好き好き大好き愛してるの何が悪い (本文サンプル・書き下ろし分・えろ)※ネット上で見やすいように装丁を改変しています。 ※実際の冊子の装丁は、A5サイズ本 / 25行×28文字の2段組となります。 「冷静に考えよう」 「おう」 セカイとシツは、牢屋に閉じ込められていた。 ぐらぐらと縦に揺れ、ゆらゆらと横に揺れ、時折、斜めに揺れている。足場の悪い、不安定な牢獄だ。木製で、海賊船の地階層に作られている。そうだと分かったのは、船体を隔てて聞こえる波の音と、二人が着ている服装からだ。 「カリブの海賊って知ってるよな?」 「一緒に映画見たな」 「俺ら、あの海賊の格好してるよな」 「してるな」 ドレスシャツ、刺繍が派手なベスト、豪奢な上着、よく履きこんだブーツ、革のベルトにサーベルとレイピア。絹のサッシュに拳銃を挟み込み、火薬の入った革袋をぶら下げている。貴金属でじゃらじゃらの手指は重く、孔雀羽の帽子を斜めに被っていた。首から通した宝箱の鍵が、ちゃらりと音を立てる。 どこからどう見ても、海賊だ。 シツは……。 だが、セカイはまた可憐なお姫様の格好をしていた。 「お前、人魚姫の時はあんなに死にそうになってたのに……」 「開き直った」 セカイはドレスのまま、胡坐を掻いて牢屋に座り込む。 一度目は人魚姫、二度目は乙姫様、三度目はまたお姫様の格好で、セカイはもういちいち嘆くのをやめた。 「考えよう。最初は人魚姫で、次は浦島太郎。どうやらこの夢は、物語をクリアしたら次の物語へ移動する」 「ほな、今回もクリアできるってことか」 「前の二つがクリアできた理由は?」 「一個目は、俺がセカイに好きって告白したところでクリアできた。二個目も、俺がセカイのこと好きって口走ったところでクリア……」 「物語の流れに沿って、好きって言えばクリアか?」 「…………」 シツは、さぁ……っと顔面から血の気が引いた。 ただでさえ苦行なのに、意味もなく告白するなんて拷問だ。 それも、友達に見られている前で告白するなんて状況は、友達の前でセンズリこいたほうがまだマシだ。 「シツ……お前、そんなに俺が嫌い?」 「嫌いとかそういう問題とちゃう!」 「ほな、なんでそんなにいやがるん?」 「俺は、セカイに好き好き言わんとクリアできんとかそんな馬鹿げたことはいやなだけ! 死にたい! ていうか! いや! マジでいや!! もういや!! 大体、この年にもなってまさかこんな恰好するのんとかほんま無理!! お前もこの年でこんなことするハメになるとかもういややろ! 俺は無理! 何が無理って告白せなならんのが無理! 公衆の面前に見守られて告白するくらいなら、いっそお前を殺して俺は生きる!!」 シツは頭を抱え込み、その場に蹲る。 大の大人が、勇者とか、お姫様とか、お伽話の格好で、臭い台詞を言わされる。 地獄の苦しみだ。 煉獄の拷問だ。 「……な、シツ、あんまり深く考えるな。これは夢や」 「せかい……」 そっとセカイの手がシツの肩にかかる。 背中から抱き締められ、優しく髪を撫で梳かれる。 「……ところでシツ」 「なに?」 「女の子が目の前におるのに、ちんこやなくてケツ濡らすってどういう了見?」 「ひっ……」 服の上からケツを撫でられた。 「すっげ、さっきからおあずけばっかりでケツ穴とろとろ」 「ふ、っ、ひ……」 ぐに……とアヌスを押され、指が差し込まれる。 やわらかくなった内壁を、固い布地で擦り上げられると、足が震えた。二本、三本と増え続ける指を拒む術はない。 シツは牢屋の格子を握り締め、腰を突き出す。セカイの指をもっと頂戴、となすりつける。 「女の子にお尻の穴弄られて気持ち良いの?」 ドレスを着たお姫様が、海賊のケツを責め立てる。 やばい、これはハマる。 「ひ、ぁ……」 「女の子にお尻犯されるってどんな気持ち?」 「……っ、あ」 「ほら、答えて下さる?」 