へどにずむ」管理人の へどもどさんからの投稿作品です。











『スライムさんは嫉妬深い』




水飛沫とともに嬌声が上がる。
プールに飛び込んだ瑶子(ようこ)さんが、こっちを振りむいて笑う。
楽しげなその表情を見ると
連れてきて良かったなぁ、とあらためて思う。

ここは高級ホテル内に設置された屋内プールだった。
プールの利用時間も終わりに近いせいか、
僕たち二人のほかには誰もいない。

こんなホテルに泊まるのは、大学生の自分には分不相応だった。
でも、今回は瑶子さんへのお詫びと感謝を兼ねてちょっと奮発した。
大学院入試の勉強のせいで、長いことデートもしていなかった。
そのことをずっと申し訳なく思っていたから。

「トモくん、入らないの?」

瑶子さんの手招きに応じて、水の中に入る。
水はほどよく冷たくて、
くすぐったいような気持ちよさが全身に走る。

「私、一回こんな大きいプールで泳いでみたかったんだ」

手足を大きく伸ばして、瑶子さんは水に身体をゆだねる。
幸福感に満ちたうっとりした顔。
水の中にいることが嬉しくてたまらないといった表情。

それも当然のことだった。
だって、瑶子さんはじつはスライムだから。

僕が薬学部での実験に失敗してできた正体不明の粘体物。
それがスライムの憑代としては最高級のものだったらしく、
近くを通りかかったスライム……瑶子さんが憑依してしまった。

なんでも、スライムはもともと意識だけの存在に近くて
だから身体の形を変えたり、物体に憑依したりもできるらしい。
ぜんぶ瑶子さんから聞いた話だけど。

そのあと紆余曲折あって
スライムさんは水科瑶子という人間女性のふりをして、
僕の恋人として生活してる。
 
 
「んー、ホントにいい気持ち」

瑶子さんの身体が、目の前をゆらゆら漂う。
その肉体の柔らかさをふいに思い出してしまう。
やわらかすぎる、あの感触。
手のひらでつかめないほどにぬるぬるになる肌。
指が沈みこむほどにとろとろになる肉。
理性がうすらいでしまう甘くやらしい匂い。
そして優しい優しい声。

「どうしたの?」

瑶子さんが不思議そうに僕を見ていた。
なんでもないよ、と笑い返す。
だけど視線がついつい動いてしまう。
瞳から唇、首筋、それから胸元へ。
水着のフリルの陰翳が、大きな胸を際立たせてる。

「お姉さんのおっぱい、そんなに好き?」

いきなり指摘されて心臓がとくんっと跳ねる。
いつものことだけど、僕のことを本当によく観察してる。

「昨日もあんなにいっぱい触ったのに、
 また触りたくなっちゃった?
 ふふ……甘えん坊さんだね」

水面に寝そべった格好のまま、
僕の手をとるとゆっくりと胸の上に持っていく。
小さく薄い布越しに、柔らかい感触が伝わってくる。

「勝手に揉んだらだめだよ?」

釘を刺されてしまう。
戸惑う僕を見て、瑶子さんはにたりと笑う。
手が彼女に操られて、水着の上を撫で回す。
濡れた布地の感触とかすかなあたたかさ。

にゅるっ、と水着の隙間に指が入り込む。
小指の先っぽが、小さな突起に触れた気がする。
でもその感触を思い出す暇もなく、
指先がぬるぬるとした感覚でいっぱいになる。

瑶子さんの全身にローションのような液体が広がり、
光を受けててかてかと光っていた。
肌から粘液を染み出させたり、身体の柔らかさを変えるのは
スライムである彼女の特技だった。

ぬるんっ…にちゅるんっ……と、
手がおっぱいの上をすべりつづける。
自由に揉みしだきたかったけれど必死に我慢した。
感覚が手のひらに集中する。
彼女に操られるままに、とろとろの肌を感じつづける。

