最初でなくて何が悪い (本文サンプル・書き下ろし分・えろ)


※ネット上で見やすいように装丁を改変しています。
※実際の冊子の装丁は、A5サイズ本 / 25行×28文字の2段組となります。

 
 
 目を醒ましたのは、自分が、寝間の中に小便を漏らしたと思ったからだ。内腿のあたりが、じわりと濡れて熱い。熱に浮かされてぼんやりとした頭で、自分の下肢に手を伸ばすと、小便は漏らしていなかったが、勃起していた。
「……、ぁ?」
 べちゃりと濡れて、糸を引く。触った箇所から、また溢れて、体が疼く。
 眉を顰めるシツの隣で、ぐがぁ、と大きな寝息が聞こえた。視線を流すと、しわがれた老爺がいびきを掻いて寝ている。
 まともに自分のものが役に立たない爺は、シツに薬を盛った。その上、どぎつい玩具ばかりを駆使し、長い時間をかけて、シツを苛んだ。一度の射精も許されず、責め立てられた。
 シツは、みっともなく声を上げたが、泣いて縋ることだけは、絶対に、自分に許さなかった。それが生意気だと、余計にひどく折檻されて、気を失った。
「んン……」
 後始末もされていない。ゆるんだ後ろから、玩具が抜けて、どろりと精液が零れる。最後には本物を突っ込まれたようだが、その記憶は飛んでいる。
 これは、一度始末しておかないと、朝まで我慢できそうにもない。そろりと寝台から抜け出し、ふらつく足取りで、隣の支度部屋へ逃げた。ここでなら、薬が抜けるまで、自分で自分を慰めていても、バレないだろう。
 床に両膝をついて膝立ちになる。濡れてぐずぐずになった後ろに手を伸ばす。それだけで、ペニスからは先走りが溢れた。
「ぁ、ふぁ……ぁ、ぁあ」
 声だって、演技も我慢もしなくていい。そう思うと、幾らでも乱れることができる。後ろは大口を開けて、指を咥え込む。掻き回すと精液が落ちてきて、内腿を伝う。
「ひっ、ン、んぁ……ぅ、ぁあ」
 漏らすようなその感覚に、口角が持ち上がる。手早く自分を慰めるだけのはずが、次第に指が増え、穴を拡げるのに勤しんでいる。ぐぷ、がぽ、と、と到底、客には聞かせられないようなはしたない音が、部屋に響いた。
「大股広げて、やらしいなぁ」
「……ひっ、ぃ!?」
 背後から、するりと首筋に手が回った。反射的に、どろりとペニスから白濁が漏れる。
「あっはは、イキよった」
 男は笑うと、シツの腕を掴んで、床を引きずった。
「ぃ、いたいっ……ぃたい、っ……!」
「黙っとれ」
「せかい、いたい」
「声だけで俺が分かるようになったのはえらいって褒めたらんとなぁ」
 シツの腕を放して、セカイは机に腰かけた。今朝方、シツが勉強をしていた、その机だ。
「セカイ、なんで……」
 何故、ここにいるのか。
「初日は俺が買うて言うてたのになぁ……ちょっと手違いで、あの爺にとられてしもうたわ」
「は、え……?」
「せやのに、お前はあんな狒々爺に媚売って、あんな顔見せて……節操ないなぁ」
「あんな、顔……」
「こっちの部屋で、最初から最後まで、お前の濡れ場、ちゃぁんと見といたったで、このど淫乱」
「……っ」
「俺のもんになるはずやってんから、それくらいは女将も許してくれたわ。……まぁ、お前が一人で始めるのは期待してへんかったけど……あんな爺では物足りひんかってんなぁ、可哀想に」
「……全部、見てた?」
「そう、全部。他の男と浮気して、あんなおっきい玩具咥え込むとは……上出来やな」
「……せ、かい、……」
「あぁ?」
「見たのも、……話、も、いい……」
 セカイが何を見ていようが、どんな話をしていようが、どうでもいい。それより早く、今、目の前にあるものが欲しい。
