抑えきれなかった。 「あっ……んっ、く……ぅん……」 自分でもこんなのが出せるんだってびっくりするぐらいエッチな声に、弟はますますコーフンしていくみたい。おっぱいにかかる鼻息が、すごく熱い。 「え? あ……、ちょ、ちょっと……」 弟の顔が、わたしの身体に近づけたままどんどん下の方に下がっていく。こらこらこら! ぬるり、と弟の舌がわたしのおへそに滑り込でくる。 「こっ、こら! そんなとこ……んぁっ……なめるんじゃ、ないっ……っっ!」 自分でもいじったことないようなところを責められて、くすぐったさにわたしはもじもじ動いてしまう。 「ルリ姉……はぁはぁ……るりねぇ……ッ」 そんなわたしの仕草にも、弟はコーフンしてしまうんだろうか。 そして弟はさらに顔を下へ……わたしの下半身へと移動させていった。ああ…… 「……開いて、ルリ姉」 まだぴったり閉じたままの太ももをじっと見つめながら、うわずった声で弟がわたしにせがむ。 「……………うん」 足を開く決心をするには、少しの時間が必要だった。 |
「…………………」 弟の熱い視線を感じる。アソコの割れ目や、おシリの穴まで。 見せるのは、初めてじゃなかった。何度も見せてくれって頼まれてたから。 でも今日は……見せるだけじゃなくて……触られもするんだよね。いや、触られるだけじゃなくて…… ビンビンにボッキして、先っちょから透明な滴さえこぼしている弟のペニスが、イヤでも目に飛び込んでくる。 (この中に、こいつの……が) 挿れられる。セックスされる。こいつと、とうとうセックスしちゃう! そう思ったとたん、わたしは急に怖じ気づいちゃった。覚悟して、それでもいいって思ってたはずなのに。いや、いいんだけど、けど、やっぱり、その、ええっと、 「ちょっ……ちょっと!?」 そんなわたしの気持ちを知ってか知らずか、弟が急にわたしの両膝に手をかけて……思いっきりガバっ! と開いちゃった。 大きく足を開かれて、文字通り丸見えになっちゃったわたしのアソコに、弟が顔を近づけてくる。触れるか触れないかの距離で、弟の鼻先がヒクヒクと動いてる。 |
「やっ、やだ……そんなとこの匂い、嗅ぐんじゃないって!」 そして弟はわたしのアソコに指をあてて、くいっと割れ目を左右に広げた。 「あぁっ……」 恥ずかしくて思わず声をあげてしまったわたしにもかまわずに、弟はわたしのアソコを夢中になってジロジロ見ていた。まるでわたしのアソコがどんな風になっているのかを隅から隅まで確かめようとしてるみたいに。 ここまではっきりと、アソコを自分以外の誰かに見られたことなんてもちろんない。しかもそれが弟にだなんて。 「きゃ、あっ!?」 弟が、わたしのアソコにしゃぶりついてきた。そして鼻先をアソコの中に突き込んできて、唇でわたしのアソコのぴらぴらをくわえて、舌でわたしのアソコの中をかき混ぜるみたいにグニグニってなめ回して。 「や、やだ、そんなとこ、なめな……んっ、あ、あっ!」 ポカポカと股間に顔を埋めた弟の頭を叩いていたわたしの手は、だんだんと力を無くしていった。だって、今まで自分の指でいじったのと全然違う、もっとすごい気持ちイイのがアソコから広がって来るんだもん……! そして腕から力が抜けていくのと反対に、じんじんと熱くなっていくアソコの奥から、じわじわと熱いヌルヌルがあふれ出してしまうのをわたしは感じてた。 (わたし、濡れてる。わたし、感じてる。弟にアソコ舐められて、わたし、コーフンしてる………!) わたしの呼吸は乱れ、心臓は飛び出しそうなぐらいに脈打ち、無意識のうちに身体全体をよじっちゃう。 なんかもう、へんになっちゃいそう……! 弟はその間も、ハァハァとまるでケモノじみた息を吐きながら、我を忘れたようにわたしのアソコにむしゃぶりついてた。その表情はいつもの弟とは全然違っていて…… なんか、こわい。 |