「トモくん、大好きだもんね、私のぬるぬる」
 大好きなおっぱいと、大好きなぬるぬるが一緒になったら
 大変なことになっちゃうねぇ」

僕の水着がずり下げられ、性器が露出する。
すでに大きくなっていたペニスの亀頭に、
瑶子さんの人さし指がぴたっと置かれる。

「ほら、やっぱり大変なことになってる。
 ね……出したい?」

ほんのちょっと答えに迷った。
今日は瑶子さんのためにここに来たのに。
僕ばっかり気持ちよくて、いいのかなって。
そう思って。

「ん? また私に遠慮してる?
 優しいね………うれしい。
 でもいいんだよ、私は淫魔なんだから。
 精液もらうのだって、素敵なご褒美なんだから。
 いくらでも出してほしいくらいなんだから」

そんなふうに言われて我慢できるわけなかった。
瑶子さんに精液を搾りとってほしくてたまらなくなる。
こくこくと首を振って快楽を要求してしまう。

「うん、それじゃ楽にしてあげる」

人差し指と親指でできた輪っかが雁首のまわりに添えられる。
かと思うと、次の瞬間には瑶子さんの指は動き出してた。
ほそい指が、肉棒に絡みついてねちっこく踊る。
やわらかい指の腹が裏筋を刺激していく。
たちまち射精感がこみ上げてくる。

「あは、もう出ちゃいそう?
 いつもより早いのはなんでかなぁ。
 お姉さんの水着姿に興奮しちゃったのかな?
 それとも」

瑶子さんの声が途切れた。
指の動きも止まる。
どうして、と聞き返そうとして僕もその理由に気づく。
話し声が聞こえる。
誰かがプールに来たんだ。
慌てて水着を引き上げてペニスを隠す。

声はどんどん大きくなり、
やがてプールサイドに二人の女性が現れる。
二人とも可愛らしい女性だったけれど、少し年齢差がある。
大学生と高校生ぐらいだろうか。
話しぶりからしてどうやら姉妹みたいだった。

こちらに気づいて、二人が会釈する。
僕もにこやかな顔で挨拶を返す。
それから二人は少し離れた場所で遊びはじめた。

「……瑶子さん、大丈夫?」

声をかけると、彼女の肩がかすかに震えた。
僕の陰に隠れるようにして、瑶子さんは身を小さくしてた。
瑶子さんは……あまり人間に慣れてない。
それでも普段はまず平気なんだけど、
こうやって突然のことがあると萎縮してしまう。

「上がろうか?」

瑶子さんはだまって首を横に振った。
かるく肩を抱いてあげて、少しそっとしておこうと決める。
 
 
水につかったまま、しばらくぼんやりする。
姉妹がはしゃぐ声ばかりが耳に入り、
どうしても視線もそちらを向いてしまう。

姉の方は瑶子さんに匹敵するほど抜群のプロポーションだった。
ビーチボールを投げるたびに下乳がゆれる。
ビキニからこぼれ落ちてしまうんじゃないかと、
見てるこっちが心配になるくらい。

姉に比べると、妹の身体はいかにも発達途上という感じだった。
だけど、だからこその瑞々しさ、健康的な色っぽさがある。
形の良いお尻や、弾力のある太ももが視界でちらつく。

ペニスがまた大きくなる。
いけないと思ったけれど……抑えられない。
さっき射精直前で止められていたせいで、
たちまち限界まで硬くなってしまう。

彼女たちを見ながら自慰行為をしたい。
そんな最低のことまで考えてしまう。
快楽を求めてペニスがひくつく。
あたたかく粘ついた感触が広がり、そのまま射精しそうになる。

「……え?」

いつのまにか、ペニスがなにかに包まれていた。
ゼリー状のぷるぷるとした触感のものが、
水着のなかで肉棒をすっぽりと覆ってる。
それは……瑶子さんの手から伸びていた。

「トモくん、ああいう女の子が好きなんだ」

瑶子さんが僕を睨んでいた。
嫉妬、という言葉以外に表現が見つからない顔だった。

「瑶子さん、そういうわけじゃ」
「うそつき」

言い訳すら許されなかった。
ペニスを包んでいるゼリーがぐにぐにとうねる。
いつもの優しく撫でるようなものとはまるで違う、
竿を揉みこむような強烈な動きだった。

「おちんちん触れば、分かるんだから。
 あの子たち見て興奮したんだよね、トモくんは。
 やっぱりそうなんだ、
 人間の女の子の方が可愛いって思ってるんだ」

「そんなことないよ、その、これは、
 さっきまで瑶子さんに触られてたから、それで」

「ふーん、そうなんだ?
 じゃあ、トモくんが本当のことを言ってるかテストするから。
 嘘ついてないなら、
 あの子たち見ながらおちんちん触られても我慢できるよね」

