■メニュー(SS付きイラスト) 2007.1.26
#『うなじが性感帯』

――――イル村跡地――――

かつてこの地はイル村と呼ばれる村だった。
周辺にオーク達が住むようになってからは村は荒れ、いつしか廃村となってしまっていた。
その廃村である村の入り口に一人の少女が何やらボソボソと呟いている。

ジラ:「ねぇ、シリルぅ。皆とお別れしちゃって寂しくならないの?」

シリル:「別に寂しくなんかないわ」

ジラ:「ウソ、そんなはずないもん」

少女が一人で呟いてるかのように見えたが、少女の肩に人語を話す生物がいた。
ジラと呼ばれるその生物はシリルの肩を器用に行き来し、顔を覗き込むようにして会話をする。

シリル:「これでいいのよ…今までだってそうしてきたじゃない」

ジラ:「だってぇ…」

口ではそう言ってはいるが、どこか寂しげな表情を浮かべるシリルをジラは心配だった。

冒険者風の男A:「おっ、シリルちゃん!わざわざ見送ってくれるなんてすまないなぁ」

冒険者風の男B:「ホントホント。でもいいのかい?俺らと一緒に帰らなくて・・・」

村の入り口に冒険者風の男が二人現れた。
どうやらシリルの仲間らしい。

シリル:「うん、いいの。ここにはもう少しだけいるつもりだから」

冒険者風の男A:「そうかぁ…これからは寂しくなるなぁ」

冒険者風の男:「一人で留まるなんて大丈夫?何なら俺らも一緒に…」

彼らはシリルと今日までこの近辺にあると噂される聖剣を探していた仲間だった。
しかし、それはこれまでの事で今日で別れる事になるようだ。

ジラ:「ほらぁ、皆寂しいって言ってるよ?シリルも本当は寂しいって言ってあげなきゃ」

シリルの後ろ髪に隠れているジラは、シリルにしか聞こえないくらいの声で後押ししようとする。

シリル:「もう…いいのよ、ジラ。私には寂しいなんて言ってられないのよ?これから先も、ずっと…」

ジラの気遣いも結局は実らず、本当の気持ちを頑なに押し殺そうとするシリル。
彼女の言葉から察するにこうせねばならない事情が何かしらあるようだ。

ジラ:「うぅ〜〜、シリルの意地っ張り!言っても聞かないんならこうしちゃうんだからぁ」

シリル:「え、ちょっ…ジラ!?」

そんな彼女に見かねたジラは彼女のうなじ部分に潜り込んだ。

シリル:「ひゃっ…!」

ジラがうなじを触れたかと思うと突然裏返った声を上げるシリル。
不意を突かれたのもあるが、どうやら彼女はうなじを触れるのが苦手のようだ。



シリル:「ちょっ…やめなさいよ、ジラ…っ…ぁ…」

ジラ:「意地っ張りさんが言う事聞くまでやめないんだから」

特に感じやすい部分らしく、みるみるうちに彼女の頬は赤らみ始める。

冒険者風の男A:「どうしたシリルちゃん?」

シリル:「えっ!?…ぁ…な、何でもないわ」

冒険者風の男B:「それならいいんだけど…それじゃ、俺らはもう行くね」

シリル:「え、えぇ、皆元気でね」

押し寄せる快感を隠すために、引きつった笑顔で二人を送り出そうとする。
しかしジラが黙ってるはずもなく更なる刺激を与えてきた。

ジラ:「シリルぅ、早く観念なさい〜!ウリウリ〜」

ふぅと息を吹きかけたり、触れるか触れないかの微妙な愛撫を繰り返す。

シリル:「ひゃっ…ぁ…は…ぁ、らっ…らめぇ!」

――もう我慢の限界だった。
今まで何とか声を押し殺してきたが、耐え切れず大声を出してしまった。

冒険者風の男A&B:「シリルちゃん!?」

村を発ち、歩き始めていた彼らは彼女の声に気づき急いで戻ってきてしまった。
ジラの作戦勝ちである。

ジラ:「ほらぁ、今ならまだ間に合うよ?早く、私寂しい・・・って言ってあげなさいよぉ」

シリル:「ら、らから…ぁ…さ、寂しくなんか…ないってぇ…」

あまりの気持ち良さに立っていられなくなったシリルは地面に座り込んでしまった。
しかもまともに喋れずろれつが回ってないようだった。

冒険者風の男A:「シリルちゃん、大丈夫かい!?」

冒険者風の男B:「や、やっぱり具合が悪いんじゃないの?」

シリル:「んっ…ふっ、ぅん…さ、寂しくらんかぁ…らひ…」

ジラの言う事を聞くつもりは彼女になかった。
――寂しいなんて思わない。そう心に決めていたからだ。
こうなったら意地でも快感から耐えるしかない。
背筋にゾクゾクッと走る刺激を堪え、目を閉じ必死に耐える。

冒険者風の男A:「お、おい…」

冒険者風の男B:「あ、ああ…シリルちゃんってこんな声出したりするんだな…」

ごくりと生唾を飲み込む男二人。
普通に見たら身体を心配してしまうが、頬を赤らめ小刻みに震えている様子を見ると何だかやましい想像をしてしまう。
普段は仲間内でも打ち解けず、冷淡な印象を持っているから尚更である。

冒険者風の男A:「寂しくなんかないって言ってるみたいだが…」

冒険者風の男B:「そうか!シリルちゃん、俺らと別れるのが本当は嫌なんだね!」

冒険者風の男A:「なんだよ、それを早く言ってくれよシリルちゃん!そうなら今日は俺が寂しくなんかさせてあげないのにw」

冒険者風の男B:「ちょっ、俺だって負けねぇって!」

シリルの様子を見て勝手に盛り上がる二人。

寂しくさせないとは一体何をするつもりなのか…このまま放っておいたら確実に危険である。

冒険者風の男A:「んだよ、お前もやる気満々かよ!w」

冒険者風の男B:「へっ、いつもは意見が合わないのにこういう時だけは合うんだなw」

冒険者風の男A:「そいじゃ、シリルちゃん。早速いつもの家に戻ろうぜw」

廃村であるため空き家が何軒もあり、そこを彼らは今まで拠点として暮らしていたのだった。
座り込むシリルを抱えようとする二人であったが…

シリル:「えっ…?ら、らめぇ!ひ、ひがうのぉ!」

冒険者風の男B:「何が違うんだよシリルちゃんwそうやって本当は俺らの事誘ってるんでsy…」

バキィッ!!

冒険者風の男B:「げぶぅっ!!」

バキィッ!!

冒険者風の男A:「あびばぁ!!」

抵抗できないシリルを強引に連れ込もうとする二人に突如降りかかる鉄拳。
某召喚夜4で殴られ役の一般兵っぽい声を上げて二人の男はその場に倒れこんでしまった。

???:「もう…準備に手間取ってるうちに何やってんだか」

シリル:「あ、貴方は…」

シリルの前に現れたのはケンタウロス族の中年の女性だった。
彼女もまたそこに倒れこんでいる男達と共にシリルの仲間なのだ。

ケンタウロス族の女性:「ダメじゃない、シリル。男どもの前でそんな甘い声出しちゃ。すぐに勘違いして手を出してきちゃうんだから」

シリル:「う、うん…気を付け…ぅっん…!」

いったん落ち着いたかのように見えたがまだジラの愛撫は収まってないようだ。

ケンタウロス族の女性:「ほら、またそんな声出して…。女の私でもどうにかしたくなっちゃうじゃない」

シリル:「や、やぁっ!いひっ…いひぃのぉっ!」

ぶるぶると頭を横に振り、拒絶するシリル。

ケンタウロス族の女性:「アハハ、真に受けちゃって!ほんの冗談よ、冗談」

シリル:「うぅ…」

ケンタウロス族の女性:「さてと…本当にこれでお別れだね。シリルは一緒に行かなくてもいいの?」

シリル:「ひっ…ひせひのひょうさとかも…っ…しゅっ、しゅきらからぁ…!(訳:遺跡の調査なんかも好きだから」

ケンタウロス族の女性:「そ、そう…。本当にシリル、最後になって何か可愛らしい所が見れた気がするわ」

シリル:「ひゃっ…ぁっ…ぁ…!」

相槌を打つかのように、こくこくこくと頭を立てに振り続けるシリル。
もはや冷静に物事を考えられなくなってきてしまっていた。
まともな対応が出来なさそうなので、早く出発してもらいたいと願うばかりだった。

ケンタウロス族の女性:「フフ、本当に可愛いんだから。それじゃ元気でね、シリル。あ、この男どもは私が責任もって連れてくから安心しなさいね」

そう言うと男二人をずるずると引きずりながらイル村跡地を後にするのだった。
あまり気にしない性格だったのが不幸中の幸いといった所だろうか。

ジラ:「あ〜あ、行っちゃったぁ」

シリル:「……」

ジラ:「本当に意地っ張りねぇ、シリルぅ。これだけされても耐えちゃうなんてビックリしちゃった」

シリル:「何がビックリしちゃった。よ!最悪だわ…あんなみっともない姿を人前で…」

ジラ:「シリルがいけないんじゃないのよぉ。素直に言う事聞いてれば良かったんだから」

シリル:「だからってあんなコトしなくたって…!」

ジラ:「あんなコトってぇ?」

シリル:「だ、だから…うなじ…を触るの…」

頬を紅潮させ、口篭るシリル。
どうやらうなじが自分の最も感じやすい所である事を気にしているようだ。

ジラ:「シリルの弱点を把握してるんのは私だけなんだから。怒られたって怖くないよ」

シリル:「もうっ…!ジラなんて知らないっ…!」

完全にシリルとの間柄ではジラが主導権を握っているように見えるが、ジラには「水に濡れるのが嫌い」という弱点がある。
後日、仕返しに近くの川辺で連日「水浴びという名のびしょ濡れ地獄」にされてしまう事をジラは知る由も無かったのだった…。
■キャラ設定
>シリル
イル村をベースキャンプに聖剣探しをしている少女。
彼女なりに何か目的があるようだが…?

>ジラ
シリルが連れている魔導生命体。
シリルの隠れた一面を見る事に興味があり、彼女を弄るのが趣味。
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