第二部『再戦』
――あれから一年後 。
ここは私立白百合学園中等部。
一日の授業も終わり警備員の巡回も終わった校内を俺は静かに歩く。
この日のために偽造した入門証のおかげで誰にも疑われることなくここまでこれた。
「情報に間違いはなかった……」
探偵を雇い、ターゲットについて調べたとおりだった。
こんな時間なのに生徒会室には灯りがともっている。
自然に身体が震えてくるので深呼吸を数回行う。
俺は一年前、この学園を支配する生徒会長・静香に惨敗した。
格闘技では彼女を制したものの、その後に挑まれたベッド上での戦いでは敗北。
ボロクズのようになるまで精液を搾り取られ、身動きできなくなった俺を静香は街から追い出した。
――男が女に負ける。
それが格闘技だろうがセックスだろうが関係ない。
しかも相手は年下の小娘。
生き恥、汚点、屈辱……それら以外のなにものでもない。
八重垣静香を倒す。そのことだけを考えて俺は入念に準備をしてきた。
その道のりは決して楽なものではなかった。
一年前の敗北後、しばらくの間はまともに眠ることさえ出来なかった。
まぶたを閉じるたびに艶かしい静香の身体が脳裏に浮かぶ。
残酷なほど自由気ままに俺の心と身体を犯し、何度も俺が泣いて許しを求めても静香はあっさり却下した。
快楽で落ちそうになっても、さらに俺を辱めて気絶すら許されない永遠の責め苦。
忌まわしい記憶は回を増すごとに鮮明に甦り、俺の股間をこわばらせて睡眠を妨げる。
もはやこれは心的外傷を受けたといってもいい。
それを克服するまでに半年、さらに自分を鍛え上げるのに半年……月日は容赦なく流れていった。
俺が復調するまでの間、街中の同志たちは静香が率いる治安部隊に駆逐され続けた。
そしてついにはロリコン画像の単純所持すら条例で禁止されてしまったのだ。
「全てはあいつのせいだ……!」
そう、過去を清算するために俺はこの学園に舞い戻ってきたのだ。
大丈夫、俺は過去を乗り越えられる……今日何度目かの自己暗示をかける。
静香に対する恐怖心が薄れていく。
身体中に気力が満ち溢れたのを感じてから、俺は生徒会室のドアを開けた。
重厚なドアを開けた途端、甘い香りが漂ってきた。
身体が覚えている危険な蜜のような香りだった……この中には間違いなく奴がいる。
その時、鈴の音のように透き通った声が部屋に響いた。
「あら、お兄様」
忘れもしない。俺を悩ませ続けた元凶がそこに立っていた。
八重垣静香……
長い黒髪は長さこそ変わらないが一年前よりも妖艶さをましている。
こちらを見つめる大きな瞳は相変わらず気の強さを放っている。
(私服姿……?)
学園内だというのに白いセーターとチェックのスカート、それにこげ茶色のブーツ。
どうみても女子大生のように見える落ち着いた服装。
そのコーディネートのせいなのか、以前よりも全体的に身体が引き締まって見える。
静香は俺の姿を見て微笑みを浮かべていた。
まるで俺が来ることを知っていたかのように。
「お前を倒しに来た!」
「しってましたわ。警備カメラにお兄様の姿が映ってましたもの」
やはり筒抜けだったのか。歯軋りしながら俺は言い放つ。
「でもなぜです?」
「忘れたとは言わせない! お前に受けた数々の辱めのおかげで俺は……」
そこまで口にした俺は背筋に寒気を感じて言葉を切った。
「つまり、また気持ちよくされたいのですか?」
静香はその様子を楽しそうに眺めている。
ここで気圧されてなるものか。
俺はまっすぐ彼女をにらみつけた。
「くすっ……お兄様、少しは強くなったみたいですね」
黒真珠のような瞳を潤ませて、静香は嬉しそうに言った。
「俺を舐めるなよ……一年前とはわけが違うんだぜ」
「ええ、そのようですね。しっかりお相手いたしますわ」
静香は俺に背を向けながら左手で手招きすると、部屋の奥にあるベッドへと導いた。
□
「またお会いできて嬉しいです」
静香は俺から視線を逸らさず、ゆっくりと服を脱ぎ始める。
白く柔らかそうなセーターの裾に指をかけると、チラリとこちらを見つめた。
「あなたも脱いで下さる? それとも私に脱がせて欲しいの?」
「ちっ……自分でやる」
仕方なく俺も服を脱ぎはじめる。
こいつに服を脱がしてもらうなど危険すぎる。
さりげない愛撫や、甘い言葉責め……とにかく必ず何かされる。
ペースに乗せられてたまるか!