股間の刺激がさらに強くなる。
いまや瑶子さんの手はすっかりゼリー状のオナホールに変わり、
ペニスを完全に飲み込んでいた。
ホールの側壁からあたたかな粘液がしみ出てくるのを感じる。

「待って……こんなの、ぜったい……」

抗議しようとしたけれど、その言葉さえ言い切れない。
密閉された穴のなかはローション状の液体でいっぱいだった。
冷たい水のなかにいるのに、腰から先だけが熱かった。
ホールのなかでペニスがどろどろに溶けてしまっているような、
そんな錯覚さえしてくる。

「どうしたの? まさかもう出そうなんて、言わないよね?
 トモくん、ちゃんとお姉さんと約束したもんね。
 あの子たちが帰るまで射精せずにいる、って」

そんなこと言ってない。
けど舌の根が震えて声にならない。
油断すると、みっともなく喘ぎ声さえ上げてしまいそうだった。
あの姉妹だっているのに、それだけはできない。

瑶子さんの手オナホのなかは、次々と形が変わっていく。
小さな突起がいっぱいついていたかと思うと、
次の瞬間には、柔らかいひだが無数についた膣壁になっている。

「ほら、頑張らないと。あの子たちもこっち見てるよ……って、
 もしかしてボール取ってほしいのかな?」

彼女たちの手からこぼれたビーチボールが近くまで流れてきていた。
僕は必死に笑顔を作り、ボールを拾い上げる。
そして投げ返そうとして、でも。
穴がぎゅうっと収縮して、竿の根元から精液を搾り取ろうとする。
ペニスのなかで血管がどくどく脈打つ。

それでも耐えた。射精はせずにこらえた。
だけど……ボールを投げ返すことはできなかった。
ボールは手から落ちて、また水面をあてもなく漂う。

「あーあ、トモくんがちゃんと取ってあげないから、困ってるよ?
 それにちょっと不思議に思ってるみたい。
 大変だね。このままだとバレちゃうかも。
 可愛い姉妹を視姦しながら気持ちよくなってる変態さんだって、
 そんなこと知られたら終わりだね。早くなんとかしないと」

言葉とは裏腹に、瑶子さんの手は少しも動きを止めない。
ひだがまるで舌のように動いて、亀頭を幾重にも舐めまわす。

「あ、お姉ちゃんの方がこっち来るみたい。
 ……ねえ、トモくんは私なんかよりあの人で射精したいんだよね。
 だったら、そうさせてあげる。
 あの人の前でよがりながら出しちゃえばいいんだから」

無茶苦茶な理屈だった。
自分で扱いておいてそんなこと言うなんて。
でも僕は知っていた。
こういうときの瑶子さんには理屈なんて通じないってことを。
なんとか耐えきるしかないんだって。

「我慢してるの?
 無理しなくていいんだよ、欲望に素直になっていいんだよ。
 私のことなんか忘れて、ぴゅーぴゅーすればいいのに」

そんな囁き声も、女性が近くまで来るとさすがに止んだ。
かわりにペニスを飲み込んだ穴がさらにいやらしく動く。
ぷくっと膨れて刺激を遠ざけたとかと思うと、
ペニスごと押しつぶすみたいにぐちゅぐちゅに圧縮してくる。

「え、と……その………ボールとってもらえます?」

眉をひそめながら彼女が話しかけてくる。
僕は水のなかで身悶えしながら、
それでもなんとか肩のあたりに浮かんでいたボールをとる。

「あ、どうも……ありがとうございます」

ボールを手渡すとき、彼女の指がかすかに触れた。
すべすべした指先の感触に、思わずペニスが跳ねる。
途端、穴のなかがうねって……指が生えて伸びてくる。
オナホールのなかで手コキされてる……!

