僕は世界中を旅する冒険家だ。
 ……と言ってみたものの、本格的にこの仕事を始めたのは一ヶ月前のこと。
 残念ながら珍しい財宝にも、強いモンスターともまだ出会っていない。
 そこで今のままじゃいけないと思って、自分を鍛えるためにこの地にやってきた。

 ここはランスロットの酒場。
 同じ志を持つ冒険家たちが集まる情報交換の場所だ。
 ざっと見回したところ、店の中の大半が僕よりも年上の冒険者たちに見える。
 そんな騒がしいお店の中で、ある情報を耳にした。

「…・…その話は本当ですか?」

 たまたま隣に座っていた戦士風の冒険者に向ってあらためて尋ねてみる。


「へっへっへ……ボウズ、つまらん嘘をついても仕方あるまい?」

 確かにこの人のいうとおりだ。
 冒険者の集まるこの場所で、冒険者を疑ってみても何も始まらない。



――全ての色と欲(特に色)を満たす迷宮が、そこにはある。


 それなら、きっと見たこともないお宝が迷宮の奥にあるはずだ。
 しかもまだその迷宮を攻略したものはいないという。

「よし……」

 僕は目の前のオレンジジュースを飲み干して、席を立った。
 誰も攻略していないのなら、好都合だ。僕が最初にやってやる。

「でもよぉ……ボウズ、だいじょうぶか? へっへっへ……」

「えっ?」

 大丈夫かと聞かれた意味がわからず、しばらく彼を見つめていた。
 好色な笑いを浮かべた戦士風の男に礼を言ってから、僕は酒場をあとにした。



――そして次の日。


 酒場の男が言うとおりの場所に向うと、迷宮の入り口が見つかった。

(こんなに簡単に見つかるものなのかな?)

 重たそうな鉄の扉と、奇妙な立てカンバンが目に入った。
 カンバンには、「蛙は持ったか?」と書かれていた。
 本当に意味がわからない。

 今一度装備を確認してから、僕は薄暗い迷宮へと足を入れた……。





 迷宮の中にはところどころに明かりが灯されていた。
 しかも殆ど一本道。これなら迷うこともないだろう。

「なんだあれは……」

 通路の壁から湧き水が噴出している。
 顔を近づけてみると、とても良い香りがしたので、そっと口に運んでみた。

ゴクッ!

「気力がみなぎってくるぞ!」

 どうやら精神力を回復させる効果のある水だったらしい。
 冒険のはじめに幸先の良いことがあると嬉しくなる。

 僕はすっきりした気持ちで再び迷宮内を歩き始めた。
 しかし、それから二歩、三歩と足を進めた時のことだった……道の先から低い唸り声が聞こえてきた。



――グルルルルル……

「うん? なんだあの声」

 迷宮の通路の壁に反響する低い声は、まるで僕を威嚇しているかのようだった。

 これ以上先に進んだらどうなるのだろう?

 僕が剣の柄に手をかけた瞬間、唸り声が消えた。
 静寂の中に物凄い殺気を感じる。


(来るッ……!)

 それは冒険者としての勘だけではなかった。
 微妙な空気の揺らぎが僕に警鐘を鳴らす。
 途端に背中に良くない汗が滲んできた。

「ガルルルル……!」

 野獣の唸り声が段々はっきりと近づいてくる。
 しかしまだ姿が見えない。

 警戒した僕の左足が床に落ちていた小石を弾いてしまった。
 跳ねた石が壁にコツンと当たったのと同時に、何かが僕に向って飛び掛ってきた!

「ガアアアッ!!」

 咄嗟に右側に身体を反らす。その横を風が吹きぬけた。

「ちっ!」

 僕の左頬を何かがかすめる。
 ナイフのようなもので浅く皮膚が切り裂かれた。

(速いッ!)

 感心する間もなく、今度は背後から風切り音が迫ってきた。

「そこっ!!」

ガキイイィィンッ

 気がつくと僕は剣を抜いていた。
 そして危険を感じた方向めがけて刃先を滑らせたのだが……


(バカな、素手で!)

 僕に襲い掛かってきた野獣は、剣先に爪を立てて斬撃をしのいでいた。
 暫くの間、お互いを睨みながら力と力の押し合いになる。

「グルル……!」

「おっ、女の人!?」

 対峙した敵を見て僕は驚いた。
 その顔はとてもきれいな女性そのものだったからだ。
 だがその身体を包んでいるのは白い毛皮……いや、体毛。
 頭の上には耳があり、その背中にはふさふさとした尻尾が見え隠れしている。
 まちがいない、こいつは人狼……ワーウルフだ!