「助かります」
俺がシャツを脱ぎ終わると、すでに静香はブラジャーに手をかけていた。
甘酸っぱい香りと、少女の暖かい体温が俺に絡み付いてくるようだ。
「……!」
さっきの俺の言葉を撤回する。
静香の胸は一年前よりも確実に大きくなっている!
いや、胸の大きさだけではなく腰がかなり細くなっている!?
ウエストのクビレがはっきりしたせいで俺の記憶よりもバストがふた周りぐらい大きく見えるのだ。
乳首は相変わらずピンク色で、肌の色の白さもあいまってそのグラデーションが美しい。
男を誘うように描くカーブは、少女の成長をあらわしている。
大きさ的にはグレープフルーツ程度に見えるが、実際に手で触れるとそれ以上に感じることだろう。
ブラジャーが外されるとき、豊かなバストが弾むように揺れた。
ほんの一瞬だが俺はその光景に目を奪われた。
「うふ……そんなに見つめられるとちょっと困りますわ」
静香は俺の視線に気づいたのか、両腕を組んでバストを隠そうとした。
細い身体に似合わぬ巨乳、艶を増した端正な顔立ち……不覚にも俺の股間は静香の肢体に反応をしっかりと返していた。
「べつに見つめていたわけでは…………んはああっ!?」
「うふっ、隙ありです。お兄様」
俺が目を伏せた瞬間、静香が間合いに踏み込んできた。
まるでバレリーナが舞うように、ふわりと優雅に俺に身を寄せる。
そして俺に抱きつくやいなや、遠慮なくその胸を押し付けてきた。
(うぅっ、この体勢じゃ力が……!)
静香の細い身体に突進され、少しは踏ん張ってみたものの結局俺は押し倒されてしまった。
柔らかいベッドに尻餅をつく。
「私のにおいを思い出していただきましょうか……」
「ま、まて……俺はまだ」
しかし少女の動きは止まらない。
うっすらと微笑んだまま、柔らかい手のひらが俺の顔を挟み込んだ。
嫌でも静香と正面から向き合うことになる。
「では、再会を祝して…………ん……♪」
そして俺の眼を見つめてから、静香は瞳を閉じた。
(こいつ、誘ってやがる!)
俺からキスすることを明らかに誘っている!
以前はこいつが先に唇を奪ってきたのに、今日は主導権を俺に渡そうというのか。
――ハンデのつもりか。どこまでも俺を舐めてるな!
俺は高ぶる気持ちを抑えつつ、静香の唇に自分の舌先をねじ込んだ。
「ふぅっ……ん!」
そっと重ねられることもなく、突然唇を割られて驚きの声を上げようとする静香を激しく抱きしめた。
(先に酔わせてやる!)