もう限界だった。
んっ、と声が漏れてしまう。
息が荒くなり、下半身の筋肉が張りつめる。
射精することしか考えられなくなる。

「あの…大丈夫ですか?」

怪訝そうな顔をしながらも、女性は問いかけてくる。
そんなことしないでほしいのに。
胸の谷間を見せつけないで。
すべすべの肌を近づけないで。
「お願いだから…早く……帰って」

最後の台詞は、思わず声に出ていた。
女性が驚くのさえスローモーションのように見える。
早く帰って、早く、はやく……。

女性の胸元から目が離せなくなる。
たぷたぷと水の上でゆれる乳。
水色のビキニの水着がまぶしい。
その前紐をほどきたくなってしまう。
……本当に紐がほどけていく。
水面から瑶子さんの指が伸び、紐をつまんで引っ張る。

水着がとれて、胸が露わになる。
形の良い巨乳と、水のなかで硬く尖った乳首。
なんて気持ちよさそうなおっぱい………あぁ…!

瑶子さんの手オナホのなかで精液がどぷどぷ漏れる。
ホールが破裂するんじゃないかと思うぐらい、
たっぷりと精液が放たれていく。
ここが水の中じゃなかったら、きっと立ってさえいられない。
視界がぼやけて、でも彼女の裸の胸だけははっきり見える。

射精の最初の勢いが収まったところで、女性が小さく悲鳴を上げた。
自分の胸がさらけ出されているのに気づいて、あわてて両腕で隠す。

「え、うそ……私の水着………あれ?」

水着は瑶子さんのところまで流れていた。
瑶子さんはそれを拾うと、にこやかな表情で女性に返す。

「はい、これ。
 ……こら、トモくんは目つぶってなきゃだめだぞ」

そんなふうにいいながら、
でも僕にだけ分かるように水着の裏を見せつけてくる。
そこにはねばっこい白い液体がはりついていた。
瑶子さんの身体のなかを通った精液が、指先からなすりつけられていた。
またペニスがひくひくと蠢いてしまう。

女性は水着を受け取ると、
よく確認もせずにそのまま身をひるがえして戻っていく。
そのあと姉妹はなにかこそこそ話していたけれど、
やがて気持ち悪いものを見る目をして、プールから立ち去った。
 
 
 
しばらく沈黙がつづいた。

僕はといえば射精後の余韻と放心でまともに喋れなかったし、
そして瑶子さんはといえば、こちらに背を向けたきりだった。
やっとのことで僕が声をかけたときも、怒りは消えていなかった。

「瑶子さん、あの」
「射精した」

それだけ言って、また黙り込んでしまう。
反論しようにも、股間にはまだ快感が残っている。
瑶子さんに無理矢理に襲われたのはたしかだけど、
でもあの姉妹に興奮しちゃったのも事実だ。
後ろめたさが消えない。

「……ごめんなさい」

素直に頭を下げた。
瑶子さんの肩に頭を預けるようにして謝罪する。
少なくとも、払いのけられることはなかった。

「トモくんがほかの子が好きでも、いいんだよ。
 人間じゃない私なんて…………気持ち悪いもんね」

「そんなことないっ」

悲しげな呟きに耐えきれなくて、彼女の肩をつかんだ。
肌の表面がかすかに波打ち……ふるえていた。
身体に触れるだけで、泣きそうなほどのさびしさが伝わってくる。

「瑶子さんのこと、僕は好きだから。
 ほかの誰より好き。ほんとうに好き」

「……でも私、人間じゃない………スライムだもん」
「スライムだから好き」

彼女の身体を思いっきり、それこそ人間の女の子だったら
苦痛で叫びだすだろうぐらいに抱きしめる。
でも瑶子さんの身体はおどろくほどの弾力で抱擁を受けとめる。

「スライムだから、力いっぱい抱きしめられる。
 瑶子さんのぷるぷるした身体だって大好き。
 あのぬるぬるだって、さっきの手オナホだって大好き。
 人間の女の子になんて真似できるわけない。
 射精しちゃったことは……ごめん。
 でもそれだって、瑶子さんがしごいてくれたから。だからだよ。
 瑶子さん以外じゃ……気持ちよくなれない」

