「少し遅れちゃったな……まずい」

土曜日の午後、僕は少し焦っていた。
今日は午後からお休みの舞ちゃんとデートする予定だ。
僕自身も土曜日は休みなので、カノジョに時間をあわせる形での待ち合わせ。

待ち合わせ場所は彼女の勤める老舗の人形屋「空月」付近のコーヒーショップだった。
慌てながらも店のドアをくぐると、まだ舞ちゃんの姿はなかった。
店の人に聞いてもまだ来ていないという。

(おかしいな……約束の時間に遅れる娘じゃないんだけどな)

きっとお店が忙しいのかもしれない。
クリスマスも近いし。
そう思った僕は、しばらく店の外で時間を潰すことにした。

「ん……?」

ポケットの中でケータイが震えた。
メールの着信あり。
舞ちゃんからだ。

『おにいちゃん、ごめん! お店のお使いでまだ外にいるの。あと一時間くらいかかっちゃうの! ホントにごめんなさい……』

慌てた舞ちゃんの様子が目に浮かぶようなメールだった。

あわてないでゆっくりおいで……と、僕は返信した。


「せっかくだから、たまには人形でも見るか」

僕は珍しく自分から人形の「空月」に入っていった。
今更だけど、「にんぎょうのくうげつ」と読むんだよ?








「なんていうか……すごいね」

お店の中に入ると、季節柄なのかクリスマス一色だった。
伝統の人形屋さんもこのあたりは柔軟に対応しているのかな。
ミニスカサンタっぽい人形や、トナカイ風の人形、それに来年の干支のようなコスプレ人形もある。

「いらっしゃいませ、お客様」

物珍しそうにクリスマスBF人形を眺めていると、一人の女の子が声をかけてきた。
その言葉からしてもちろん店員さんなのだが、その可愛さに思わず見とれてしまった。



「お楽しみいただけてますか?」

少し首をかしげてニッコリする様子も可愛らしい。
遠めで見てもわかるほどフワフワした感じの髪質。
金色の艶やかな髪をツインテールにして青いリボンで結んでいる。
舞ちゃんと同じ位の背丈だが、この子のほうが少し細い。
だからといってガリガリというわけでもなく、ほっそりしていて思わず抱きしめたくなる体型だ。

前から思っていたのだが、このお店にはちっちゃい子が多い。
店長さんの趣味なのかな?