自分の舌先を花のような彼女の唇に突き刺したまま、俺は勢いよく吸い上げた。
静香も俺の動きに合わせて柔らかく舌先を絡めてくる。
時折薄く目を開けて、俺の顔を見つめてくる。
この細い身体、絶対逃がさない。イニシアチブを取ってやる。
「んふ……キスも上手になったのですね」
顔を紅く染めて、静香はそう呟いた。
指先には力がこもっていない。
「お前に勝つために修行してきたからな」
「わかりますわ。ひとつひとつの動作が女の子を喜ばせようとしてますもの」
うっとりした様子で静香は俺を見上げている。
少しとがった顎の先を右手の人差し指で上に向けて、俺は再び唇を奪ってやった。
さっきのお返しだ。
激しく舌先で少女の口を舐(ねぶ)る。
たっぷりと唾液を絡ませ、かきまぜてやる。
「んんっ、んう! 気を抜いたらイかされてしまいそう」
わざと口元を遊ばせ、呼吸させてやる。
静香が息を吸うタイミングで再びキスをすると、彼女は眼を白黒させる。
少し余裕を感じた俺は、左手でバストを愛撫してやった。
「ふあああぁぁんっ!」
ビクンと跳ねる静香の体をしっかりと抱きしめる。
そして手首を柔らかく使って何度も持ち上げるように優しく愛撫する。
徐々に静香の身体が熱を帯びて、呼吸も荒くなっていく。
だが俺はここで手を止めた。
「なぜ責めをやめるのですの……?」
「……」
不機嫌そうな顔をする静香だが、俺にはわかっていた。
これは全て芝居だ。
「さすがですわ、お兄様」
静香も俺の考えに気づいたようだ。
「見破られるとは思いませんでした」
「ふん、こんなにうまくいくはずがない。一年前のお前はもっと隙がなかった」
キスをしながらのバスト愛撫は、少なからず男も興奮する。
ちょうど一年前、俺は自分が静香の身体に溺れてしまったことを思い出したのだ。
何度も同じ過ちはしない。
「くすっ……このままお兄様の自由にさせて、適度に興奮させてからお返ししてあげようと思ってました」
信じられないことだが、俺の見ている前で静香があっという間に落ち着きを取り戻した。
「俺を甘く見ていたな?」
「いいえ、違います。それが一番簡単なのです」
静香はさっきまでの熱に浮かされたような顔ではなく、クールな瞳で俺を観察している!
「一番簡単……?」
「私にされたことをお兄様の身体の隅々まで思い出させてしまえば、間違いなく勝てますから」
確かにそれは間違いではない。
俺の心の中には少なからず静香へのコンプレックスがある。
そこを刺激されて、操られてしまったら勝ち目はない。
「でも、この作戦も通じないとなると……今日のお兄様には、本気でお相手しなければならないようですね?」
静香の雰囲気が明らかに変わった。
今までは余裕たっぷりの様子見といった表情だったが、獲物を狙うように鋭い目つきになった。
「今度は私からでよろしいですか?」
「うくっ!」
一歩俺のほうに足を踏み出しただけなのに、反射的に俺は下がろうとしてしまった。
ベッドの淵にふくらはぎが当たった。逃げ場など初めからないのだ。
「お兄様はおそらく勘違いしているのでしょうね」
「え……」
静香の言葉が咄嗟に理解できない。
俺が勘違い? ――それは一体何のことだ?
迷う俺の隙をついて、静香は左足で俺の軸足を払った。
今度はベッドの上に転がされてしまった。この体勢はまずい!
「この一年間で、私とお兄様の差が決して埋まらないことに……です」
「なっ!!」
静香は自信たっぷりに言い放つと、身をくねらせながら俺にのしかかってきた。
「私が多くの男性を手にかけ、腕を磨いてきたとでもお思いですか?」
「だってお前は……!」
お前は好き放題ロリコンの男子を血祭りに上げてきたのだろう、と言う前に白い人差し指で唇を押さえつけられた。
「くすっ、そこが間違い。私は一年前と変わっていませんわ?」
「!?」
どういう意味だ?
俺はますます静香の言葉がわからなくなった。
「お兄様が多少強くなったところで、私に敵うはずがありません」
「下手な暗示をかけるつもりだな……」
「暗示ではありませんよ? 実際にお兄様もそう思っているのではなくって?」
自分の性技に自信がある静香にとって、たしかに俺に暗示をかけるようなせこいマネは必要ない。
しかし、なぜそこまで言い切れる?