透き通った肌にきれいな波紋ができては消えていく。
瑶子さんの身体がじわりとあたたかくなるのを感じる。

「スライムお姉さんのおっぱい好き?」

うなずくかわりに、彼女の胸を押しつぶすように撫でる。

「スライムのとろとろの身体、トモくん好き?
 お姉さんのなかで、さっきよりいっぱい射精できる?」

再び勃起してきたペニスを瑶子さんにこすりつける。
ぬるぬるの指が水着を剥ぎ取り、亀頭をまさぐってくる。

「うん……じゃあ、今度こそホントに気持ちよくしてあげる。
 人間の女の子じゃできないこと、いっぱい……してあげる」

亀頭を這っていた指が、今度は尿道口を上下になぞる。

「さっきの射精を忘れるぐらいのこと、しちゃうよ」

瑶子さんが淫らに微笑むのと同時に、
やわらかく溶けた指が尿道に入り込んでくる……!

「ん、んんっ……! 瑶子さ……これ………やめ…っ」

やめてあげませーん、と明るく笑いながら
僕の恋人はさらに液状の指先を送り込んでくる。
まるで精液を逆流させられてるみたいで、
もどかしさと快楽が交互に襲ってくる。

「ふふ、たっぷり奥まで入ったねー。
 でも……これからが本番だよ?」

嬉しそうな瑶子さんの顔が可愛くて、やらしくて、でも怖くて。
やめて、と言おうとしたけれど、遅かった。

……ずぴゅっ……じゅぷっ……びゅうぅっ………!

わけも分からないまま射精した。
……射精したと思った。
だけど、射精とはなにかが違う。
あのどくどくと根元が脈打つ感覚がない。

「はい、もう一回」

瑶子さんの指が奥まで差し込まれる。
それからまた、あの………あぁぁ…!

「トモくん、声大きいよ?
 さっきの女の子たち、まだ近くにいるかもしれないのに。
 この射精のまねっこ、そんなに良いのかな?」

「まねっ…こ……?」

「そうだよー、スライムお姉さんの秘密の技のひとつ。
 こうやって指をとろとろにしてぇ、精液みたいにして、
 それをおちんちんの奥に入れたり、出したり。
 ね、ホントにびゅるるって射精してるみたいでしょ」

無限射精、なんて単語がとっさに浮かぶ。
瑶子さんからしたら指を上下に動かしてるだけなんだろうけど、
僕にとっては何十回も射精してるのと同じだった。
そのくせ射精後の虚脱感がないから、
快感がひたすらに高まりつづける。

途中からはもう、ペニスを犯されてるのか、
それとも脳みそを直接指でずぽずぽされてるのか分からないほど。
延々と弱い射精感だけが繰り返される。

「この辺にしとこうかな?」

意識すら朦朧としてきたところで、ぴたりと快感が止まる。
瑶子さんは抜き取った液体をまた指に成形すると、口に含んでねぶる。

その仕草を見ているだけで、ペニスがびくびくと震える。
あれだけ射精感覚を味わって、でも実際には一度も出してない。
頭がおかしくなりそうだった。

「瑶子さん……お願い…出させてぇ………」

懇願しながら、自分の口からよだれがこぼれているのに気づく。
その唾液をとろとろの舌で舐め取って、瑶子さんが笑う。

「どうしようかな、泣き顔のトモくんもかわいいし」

お願い、お願い、と駄々っ子のように繰り返してしまう。
涙まで滲んでくる。
さっきあんな子たちに欲情したことが心から悔やまれる。
ごめんなさい、ごめんなさい、と何度も喘ぐ。

「しょうがないな……じゃあ、お姉さん優しいから許してあげる。
 たっぷり精液出させてあげる」

肩をつい、と押された。
ゆるみきった僕の身体は、かんたんに水面に寝そべる。
背中に水のゆらゆらとした感触が広がる。

「このまま、水の上で犯してあげる」

瑶子さんのねばねばの身体が、覆いかぶさってくる。
足の上に、彼女のぬるぬるの足が吸いつく。
手の上に、彼女の粘液まみれの手がのせられる。
胸の上に、彼女のおっぱいがぐにぐにと押しつけられる。
全身まるごと、隅から隅まで、瑶子さんとぴったり重なる。