「あ、はい……」

ふと我に帰って彼女を胸元を見る。
ネームプレートには「ちはる♪」と書かれている。

「はじめまして、このイベントフロアの担当をしてます美吉野千春(みよしのちはる)と申します」

「そうですか。可愛らしい人形たちですね!」

千春ちゃんに向かって言葉を返す僕。
この子も人形みたいに可愛いな……それも西洋風の人形というか……

「まあ! そんな……可愛らしいだなんて!!」

頬をポッと染めて喜ぶ千春ちゃん。
何か重大な勘違いしているようだ。


「でも珍しいです。男性の方がこの時間帯にお一人でご来店だなんて」

「あっ、そうですよね。実は待ち合わせなんです」

「お店の誰かとですか……?」

僕は舞ちゃんのことを話した。
もしかしたらこの千春ちゃんは彼女の同期かもしれない。
案の定、舞ちゃんの名前を出した途端に彼女の目が輝いた。

「も、もしかしてお兄さんが舞の彼氏さんですか!!!」

「ま、まあそうだけど……」

「あらやだ、すみません。お客様に対しておにいさんだなんて……」

ペコリとお辞儀をする千春ちゃん。
別にお兄さんでもいいんだけどな……

「気にしないよ、千春ちゃん」

「うふふっ、じゃあ『おにいさん』って呼んじゃいますね?」

「ああ、いいよ」







他愛ない話や人形の説明などをしている間に、
千春ちゃんの口調が少しずつ変化してきた。


「お兄さん、あたし……舞にはいつも先を越されっぱなしなんですぅ」

この子はあんまり人見知りしないタイプらしい。
老舗人形店の社員から、あっという間に素の自分に戻ったみたいだ。


「たしかに舞は可愛いですよね……お客様ウケもいいみたいだし」

口を少し尖らせて不満そうにため息を吐く千春ちゃん。
フランス人形みたいに真っ白な彼女の、チョット甘えた声はなかなか可愛い。


「舞ちゃんと同じくらい千春ちゃんだって魅力的だよ」

慰めじゃなく、本当にそう思う。
思わず抱きしめたくなるような華奢な体と、千春ちゃんの愛らしい顔立ちは男だったら誰でも惹かれるはずだ。


「あー、そんな風に舞を口説いたんですね? やるなぁ、お兄さん」

僕の言葉に気を良くした千春ちゃんが
クスクス笑いながらこちらを見つめ返してくる。

本当に可愛いんだけどなぁ…………なんて考えてると浮気だよね、これ。
いかんいかん……


このお店の中は通路がゆったりと作られていて、いくつか休憩スペースがある。
少し歩いたところに3人がけのベンチがあった。
ベンチといっても真っ赤な繊毛を引いて、井草で編んだようなクッションが敷いてある。ちゃんと和風だ。

「こちらへどうぞ」

千春ちゃんに促されてそこへ座ると、
彼女は休憩スペースの裏に何かを取りに向かった。

すぐ近くでコポコポという音が聞こえた……お茶を入れてるのかな?


(しかし彼女もスタイルがいいなぁ……)

ふわふわ揺れる青いリボンに思わず見惚れてしまう。
背筋をまっすぐ伸ばして歩く後姿は舞ちゃんと同じで美しい。
身長なんか150センチくらいしかないはずなのに6頭身に見える。


「はい、お茶が入りましたよ」

熱いお茶とお菓子を持って千春ちゃんが戻ってきた。
おっ、なぜか茶柱が立っているぞ。

「どうですか?」

ずずずー

「美味しいね」

「ふふっ、よかったです♪」

ニッコリ微笑む千春ちゃん。
その笑顔がとても子供っぽくてドキっとした。

お菓子を食べながら千春ちゃんから人形についての説明を聞いた。
熱心に話す彼女の話をウンウンと聞いた。

(本当は舞ちゃんからも聞いたことある話だけど、まあいいか……)

千春ちゃんの声は岩清水が流れるような音というか、とても聞きとりやすく耳に心地よい。
非常に上手な説明なんだが、逆にそのおかげで軽い眠気が……

「私の話、退屈でしたか?お兄さん」

「い、いや! そうじゃないんだ……」

僕はだらしない自分の太ももを思い切りつねった!
痛みで眠気を吹き飛ばそうとしたんだが、どうにもうまくいかない。

それどころか眠気は一秒ごとに深く、強くなってくる……

「そろそろ効いてきましたね?」

「えっ……?」

じーっと僕を見つめていた彼女がニヤリと笑った。
そしてお茶とお菓子を下げると、僕の服を脱がせはじめた!


「なに……を……!」

千春ちゃんは僕の左手に強めにぎゅぎゅっと握ってきた。
上目遣いで僕の様子を窺っている。

「痛くないですか?」

「う、うん……」

それどころかマッサージされて気持ちいいし、彼女の手の感触がスベスベでたまらなかった。
実は通常なら悲鳴を上げるほどの力で手のひらのツボを押されているのだが、今の僕には痛みを感じなかった。


「軽く犯してあげます、お兄さん」

千春ちゃんが着物を脱ぎ始めた!!







