旅先で発展して何が悪い (本文サンプル・書き下ろし分・文頭・えろ)※ネット上で見やすいように装丁を改変しています。 ※実際の冊子の装丁は、A5サイズ本 / 25行×28文字の2段組となります。 二人でどこかへ旅行したいな、とずっと話し合っていた。 だが、大学生というのは、それなりの学業成果を出したければ、それなりに真面目に勉学に勤しむ必要がある。 二人は、同じ大学に在籍するとはいえ、学部も別だし、お互い、生活の為にバイトもしている。 あれこれと二人の予定をすり合わせて時間を工面し、漸く、旅行へと漕ぎ着けたのは、旅先が比較的落ち着いているオフシーズンだった。 目的地と日程を決定し、宿を押さえ、現地までの交通手段と観光地を探す。二人で額を突き合わせて観光マップを眺め、ネットで下調べをして、荷物の準備をする。 それだけでテンションも上がり、二人してずっと浮かれていた。旅行までの毎日がいつもと違って感じられた。そわそわして、意味もなく顔を見合わせて笑ったりした。 好きな人とこうしていられるって幸せだなぁ……と、真剣にそんなことを思った。 三泊四日。国内旅行にしては長めで、予定がカツカツにならないゆっくりの日程を組んだ。暇を持て余すかもしれないが、名所旧跡を巡り、温泉に入ってのんびりするなら、これくらいで丁度だ。 出発した日は、とてもよく晴れていた。 大阪から車で片道四時間。道中、短めの渋滞にハマった。セカイの暇潰しに、ちんこをフェラされたりしたが、それ以外は順風満帆に進んだ。 初日は、市内に点在する歴史的建造物に立ち寄り、市内のホテルで一泊。二泊目からは場所を変えてのんびりする予定だ。 初日の夜はご当地グルメを食べ歩き、まっすぐホテルへ帰るのも勿体無いので、セカイの誘いで夜の街を散歩した。 「……っ」 シツは、ぐ、と唇を噛み締め、拳を固く握った。 「いっつも、うるさいくらいあーあ0言うのに、今日はどないしたん?」 「うる、さい……早く、終われっ」 「なんで?」 「……ぅ、ぐ」 下から突き上げられる度に、甘い声が出そうになる。それを必死にこらえて、くぐもった呻きに変えて誤魔化す。 「今の声、可愛い」 「黙れっ」 こんな低い男声に、よくもまぁそんなことが言える。 この声で勃起するセカイの気が知れない。 「あーぁあ、びちゃびちゃ。お前、ケツ濡れすぎ」 「ふ、っ……」 「外やから防衛本能でも働いてる? でも、お前に防衛本能って備わってないもんなぁ」 これだけ傍若無人に扱われても、どれだけ体を作り変えられても、セカイから逃げないのだから、シツに防衛本能は備わっていないに等しい。普通の人間ならとっくに尻尾巻いて逃げている段階だ。 「も、えぇから、っ……早よ、イって……」 「えー……」 「頼む、からっ、……気、付かれ……っ」 「もう気付かれてるって。……ここ、どこやと思ってんの?」 「ぅあ、ぐっ……」 「ほら、今、何人見てるかなぁ?」 セカイは、そうしてわざとシツを煽る。 シツだって、ここがどこであるかくらい分かっている。 でも、ここがどんな場所か、最初から分かっていれば、こんな行為はしなかった。 腹ごなしをする為の単なる散歩だと言われて、セカイに連れて来られただけだ。そうしてやって来たこの公園が、この地方のハッテン場だったなんて、シツは知らない。 右を見ても、左を見ても、男ばかりだというのは何となく不思議だった。旅先の知らない場所で、知人も存在しないのに、知らない人とよく目が合うな……と思ったのも事実だ。 公園のベンチで男が二人、妙に近接して腰掛け、つかず離れずの距離に数人の男がいて、ベンチの二人をじっと観察していたのも奇妙な光景だった。 