へどにずむ」管理人の へどもどさんからの投稿作品です。

文章が上手な方です……

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『スライムさんはお酒に弱い』





「わ、すごーい…っ」

旅館の一室に入った途端、瑶子(ようこ)さんが目を輝かせる。
とくに変哲のない旅館の一部屋なんだけど、
瑶子さんにとっては十分目新しいみたいだ。

「景色もすごいよ、トモくん。
 あんなに向こうまで見えて、
 緑がいっぱいで………あ、こっちに壷もあるっ。
 なんだろ、なにか入ってるのかな?」

窓際に駆け寄ったかと思うと、壷をのぞき込んだり、
浴衣を見つけて身体に合わせてみたりと
瑶子さんはせわしなく動く。
なんだか「外国人のはじめての日本訪問」とか、
そんなテレビ番組みたいでちょっと微笑ましい。

でも本当のところを言えば、外国人どころじゃない。
そもそも人間でもなく……瑶子さんはスライムだ。

彼女は、偶然に僕の手元にできた溶媒に憑依してきた。
そのあと色々あって、いまは人間のふりをしながら、
僕の恋人として一緒に暮らしてる。

今日は彼女と出会ってちょうど一周年ということで
記念日もかねて温泉宿に泊まりに来てた。

「ね、ね……トモくん、早く温泉行こうよ。
 はやく、はやく…♪」

「うん。じゃあまず浴衣に着替え……」

僕が言い終わる前に、瑶子さんの身体が一瞬で水に変化する。
そのまま床に畳まれていた浴衣に流れ込み……人の形に戻る。

「はい、着替えたよ。だから早く早く…♪」
 
 
 
     * * *
 
 
 
事前に知ってはいたけど、温泉は混浴だった。
といっても、僕ら以外には誰もいない。
まだ人間に不慣れな瑶子さんのために、
わざわざ宿泊客の少ない日を選んでおいたから。

「るるるー……♪」

にごり湯に浸かったまま、瑶子さんが鼻歌を奏でてる。
前にプールに行ったときもそうだけど
水がいっぱいあるところではリラックスできるみたいだ。
もっとも、今日はそれだけじゃなくて。

「んー、美味しい……」

瑶子さんが目元をだらしなくゆるめながら、
湯船に浮かんだ手桶を揺らす。
なかには日本酒の入った徳利とお猪口が置いてある。

「露天風呂でお酒飲むの、一回やってみたかったの。
 テレビで見て、すごい美味しそうでね。
 ……あ、でもトモくんは駄目だよ。
 人間はお風呂でアルコール摂取するのって
 本当は危ないことらしいから」

「えっと……あ……うん………」

スライムでも危ないと思うんだけど、と内心で付け加える。
瑶子さんって、アルコールを身体に取り込むと
性欲とかの本能に忠実になっちゃうんだよね……。

実際、今までにも酔った彼女に何度も襲われた。
スライムの形状に戻ってズボンの裾から入り込んできて、
そのままペニスをぐちゅぐちゅ包んで精液を搾られたり。
首から下をずっぽり粘度の高いスライムにくるまれて、
そのまま彼女の体内に何度も精液を吐き出したり。

人間と違ってアルコールはすぐ消化されてしまうけど
それまでの短い時間で、二度も三度も射精させられる。
ちょっとだけ怖くて………でも、すごく……気持ちいい…。

いまも……心のどこかで期待をしてる自分がいる。
いけないと思っているのに、
ついつい視線が彼女の身体を舐めてしまう。

なめらかな肩のラインや、髪のあいだからのぞく白い首筋。
それに……やわらかな曲線を描いている大きな乳房。
その先端は白く濁ったお湯に隠れているけれど、
谷間を見ているだけで、性器が膨らんでしまいそうだった。

「トモくん、もっとこっち来てよー」

水面下で瑶子さんの手が伸びてきて、
僕の腰をにゅるり、と後ろから巻きつくように抱く。
本物の人間ではありえないほどの、すべすべの肌の感触。
意思とは無関係に、ペニスに血が流れ込みはじめる……。