「シツ?」
「んぁ、ふ」
 セカイの膝小僧に両手をついて跪き、両足の間に顔を埋める。ズボン越しに、ペニスを甘噛みする。シツには散々淫乱だと言っておきながら、セカイのそれは軽く勃起していた。
 布地に顔を押し付けて、鼻を鳴らす。セカイに縋って、お情けが欲しいです、と甘え声でねだる。
「ンんぐ、ふ、ぐ……ふは、ぅ」
「がっつくな」
「これ、ほひぃ……おっきく、して」
 これがもっとおっきくなったら、さぞかし役に立つに違いない。歯先でボタンを噛んで外し、下着の間に顔を突っ込んで、ペニスを表へ引きずり出す。
 頬にあたるセカイのそれが、息を呑むほど大きくて、これに犯されるのだと思うと、涎が溢れた。もう我慢できない。自分の準備はできていると、シツは後ろに手を伸ばして、ぐじゅぐじゅと後肛を弄る。
「誰がやるって言うた?」
「な、で……こんなにしてんのに、俺ん中に入るの、いや?」
 ペニスに頬ずりして、先端に唇を落とす。ちゅ、ちゅ、と音を立てて、喉の奥まで迎え入れる。えずきそうになるのも我慢して口淫を施し、早く頂戴とセカイを煽る。
「よその男が使った場所を、使えると思うか?」
「……ぇ、も、使ってほひぃ」
「あかん」
「おねぁぃ、……ちょぉらい」
「……最低やな、お前」
 セカイが欲しいのではなく、セカイの持っている物が欲しいだけ。それが分かっていてもセカイは拒めない。
 シツの肩をとんと押した。シツは簡単に、後ろへと倒れる。
「ケツこっち向けて、四つん這いになれ」
「うぁ、ぃ」
 あぁ、ほら、やっぱり挿れてくれるんだ、と期待に胸を膨らませる。
「両手で自分の穴、拡げろ」
「ん、……ンんっ」
 挿れてもらえるなら、なんだってする。後ろ手に手を伸ばして、ぐいと括約筋を左右に引っ張った。
「でっかい穴やなぁ……」
「せぁい、見て、なか……やぁらかいよ?」
「腰、浮かせろ」
「……ふ、ぁ」
「あほやなぁ」
「ひっ、……!」
 じょ、と水音がして、拡げた内側に熱いものが流れ込んできた。柔らかい腸壁に叩きつけるように、水流が迸る。
「便所はまず、掃除せんとなぁ」
「ひっ、ひぁ、や……ゃ、っ」
「穴、拡げろ。入らんやろが」
「や、らっ……おしっこ、入れたら、や……ぁっ」
 どぶどぶと奥に入っていく。腰を高く上げているせいで、直腸を流れて、結腸まで胎内を逆流する。たぷたぷと水腹で膨れて、孕んでいく。
「漏らすなよ」
「……ひ、っく、……っ」
 くすくすとセカイが笑っている。震える指に、セカイの小便がかかって、水滴が落ちる。
「お前は、右利きやったよな……ほな、左手で拡げて、右手で中、掻き回せ」
「……?」
「掃除しろ言うてんねん。突っ込んでほしいんやろが」
「……っ、ぁ」
 後ろから、靴の先で陰嚢を蹴られる。慌てて、中に指を挿れた。
「普通、三本も挿れるか? 期待しすぎやろ」
「ぁふ、ぁ……あ、んぁあ」
 ちゅぶ、じゅぷ、と水の溜まった腸内を掻き回す。腹の中に水溜まりができていて、ごぶ、こぽ、と気泡ができて、潰れる。
「内側の粘膜も、直腸の隙間も、あの爺のザーメンこびりついてるところは、ぜぇんぶ、きれいに洗えよ」
「ぁ、ぃ……」
 指の腹でこすって、溜まった小便でその指をすすいで、また洗って、奥へ奥へと手を進めて、三本じゃ奥まで足りなくて、四本に増やす。ぎちぎちに引き攣れた入り口を、左手で拡げて、指の付け根まで押し込む。
「あ、ぐ……ぁあ、っ」
「それは掃除か?」
「もれる、せぁいのおしっこ、漏れ……る」
 手が入った分だけ体積が増して、入口から小便が溢れる。
「ケツから小便垂らすな」
「もったい、ないぃ」