パサリ……

僕の目の前で生まれたままの姿になる千春ちゃん。
首筋や手のひらと同じように真っ白な彼女の体が僕の目の前にさらされる。

(うわ……すごく大胆だ、千春ちゃん)

彼女の顔を見るのが恥ずかしくて視線を落とすと、腰からまっすぐに伸びた美脚に目を奪われる。
太ももの辺りを見つめると、うっすらとしたヘアが……

「あんまりジーっとみないでね、お兄さん」





「ご、ごめん!」

慌てて視線を上げると、今度は思いっきり目が合った。
視界の隅に彼女のピンク色の乳首は見えるのだが、こんなにまっすぐ見つめられては……バストを凝視することも出来ない。
少しツリメの大きな瞳から目が離せない。

「さっきも言ったように、舞にはいつも先を越されっぱなしなんです」

裸のまま僕の隣にストンと腰掛けて、千春ちゃんは再び丁寧に服を脱がせ始める。
どんどん裸にされていく……恥ずかしがる様子を楽しむように、千春ちゃんはクスっと笑う。
そして僕の上半身を完全に裸にすると、優しくベンチに横たえた。

「あっ……」

自分よりも背のちっちゃい千春ちゃんに簡単に転がされた。
見下ろされるような体勢が何だか恥ずかしい。
それに体にうまく力が入らない。
さっきのお茶に何か入っていたのか……?

「今日だって……朝の更衣室で舞が『彼氏とデートする』って言ってたから、もう悔しくて!」

つつつ……

「うっ」

千春ちゃんは僕に語りかけながら指先で上半身をなぞりはじめた!

「だから、もしも私の目の前に彼氏さんが来たらぁ」

「あっ……ああぁ……」

「舞から奪っちゃおうかなって思ってたの」

彼女の細い指が本格的に動き始めた。
まるで性感マッサージのように両手の指を全部使っての上半身愛撫。
乳首はもちろん、首筋や脇の下、肩やわき腹なども丁寧に撫で回される。
くすぐったさを感じさせないそのテクニックに思わず声を上げてしまう。

「そしたらお兄さんがお店に飛び込んできちゃうんだもの」

「うあっ!」

千春ちゃんの指先でクリクリと乳首を転がされ、思わずビクンと体を跳ね上げた。


「はじめはまさか舞の彼氏さんだとは思わなかったけど……」

軽く暴れる僕を抑えながら、今度は千春ちゃんの顔が僕の胸板に近づいてきた。
同時に、二つに結んだ長い髪も僕の胸に……ああ、すごい柔らかい。
その感触に酔っている間に、千春ちゃんの顔が僕の目の前に現れた!


「これって飛んで火にいる夏の虫……ですよね」

じっくりと焦らすように、千春ちゃんの顔が僕に近づいてくる。
こ、このままじゃキスしちゃうことにいいいぃぃ!!


「だ、だめ……だめだよ」

「すごく感じやすいんだね、お兄さん」

大きな瞳の奥に淫らな炎を浮かべ、千春ちゃんが軽く僕の唇にキスをしてきた。
本当にチョンっと触れる程度。
その小さなキスは僕の心を大きく揺さぶった。

「あー、舞の彼氏さんからキスされちゃったぁ……」

「なっ! ち、ちがっ……ング!!」

イタズラっぽい顔の千春ちゃんに反論しようとしたところに
もう一度、今度は少し長いキス。

それもほんの数秒間。

「ふふっ……」

(ま、舞ちゃんごめん……)

だが僕の心を迷わせるには、それだけで充分だった。
目の前にいる小悪魔・千春ちゃんの甘い誘惑にジワジワと引き込まれていく。

「舞に開発されたの?」

キスの余韻に浸る僕の耳元で囁く千春ちゃん。

「じゃあ、ここも感じちゃうよね? ほらぁ……」

「はうっ!!」

そのまま耳たぶをぱくりと咥えて、丹念に舐めまわして来た。
その間にも彼女の指先は上半身を撫で回している。
体の表面と内部を駆け巡るゾクゾクした感じがたまらない。

「あはっ、思ったとおりですぅ♪」

ふるふると悶える僕の上に完全に覆いかぶさる千春ちゃん。
両手で僕の肩を押さえつけて、倒れこむように唇を重ねてきた!

