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1) 風花の提案を受け入れる





 その言葉を聞いてから一分近く悩んだ。
 考えぬいた結果、俺にデメリットはないと判断した。

「お前は本当にそれでいいんだな?」
「はい。嘘は付きませんよ」

 怪しむ俺に向かって、気になるなら書面でも残しますかと彼女の方から告げてきた。

「じゃ、じゃあ……お前が下になれ!」
「いいですよ」

 風花は騎乗位をやめ、あっさり俺の言うとおりの体勢になった。
 これなら俺が主導権を握れる。

「ふふふ……♪」

 彼女の不敵に笑みを無視して、自分から挿入して腰を振り始める。
 ヌルリとペニスが彼女の内部で締め上げられた。
 すっかり馴染んだ熱い膣内は俺にとって良好な状態だった。

(き、きもちいいいいいいーーーっ!)

 最高の締め加減だった。
 俺の突き上げをやんわり受け止め、名残惜しそうに絡みつてくる。

 その動きを数回味わった後、俺は全身がしびれだした。

「くっ、もう限界だ!」
「あんっ、先輩のおちんちん大きいです♪」

 そう言いながら風花は軽く腰をひねる。
 ペニスが甘噛みされ、射精がまた一歩近づく。

「はぁ、んぅ、きもちいいよぉ……」

 こころなしか彼女の喘ぎ声に艶が乗っていた。
 風花もリラックスしているのだろう。

 だが俺が射精すれば彼女の敗北が確定する。
 何のメリットもないはずなのに、これでいいのか?

「せ、せんぱぁい……」

 彼女の震える手が俺の顔を撫でる。

「このまま私の膣内でイって! 思い切り出して~~~っ!」

 熱をおびた彼女の視線がたまらなく可愛くて、ついに俺の腰が快感で弾けた。

「あっ、ああああーーーーーーーーーーーーっ!!」

ビュクウウウウッ!!

 焦らされぬいた上での最高の射精だった。
 背中をこわばらせ、俺は雄叫びを上げる。

 射精中もやわやわとペニスが締め付けられていたのでなかなか終わらない。

「クスッ、本当にいっぱい出しちゃいましたね」

 ふと視線を落とす。
 彼女の呼吸はほとんど乱れていなかった。

「心配しなくても約束通り大井先輩の勝ちです。
 でも、どうせなら……」

 呼吸を乱す俺に、風花から意外な提案があった。

「もう一度私に勝っておきませんか?」
「えっ……」

 意味がわからず一瞬ためらう。もう決着はついたはずなのに。

「このまま二度目の射精をしてくれたら明日も先輩の勝ちってことでいいですよ」
「あ、明日ってなんだよ!?」
「今日のところは先輩の勝ちでいいです。
 でも明日はどうなるか約束できないって意味です」

 そこで俺は気づいた。
 このままで終われば風花が明日は誰かを襲うと言っているのだ。

 今日の勝利が無意味になってしまう。そんなことは断じて許されない。

「しかし……」
「大井先輩、明日も私が同じルールを提案するとは限りませんよ?」

 さらに俺を言葉で追い詰めてくる風花。
 考える暇すら与えないつもりなのか。

「い、今ならいいのか?」
「はい」

 即答だった。

「先輩がもう一度私に射精してくれたら、
 明日はテニス部の誰にも手を出さないと約束します」

 俺はまた彼女の言葉に悩まされた。

 本当にこれでいいのか? だが思考が鈍い。

 一度射精してしまったせいなのか、彼女の意図が見えない。

「どうしますか? このままやめますか」

 風花がすっと腰を引くと、無意識に俺は腰を突き出してしまう。
 俺の戸惑いを断ち切るように彼女の言葉が割り込んでくる。

「ほらぁ、先輩のおちんちんはまだ戦いたいって言ってますよぉ……」

 その甘い囁きに股間がビクッと震えてしまった。

「わ、悪いがもう一度勝たせてもらう! 覚悟しろ」

 再び彼女の提案を受け入れることにした。
 主要メンバーも含め、これ以上被害を拡大させることが防げるなら、俺にできることをやるのみだ。

「そうですか。ではどうぞ」

 風花はそう告げて、再び俺に向かって脚を大きく広げた。

 ほっそりした脚が描くラインは美しく、無意識にしばらく見とれてしまう。

「い、いくぞ!」

 この時、既に彼女の罠に落ちていることに俺は気づけなかった。

 正面から挿入して膣内の感触を存分に味わう。

 内部は既に俺を受け入れる態勢が整っており、
 すんなり一番奥まで突き刺さった。

(きもち、いい……何度差し込んでも、包み込んでくれる……)

 あまりの心地よさにため息が出た。
 風花の内部が俺専用に誂えたように感じ始めていた。

「苦しそうですね先輩。私が上になりましょうか?」

 にっこり微笑む風花を見てためらうが、頬を撫でられると背筋が快感で震えた。

「勝利条件は変えませんから。
 射精してくれたら先輩の二連勝です。それに」

 風花は少し頬を赤く染め、小さな声でつぶやく。

「私も、気持ちよくなりたいですから……」

 恥じらう姿に当てられて、一気にドキドキ感が増した。

 こんな可愛い後輩とつながっているだけでなく、求められているなんて!