「出されたら何でもかまへんねんなぁ、お前……」
 呆れ顔のセカイは、シツのペニスを革靴で押し潰す。大量の白濁が粘ついて、糸を引く。
「いたい、いぁい、ぃ……ぃい」
「こんなに濡らして、痛いも何もないやろ?」
「も、きれぇやから、早く、なか、挿れて……」
 我慢できなくて、前からも後ろからも垂れ流す。足元に液溜まりを作って、子供のように漏らす。
 小便に、別の男の精液が混じって、濁っている。シツはそれに顔を埋めて、今にも舐めそうな勢いだ。
「舐めるな」
 シツの髪を掴んで、上を向かせた。
「ぅ、あ?」
「それは、俺だけのと違うやろ」
「……?」
「あぁ……えぇわ、来い」
 シツを膝の上に乗せる。背中を懐に抱えて、両足を開かせた。
「ン、ぅぁあ、あぁっ、あ」
 シツが、次に何をされるか察する前に、嬌声を上げた。ずる、ず、と太いものが濡れた胎内に押し入ってくる。
「おぁ、ぁあふ、ぁあ……あ、はひっ、はいって、ぉああ……」
 足指の先を痙攣させ、ゆるんだ口元から涎を垂らす。
 今まで犯されたどれよりも大きい。奥へ奥へ入ってきて、もう最後だろうと思うのに、まだ入ってくる。使われたことのない最奥が拡がって、新しく道ができる。
「りゅ、ご……さんより、おっきぃ」
「あぁ?」
「せぁいの、すごい、何、これ……うごいて、はやく、はやくっ」
 自分が何を口走ったかなんて、考えてなかった。それで、セカイの顔が歪んだことにも気付かなかった。自分の中でセカイが大きくなったことに、純粋に笑った。
 ぴたりと二人の皮膚が引っ付くまでにそんなに時間はかからない。限界まで引き攣れて、セカイが入った分だけ余裕がなくなり、内臓が重苦しい。セカイが少し動くと、ぴゅく、と精液が押し出される。
「もっと、奥……」
「がっつくな」
「殴ってえぇから、早く、……中、こすって」
 セカイの手を握って、殴っていいからとねだる。日頃の鬱憤を晴らす代わりに、殴って、犯して、とねだる。
「他にねだり方は知らんのか……」
「つねって、えぇよ?」
 痣の残る太腿に、セカイの手を誘う。
「違う」
「……? つねるの、いや? 爪立てても怒らんよ? 叩いてもえぇし、首、絞めてもえぇし、縛ってもかまへんで? ……せやから、な? 何してもえぇから、はやく……」
「……そやのうて」
「他に、シツにしたいこと、なんか、ある?」
 困ってしまう。眉を八の字にして、悲しい顔になる。
 折角、こんなに大きいのが入っているのに、動いてくれないし、出してもくれない。これじゃあ役立たずと同じだ。この体ではそんなにも遣り甲斐も使い甲斐もないのかと、困り果てて、泣きそうになってしまう。
「シツ、あのな……」
「セカイ、この腕、挿れる?」
 セカイの腕に、唇を落とす。筋肉に沿って舌を滑らせ、骨を噛む。殴るのが好みでなくても、腕や足を挿れるのが好きな人もいる。
「やられたこと、あるんか?」
「ん、せやから、大丈夫……ぅ、ぁあっ?」
 太腿を掴むセカイの力が強くなった。内側を摩擦される痛みよりも、そちらのほうが気がかりなほど、痛む。
「せかい、せかいぃ」
 喘ぐ代わりに、名前を呼ぶ。
 何か怒らせただろうかと不安になる。
「喋るな、黙っとれ」
「……せぁい、怒ったらややぁ」
「ほな、お前のそのどうしょうもない性格を直……」
 途中で、セカイは自分の言葉を止めた。
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 以下、同人誌のみの公開です。



2011/10/03 最初でなくて何が悪い (本文サンプル・書き下ろし分・えろ) 公開