(あ…………?) ひとしきりなめ回したあと、弟はアソコから口を離して、わたしに覆い被さってきた。足をもっと大きく開かせて、左手の指でアソコの入り口をまさぐりはじめる。 (あ、あ……とうとう、始めちゃうんだ……) 弟が何をしようとしているか、もちろんわたしには判ってた。そして弟はアソコの入り口を見つけると、そこにパンパンに膨れ上がったペニスの先っちょをあてがった。 そしてそのまま、その熱くて丸くて大きな物を、わたしの身体の奥へ向かって、ぐっと押し込み始め…… 「痛ぁっ!!」 部屋いっぱいに響いたわたしの叫び声に、弟の動きが止まった。 「…………………………え?」 弟はぽかん、とした表情でわたしに目を向けていた。 「痛い、って………」 すこしのあいだそのままの表情で固まっていた弟は、マジで失礼なことを言った。 「ルリ姉、もしかして『初めて』……なの?」 「当たり前でしょ、バカっ!!」 わたしは怒鳴った。ホンキで。 |
「あんた……わっ、わたしが男遊びしてるよーな女だとでも思ってたわけ!?」 「そ、そんなこと、ないけど……」 カレシの一人や二人は作っていて、とっくに『経験済み』だと思っていたんだろう。だから、エッチもさせてくれたって。 けれど自分の勘違いを認めたのか、ちょっとしてから、素直に弟は謝ってきた。 「ごめん………」 謝る弟の身体から、ついさっきまでの熱病じみたコーフンやヨクジョウが、ウソのように消えてた。かわりに全身からにじみ出てるのは、後悔と謝罪の気持ちっぽい。 ……そういえば、子供だったころ、イタズラや失敗をしてわたしにしかられたとき、こんな感じだったっけ。 「……まったくよ。もぉ……」 |
そのしょげっぷりがあんまりなもんだから、ついついフォローしてやらなきゃ、なんて思ってしまう。 「……でもまぁ、好きにしていいって言ったのは、わたしなんだし……」 仰向けに横たわったまま、わたしは小さく鼻をすすり上げた。知らない間に涙ぐんでたらしい。 「あんたがため込んでたわたしへの気持ちが一気に爆発したら、こ、こんな風になるかもって、ある程度予想はしてたし……」 予想以上だったけどね。ちょっと怖いぐらいだったけどね。……そんなことを考えたりするぐらいには落ち着いてきたわたしは、目にたまった涙を指先で掬いながらへへっ、と笑うこともなんとかできた。 「もっとも、こっちも初めてなわけなんだし。もーちょっと手加減して欲しいかな〜なんて思ったり、ね」 「ルリ姉……」 遠慮がちにわたしを見つめるその表情も、子供の頃わたしがしかったあとカンベンしてやったときとほとんど変わっていなかった。 そんな様子を見ていると、さっきは別人になっちゃったみたいでちょっと怖かったけど……こいつはやっぱりわたしの弟なんだって、ほっとする。 「……それで、どーするの?」 「え」 心に余裕が出来たわたしの問いに、弟はとっさに反応できないでいた。 「え?じゃないわよ」 そう。決着つけなきゃ。 「続き……するの?」 「え、あ、あの、その……」 何となく、判ってしまう。……こいつってば、正直言うと今でもわたしとセックスしたいんだろうな。でも自分が暴走しちゃったことに引け目感じてたりするのかな。 でも……いまここでやめちゃったら、結局はもとのもくあみになってしまう。こいつにとっても、わたしにとっても。 だからわたしは、弟の背中を押してやる。 「わたしはね……いいのよ」 「え………」 「あんたがわたしを、ここまで好きだっていってくれる気持ちはうれしいから……」 わたしは右手を、弟の頬に添えた。わたしっぽくない仕草だけど……それは雰囲気で。 「あんたの気持ちには応えてあげたい。だから……してもいいよ」 「ルリ姉……」 下半身の方でもぞっとした感触があって目を向けたわたしは、へへっと笑ってしまった。 「あんたの身体の方は、ずっと正直みたいねぇ?」 「うっ……」 わたしが『してもいい』なんて言ったとたんに、こいつってばペニスおっきくしちゃってるし。 「でも!」 びしっ!とわたしは弟の目の前に人差し指を立てて念を押す。 「こんどは、やさ〜しくしなさいよね。なんせ『は・じ・め・て』なんだからね!」 「はい。わかってます……」 妙にまじめくさった口調でしゃべり、そして弟は顔を近づけてきた。 