自問自答する俺の股間に、静香の太ももが押し付けられた。
「はううっ!!」
「ふふっ、ほらぁ……グリグリしてあげますわ」
気づかぬうちに勃起しかけていたペニスが、ほんの少しの刺激で完全に硬くなってしまった。
筋肉質のはずなのに、ほっそりした静香の美脚が俺に思考を許さない。
「ね? 少なくともお兄様のペニスはわかっているみたい。しっかり思い出させてあげますわ」
□
「は……なせええ!」
「駄目です」
静香の太ももがゆっくりと円を描く。
たったそれだけの動作が俺の思考を寸断して、身体の自由まで奪い続ける。
おそらく二分程度その行為を繰り返した後、静香は俺の両肩をベッドに押し付けた。
「こうして跨(またが)るだけで、お兄様の身体は悲しいぐらい反応してしまわれますわ」
マウントポジションを取られ、目の前には勝ち誇った表情の静香と天井だけが見える。
俺の脳裏に甦ったのは静香の名器だった。
一年前は散々焦らされ、先に何度か射精させられた後での本番行為だった。
それでも静香の意のままに何度も果てさせられた。
男を捕獲して、その鎧をあっさり剥ぎ取って無防備にしてしまう少女の膣内。
気が遠くなるほど甘く刺激され、反撃の意思すらとろけさせる極上の「ミミズ千匹」を持つ静香。
今回はいきなりあの膣に放り込まれようとしている!
しかもこの体勢だ。このまま挿入されたら反撃できない!
「くすっ、手が動いちゃいますね?」
「はっ!」
静香が目を細めている。まさか行動を先読みされた!?
「このあと私の胸を掴もうとする……今でも掴みたくてしょうがないのでは?」
そんなつもりはなかったが、彼女の一言で俺はなぜか手を動かせなくなった。
「賭けてもいいです。お兄様は無意識に私の胸に触れようとします」
静香はそう宣言すると、俺に跨ったまま胸を前に突き出した。
「少しだけ刺激してあげます」
さらに両腕を俺の見えない後ろに回し、指先をそろりと太ももに這わせてきた。
「うっ……!」
妖しい刺激が下半身に走る。
静香の細い指がペニスには触れず、その周辺だけを何度も周回する。
「ふふふ……」
相変わらず俺の眼を見つめたまま、静香は器用に後ろ手で愛撫を繰り返す。
その刺激自体はたいしたことはないのだが、彼女が指を動かすたびに目の前でバストが揺れる。
ぷるんぷるんと弾みながら円を描く双丘が、俺の頭の中を支配する。
こんな焦らし方があるなんて予想もしてなかった。
しかし静香は知っていたのだ。
男の目を犯し、頭の中まで支配する方法を。
「くそ……」
この揺れを止めたい。まるで視覚から犯されているようでたまらなかった。
静香の予告どおり、彼女にすがりつくようにバストに手を伸ばしてしまった。
「ほら、言ったとおり……」
あざけるような静かの声。だが俺はそれどころではなかった。
「こ、これはあああぁぁ……!」
「私の二重の罠。見事にかかってくれましたね?」
静香の罠にはまったのは仕方ない。
彼女のいうとおり、俺はその見事なバストに手を伸ばしてしまった。
だがこれはチャンスでもある。
激しい愛撫で、せめて一矢報いてやろうと思った。
思っていたのだが、指先が今度はうまく動かない!
「私の胸、そんなにお気に召して?」
俺の指先に力が入らない。
それだけじゃない。静香の肌に触れている部分から、すごい勢いで快感が膨れ上がっていく。
この胸に触れているだけで股間の硬さがさらに増していく。
早く手を離さないとこのままイかされてしまうほどに!
「うわあああああ、やばい!」
俺の指先に力がこもる。
それでもピンと張った少女の胸は形を変えない。
実際にはほとんど力が伝わっていないのだ。
苦しげな俺の顔を見て、静香は優しく微笑んだ。
「射精直前の抵抗……こうなると放っておいても射精しちゃいますね」
静香はバストに伸びた俺の手をぱしっとはじいてから、再び掴んだ。
そして手のひらを合わせるようにして指を絡ませてきた。
(静香に見下ろされた状態での両手の拘束……っ!)