「きもち、ぃいっ……ゆび、おんなのこの、ゆび、きもちいぃ」 「ドMって気持ちわるぅい……」 「そこ……ぜんりつせんっ、もっと、おかしてっ」 「でもぉ、セカイはぁ、お姫様だしぃ、ちんこ付いてないから、そんなこと言われても困るぅ」 「ほしぃ、も、ずっとほしいのに……っ!」 「ずっと欲しかったん?」 「う、ん……んぁ、あっ、あっ……」 「女の子の穴に入れるより、自分の穴に入れて欲しいんや?」 セカイは、構造の分かりにくいズボンに手間取りながら、膝まで下ろしてやる。ねたねたと糸を引いて、ペニスがほんの少しだけ勃起していた。 「こんなに可愛いお姫様が目の前におるのに、ちんこが勃起不全って可哀想……もう二度とここ使うこともないねんやろ?」 PAピアスを引っ張ると、雁首が奇妙に伸びる。 余った皮を指でずるずると扱き、ピアスの輪に指を引っ掻けて陰茎を下に向ける。尿道に指を入れると、開いた穴の中に通された金属を触ることができる。抜き挿しすれば、くぷ、くぽ、と情けない音が聞こえた。 「海賊って変態。お姫様にシモのお世話されてアヘってる」 「……っ、ぁー……」 「涎垂らして……やぁらしぃ」 べろりと頬を舐め上げる。 セカイは、そろりとシツの服から拳銃を盗み、それをアヌスに押し込んだ。 「……は、っひゅ……」 「ずぶずぶ飲み込む。あ、ごめん、撃鉄に引っかかった」 「あ、っン……ん、ぁあ」 「ごめんなぁ、お姫様は女の子やから、おちんちんは付いてないねん。これで我慢して? ごめんな?」 「あっ、あっ……あぐ、あ、ン、っぁあ」 「気持ち良さそう。我慢汁だらだら。……なぁ、女の子に犯されて嬉しい?」 「うれ、ひっ、……いっ!」 セカイの指を舐めながら、首を大きく縦にする。 二週間ぶり。久しぶりにケツマン犯してもらえている。それが例えセカイの陰茎でなくても、ここに入って来る物があるだけで、嬉しい。感動で噎び泣く。 「さみしかった?」 「んっ……さみ、っひ、ぁ……ったぁっ」 「いっぱいこすったげる」 「ぉ、ぉあ、ぉ、おあぁっ」 「こんなモンでこんなに喜んで……可哀想。馬鹿みたい。いっぱい我慢しててんなぁ」 「ン、うん……っ、なか、待ってたぁ」 「男の人に犯してもらえると思ってたのに……女の人に犯されて、こんなに濡らして、……はは、すっげ、膝がくがくしてる、やばい、お前、ケツ拡げ過ぎ」 「ぃ、く……せぁぃっ……えぁあっ」 「なに勝手に一人で出そうとしてんねんな」 「ひぃ、ぐっ……!」 ずるん、と銃身が抜け落ちた。 射精が空振りに終わり、情けなく腰だけが揺れている。 イきたかったのに、もうちょっとでイけたのに。 「セ、ぁいぃ……せ、っ、ぃ、えぁぃぃっ……」 切ない。苦しい。つらい。イきたい。 「欲しい?」 「ほし、ぃ……せぁい、ほしいっ」 後ろ手に腕を伸ばし、セカイのペニスを掴む。 ドレスが邪魔をして握れない。 「落ち着け」 「邪魔、しつの、じゃま……するっ、せぁいっ」 シツが気持ち良くなるのを邪魔するドレス。 ふわふわのひらひら、どれだけ布を手繰り寄せても、シツの欲しいものには辿り着けない。 「はっ……ふ……ぅ、ぅう、ぅうう」 「焦り過ぎ」 「せぁいぃ」 「でも、これで十分とちゃうの?」 腸液に濡れた拳銃を、シツの顔前に持ち上げる。 精巧で緻密な意匠を施された、太い銃身が独特の拳銃。茶色い排泄物が付着している。そこから発する独特の臭気に、シツは顔を顰めた。 「ほら、お前を気持ち良くしてくれた男の人ですよ、ちゃんときれいにしてお礼言わんと」 「んあ、あぁ……ぁ、っぐ」 口の中に押し込まれ、ぐぽ、じゅぽ、と強引に前後される。 鉄臭くて、排泄物の味がする。セカイの味がしない。肉の味がしない。熱くもないし、太くもないし、美味しくない。 何より、大好きなザーメンを射精してくれない。 以下、同人誌のみの公開です。 2012/10/18 好き好き大好き愛してるの何が悪い (本文サンプル・書き下ろし分・えろ) 公開 |