「うぁ……瑶子さん、やめ……」

瑶子さんの指が腰骨をまさぐる感触が気持ちよくて
ペニスがたちまち限界まで大きくなっていく。

「んー、どうしてやめてほしいのかな?
 お姉さんと一緒にお風呂入ってるだけなのに
 近くに来ちゃだめな理由があるのかな?」

にんまりと楽しそうに笑いながら、
瑶子さんが強引に僕の身体を引き寄せる。

僕の左半身が、瑶子さんの身体にぴったりくっつく。
いまはもう、彼女の身体はすべすべを越えて、
スライム特有のぬるぬるした感触に変わりはじめてた。
にゅるにゅるっ…という粘性の肌がこすれるたびに、
背筋をぞくぞくとした快感が走り抜ける。

「ふふ……私、ちゃんと知ってるんだよー」

含み笑いをしながら、瑶子さんが指先を動かす。
ぬるぬるした指が、僕の腹の辺りをくすぐる。
おっぱいが二の腕に押しつけられるたびに、
ペニスが水面下でびくっと大きく跳ねる。

「トモくん……やらしいこと考えてるでしょ。
 お姉さんのおっぱいをちらちら見てるのだって
 ちゃんと知ってるんだよ?」

瑶子さんが身体を揺らして、胸をたぷたぷと押しつけてくる。
信じられないぐらいやらかくて、あったかくて。
口の中に勝手によだれが溜まってしまう。

「それに……おちんちんも大きくしてるんだよね」

僕の腰に巻きついていた腕がにゅるっと解かれて、
かと思うと、一瞬でペニスに絡みついてる。
粘性の指がぬるりとペニスを撫でていく。

「………ぅ……ぁ………」

「くすっ……気持ちいい?
 あのね……お姉さんに隠し事はだめだよ?
 それにね、私は水の中でなにが起こってるかぐらい
 見えなくても全部分かっちゃうんだから」

濁ったお湯のなかに隠れたペニスにも、
瑶子さんの指は的確に刺激を加えてくる。

人差し指と親指で輪っかを作って、
ローションのような粘液をまとわりつかせたまま
カリ首をくちゅくちゅと何度もしごかれる。

腰の奥が何度もひくつく。
ただ見えていないだけで、本当は射精してるんじゃないか、と
そんな錯覚に陥りそうなほどの心地よさ。

「…ぁ……や…め………」

性器はもちろん、全身の血液がどくどくと身体中を駆け巡る。
心臓がどくどくと早鐘を打ちはじめる。
瑶子さんの手は少しも止まらずに動きつづける。

「だーめ……やめてあげない。
 お姉さんもね、ちょっとえっちな気分だから。
 だから……トモくんの精液もらうまでは
 やめてあげないの」

やっぱり、本能がいつもより強くなってる……。
でも、気づいたところでどうにもならない。
水の中にいる彼女に抗うなんて無理な話だった。

「頭からっぽにして、気持ちよくなって
 びゅびゅーってしちゃっていいんだよ」

そう言われるだけで射精しそうになる。
だけど、快楽が強すぎてかえって怖くなる。
このまま出したら倒れてしまうんじゃないか、
そんなふうに思ってしまう。

「あれ……なにか怖がってるのかな?
 いいんだよ、心配なんてしなくたって。
 もし倒れても、ちゃんと私が運んであげるし」

優しく、それでいて淫靡に微笑みながら
瑶子さんが僕に身体をこすりつけてくる。
乳房がむにむにと腕に当たり、
すべすべの太ももが僕の足と絡み合う。

「ほら……出しちゃおうね」

耳元で甘く囁かれると同時に、
ペニスの裏筋が指でくにくにっと押し込まれる…!

「……ぁ……ぁ……あぁ……ああぁぁ…っ…!」

みっともない声を上げながら射精する。
お湯の中にいるせいか、ゆっくりとしたリズムで
それでいて大きく深い律動だった。
どくんっ…どくんっ……と塊を吐き出すみたいに
精液がペニスの先から流れ出していく。

「ん、トモくんの精液……」

吐き出した精液が、瑶子さんの手の中に
そのまま吸い込まれてゆくのを感じる。
ペニスが跳ねるたびに、彼女のやらかい手が触れて
その感触もたまらなかった。
 
目を閉じて、射精の感覚だけを味わう。
快楽の海につかっているみたいだった。
瑶子さんの肩に頭を預けて、甘い陶酔感に浸りつづける…。
 
 
 