(この子、すごい積極的で……逆らえない)

知らず知らずのうちに自分から舌を伸ばしてしまう。
さらに深いキスでそれに応える千春ちゃんの舌先。
無防備に伸びた僕の舌先を絡めとって、何度も何度も自分に引き寄せる。
彼女の息も上がってきた……

「キスされるの好きなんだ? もっと可愛くしてあげる」

「ふあっ……や、やめ……あああー!!」

いったん僕を解放してから、さらに繰り返されるキス。
脱がされているのは上半身だけだが、すでに僕の下半身は燃えたぎるように熱くさせられていた。

「千春もなかなか上手でしょう? 舞には負けませんよぉ」

ちゅぱちゅぱと音を立てながら、何度もキスを迫る千春ちゃん。
このキスはもはや愛撫といっても過言ではないレベルだ。
キスだけで僕のアソコはビンビンにさせられちゃってる……

「あふ……」

「くすっ、もうすっかり夢中かな?」

さらに一分近くキスを重ねて、完全に僕をクタクタにした千春ちゃんがベンチの下から何かを取り出した。

「これ、なんだとおもいます?」

「……えっ?」

彼女の手には3本のガラスの棒が握られていた。
ひとつは真っ赤な液体で、クランベリージュースみたいだ。
そのほか青くてトロトロした感じのものと、一目で粉薬とわかる黄色い粉末。

「この中に男の人を虜にしちゃう薬がひとつだけ混じってま~す」

「!!!」

まさか千春ちゃんはこの薬を使って僕と舞ちゃんを引き剥がそうというのか!?
そんなことは断じて許されることではないのに……思考がうまくまとまらない。

「ここから先はお兄さんに選ばせてあげます。どれがいいですか?」







「えっ、うそでしょ……お兄さん」

何も選べない、という僕の言葉に千春ちゃんは眉根をひそめた。


「どれも選べないってことは、全部使っていいってことですよね?」

な、なんでそうなる!?
抗議しようとする僕の言葉をさえぎって千春ちゃんは続けた。

「まあ私はかまいませんけど、イキまくりになっちゃいますよ?」


再び千春ちゃんが抱きつくようにしながら倒れこんできた。
ふわっとした彼女の甘髪の香りに一瞬包まれる。


「でもその前に……」

頭の後ろで彼女の声と、その他にカチャカチャという音が聞こえた。
ぼんやりと彼女の体温を感じていると、突然バンザイの姿勢をさせられて……


「お兄さんが暴れないようにしちゃいます」


カシンッ!


(えっ……これは……!)

右手の手首に何かが巻きつけられた。慌てて見上げるとそこには……

「う、うわあっ!!」

カシャカシャカシャ!!!

「お兄さん、動かないで!」

千春ちゃんが取り出したのは皮製の手錠だった。
続いて左手も捕らえられ……あっという間に両手首がベンチの足に固定されてしまった。

「気分はどうですか?お兄さん」

「うっ……こ、こんなもの……!」

一見安っぽく見える手錠だが、その効果は充分だった。
グイグイ引っ張っても自分の手首が絞まるだけ。

「フフッ、全然動けないですね。じゃあ選んでください。どの薬がいい?」

その様子を見て安心した千春ちゃんが再び尋ねてきた。



いきなり何色がいい……と聞かれても困る。
大体見た目や色で判断できるものでもないし。

「最初は赤がいいの?」

黙り込む僕の視線を追いかけて、千春ちゃんが勝手に判断してきた!

「ふーん、お兄さんってエッチだね!」

な、なんでそうなるんだ?
言いようのない不安に駆られる僕。
あの薬の効用はいったい……

「このお薬はね、別名『魔女の血液』っていうのよ」

なんという不吉な響き……

「どうやって使うと思う?」

黙って首を振る僕。そんなの予想できない。
普通に考えたら赤青黄の3色の中では一番危険そうな色だ。

きゅぽっ、と薬の容器のふたを開ける千春ちゃん。
開栓したことで空気と反応したのか、早くも妖しげな湯気を放ち始めた!