 自分から目の前にある細い腰を抱き、体勢を入れ替える。
 これで再び騎乗位だ。

「いいんですね? 私が上になっても」
「あ、ああ」

 乱れた髪を整えながら彼女は笑った。
 見上げるその姿も美しくて見とれてしまう。

「では♪」

 風花は両手をそっと俺の肩に添え、じわりと体重をかけてきた。

 指先で乳首をいじられて声が出た。

「きもちよ~~~く、射精させてあげますね……」

 くねりくねりと柳のように彼女の下半身だけが揺れ動く。

 膣内で閉じ込められたペニスの先端がきゅっと搾られ、根元から先へ向かってさざなみのような刺激が加えられた。

(あ、ああああ! きもちよすぎて、だめだ、もう出る!)

 それは声に出さずとも相手に伝わる。

「くすっ、もう出しちゃうの? 流石に早すぎませんか」
「だ、だって! お前の腰使いが激しくて、んはっ、ああああ! こんなのっ!」

 必死で抗う。
 射精すれば勝ちだとわかっていても本能がそれを拒むのだ。

 そんな思いすら彼女はあっさりと打ち砕こうとしている。

 繰り返し揺らめく腰使いをされていると、どんなに我慢してもすぐに限界が訪れ、俺の頭の中は射精することしか考えられなくなってしまう。

「あ、ああああっ、でるよおおおお!」
「いいですよ。いっぱい気持ちよくなっちゃって下さい」

 その言葉通り俺は風花の膣内に二度目の放出をした。

 無様に声を上げながら、彼女の腰にすがりつきながら。

 射精が落ち着くまで、彼女は何も言わずに俺を抱きしめてくれた……





 彼女が言ったとおり、次の日は何事もなく過ぎようとしていた。
 ただし俺の中で得体のしれないストレスが貯まり続けていた。

(風花がいないだけで、なぜこんなに苛つくんだ……)


 その翌日、放課後になって俺は風花の姿を探していた。

「大井先輩どうされたのですか?」

 テニス部へ向かう途中であっさり彼女を見つけることができた。

「きょ、今日もお前の好きにはさせないぞ!」
「ということは、私と勝負がしたいんですね」

 ポニーテールをしっかり整えた彼女の姿を見てドキドキしてしまう。
 その理由は自分にもわからない。

「勝負とか関係ない。お前を止めに来た!」
「へぇ、まだ心は折れてないのかな?」

 俺に向かってズイっと近づいてくる風花。
 一気に距離を縮められたので緊張してしまう。

「……どうなんですか先輩」
「ッ!!」

 しばらく俺の顔をじーっと見つめてから、彼女は小さく笑った。

「いいですよ。やりましょうか」

 そして俺の手を握って、ただでさえ人が来ない校舎の影へと導いた。
 誰もいない場所で風花が俺の腰に腕を回す。

「先輩が話しかけてこなかったら、
 このあと補欠の人たちから順番にイかせていくつもりでした」
「なっ、そんなの、絶対に駄目だ!」
「やっぱりダメですか?
 ふふふ……さて、今日の勝負はどうしましょう」

 至近距離で見上げられ、俺はゴクリとつばを飲み込んだ。

 まだ何も始まっていないのに彼女が放つ甘い雰囲気に押されてる……

「こ、この間と同じルールで頼む……」

 つまり射精すれば俺の勝ち。
 こんな都合の良いルールで大丈夫かと思っていたが、

「いいですよ。じゃあ先輩、こちらへ」

 にこっと風花が笑う。
 受け入れてもらえてホッとした。


「ここにしましょうか」

 そして二人で近くの空き部屋を探し、中へ入っていった。
 先に俺が入室してから彼女が後ろ手でドアを閉める。

「お部屋に鍵かけちゃいますね。これで秘密は守られます」

 薄暗い室内に二人きりになる。
 立ち尽くす俺の衣服を彼女が脱がせてくれた。

 そして恥じらいながら制服とスカートを脱ぎ、黒いスポーツブラと白いスパッツ姿になった。


「先輩、きて……」

 机の上に座り、右足を折り曲げて風花が誘ってきた。
 太ももの内側とふくらはぎのラインが素晴らしい。

 彼女は俺より背が低くて全体的に線が細いのに胸はそれなりに大きい。
 そして腰のクビレが見とれてしまうほどに芸術的だった。

「い、いくぞっ!」

 襲いかかるようにしてマウントを取る。

「あんっ、激しい♪」

 そしてスパッツを半分だけ脱がせてから一気に挿入した。

(あ、熱い……ッ! こんなの、持たない……)