 
しばらくしてから、やっと手足に力が戻ってくる。
僕が身体を起こすと、瑶子さんが腕に抱きついてくる。

「えへへ……トモくんの精液、美味しかったよ…♪
 うん……でもね」

にこっと可愛らしく瑶子さんが笑う。
だけど、その明るい笑顔の裏に淫らさが透けて見える。
恐怖と期待で、背筋がまたかすかに震える。

「お姉さん、今日はもっと欲しくなっちゃった。
 ね……いいよね?
 トモくんのこともいっぱい気持ちよくしてあげるから、
 だから」

「――あの、誰かいらっしゃいますか?」

湯気の向こうから、女性の声がした。
声音からして、たぶんまだ若い女の子だと思う。
慌てて返事を返す。

「あ…はい……います…っ…」

「その……大丈夫ですか?
 さっき……呻き声みたいなのが、かすかに聞こえたので」

「あ……だ、大丈夫です。大丈夫ですから」

呻き声っていうのは……たぶん射精したときに漏れた声だ。
あんな声を誰かに聞かれてたなんて……。

「そうですか……よかった」

そのまま、湯気向こうの女性と少し会話を交わす。
彼女はこの宿の一人娘で、ちょうど露天風呂に入りに来たらしい。

「ふぅ……。びっくりしたね、瑶子さ……」

振り返ってみると、瑶子さんがいなかった。
僕以外の人と話すのが苦手だから、どこかに隠れたのかな?
そう思って周囲を見渡すけど、人影はどこにもない。

『うん……びっくりしちゃった』

「………っ…」

耳元でいきなり声がして、身体がびくっと震えた。
よく見たら水面から僕の肩をつたって耳の中まで、
一筋の水が繋がってた。

「もしかして……瑶子さん?」

『うん……そうだよ。
 あのね、あんまり驚いたから、水に同化して隠れちゃった』

てことは……いまはこのお湯ぜんぶが瑶子さんなんだ。
あらためて考えると、すごい能力だよね……。
僕が感心しているあいだに、耳の中で瑶子さんの声だけが囁く。

『どうしよう……いま人間に戻ったら怪しまれるかな?
 あの女の子が出て行くまで待ってようか。
 それとも先に………って……トモくん?』

「………あ……れ……」

出したばかりのはずなのに、ペニスがまた膨らんでた。
はっきりと上を反り返るほど固くなっていた。

それに……また出したくてたまらなくなってる。
いますぐペニスをしごいて、射精したくてしょうがない。
なんで……こんな…………。

湯気の向こうで、かすかに女の子のシルエットが揺れる。
たったそれだけのことなのに、性器がびくびくと跳ね回る。
触りたい。あの子の身体をまさぐって精液を肌にぶちまけたい。
見てるだけだってかまわない。
あの子の裸をのぞき見ながら、思いきり自慰行為に耽りたい。
理性を無視してそんな欲求が突き上がる。

「こん…な……の………」

まるで発情期の動物だ、と思ったところで、
頭の片隅で閃くものがあった。もしかして。

『トモくん……もしかして私のせい……?
 私がお湯の中に溶けてるせいで……』

本能が膨れ上がった瑶子さんが溶けたお湯。
それが媚薬入りの温泉みたいな効果を発してる……?
にわかには信じがたいけど、でもそうとしか考えられない。
それぐらいに異常な性欲だった。

