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「昨日送ったメール、見てくれました?」 「メール?」 「9時頃に送りましたよ」 「ちょっと待ってくれ………あ…」 「もう、また電源切りっぱなしだったんで…」 「携帯壊れてる」 「………」 「またやったんですか;何度も言いましたよね、防水といっても 水に浸かっても耐えられるだけで、常に水中で使用するための物じゃないんですって!」 「いや、今度こそいけるような気がしたんだ」 「これで5回目ですよ、そろそろお願いしますよ」 「大丈夫だ、次こそいける気がする!」 「だから、そうじゃなくって…!!」 |
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「大丈夫ですか!?」 「ああ」 「なんでまたこんな朝早くに学校のプールで溺れ…」 「いや、思ったよりも深かっただけ…」 「…此処のプール僕の胸までしかありませんよ」 「排水溝にヒレが…」 「竹中さんど真ん中にいませんでしたっけ?」(排水溝はプールの端) 「…………」 「…………」 「あーと、……内緒な?」 「大丈夫ですよ」 この人は内緒にしたがるくせに、そこかしこで泳ごうとするのだから。 今やカナヅチ魚の話は全校生徒が知りながら、誰も口に出さない公然の秘密となっている。 その事実も、竹中さんには内緒にしておいてあげよう。 |
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「太子のアホ面見てると、助走つけて蹴り飛ばしたくなりますよね」 「……同意しかねるな」 「あと、無性にデコピンしたくなります」 「あ、それは私も思う」 (ええええええええええ…!!?)←狸寝入り |
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「ねえお兄ちゃん、まだ?」 「んー」 「ねえってば!」 「あー」 ガス! 「アフゥ…!」 「早くしてよ、観光の時間なくなっちゃうじゃない」 「…あ、あと、30分だけ」 「もう!」 |
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「ゆーびきりげーんまん、うそついたらはりせんぼんのーます!」 「ゆーびきった!」 「待て太子」 「何、竹中さん?今更約束を無かったことにするのはダ…」 「まだどの指も、切ってないぞ?」 |