そのベンチの二人が、互いにマスかきあっているのを見て、漸く、セカイの服の袖を掴み、声にならない声で、今、自分が垣間見た現実について訴えた。 そうしたら、「あぁ、うん、ここハッテン場やから」と当然のように言われ、「言うとくけど、ベンチの二人より、お前のほうがもっとやらしいからな」と追い討ちまでかけられ、木陰に連れ込まれた。 服を脱がしてくるセカイに抵抗したが、「抵抗して騒がしくすると、余計に人が集まるで。こういうとこには、他人がヤってるのを見に来るだけっていう趣味の奴もおるねんから」と脅された。 それならいっそ抵抗せずに股を開いて、セカイに満足してもらって早く終わらせようと思った。 旅の恥は掻き捨てだ。 「声、聞かせてあげたら?」 「……ふっ、ぅうぅ」 両手で口を覆って、首を横にする。 さっきからずっと焦らされている。早く終わって欲しいのに、セカイはだらだらと長引かせて、イきもしないしイかせてもくれない。 シツは、後ろに集中して、セカイを締め上げたいのに、ガサガサと垣根が蠢いたり、ひそひそと聞こえる会話や、他人の気配で、あっという間に意識が削がれる。意識がそちらへ向けば、声を我慢するのが疎かになり、声なき声を吐き出した途端、後ろもゆるむ。 にゅち、にちゅ。ゆっくり、セカイが抜き差しを繰り返す。後ろから犯される度に、木の幹のささくれに服の袖が引っかかる。両脚はがくがくで、セカイに腰を掴まれていなければ、今にも崩れ落ちそうだ。 「……ふ、っ……ぅー……ぅ、うぅ」 両手の隙間から、ふー、ふー、と熱い息と、涎を漏らす。 先走りが糸を引き、草叢に垂れ落ちる。セカイが出入りする度に、剥き出しになった臀部から腸液が伝う。 見られてない? 誰にも、この体、見られてない? そんな不安ばかりがシツを襲う。 ペニスや会陰のピアス、弄られ過ぎて肥大した乳首、そこに通されているバーベル、拡張された尿道、ゆるんでアナルローズになった性器、誰にも見られたくない。 平気で男を咥え込む体。こんな体、絶対に見られたくない。 野外の、しかもハッテン場。そういうことを目的として来ている人が大多数の場所。どれだけ服を着ていても、全身余すところなく視姦されているのと同じだ。 「んぁあっ!?」 意識が、セカイから余所事へ傾いた瞬間、体に電流が走った。ギーシュごと会陰を押されて、ぐにゅぐにゅと肉を揉まれる。 「可愛い声、出せたな」 「……ひ、っ」 「いい子いい子」 「ぇあ、あぁ、あっ」 一度、声帯がゆるむと、喉の筋肉なんて全く働かない。ゆるんで、奥まで開いて、腹の底から頭のおかしい子みたいな声を上げる。 「ふはっ、だらしねぇ声」 「ぉ、おぁあ、っ、ぉ、ン、ぁあ……っ」 シツが啼くと、遠くで、複数の声が湧き立った。「おぉ……」とまるで歓声のような感嘆のような、セカイへ称賛を送るような低い声ばかりだ。 肌がぶつかる独特の音と、ごぽ、ぐぷ、と空気と水分の破裂音が響く。ごりごりと前立腺に叩きつけられる固い感触。じりじりと脳天まで焼け爛れて、何も考えられない。 真っ赤にめくれあがったふちが、ペニスに巻き込まれて内側へ陥没したり、引き出されて脱肛する。セカイのペニスの形に膨らんだ会陰を撫でられ、親指で押されて、外から内を刺激するようにピアスを動かされる。 「んぁああ、ぁー……あ、ぁー……」 「はは、公衆の面前でアへ顔さらしてイってやんの」 「お、ぉぁ、ぁ、へぁあ」 「……あ、ごめん、これ俺だけ。うん、他探して」 「あン、ぁあ……?」 頭上で、セカイが誰かと会話をしている。シツと話が噛み合うような会話でない。でも、今、ここにセカイとシツ以外の誰がいるというのだろう? 「見てるだけならオッケー。