戸惑いを隠さない俺を見て、静香の唇の端がゆがんだ。
「こうされるとどうです?」
「くそっ、離せええええ!!」
だが指に力が入らない。完全に両手と下半身の自由を奪われている。
「ほんの少し力を入れるだけなのにね。恥ずかしい? 屈辱的?」
「うごくなあああぁぁ!」
俺の意思に関係なく腰を揺らす静香。
この体勢から抜け出せない……細い静香の身体を跳ね返せない!
このままでは女子中学生に押さえ込まれたまま、俺は絶頂させられてしまう!
「うああっ、はあああぁぁぁ!?」
「お兄様、思いきり射精してください」
静香がさらにくねくねと腰を揺らすと、俺も釣られて腰が揺れる。
ベッドの脇にある鏡に映るその光景が情けなく、俺は歯を食いしばった。
「いい顔ですね。私も軽くイってしまいそうですわ」
「な、なにを……んんんんんー!!」
ちゅうううぅぅっ……
それはものすごく柔らかなキスだった。
静香の仕掛けてきた甘い唇に、身体中の力が吸い取られてしまう。
「ああ、も、もうっ!!」
「うふふふ……」
我慢が出来ない。力が抜かれてしまったのだから。
悔しそうな表情の俺を満足げに見つめながら、静香はさらに腰で円を描く。
(やばい、もう本当に! 腰の動きが……ふあああああ!!)
少女の腰使いは決して激しいものではなかった。
しかし快感を体の隅々まで染み込ませるように、時間をかけてゆっくりとペニスを甘くねぶり倒した。
「ずるい……こんな腰使いでえええっ!」
「これでもう我慢できませんね、お兄様」
「……あっ!」
俺の上で微笑む美少女と眼が合った。
その少し後、俺の全身はあわ立つような快感に押しつぶされた。
何度も腰が震えて跳ね上がる。
指先で巧みにしごかれたわけでも、少女の熱いフェラで溶かされたわけでもない。
単純な肌の摩擦だけでイかされてしまった。
だが気持ちいい! 気持ちよすぎて悶えるしかなかった。
暴れる俺の身体を静香は難無く押さえ込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
呼吸が全く整わない。
たった一度の射精でここまで疲弊するとは。
「休憩無しでいきましょうか」
「や、やめ……ちょっとま……!」
「では……」
射精後も優しい腰使いが続き、俺は萎えることもなく興奮状態を保っていた。
今度は静香が片膝をついて、慎重に膣口を勃起したペニスの先にあててきた。
「お兄様の本気、見せてくださいな?」
ちらりと俺の様子を伺う静香。
まだ快感の余韻が抜けないペニスに少女の熱い粘液が塗りつけられた。
特に念入りに裏筋あたりを舐めまわすような甘い腰使いを、俺はもろに受けた。
腰の辺りが再びジンジンと痺れだす。
(ねっとりして……熱い)
甘い腰使いに警戒心が薄れきったその時、静香は一気に腰を落としてきた。
「あああぁっ!」
きゅ……ぷっ!!
「うふふふっ、先端が入りましたね?」
完全に不意打ちだった。
何の抵抗もなく、静香の秘所に硬くなりきったペニスが沈んでいく。
柔らかな肉ひだに包まれ、奥へ奥へと導かれる。
「で、でちゃう! ちょっとまってえええ!」
「まだ入れたばかりですよ?」
俺の悲鳴にかまわず腰を静める静香。片手で乳首をいじり、空いたほうでクリトリスを撫でている。
そのせいなのか、膣の入り口がキュンっとカリ首を締め付けてきた!