『ま、待ってね、いま戻るから………』

だけど、その言葉のあとも水面にはなんの変化もない。
かわりに耳元で泣きべそをかいたような声が聞こえてくる。

『どうしよう……トモくん………戻れない…よ……。
 上手く力がコントロールできないの……』

そういえば以前に深酒をしたときも、
人間の形が保ちにくいと呟いてた気がする。
じゃあ……どうしたら………。

「こんにちは……お兄さん」

「え……」

いつのまにか、さっきの声の女の子が
僕のすぐ側にまでやって来てた。

鎖骨から下はお湯に隠れて見えないけれど、
それでも胸もしっかり膨らんでるのが分かる。
女性らしい肢体にかすかにあどけなさの残る
可愛らしい女の子だった。

「お兄さん……お一人なんですか?
 お母さんが美人の彼女さんが一緒だって
 噂にしてたんですけど」

「う……うん、体調悪いみたいで部屋で休んでるんだ」

「……そうなんですか。
 じゃあ、私がお兄さんと遊んでもばれませんよね?
 ふふっ……なに驚いた顔してるんですか。
 こういう遊びのことですよ」

女の子が僕に肩をすり寄せてくる。
と同時に、ペニスに何本もの指がまとわりつくのを感じる。

「…………!
 ちょっと……待って………まさ…か……」

「あ、お兄さんのもちゃんと大きくなってる……。
 ね……ひょっとして期待してたんですか?
 私とえっちなことしたいな…って」

淫欲に蕩けた顔でだらしなく微笑みながら、
女の子がペニスをゆっくりとさすりはじめる。
性器の感度も跳ね上がってるのか、
亀頭を軽く撫でられただけで、もう根元がひくつき出す。

「不思議ですね……私もすごくやらしい気分なんです。
 お兄さんの精液、欲しくてたまらないんです……」

まるでおねだりするみたいに、
女の子の指がペニスの尿道口を丹念になぞる。
射精感が腰の奥でどんどん膨らんでいく。

『トモくん……出しそうに……なってる…?
 だめ…だよ……出しちゃだめ……っ…』

耳の中で、瑶子さんの懇願する声が聞こえる。
そうだ……出すわけにはいかない……。
瑶子さんが全部を見てるんだから。感じてるんだから。
絶対に出しちゃ……いけない………。

「あれ……お兄さん、我慢してるんですか?
 そんなことしないでほしいな。
 いっぱい出しちゃいましょうよ……」

女の子が目をほそめながら、
お湯の中でペニスをくちゅくちゅとこね回すようにしごく。
瑶子さんが同化しているせいなのか、
お湯までローションみたいな粘ついた液体に変わってる。

「ほら、お湯もなんだかいつもよりぬるぬるしてて、
 えっちなことしてね…って言ってるみたいです」

『ち…が………そんなこと…思ってない……っ…。
 トモくんから……離れてよ…ぉ……』

「ん……お兄さんの先っぽからも、
 ぬるぬるしたのが出てきます……」

『だめ……だよぉ……トモくんの恋人は私なのに……。
 なんで……なんでそんなことするの……』

女の子と瑶子さんの声が入り乱れる。
どっちがなにを言っているのか分からなくなりそうだった。
でも、とにかく射精しちゃいけない。
それだけを必死に念じて、歯を食いしばって快楽に抗う。

「まだ我慢してる……だめですよ、そんなの。
 早くお兄さんの精液ください……」

女の子が左右の太ももで僕の右足を挟み込む。
にゅるんっ…という感触と一緒に、
弾力のある太ももが、僕の足を優しく圧迫する。

太ももが小さく上下に動かされるたびに、
ぬるぬるとした感覚に脳が甘く冒される。
射精したい。出したくてたまらない。でも…っ…。

「ください……お願いです……。
 お兄さんの精液もらえないと、私、私………」

女の子の表情がさらに妖艶なものに変わっていく。
成熟しきっていないその身体には似つかわしくない
淫らでとろけきった顔になっていく。
もしかして……媚薬めいた効果が強まってる…?

頬を紅潮させたまま、女の子が僕に正面から抱きついてくる。
首筋に両手を回されて、身体をこすりつけられる。
しっかりと成長しはじめている乳房が、
僕の胸板にぐにぐにと押しつけられる。

「ね……お兄さん、どろどろの精液ほしいんです。
 私の身体のどこに出してくれてもいいですよ……。
 不思議だけど、それで満足できる気がするんです。
 身体のどこからでも取りこめそうな、そんな気がして」

まるでスライムみたいなことを言いながら、
女の子は抱きついたまま身体を上下に揺らす。
すべすべのお腹がちょうどペニスの裏筋にあたる。
ふにふにとした柔らかい刺激が性器に走る。

(……ぁ………も…う……っ……)

『…ぁ……だ…め……っ……。
 だめだよっ……トモくん……っ……』

瑶子さんの声が、絶頂をぎりぎりのところで押しとどめる。
射精をこらえているせいで身体がぶるぶると震える。

「お兄さん…………精液ください…♪」

女の子がひときわつよく身を乗り出す。
乳房と浅い谷間がいやらしく変形する。
白いお湯の表面から、薄赤く尖った乳首が見えて。

……どぽ…っ……じゅぷっ……ずびゅ…っ……!