写真は禁止で」 「ぁっ、あっ……あひっ」 腹の中で、ぐっとセカイが大きくなる。内臓が持ち上げられて、胃と腸が圧迫される。気持ち良いのか、嘔吐しそうなのか分からない感覚で、酸っぱい唾液が込み上げる。 「そう、すごいでしょ? 開発済みですから。……あー……、確かに、ちょっとゆるいですけどね。腕でも足でも何でも入りますよ、ここ」 「んひ、ィいぃ……っ」 ペニスの入ったアヌスに指が入り込み、横に拡げられる。 怖くて状況を確認できない。剥き出しの背中に、熱い息が吹きかけられた。それが余計に怖くて、俯く。ひたすら頭を下にして、ひっ、ひっ、と細い悲鳴を上げながら、犯される。 「S字? 抜けてますよ」 「おぁ、あ……っ!?」 ばちん、と尻を叩かれる。続けざまに何度も平手を食らう。痛いのに、腸壁がきゅうきゅう切ない。叩かれる衝撃で、ぴちゅ、ぷちゅ、とアヌスから半透明の液体を漏らす。 「……おいこら、触んな」 「ゃ、や……っ!」 セカイの低い声とほぼ同時に、びちゃ、と足元に精液が撒き散らされた。 瞬間、……あ、俺、今、イった? と思った。でも、まだペニスはがちがちに勃起して痛いし、尿道を塞ぐPAピアスのせいで、今のシツは、こんな風にきれいに射精できない。シツがイく時は、もっとあちこちに飛び散って、服を汚したりする。 じゃあ、なんで? 誰が出したの? 誰の精液? どうして? そういえば、今、シツはどこにも触っていない。なのに、どうしてセカイは触るなって言ったの? セカイはまだ中に入っているのに、なんで足元に精液があるの? どうして、耳元で荒い息遣いが聞こえるの? 「せぁ、っ……せぁぃ、っ、せぁぃぃっ」 「あ、すいません、泣き入ったんで解散ってことで」 「ぁ、ひっ……せ、あい……ぃ、ひっ、ぅ……」 「ほら、よしよし。いい子いい子」 「せぁい、痛い、いたいぃ……」 俺、何もしてないのになんで叩かれたの? なんで足元に精液いっぱいあるの? 何、これ、なんで、どうなってるの? 「せぁ、ひ、……っ、こぁい……ぁ、ぃい」 「んー……」 シャツがめくれあがった白い背中に、セカイは唇を落とす。 「……ひっ、ン」 「あのな、シツ……今、俺は、この場で初めて出会った人とお話をしてたんよ。……あ、一人だけと違うで? 全員、違う男やで」 「ぅぁ……?」 「よかったな、お前、今夜から当分、十人以上のオナネタになるで」 「……っ」 「ほら、他人のザーメン付けとるんやないわ」 傍観者がセンズリして射精した飛沫が、シツの頬に付着している。それを力いっぱい指先で拭うと、セカイは自分の服で拭った。セカイ自身の精液ならシツの服で拭うが、他人の精液は、例え服であってもシツには着けたくない。 本当は誰にも見せたくない。自分が作り上げた最高の体を、他人のズリネタに提供してやるのもいやだし、ただ見せるだけでもいやだ。箱に仕舞い込んで、自分だけのものにしたい。 でも、調教の成果をみせびらかしたいし、たまには、他人に自分の伴侶を自慢したいという気持ちもある。だから、視姦だけは許してやった。 「汚れたな」 「……ぅ、っ、ぁ」 「帰ったら、頬っぺたも、体も、腹の中も、真っ赤になるまで洗ったるからな」 他の場所にも飛沫が飛んでいるかもしれない。 ホテルに帰ったら、全身きれいに洗い上げて、腹の中にも腕を突っ込んで掻き回して、それからもう一度セカイのザーメンと小便で汚さないといけない。 全身を真っ赤にして小さく震えるシツに、セカイはもう一度唇を落とした。 あぁ、旅って最高だ。 以下、同人誌のみの公開です。 2012/10/04 旅先で発展して何が悪い (本文サンプル・書き下ろし分・文頭・えろ) 公開 |