貴公蝶
(オリジナル)

前書きor注意書き

始めての投稿です。よろしくお願いします。

 

 

 

8月3日。この日は天野原『貴公蝶祭り』だ。

貴公蝶祭りとは、ここ、天原野だけに生息するメタリックグリーンに赤い線

の入った羽をもつ、夏にしか見られない貴重な蝶、『貴公蝶』のお祭りだ。

時期が時期なので、ここでの『夏祭り』ということになっている。

もちろん日本全国からひと目でいいから貴公蝶をみたい。ということで天野

原に観光客がたくさん来る。

天野原は小さい村だ。人数も比例して少ない。そのためこの祭りはたくさん

の人と知り合えるいい機会だ。

しかしここに住んでれば、毎年夏とともにやってくるので、自分は「別に珍

しくもないだろうに、あんな蝶の何がいいんだ?」と思いがちであった。

あるひのこと、7月24日のことである。こんな時期に台風が来た。台風は

2・3日で通り過ぎたが、おおきな傷跡を残していった。貴公蝶の激減であ

る。

「たいへんなこったなあ。」

「ああ、ほんにたいへんなことやねえ。」

「貴公蝶かわいそうにねえ。」

みんなひどく心配していた。

8月3日。いつもよりかなり少ない人数で祭りはにぎわうことになった。

当然祭りなんだから自分も友達とともに行く。出店がたくさんでていて盛ん

にいらしゃい!というかけ声が聞こえる。そんなのはほっておきで学校の友

達・・といっても小中混合で、全員あわせて22人というかんじの学校で、

友達と言うのも5つ下から1つ上までいる。と一緒にかくれんぼをはじめ

た。

「もういいかい?」

「いいよー」

いろんなところで声がする声出したら見つかるような気がするから自分はい

つも言わない。

自分は崖のそばの木の裏に隠れている。

「みーつけたあ!」

つぎつぎとみんな見つかっていく。まだ見つかってないのは先輩1人と自分

とガキンチョ3人か。

そんなことを考えていると__ガサッ!__近くに誰かが来た。この状況か

らして鬼に違いない。

(やべぇ!)

いそいでその音と木をはさんで反対側へ移動する。そのときだった。

ガッ!「うっ!」

木の根につまづいてしまった。そのまま体は不可抗力で後ろへ倒れる。そ

う・・崖へ。

「うああああぁぁ!!」

ドサッ

さっき音のした場所から狸が不思議そうに見下ろしていた。



「あれ?」

「うん?」

「なんか聞こえなかったかあ?」

「べつに?」

「そうかあ・・」

「はよぉ!まだ3人みつかっとらんでぇ!」

「おうおう」



目が覚めた。体中が痛い。しかし、死んでもいないし致命傷でも重症でもな

かった。

「木がちょうどいいとこにあったんだな。」

目の前の木は手前のほうだけ枝がほとんど折れている。クッションになって

衝撃を和らげたのだろう。それに今自分がたおれているところは土がふかふ

かだ。

「助かった・・・のか?」

周りを見渡す。しかし木以外のものが岩ぐらいしか確認できない。

「はあ・・ん?」

いや、女の子がいた。緑色に輝く着物に赤い帯を締めている。

「あ・・あのっ」

「こっち。」

「え・・・?」

女の子が歩を進める。こちらもなんとか立ち上がり後を追う。

「待って。」

「こっち。」

「ん・・・・。」

女の子についていく。すると湖が現れた。貴公蝶がたくさんいる。

「こんなに・・・貴公蝶が。」

きづくとさっきの女の子は消えていた。

すると貴公蝶達が森の奥へむかっていっせいに移動を開始した。

「まてっ・・」

必死に後を追う。10分ほど歩いたときだった。貴公蝶がいっせいに森に散

っていった。

「え?」

そのわけがわかった。偶然ではないだろう。先に森の切れ目が見える。

「あっ・・」

すこし小走りでそっちへ向かう。森が切れた。

「ここは・・・。」

そこは天原野神社のもっとも奥にある貴公蝶の社の真後ろだった。

綺麗で雄大な貴公蝶の絵が描かれていた。ここは封鎖されていて、普通に中

に入ることはできない。昔こころみたが駄目だった。

自然と頬を涙がつたる。

「ありがとう・・・。」

このとき、自分はこれを絶対に秘密にすると心に誓った。

ありがとう。貴公蝶。

 
 
 
【後書き】

なんか短編集っぽい感じが漂いますね。どうでしたか?これをよんでくれた

ならほんとうに心からの感謝です。是非感想を聞かせて欲しいです。短いで

すがこれで。どうもありがとう。

 

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