女の子のやらかいお腹に精液がどくん、どくんと吐き出される。
お湯の下で見えはしないけれど、
尋常じゃない量の精液がこぼれてるのが本能的に分かる。

激しい律動が何回も続いたあとで、
それからペニスの震えがゆっくりしたものになり、
やがて弱々しいものに変わっていく。
僕も女の子も快楽の余韻に浸ったまま、
抱き合ったまましばらく黙り込んでいた。
 
 
 
 
 
 
それから……突然に女の子が身を離した。

「あ……!
 わ……私……えっと……その……ごめんなさい…!
 そんなつもりじゃ……なかったんですけど……。
 本当に……ごめんなさい……!」

胸を腕で隠すようにしながら、慌てて僕の前から離れていく。
やがて湯気の向こうで、風呂から上がる音が聞こえた。
どうやら正気に戻ったみたいだ。
でも……ということは………。

「…………だめって言ったのに」

振り向くと、人間の姿に戻った瑶子さんがいた。
どうやらアルコールはもう消化できたみたいだった。

「瑶子さん…その……ごめんなさい……。
 で、でも、これは不可抗力っていうか……」

「うん……そうだよね、しょうがないよね。
 私がお風呂でお酒飲んだりしたから、
 こんなことになっちゃったんだもんね。
 トモくんは別に悪くないよね」

台詞とは裏腹に、その棒読みな調子からは
少しも納得していないのが感じられる。

「本当に……ごめん。
 お詫びになることなら、なんでもするから」

僕が頭を深く下げると、瑶子さんは黙り込んでしまう。
それからたっぷり十秒は沈黙がつづいてから、
ようやく瑶子さんが口を開いた。

「…………トモくんは、私が恋人でいいんだよね?
 お姉さんのことが好きって言ってくれたのは
 嘘じゃないんだよね?」

僕は呼吸を整えてから、力強くうなずく。
それだけは嘘偽りのない気持ちだった。

「なのに、他の女の子に気持ちいいことされたら
 精液いっぱい出しちゃうんだ……。
 それってどういうことなのかな……?
 お姉さん、いまちょっと考えてみたの」

「う……うん…?」

「たとえば私はね、ケーキとかアイスクリームも好きでしょ。
 でも、一番大好きで一番たくさん食べるのはチョコレート。
 そういうことかなって」

「え…と………どういうこと……?」

聞き返した僕に、瑶子さんが抱きついてくる。
瑶子さんの顔からは、もう怒りや不満はほとんど消えてた。
かわりに、情欲に満ちた表情を浮かべてる。

あの女の子がしたみたいに、
僕の首筋に両手を回して身体をすり寄せる。
女の子とは比べ物にならない深い谷間がのぞく。

「トモくんは、私に一番たくさん射精しなきゃだめ。
 他の女の子よりもずっとずっと私のことが好きだったら、
 さっき何倍も何十倍も出さなきゃだめ……♪」

「………う…ぁ…っ…」

水面下でペニスがあたたかくぬるんだものに飲み込まれる。
瑶子さんの体内にペニスが埋没したんだって分かる。

「たっぷりたーっぷり気持ちよくしてあげる。
 トモくんが毎日自分から私に腰をこすりつけて
 射精させてください、精液ださせてくださいって
 おねだりしたくなっちゃうぐらいに、
 すごいことしてあげちゃうよ……」

ペニスを包み込んだゼリー状の体内が蠕動する。
竿や亀頭の表面の汚れをこそぎ落とすみたいに、
震えながらペニスの周囲を動き回る。

「………ぁ……っ……!」

膣そのものが生きてるみたいな感触に、
思わず精液が小さくこぼれ出す。
それを感じて、瑶子さんが目をほそめる。

「ん……もう出しちゃったんだ?
 トモくん、早漏さんだね…♪
 まだ準備してる段階なのに……」

準備という言葉の意味を聞き返したいけど、
それどころじゃない。
瑶子さんの身体の表面が溶け出して、
それぞれが意思を持っているかのように全身をまさぐる。

肩甲骨のあいだをぬるぬるが這い回る。
瑶子さんの乳房が溶けて、僕の乳首をねぶっていく。
快感で目の前が白くかすんでいく。
また、精液が腰の奥から流れ出ちゃう…っ…。