 彼女の秘部は何の抵抗もなく俺を受け入れてくれた。
 そしてそれは、俺が待ちわびていた感触だった。

 得体のしれないストレスが彼女と交わることで溶けていく。
 オナ禁していたわけでもないのに、ペニスの感度は最高になっていた。

「もうビンビンじゃないですかぁ」
「ち、ちがうっ!」

 指先で結合部を撫でられただけで射精しそうになる。

「おまんこの中、締めてもいいですか?」

 囁かれて妄想した瞬間、俺の腰がじわりと溶け出した。

「やめろ、でるっ! ああああーーー!」

ビュクウウッ!

 これが挿入してから一分足らずの出来事だった。

 断続的に膣内を締め上げられ、俺は三回連続で射精させられた。

「ふふふ、今日もいっぱい……
 あら、この間よりもたくさん出してません?」

 あまりの恥ずかしさに俺は何も言えず、彼女に背を向けて部屋を出た。



 それから一日おきに俺は彼女に勝負を挑み「勝ち」続けた。

 ある時は校舎の外で、ある時は学園の外で。



 やがて迎えた試合当日。
 大会のルールは勝ち抜き戦だった。

「試合当日なのに大丈夫ですか先輩」

 控室の隣の空き部屋で、俺は風花と勝負をしていた。

「お、お前がいたら相手に勝てなくなるからな!」
「そうですよね。客席に私がいたら皆さんはともかく、先輩は集中できませんよね」
「ああそうだ、ここで、お前に勝てば!」
「はいはい。今日も勝ってくださいねー」

 あの日からずっと俺が彼女を抑えていたので、主要メンバーは復調していた。

 ……俺以外は。


 風花を責めながら俺は感じ始めていた。
 もしかしたらとんでもない毒を盛られているのではないかと。

 だがいまさら戻れない。彼女に勝つまでは、この部屋を出られないのだから。

「先輩の弱いところ、私には全部わかってるんですよ? 例えばここ……」

 必死で腰をふる俺を涼し気な表情で見つめながら、彼女の指が臀部をなぞる。

「ああああああっ!」
「クスクスッ、ほらね?」

 瞬時に俺の腰使いが止まり、ビクビクと背中が震えだす。
 体が逆らえない。

 彼女の指、彼女の脚、息遣い……全てが魅力的だということを、今日までに思い知らされているのだ。

「突然ですが今日の勝利条件を変えます」
「な、なにっ!?」
「先輩は私をイかせるまで会場へは戻れません。いいですね?」

 本来ならありえないタイミングでの条件変更だ。
 断じて受け入れることはできない。

 だがその言葉に俺は今まで以上に幸せを感じてしまう。
 条件を満たすまで風花と一緒にいられるのだ。

「ちなみに私、今まで全然本気を出してませんから。
 ひたすら先輩を溺れさせ続けたから、絶対に負ける気がしません」
「い、言わせておけば!」
「悔しかったら私をイかせてみてくださいよ。絶対無理でしょうけど♪」

 不敵に笑う風花を見て逆上するが軽くあしらわれた。

 俺が腰を突けば彼女は引いて、何度目かでカウンター技を繰り出してくる。
 そのたびに俺が絶頂させられた。

「チョロいですね先輩、そんなに私のことが好きなんですか?」

「大きいだけのおちんちんなんて怖くないですよ。
 何度でも秒殺してあげます」

「全然我慢できませんねー。
 もしかしてまだ童貞くんのままなのかしら」

 悔しさまみれに俺は時間を忘れてひたすら彼女と交った。

 膣内で三回、手コキで二回、フェラで抜かれたあともう一度膣内で二回……

 やがて試合の時刻を過ぎたが、そんなことすら気にならなかった。

(他のみんなが頑張ってくれるはずだ。
 だから俺は、こいつを、ここで止める……
 俺の分も誰かが勝ってくれると信じて!)

 他力本願。我ながら身勝手な考えだった。

 だが送り込まれた刺客は風花だけではなかったのだ。

 会場では主要メンバー全員が敵チームの応援席にいた見覚えのある女子に骨抜きにされていた。
 結果的に相手の全勝となり、チーム全体での敗退が大会初日で確定した。





(バッドエンド 駆け引きの結末)



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