グググッ!

(なんだこいつ……押される……!!)

 すごい力だった。
 背丈は僕と変わらないというのに、筋力が違いすぎる。

「ううう、ぐっ……!」

 だが負ける訳には行かない。
 必死で踏ん張る僕に向って、ワーウルフが微笑む。

「……なかなか強いじゃないか、ニンゲン」

「しゃべった!?」

 ワーウルフが人の言葉を話した。
 しかもそれは、僕が思っていたよりも可愛らしく、透き通った声だったのだ。


――思わず力を抜いてしまった僕は、あっさりと彼女に押し倒されてしまった。


ドサッ

「うっ!! 痛っ……」

 うまく受身を取ったつもりだったが、後頭部に鈍い痛みが走る。
 背中をついた先に小さな石が転がっていたのだ。
 今日は運がついてない……。

「おいニンゲン、大丈夫か?」

 苦しげに顔をしかめる僕を見たワーウルフは、意外にも心配そうな表情をしていた。
 てっきり追い討ちをかけてくると思っていたのに。

「グルル……なんだぃ? アタイの顔に何かついているか?」

「う、ううん! なんでもないけど……!!」

 思いがけず敵対する相手と見つめ合うことになった。
 痛みが少し引いた僕は、おずおずと彼女に尋ねてみた。

「狼だと思ったけど、その格好は……犬なの?」

「あ、アタイは犬じゃないっ! 狼だぞっ!?」

 質問を聞いたワーウルフがブンブンと首を横に振った。
 犬扱いされてプライドが傷ついたらしい。

「やはり人狼……ワーウルフか!」

「そのとーり! 怖くなったか?」

 僕が言いなおすと、途端に表情が明るくなった。
 単純な性格なのかもしれない。

「じゃあ……」

 剣を握っていないほうの手を、彼女の顔の前に差し出した。


「ガウ?……なんのマネだい?」

 目をパチパチさせながら僕の手のひらを見つめている彼女に向って命令する。

「お手ッ!」

「バウッ♪」

 すると条件反射のように、ワーウルフはもふもふした手のひらを僕に差し出した。
 尻尾にちゃんと左右に振りながら。

「やっぱり犬なんじゃないの?」

「はう、うう〜〜! 違う違うっ、ちがーう!!」

 悔しそうに地団太を踏みながら、ワーウルフが僕を睨んでいる。

「ううう〜〜〜〜ッ!」

カプッ

「あいたたたたっ!」

 迂闊にも僕は、自称ワーウルフの目線より上に手を出してしまった。
 こいつらは本能的に餌を与えられたと思って口にくわえてしまうのだ。

「あっ、ニンゲン大丈夫か?……つい……」

 血の味を感じたワーウルフは、僕の手を慌てて口から出した。
 鋭い歯が食い込んだ跡が内出血して、痛々しい傷跡が浮かんでる。

 彼女はそれを見ながら、今度は傷口を優しく舐め始めた。

ペロペロ……

 ざらっとしていて、生暖かい舌先が僕の手を舐めている。

「ありがと……案外いいやつなんだね、キミ」

「そんな事ないぞッ!」

 僕の言葉を聴いたワーウルフは、めんどくさそうに首を横に振った。

「それよりニンゲン、お前はここに何しにきた?」

「何ってお宝を……」

 彼女はジロジロとこちらを見ながら、時折耳を動かしている。


「やっぱりそれか…………じゃあ無理だ」

「えー、なんで?」

「だってお前はここで、アタイに食われちまうからさっ!」

ジャキーン!

 ワーウルフが拳に力をこめると、両手の甲から爪が伸びる。

「うおおっ!?」

 素早く突き出された拳を、なんとか剣で打ち弾く。


「完全に不意打ちだったのに、なかなか強いんだな……お前」

「卑怯だぞ!!」

 僕が言い返すと、ワーウルフは声を上げて笑った。
 そして軽く頬を赤くしながらポツリと呟く。

「お前、おもいっきりアタイの好みだ……」

「えっ?」

 意外な言葉に一瞬だけ放心する。

「おや? 力が抜けたな。それっ!」

「うああっ!?」

 ワーウルフが素早く右手を振り下ろす。
 鋭い鉤爪が僕の身体を袈裟切りにする。

「まだまだ! もう片方も切り裂いてやる」

 続いてワーウルフは左手を振り上げた。
 風切り音と共に、身につけていた防具が音を立てて床に落ちる。
 たった一瞬でワーウルフは僕の上半身を丸裸に剥いてしまったのだ。

 その隙を突かれて、握り締めていた剣を奪われてしまった。
 さらに両方の手首を握られ、背中を壁に押し付けられてしまった。

(なんて強い力だ!)