「最後は……ここ」

股間にこすりつけられていたペニスが、いきなり柔らかさに包まれる。
瑶子さんの身体のなかに肉棒が埋めこまれる。

「トモくんが一番大好きな、私のナカだよ。
 女の子の膣ですらない、スライムさんの体内。
 でも、トモくんはこっちの方が好きなんだもんね」

埋まってしまったペニスに合わせるように、
スライムの形状が変わっていく。

「はい、トモくん専用のあそこの出来上がり。
 1ミリの隙間もない、
 このおちんちんのためだけの完璧な穴だよ?
 それに……」

瑶子さんのナカがピストン運動をはじめる。
だけど、彼女の身体は少しも動かない。
スライムの体内だけが、ひとりでにペニスをしごき上げてくる。

気持ちよさに声が漏れそうになって、
でもそれより先に唇を塞がれる。
舌と舌が絡みあう。
瑶子さんの甘い唾液と、僕の汚い唾液が交じりあう。
そのぐちゅぐちゅの液体をすすりながら、彼女は笑う。

「ね、こうやって犯しながら、キスだってできちゃうの。
 ふふ……素敵でしょ?
 なんだって同時にできちゃうよ?」

またキスされる。舌の根元が撫でまわされる。
それと一緒に、大きな胸がこすりつけられる。
生き物みたいにひとりでにおっぱいが揺れて、
僕の胸板に柔らかさを教えて、それから乳首をぎゅうっと押しつぶす。

そのあいだもペニスへの刺激は続いていた。
上下運動が止まったかと思うと、
螺旋状にくるくると穴全体が回りながら締め上げてくる。

「ん、もう限界?
 お姉さんの身体のナカに出しちゃうのかな?
 気持ちよすぎて、 もう人間の女の子と付き合うことなんて
 考えられなくなるかもしれないけど、いいのかな?」

もちろんそれでよかった。
瑶子さんがいてくれれば、それで。

「うん。それならいいよ。
 頭も身体も空っぽになるまで射精して。
 スライムのお姉さんがいくらでも食べてあげるから。
 精液……好きなだけ出して」

三度目のキスがされる。
優しい瑶子さんの顔が視界いっぱいに広がる。
腕と腕、脚と脚が絡まりあう。
穴がきゅうっと一際強く、ペニスを抱きしめるみたいに収縮する。

とろっ……と最後の一線が溶ける感覚がした。
腰以外の全身の力が抜けて、水に身体が委ねられる。
ペニスの根元がひくつき、精液が放たれる。
ぷるぷるのゼリーのなかに、何度も何度も精子を吐き出す。

「んっ…来たぁっ………あつい…………おいしい…」

瑶子さんのナカは完全に僕に吸いついている。
吐き出す先から、どんどん彼女のなかに精液が飲み込まれる。
瑶子さんの目がいやらしく蕩けていく。
優しい水にゆられながら、僕はただ射精だけを繰り返した。
 
 
 
その日は、部屋に戻ったあともむつびあい続けた。
プールほど激しくはなかったけれど、
お互いのことを大事にしながら身体を重ねた。

瑶子さんの機嫌はもちろん直った。
あのあと廊下で姉妹とすれ違ったけれど、
僕は一瞥もくれなかった。
 
 
 
翌日、チェックアウトのためにカウンターに向かう。
瑶子さんが腕を抱いているので、ちょっと歩きにくい。
でも、その不便さもなんだか嬉しい。

「ご利用ありがとうございました」

受付の女性がにっこりと微笑む。
とても綺麗な人だな、となにげなく思った。
スタイルのいい身体を一瞬眺めてしまう。

次の瞬間、ペニスがぬるっとしたものに包まれる。
僕のポケットには、瑶子さんの手が入っていた。

スライムさんは……ほんとに嫉妬深い。

END












今回投稿してくださった、へどもどさんのサイトです
文章が上手な方です……
実用性抜群の作品がいっぱい!