「こうやって締めれば我慢できますよね」
「あああっ!!」
さらに少し腰を沈め、ちょうど半分くらいのところで静香はさらに締め付けを強めた。
そしてゆっくりではあるが前後に腰を振り始める。
「……まあいいですわ、少し腰を振ってあげますね?」
前後に揺らしながら静香は膣内をきつく締め上げた。
「い、いいいいいい!!!」
さらにカリ首だけを締め付けたり、膨らみきった棹の真ん中当たりを集中責めしてくる。
「カチカチだったお兄様のものがさらに膨らんでる……ふふっ」
「んあっ、そんっ……なにいいい!?」
数回の腰ふりで、極限まで膨らませたペニスを噛み砕くように締め付ける静香の秘所。
一年前よりもその技巧は洗練されていた。
ヌルヌルしつつも、膣内で感じやすい亀頭を揉み解される。
むき出しにされた弱点を何度もいたぶられ、抵抗することもできない。
俺はもはやイク寸前だった。
「もうおしまい? お兄様……うふふっ!」
パンパンになったペニスを味わいながら静香も甘い声を上げた。
俺はとうとう耐え切れなくなり自分から腰を突き上げた。
「あんっ、お兄様からおねだりですか?」
静香はうっとりした表情で俺を見つめたまま、指先を伸ばして乳首を責めてきた!
マニキュアで彩られた女子校生の指が、俺を弄ぶ。
「ほら、もうこんなにシコってますよ?」
「いじらな…………あああぁ、ま、またでるっ、でちゃう~~~!!」
「もうイッちゃうんですね?」
その冷ややかな声が合図となり、待ちに待った脈うちが始まる。
今度は突き上げた腰を絡めとるように俺を押さえ込む静香。
細く長い脚が外側から回される。
静香が俺の全身を捕獲して、締め上げる。
結合している彼女の膣内を中心に、急速に快感が俺を包み込む。
「で、るっ! でるよおおおおお!!!」
「いいですよ、たっぷりすすってあげます」
静香は俺の左耳を軽く甘噛みしながら、そっとささやいた。
「イきなさい……」
その言葉を聞いた直後、俺はひときわ強く腰を跳ね上げた。
□
挿入してからほんの数分で、俺は再び精をさかのぼらせてしまった。
その間、静香の細い体が俺をベッドに縛りつけたまま何度も小刻みに揺れた。
射精直後で全く抵抗できない俺から、静香は容赦なく体力を奪い取った。
少女の身体で柔らかく愛撫された俺のペニスは、情けないほど痙攣しながら精を吐き出し続けた。
「うあ…………ああ……」
「お兄様の降参の証……いっぱい出ましたね」
「んうう……」
「クスクス……♪」
俺の上で静香が微笑んでいた。
年下の娘の膣に完敗した俺を、完全に見下したような顔をしている。
しかしそれよりも気になることがあった。
ペニスはまだ彼女の中に入ったままなのだろうか。
恐る恐る俺が確認しようとしたその時だった。
「このままもう一度膨らませてあげます」
「ま、まって! うぐっ、んああああ!!」
俺を待つこともなく、静香が小刻みに身体を揺らし始めた。
本当に数センチくらいの上下運動。しかし……
「これはいかがですか?」
「なにこ……れええ!?」
身体中をくすぐられながらイき続けてる!?
まさにそんな感触だった。
静香の膣内は柔らかく俺を包んだまま、ゆっくりと回転していた。
しかも今度は適度なざらつきがあって耐え難い快感を俺に与えてくる!
「この腰つきをすると男の人はみんな喜ぶのですよ」
「す、すごい……いいいぃぃ!」
「お兄様はどうかしら?」
俺は叫ぶことも出来なかった。
さっきの射精の余韻もあり、さらに上積みされた快感に対して歯を食いしばるしかなかったのだ。
「前と後ろもゆっくり馴染ませて……」
静香の腰つきが変化する。
ゆったりとした前後のグラインドに小気味よいピストンが加わった!!
こらえようとしても身体の芯から何かが溶け出していく。
(あ、これ……すご……い!!!)
それほど激しい動きではない。
しかし男の快感を知り尽くしたような膣と腰の動きに、俺はあっという間に追い詰められてしまう。
「クスッ、またカチカチになりましたね?」
「う、うそだろ……」
しかし彼女の言うようにペニスは再び硬さを取り戻していた。
女子校生のくせに、すでに名器と呼ぶにふさわしい静香の膣内。
「こ、こんなことが……」
「お兄様、ゲーム再開です。今度は少し締め付けていいですか?」
「な、なんだって?」
まるでさっきは締め付けていなかったとでも……?