 可愛らしい顔や声をしていても、やはり相手は獣だ。
 すごい握力で手首を握られているうちに感覚がなくなってきた。
 素手になったら勝ち目は無い。


「アタイのこと、油断して勝てると思ったのか? だとしたら、ちょっと悔しいぞ」


 もちろん油断なんてしていない。
 ただ、ワーウウルフの色仕掛けに心が乱されてしまっただけで……

「離せ! このぉ!!」

「なんだ、ニンゲン……さっきよりも力が出てないぞ?」

 僕の事を鼻で笑いながら、ワーウルフが身体をすり寄せてきた。
 見た目以上にフワフワした体毛が僕の肌をくすぐる。

「うあっ」

「ははぁ〜ん♪ さてはお前、女が苦手なのか?」

 僕を抱きしめるようにして身体をこすりつけながらワーウルフは囁いてきた。

「そんなこと……」

「じゃあ好きなんだな……くふふふ」

 淫らな笑みを浮かべつつ、まるでお皿に残ったミルクを舐め取るようにピチャピチャと僕の左耳を舐め始めた。
 ざらついた舌先が僕の耳穴を出入りするたびに背筋がゾクゾクする。

(魔物に……犯されてる……!)

 ふわふわの体毛が僕の身体をくすぐり、熱い吐息が耳に吹きこまれる。
 もがいてみたところで抜け出せない。細く引き締まった手足が僕をしっかりと拘束している。
 身体中から力が抜け落ちていく。

「その反応は、犯してくださいってことだな?」

「うっ、なんで僕がっ!」

「じゃあ外してみなよ……ほらほら!」

 ワーウルフの締め付けがさらに激しくなる。
 僕の身体に激痛が走り、関節が悲鳴を上げる。
 それなのに……

「あ……が……」

「んん〜? お前の身体からオスの匂いがしてきたぞ?」

 わざとらしく鼻をクンクンならしつつ、ワーウルフは片手で僕の股間を撫で回した。

「んあっ!」

 思った以上にスベスベの手のひらがズボンの隙間から忍び込んできた。
 すっかりヌルヌルになった亀頭や、硬くなった肉棒を数回しごいてから、ワーウルフは器用に僕の下半身を剥き出しにしてしまった。

「やめてくれ……頼む」

 蚊の泣くような声で許しを請うと、ワーウルフは息を荒くした。
 そして嬉しそうに僕の頬を舐めてから、手のひらについた透明な粘液を舐め上げた。
 ますます彼女を興奮させてしまった……どうやら逆効果だったみたいだ。

「いい顔するんだな、ニンゲン。やっぱりアタイの好みだ」

 爛々と目を輝かせながら、ワーウルフは僕を大の字にして押さえつけた。

「ぐっ……!?」

 身動きが全く取れなくなった僕を見つめながら、ワーウルフが軽く微笑む。

「ここで必殺技だ……ほれ」

「!?」

 しゅるしゅると、何か柔らかな布が擦れるような音がした。
 同時にペニスの表面がサラサラの何かで撫でられる。

(気持ちいい……なんだこれ……!?)

 亀頭を刺激する何かのせいで腰が砕けそうになる。
 僕を甘く痺れさせるものの正体がわからない。
 ワーウルフに悟られぬよう、必死で声を抑える。
 それでも腰が自然にクネクネとうごめいてしまう。

「なにこれ……ううぅっ!?」

「身体中がブルブルしてきたな? フフフフ」

 悶える僕を観察しながら、ワーウルフは愉悦の表情を浮かべている。

「何をされてるか教えて欲しいか?」

「う……くぅ……!」

 必死で歯を食いしばっても、その我慢の上から何かが優しく僕を誘惑する。
 こんな表情を敵である彼女に見せたくないのに、柔らかな快感が染み込んで意識が集中できない。

 まさかこれは……!