「こうやって使うんですよぉ!」

突然千春ちゃんが赤い薬を口に含んだ!

「んふふー♪」

さらに千春ちゃんが僕に覆いかぶさるようにして唇を重ねてきた。
彼女の唾液と交じり合って、少し生暖かい液体が口の中に流れ込んできた。

(うぐっ……これを飲んじゃダメだ!ヤバイ!!)

僕は口をへの字に結んで抵抗した。
それを感じた千春ちゃんが、素早くわき腹をくすぐってきた。

「はうっ!……ぶ……あ、ああああ!!」

続いて細い指先が嬲るようにジリジリと僕の肋骨をなぞる。
ごっくん、と飲み下してしまった。

「お兄さん、無駄な抵抗しちゃダメですよ?」

「あああぁぁぁ…………」

結局飲み込まされてしまった。どんな薬なのか全くわからないのに。
赤い水薬はオレンジジュースのような味だった。
気のせいか、体が火照ってきた!

「ち、ちはるちゃ……この薬って一体?」

「まだ内緒です。いい子にしてくれたからご褒美あげます」

再び赤い薬を口に含む千春ちゃん。
そしてまたゆっくりと僕に顔を寄せてきた。

「もう抵抗しないでね?お兄さん」

プチュ……

小さくてひんやりとした唇が重ねられる。
彼女に言われるがままに、僕は今度は抵抗せずに薬と舌先を受け入れた。

「んっ……はむっ……んふふ♪」

千春ちゃんの舌が口の中を這い回り、歯の裏側まで丁寧に舐め上げてくる。
まるで妖しい薬を舌先で隅々まで刷り込むように。


「もっといっぱいキスしよう?舞の彼氏のお兄さん」

さらに僕の顔が動かないように両手でしっかりと固定してきた。
舞ちゃんの彼氏という部分で少し心が痛んだが、すぐに甘いキスで快感が上書きされる。

無意識に僕は自分から彼女の舌先を求め始めていた……

「ほら、もう一度……ね……?」

千春ちゃんが体を起こして再び赤い薬を口に含む。
また飲まされちゃう……でも、抵抗する気が起きない。





「さて、これくらいでいいかな?」

たっぷりと僕の口の中を弄んだ千春ちゃんが、ゆっくりと体を起こした。


「はぁ、はぁ……な、なん……で……」

「くすっ、だらしなくて可愛いお顔になってますよ?お兄さん」

口元に力が入らない。
確かに僕はだらしない顔になってるのかもしれないが……


「たくさんお薬を飲ませてあげましたから、そろそろ効いてきますよ?」

僕を解放した千春ちゃんが楽しそうに見下ろしてる。
なんとなく不安を感じた瞬間、僕の体に異変が起こった。


「うっ、えっ……?体が……・ああああ!!!」

薬を飲まされ始めてから頭はぼんやりしたままだったが、
今度は背中や太もも、胸の辺りがジンジンとしびれ始める。

いや、痺れというよりは極上の愛撫をされているように、
まるで千春ちゃんの細い指で体を内側からくすぐられているように!


「どうですか、お兄さん。あの薬、気に入ってもらえましたか?」

優しくそっと僕の乳首に触れる千春ちゃん。
その指先に反応して、ビクンと跳ね上がる僕の体。


「す、すご……いつもより……」

「フフッ、すごく敏感になって素敵でしょ?」

赤い薬の効果は相手の体を内部から犯し、体の表面も敏感にする薬だった。


「このままアソコをしごいたら、お兄さんすぐにイっちゃうかも……?」

「はぁ、はぁ……そんなことはな……あぁぁっ!?!?」

彼女の手のひらがフワリと亀頭を包み込んだ。
すでにドクドクあふれ出してるガマン汁が千春ちゃんの手を汚した。


「き、きもちい……いよぉ……」

「すごい。もうこんなにですよ?」


クチャ、クチャッ、ジュプ……

ヌルヌルの液体を指先に絡め、人差し指と中指で交互に先端と裏筋をなぞってくる。
さらに五本の指全部を使って千春ちゃんは僕を喜ばせてくる!