そんな僕の心を読んだ静香が口を開いた。
「ええ、ここからが静香の本気ですよ」
妖しく笑いながら静香は軽くウインクしてきた。
「今度は締め付けたり緩めたりしながら、お兄様の身体を撫で回して差し上げます」
「そんなことが……あああぁっ! 締まるっ!!」
「一年前と同じです。もちろん自分の意思で締めてますわ?」
騎乗位のままそーっと俺の胸の指先を伸ばす静香。
「気持ち良くしてあげます」
静香の指先の心地よさだけが俺の身体に残る。
そのフェザータッチの指技に思わずうっとりとする。
「ふあああぁぁぁ……」
「くすっ、おちんちんにもシテあげる」
そして脱力し、無防備になったペニスに静香の名器が襲い掛かる。
硬くなった部分だけでなく、柔らかくなりかけた亀頭やカリの部分が特に刺激される。
(指も気持ちいい……でも気を抜いたらアソコがぁぁあ)
俺は静香の両面攻撃に苦戦した。
特に乳首を撫でられるときは頭の中が真っ白になりかけてしまう。
「声も出ませんか。ふふッ」
静香は両膝をついた状態から、ゆっくりと腰を上げた。
「ぬ、抜け……」
「お兄様、これでまたイっちゃうかも? ふふふ……」
ペニスが抜けるギリギリまで腰を上げ、またゆっくりと深く突き入れてきた。
ずぷずぷと淫らな音を立てて、静香の中にペニスが埋まっていく。
「あ、ああああああああ!!!」
「おまけに気持ちよくさせられちゃってる……情けないお兄様」
一番奥に到達すると、なんとも言えない安堵感に包まれる。
だが次の瞬間には膣奥のコリコリした部分でペニスを容赦なく愛撫する静香。
ザラザラした刺激とヌルヌルの快感を交互で与えられ、ペニスは再び白旗を揚げようとしている!
「そろそろまた出ちゃう? 今度もいっぱい出ますね?」
「で……でるうぅぅ……」
「じゃあ今度は一番奥まで差し込んであげます」
さらにこの奥があるのか?
下から見上げる俺を、静香はクールな目で俺を見つめている。
「奥についた瞬間、きっとお兄様はイッちゃいます」
「くうっ……!」
「一年前と同じですね。ぜんぜん進歩してないのね?」
楽しそうにいい終えると、静香はゆっくりと腰を上げた。
ず……ずずず……ずず……
「一気に落としませんよ? ゆ~っくりねじ込んであげます」
さっきよりもゆっくりと腰を沈める静香。
奥に到達する時間が長ければ長いほど、俺は名器の感触をリアルに味わうことになる。
「やばい、は、はやくうぅ……!!!」
「んっ、まだ半分ですよ?」
他の男でもきっと同じことだろう。彼女の膣の感触になれることなど考えられない。
静香がその気になれば、入れた瞬間にイカせることだってできるのだから。
「もうすぐ根元まで入りますわ…………あんっ!」
何とか根元まで入った。だが今回はキツい締め付けが来ない!?
(これくらいなら……って、あああ!)
耐え切れると思っていた矢先、きっちりと固定されたペニスの先端からカリ首にかけてだけにゾワゾワした感触が沸き起こった!
「しっかり感じてくださいね……もっと良くなりますから」
腰を捻ろうとしても無駄だった。俺の身体はしっかりと静香に押さえ込まれている!!
「な、すごいいい! 今までで一番んんああぁぁ!」
「まだまだ狂わせてあげますわ」
ガクガクを震えながら、俺は静香の腰を掴んだ。しっとりとした感触が手のひらから伝わってくる。
(だ、だしちゃう! この膣にいいいい!!)
特に腰を動かしていないのにグリュグリュと亀頭を揉んでくる静香の膣。
その締めつけが少し緩んだとたん、堰を切ったように精液が大量に噴出した!
□
「さて、次はどうやって抜き取ってあげましょうか?」
その声にハッとして股間を見ると、すでに静香が亀頭を加える直前だった。
「あむっ……」
「んあああああぁぁぁ!」
いきなり熱い口内に放り込まれた俺のペニスが、勢い良く我慢汁を放出した!
静香はジュルジュルと音を立てながら何度も肉棒をすすり、ペニス全体に舌先をこすり付ける。
「お兄様……もっと搾り取ってあげますわ」
時折ペニスを解放しながら、咥えた瞬間に激しく舌先を動かしてくる。
特に尿道あたりをツンツンされると思わず前かがみになりそうになる!
「ふくっ、あっ、あいっ、そ、そこはあああぁ」
「今度こそ逆らえないようにしてあげますからね」
じゅぷっ、ぷじゅ、ぷちゅ、ぷきゅ……ずちゅずちゅずずっ♪
不規則なリズムでペニスを嬲る静香。
せっかく堪えていた射精感が体中に駆け巡る。
(またイ、いく! このまま静香の口に!!)
もはや限界が近い……いや、限界はとっくに超えている。
このまま射精したらおそらくとんでもないことになる。
だがもうこの少女の口の中でイくことしか考えられ……ない!
「結局、無駄なリベンジでしたね?」
極上のフェラによって、もはや陥落寸前の俺に向って静香は言う。
「お兄様は確かに強くなった。一年前の強さをレベル5だとすると、レベル9くらいまで強くなりましたわ」
嘘だ! ぜんぜん歯が立たない。
快感に踊らされながら、俺は静香を睨もうとした。
「でも所詮その程度……私はレベル90くらいですから」
「く、くそっ! ああぁぁ、ま、またあぁ!!」
「ほら、もうイきなさい? ふふっ、ふふふふふ……♪」
たっぷりと唾液が絡みついた肉棒を、静香が卑猥な音を立ててしゃぶってきた。
その音に導かれるように身体の底から再び精液が上ってくる。
(だめだ、もう俺はこいつに勝てない……)
身体に力が入らない。
心の中の絶望感が快楽に押しつぶされてゆく。
静香の温かい口の中で、俺はその日一番の射精をしてしまった。
長い時間、俺は眠りについていた。
身体中が鎖で縛られたように動かせない。
もう何も考えたくない……このままでいい。
だが遠くで聞こえる声に無理やり覚醒させられた。
「お兄様、起きてください」
「う……」
「お疲れ様でした」
目の前には静香がいた。
そしてここはおそらく生徒会室。
「あれから色々考えたのですが、お兄様はここで私が飼うことにしました」
「な……!」
驚いて跳ね起きようとしたが、身体が動かない!
夢の中でもないのに……な、なんだこれは!? 鎖?
「再び街中にあなたみたいな猛獣を解き放つわけにはいきませんもの」
静香がクスクスと笑っている。
俺の身体はベッドに縛り付けられていた。
両手両足に皮製のベルトが巻きつけられ、ベッドの太い足に固定されている。
「俺をどうするつもりだ!」
「私がきっちりしつけてあげますわ」
当たり前のように静香は言った。
そして、その視線はとても冷ややかなものだった。
「どうせもう私以外では感じることの出来ない身体になっているのでしょう?」
「……!」
図星だった。
「そうでなければ再戦に来るなどありえませんもの」
今回対戦してみてわかった。
他の女子生徒に対してはほぼ無敵だった俺が、静香の前では無防備にされてしまう。
それはつまり、俺が静香の身体を求めていたということなのだ。
「しかし……」
まだ精神的な敗北を認めたくない俺に、静香が囁いてきた。
「これからは毎晩、私が犯してあげますわ。朝も昼も夜も、気が向いたときにね?」
優しくこちらを見つめる静香。その笑顔が男を見下す偽りの仮面だとわかっていても、もうどうしようもない。
(もう静香から逃げ出せない……)
俺は身体中の力を抜いた。
(第二部 終了)
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