「お前のアソコ、アタイの尻尾で撫でられながら力を吸い取られているのさ!」

「尻尾なんかでよくも……このっ!」

 振り払おうとして身体を揺さぶってもびくともしない。
 その間もペニスへの責めは続いている。
 軽く撫でられているだけなのに、何か大事なものを吸い取られていくようで……

「全然力が入ってないぞ? ニンゲン」

「んああああぁぁぁっ! くそっ、くそ……まさかエナジードレイン!?」

「物知りだな、お前」

 もがこうとする獲物を力で押さえつけながら、身体の力を尻尾の愛撫だけで奪い取る。
 しかも僕の大事な体力や精神力が溶かされていく……。
 ワーウルフの残酷な快楽責めはしばらく続いた。





――数分後。

「大人しくなったな? ニンゲン」

 すっかり脱力した僕を見て、ワーウルフの拘束が緩む。
 大の字にされていた両手が解放されても僕の力は戻らない。

ドサッ……

 そのまま迷宮のフロアに身体が崩れ落ちる。

「はぁ、はぁ……!」

「じゃあもっと気持ちよく吸い取ってやるか……」

 ワーウルフは僕の身体を仰向けにすると、足の間に座り込んだ。

「アタイは強い男が好きなんだ。お前は強いし、好みの顔してる」

 さらに正座をするような態勢になり、僕の腰を抱え込む。
 ヒクヒクと脈打つペニスを満足げに眺めると、ゆっくりと顔を近づけてきた。

「だからたっぷり可愛がってやることにしたぞ!」

「あ、ああぁぁ……!」

 彼女がペロリと舌を出す。

「じっとしてろ? さもないと歯が当たるぞ」

 ワーウルフの口が大きく開いた。
 鋭い牙が見え隠れする。

(食べられちゃう……!)

 絶体絶命の危機だというのに、僕の身体は火照ったままだ。
 ワーウルフの口の中に包まれる快感を期待して、ペニスはますます硬さを増している。

 そしてついに――!

「あむっ…………」

「うっ! あっ〜〜〜〜!!」

 ヌルリとした感触に僕自身が包み込まれる。
 温かい口の中でパンパンに膨らんだ亀頭が転がされる。

「んっ、んふっ……くふふふ……♪」

 ピチャピチャとした粘着音を立てながら、ザラザラの舌が敏感な表面を這い回る。
 肉棒を指先でしごきながら、浮き上がった血管めがけて舌先でつんつんと突き刺してくる。

「ああぁ……そこ……は……ぁぁ!」

 ドクンドクンと震える根元はしっかりと唇で締め付けられ、逃げる事を許されない。

「どうだ、ニンゲン? 声も出なくなってきたな」

 ペニスをいったん解放して、彼女が上目遣いで尋ねてきた。

「その代わりに精が漏れ出してきたな……大事に舐め取ってやる……ペロ♪」

「ふあああぁぁっ!」

 伸ばした舌先で亀頭全体を責め弄る。
 尿道からわずかに顔を出した精液を、ワーウルフは美味しそうに舐め取っていく。

「舐めれば舐めるほど、お前はもっと精を漏らす。ほらぁ、また滲んできたぞ……ペロペロ」

 荒っぽい言葉遣いとは対照的に、彼女の責めは穏やかだった。
 先ほどの尻尾での責めもそうだったが、優しく絶頂へといざなうような責めに耐えることなどできない。

(気持ちいいよぉ……!)

 無意識に伸ばした手が、彼女の耳に触れた。
 触れられて嬉しそうにその耳が跳ねた。
 指先にフワフワした体毛を感じる。

「アタイの舌先でいじられると、ニンゲンはみんな大人しくなっちまうのさ」

 勝利を確信した表情でワーウルフは言う。
 亀頭責めを中心とした穏やかなフェラの音が僕の頭の中に響き渡る。

「ふぁ……」

 そっと手のひらで睾丸を転がされると思わず溜息が出た。
 柔らかな彼女の責めに身を任せたい気持ちが膨れ上がってくる。

 でも……でもこのままじゃダメだ!
 身も心もワーウルフに溺れ、好きなように犯されてしまう。

 僕は身体中に残った力をかき集めると、思い切って上半身を跳ね上げた。

「あっ、なにを……!」

 不意打ちを食らったワーウルフも、僕の行動に驚いているようだ。
 僕は歯を食いしばったまま、彼女の身体にのしかかる。

(一気に決めてやる!)