今度は、優しいキスだった。これなら、わたしも落ち着いて応えてやることが出来る。 わたしたちのキスは唇を重ねるだけから、お互いに唇を開いて、相手の舌に自分を絡めて吸いあうキスへと変わっていった。二人とも慣れてなくて時々がつがつと歯と歯が当たったりしたけど、かまわずに弟はわたしの唇を、舌を、そしてわたしも弟の唇を、舌を吸い続けた。 こうしていると、なんだか幸せな気分。……お互いが相手のことを好きなんだって実感できて。 ひとしきりキスを重ねたあと、弟は最初と同じようにわたしの身体をさわりはじめた。けど今度は、自分のしたいことだけを押しつけるような感じじゃなくて、わたしのことを考えてくれてるのが判って、ちょっとうれしくなってしまう。 「ん、ああ……なんか、ふわふわするね……」 |
何の不安もなく触られながら、わたしはだんだんリラックスしてくる。ああ、今度は本当の意味でエッチをしてるんだなって実感がわいてくる。 そして、いよいよそのときが来た。 わたしは、自分で大きく足を開いた。そして指を添えてアソコを開く。なんかいやらしいことをしてるって感じで、ドキドキしちゃう。アソコはもうべちょべちょで、わたしもすっかりコーフンしてるんだって弟にも判っちゃってるだろうな。弟は……なんて考える必要ないか。だってこいつのペニスってば、おなかにくっつきそうなほどにボッキして、ひく、ひくってなっちゃってるんだもん。もうほとんどシャセイしそうな感じに。 「そ、それじゃ……いくよ」 かすれた声を漏らしながら、弟がわたしに近づいてくる。 「う、うん。いい? やさしく……してよね」 今度は大丈夫……そういい聞かせても、やっぱり初めての体験へのおそれと、そして期待? とで、わたしの声はかすかに震えていた。 弟ははわたしのアソコの入り口に、ペニスの先っちょを添えた。やっぱり、すごく熱い。 触れたときにぴくっと弟の身体が震えて、もう出しちゃったの?……とか一瞬思ったけど、どうやら大丈夫だったみたい。 そして、弟はゆっくりと、腰を進めてきた。 小説のエッチシーンなんかであったけど……ホントに、すごく熱くて、固くて、でもなんか弾力のある物が、わたしのアソコをぐりぐりと押し広げながら進んでくる。 「っ、あ、う、くっ」 なんて声を漏らしながら腰を進めてくる弟は、すごく気持ちいいんだろうな。でも、 「……つぅ……」 わたしは体の中をぐいぐい引っ張り広げられていく痛みをこらえるのに必死だった。……こいつのペニスって、実はすっごくでっかいんじゃないの?とか思っちゃう(他の男のはリアルで見たこと無いけど……)。 「だいじょう、ぶ……るり、ねぇ……?」 「いい……から……そのまま、進めて……」 そんな中でもわたしを気遣ってくれる弟の気持ちがわかってるから、わたしはハァハァと息を吐いて何とか痛みを逸らそうとする。 さら進んできた弟の先っちょが、わたしのアソコの中でなにかにぶつかったような感触がした。 多分、わたしの処女膜に。 ……いよいよ、か。 弟もそう感じてるのか、腰を進めるのを止めている。 このまま一気にペニスを入れちゃいたい。でもそうしたらわたしが痛い目を見ることは間違いないし……ってふたつの気持ちでぐるぐるしてるのが目に見えて判ってしまう。 「そのまま……いっちゃいなさい……」 わたしは、もう何度目か忘れたけど……今度も弟の背中を押してやる。 「い、いいの……?」 「いいから……いいの……! このままじゃ、どうしようもないでしょ……?」 そう。このままじゃ、ダメ。始めた以上は最後までやっちゃわなけりゃ、お互いに覚悟を決めた意味がない。 そして、弟は腰を前に進め、とうとう根本までペニスをわたしの中に差し込んでしまった。 身体の奥で、何かが切れるような感じがした。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」 |
その瞬間襲いかかってきた痛みに、食いしばった口元から言葉にならないうめき声が漏れちゃう。もう意地なんか張ってられない。わたしは思わず弟にしがみついちゃった。 「く……つ……う……ッ……!」 そんなうめき声を漏らしながら……わたしは心のどこかで考えてた。 わたしはいま『女』になったんだ、って。そして、こいつは『男』になったって。 ……お互いに好きだって思える相手が初めてで、よかったって。 「る、ルリ姉……ッ」 どこか苦しげな弟のあえぎに、わたしはふと我に返る。すぐ目の前の弟は、なんだかすごく複雑な顔でわたしを見つめていた。 このまま腰をがしがし動かしたい。思う存分わたしの身体でエッチして、わたしの中にシャセイしたい!……そう思ってるに違いない。でもこいつは、動けないでいるんだ。傷ついた私の身体を気遣って。 「い、いい……よ、動いても……」 弟の耳元で、わたしはささやく。 |
「も……慣れて、きたから……大丈夫。あんたの、好きなようにして、いい、よ」 「ルリ姉……」 こくん、とわたしは頷き、小さく微笑んだ。 ホントはまだ痛い。けど、可愛い弟に想いを遂げさせてやりたくて。 「ごめん、ルリ姉……ッ!」 とうとうガマンしきれなくなったのか、うめくように謝ってから弟は腰を動かし始めた。 弟のペニスと、わたしのアソコの中がこすれる。 痛い。痛いよ。 でも、なんかそれだけじゃない、何とも言えない気持ちも体の中に広がってくるような…… 「あ、あ、あ……ああっ!」 弟の腰の動きはどんどん大きく、激しくなっていった。そんなに気持ちいいんだろうか。そんなにうれしいんだろうか。わたしとエッチできて。想いを遂げることが出来て。 ……よかった。 |
「あ、う、ん、んっ、あ……あっ!」 わたしはもっと大きく手を回して、弟にしがみついていく。口からこぼれる切れ切れの声はもう、痛さをこらえて出るせいだけじゃなかった。 「ルリ姉、ルリ姉、るり……あ、あ、ああっ!」 そして弟がひときわ大きな声でわたしの名前を叫んだ瞬間、わたしの中でペニスが大きく脈打った。 |
何度も何度もびくんびくんする弟のペニス。そしてそのたびに、わたしのなかにあったかい感触がじんわり広がっていって。 (あ……出てる……) 身体にかけられたこともある弟のセーエキが、あふれ出てる。わたしの中で、こいつってば一番気持ちいいとこまでイッちゃったんだね。 固く目を閉じて、ひとしきり身体全体をふるわせたあと……力つきたみたいに、弟はわたしの胸に倒れ込んできた。 「……おわった?」 シャセイが止まったのを感じて、わたしは弟ににささやきかけてみる。 「うん……」 「……きもち、よかった?」 「うん……」 すなおにわたしの胸の上でこくこくと頷いている様子は、小さかったときとまるで変わらない。 「ゴメン、ルリ姉……」 「……なに謝ってんのよ」 「だって……僕だけ気持ちよくなって……ルリ姉に痛い思いさせたのに」 「だから……いいんだって」 しょうがないなぁ、こいつは……わたしは小さく微笑む。 「ルリ姉……」 不意に弟はぎゅうっっ、とわたしを抱きしめてきた。 「な、なによ。急に……」 「ありがとう……」 抱きしめたまま、弟は言った。 「ありがとう、ルリ姉……」 わかってるって。 わたしはただ弟の頭を抱いて、よしよしと撫でてやった。 |
そしていわゆる『一線』を越えちゃったわたしたち姉弟がどうなったのかと言えば…… 実は全然変わってなかったりするんだな、これが。 わたしは相変わらず弟に対して強気で、わがままで、好き放題で……弟は弟で辟易しながらも、そんなわたしの面倒を見てくれる。 でも、前と違うのは……なんかすっきりした気分。お互いの胸にわだかまっていた物がなくなったからかな。 多分方法は他にも色々あったと思う。 わたしたちが選んだ方法は、間違ってたかも知れない。 ううん。きっと他の人たちは間違ってるって言うに違いない。 でもいいんだ。 以前よりもわたしは弟をいろんな意味で身近に感じることが出来るから。 だからわたしは、素直に思う。 |
わたしはこいつが好きだって。わたしの、血の繋がった弟のことが。 (おしまい) |