「こういう風にされるとどうです?」

クチュクチュクチュクチュッ!!


「ああっ、こね回さないで!!」

「かわいい、お兄さん♪」

千春ちゃんは丁寧に指先でペニスをしごきあげる。
だが棹の部分は全く触れてこない。

(ほ、ほんの少ししごいてくれたらイけるのに……!!)

彼女にばれないように腰を上下させてみても、やっぱり亀頭の部分しか刺激が来ない。
もどかしい表情の僕をじっとみつめながら千春ちゃんの愛撫は続く。


何度も何度も繰り返される寸止めのような亀頭愛撫と、敏感な体の表面への愛撫。
すっかり呼吸を乱された僕を見ながら千春ちゃんが妖しく微笑んだ。


「もっとじっくり嬲ってあげますね」

千春ちゃんがゆらりと立ち上がった。



「今度は青がいいんだ……?」

「えっ……?」

キツすぎる快感のせいでぼんやりと黙り込んでいた僕の目に千春ちゃんが持っていた青い薬が見えた。
その視線を追いかけて、千春ちゃんが勝手に判断してきた!

「ふーん、お兄さんってエッチなだけじゃなく、ドMなんだね!」

な、なんでそうなるんだ?
言いようのない不安に駆られる僕。
あのトロリとした薬の効用はいったい……

「このお薬はね、別名『痴女のスライム』っていうのよ」

なんという不吉な響き……

「どうやって使うと思う?」

黙って首を振る僕。そんなの予想できない。
普通に考えたら赤青黄の3色の中では一番安全そうな色だ。
でもなんだか一番やばいんじゃないか、これ?

きゅぽっ、と薬の容器のふたを開ける千春ちゃん。
開栓したことで空気と反応したのか、早くもスライムが妖しげな湯気を放ち始めた!

「こうやって使うんですよぉ!」

ゆっくりとした手つきで、ほんの少しだけ指先に千春ちゃんはスライムを落とした。
フルフルと揺れながらも指先にまとわりつく青い粘液。

「んふふー♪」

彼女の細い指先が亀頭にそっと触れた!
ひんやりとした感触を予想していたのだが、千春ちゃんの体温のせいなのか何も感じない。

「最初はゆっくり馴染ませてあげるです……」

ほんの少しだけのスライムを、千春ちゃんは丁寧に薄く亀頭全体に伸ばした。
薄皮一枚を挟んで刺激されるようなもどかしさがペニスをじんわりと痺れさせる。

(うわっ……このヌルヌル感はヤバイ!!)

僕は口をへの字に結んで抵抗した。
でもこんなのローションだと思えばなんてこと……ない……

「えっ!?ぐはうっ!……ぶ……あ、ああああ!!」

突然千春ちゃんの指先がすべり、手のひらのくぼみ全体で亀頭と包み込んできた。
まるでいきなり膣に挿入したかのような感覚。

「今イキそうになったでしょ? うふふっ」

「あああぁぁぁ…………」

「お兄さん、いっぱいガマンしてくださいね?」

千春ちゃんの巧みな手コキのせいでガマン汁がどぱっと噴出してしまった。
青い粘液が僕の汁と混じって粘度を増している。
それに気のせいか、体が火照ってきた!

「ち、ちはるちゃ……この薬って一体?」

「まだ内緒です。でもお兄さん、いい反応してくれたからご褒美あげます」

「ちょ、えっ……ああああ!!!」

千春ちゃんはさらに青い薬を手に取ると、素早く手のひらでかき混ぜてからペニスをすっぽりと包み込んだ。
さっきとは比べ物にならない快感が僕の全身に染み渡る。

「このお薬はね、男の人の体液と混ぜ合わせると効果を発揮するの」

クプチュ……

彼女の手のひらがアライグマのように擦りあわされる。
もちろんその手の中で僕のペニスがもみくちