あらすじ
南条あやに憧れて、二階堂奥歯に恋をした。高速回線はうさぎの夢を見ないまま、404の愛を知る。
カート・コバーンの遺書を読み、カルト・ブランシェみたいな下駄箱へ、24センチの靴を置く度に、タイムカードを押すようだと呟いた。
初潮が私にくれたのは、わたしの様に黒い夜。
私の体は子供が出来る。子供の体に子供が出来る。
初体験が私にくれたのは、そんなわたしに良く似た黒い夜。
場末のホテルで初めて会った42歳の男に抱かれながら、聞かされたのはさよなら世界夫人。
阿佐ヶ谷ロフトに貼られてた佐竹一政のポスターを、シド・ビシャスみたいと嘯けど、YouTubeさえ検索しないまま、3週目の日曜が終わる。
完全自殺マニュアルと、完全家出マニュアルと、お薬手帳に書きつけたハルシオンを並べても、貰った処方は風邪薬。
薔薇の葬儀に憧れて、園子温に費やされたい私が、夢を見たのは花と蛇。
けれど、シーツに沁みたザーメンと、折り畳んだ制服は、ロマンポルノにもなりゃしない。
あの日言われたあの言葉。
私の中の少女が死んだ、あの日に言われたあの言葉。
サグメと名乗った、あいつが囁いた、その言葉だけが、私を今も締め付ける。
さぁ、幸福な死を始めよう。