 そしてワーウルフの足を開くと、すっかり濡れそぼった秘所が目に入った。
 真っ赤になって、燃えているような膣口にペニスをつきたてる。

「はあぁぁっ、お前! まだそんな元気あったのか!!」

 驚いてはいるものの、彼女からの抵抗は無い。
 僕は思い切ってペニスをワーウルフの中に突き刺した。

ズプウウッ!

 軽い粘着音と共に埋没していくペニス。
 1秒も経たないうちに、僕の背筋にゾワゾワした快感が駆け抜けた。

(なんだこれ……!)

 背筋を駆け抜けた快感が全身に回る。
 特に腰から下はあっという間に感覚が無くなって――!


「でも、入れてしまったらオシマイだぞ?」

「な、なんで……!」

 ワーウルフの膣内に溢れる愛液に、媚薬効果があることなど……その時の僕にはわからなかった。
 挿入している時間が増えるごとに、鼓動が早くなっていくことだけはわかる。

「アタイの膣内で果てるがいいさ……ほら、イきやすくしてやる」

 ワーウルフは快感で動けなくなった僕の身体を抱き寄せ、長い手足で僕を拘束してきた。
 上半身はまるで恋人同士が抱き合うように、下半身は恋人同士が求め合うように……膣内はペニスを絶えず締め付けながら射精を促してくる。

「あああぁぁっ! やめて……っ!!」

「どうだ? 身体中をこすり合わせると気持ちいいだろ……」

 嬉しそうな表情のまま、ワーウルフは震えだした僕の身体を手のひらでさすってくれた。
 その優しい感触に、ついに心が折れた……。

「アタイに抱かれたまま、お前はゆっくり精を注いでしまうんだ……さっきと同じように」

「さっきと同じ……?」

「ふふふ、そうだ。思い出せ……アタイの尻尾や口の中で弄ばれて、惨めに震えてたじゃないか」

 歌声のように耳から流れ込む彼女の言葉が、身体に染み込んでいく。
 尻尾やフェラで犯され、敏感になってしまった僕の身体は、すでに射精の体勢に入っていた。

――早く彼女の中に出したい!

 一度湧き上がった欲望を抑えることは出来ない。
 僕は自分から彼女を求めて、その柔らかな身体に抱きついた。

「身体中が硬くなってきたな、ニンゲン。そろそろトドメを刺してやる」

 ワーウルフの表情が緩む。
 そして膣内のざわめきが強くなり、再び僕の身体が痙攣し始める。

(出ちゃう……魔物に抱かれたまま……出ちゃうよぉぉ!)

 いけないことと判っていても、もうブレーキが利かない。
 ついに僕は自分から腰をモジモジと動かし始めてしまった。

「さあ、身体中の全ての精をアタイの膣内に!」

 ワーウルフが僕の身体をしっかりと抱きしめる。
 膣内でペニスを締め付ける力が変化する。
 根元への締め付けはきついまま、棹から亀頭にかけて何度もウェーブがかかった。

「イくっ、イくううううぅぅぅぅ!!」

ドッピュウウウウウゥゥゥ〜〜〜!!

 数回目のウェーブを感じたとき、ついに僕は力尽きた。
 大事な精を彼女に奪い取られていくことに快感を覚えてしまった。
 激しく射精を繰り返す僕の身体を、ワーウルフは優しい瞳で見つめていた。





「ふふっ、お前に印をつけてやる」

 ほとんど気絶直前まで追い詰められた僕の身体に、彼女は何箇所も指先で傷をつけていった。

(これは烙印……!)

 彼女の指が触れた場所が熱を帯びる。痛みは無かった。
 そして最後に整った顔が近づいてきて……僕は唇を奪われた。

 舌先を絡めるキスをされ、唾液を飲まされる。
 頭の中がボーっとして、ワーウルフのことしか考えられなくなってしまった。


「アタイ、お前のこと気に入ったぞ。また出直してくるといい。何度でも抱きしめてやる……」

 すっかり骨抜きにされた僕は、その後何度もキスをされてから地上へと転送された。

 お金や装備は取られていなかったけれど、経験値をごっそり奪われたみたいだ。
 それとワーウルフに対する抵抗力も……。

(今度であったら、彼女に勝つことは出来るだろうか?)

 そんな不安を抱きつつ、僕の冒険は続く。




(了)