「ふふっ……また出てるー。
 その調子でお姉さんにいっぱい出してね。
 準備も終わったから、もっとすごいことしちゃうよ?」

瑶子さんが薄く笑った途端、
ペニスが信じられない勢いでしごかれはじめる。
なのに……なのに、瑶子さんの身体はぴくりとも揺れない。

「……ぁ……ぁっ……あっ……ぁぁっ……!」

「えへへー……お姉さんのなか、気持ちいい?
 いまね、私の身体の中に女の子のあそこを作って、
 そこだけ上下にぐっちゅぐっちゅって動かしてるんだよー」

瑶子さんはふんわり笑っているけれど、
その一方で体内の膣がひとりでに上下に動きつづける。
僕の亀頭や裏筋にぴったり当たるように作られたひだが、
何十回も何百回もペニスをしごいていく。

「……でちゃ……ぁ……あぁぁ…っ……!」

「出ちゃうっていうより、もう出てるよー、トモくん。
 スライムお姉さんの中にびゅくびゅくって、
 白いのをいっぱい吐き出しちゃってるよ♪」

射精したてで感度が高まっているペニスを、
情け容赦なくまた瑶子さんの体内が刺激していく。
上下運動に加えて、根元から先端へと精液を送るみたいに
やわらかくてそれでいて強烈に圧迫される。

「あはっ……もう精液出っぱなしだねー。
 でも安心してね。ちゃんと身体と脳が壊れないように
 ぎりぎりのところで加減してあるから」

「……ぁ……うそ……こん…なっ……う…ぁ……っ…」

「嘘じゃないよー、ほんとだよー。
 そんな心配しなくていいからたっぷり気持ちよくなってね。
 ほらほら、男の子の夢の全自動オナホだよ?
 いくらでも射精させてもらえるんだよ?」

射精している感覚が延々と続いて頭がおかしくなりそうだった。
それなのに強すぎる快感で脳が麻痺しそうになると、
また違う刺激がやってくる。
耳の中にまで瑶子さんの髪の毛が入ってきて、
耳穴の中をにゅるにゅるとこすっていく。
そのぞくりとする快感にあわせるように、また精液を吐き出す。

「瑶子さ…っ……おねが……やめ………」

「ん……トモくんもさすがに限界かな?
 それじゃ、最後に思いっきり出したら終わりにしようね。
 お姉さんに甘えながら、ぜーんぶ出しちゃおうね」

瑶子さんの手が僕の後頭部を抱く。
そのまま彼女の谷間に鼻先をこすりつけられる。
ぎゅっ…と優しく抱きしめられる。
同時に、膣が上下に動きながら大きく収縮する…っ…。

……ずびゅる…っ……びゅぶっ……ずちゅ…っ……!

瑶子さんに抱擁されたまま射精する。
ペニスがびくびくと跳ね回り、精液が勢いよく噴出する。
それがそのまま彼女の中に吸収される。
一滴残らず、僕の精液が彼女に吸ってもらえる。

「ん……私も気持ちよかったよ、トモくん。
 さすがに……ちょっとやりすぎちゃったかな。
 ふふ……ごめんね。それと」

瑶子さんが僕の耳元に口を近づける。

「私、さっき嘘ついちゃった。
 一番好きなのはチョコレートだって言ったけど、
 本当はね、トモくんの精液が一番好き。
 だから……ちゃんと毎日くれなきゃだめだよ?」
 
 
 
     * * *
 
 
 
そのあと僕らは部屋に戻って、
料理を食べたりテレビを見たりとのんびり過ごした。
お風呂でちょっとしたハプニングはあったけれど、
それでもいい一周年になったと思えた。
 
 
 
翌日、帰る前に土産ものの売店をのぞいてみる。
クッキーとかお菓子も試食できるようになってる。

「トモくん……これ美味しいよー」

瑶子さんにすすめられて、小皿に乗ったチョコを食べてみる。
途端に、強いウイスキーの味と香りが鼻をついた。

それから……瑶子さんが僕の袖を引っ張り、耳元で囁く。
「ね……トモくん。私、精液ほしくなっちゃった」

スライムさんは……ほんとにお酒に弱い。

END












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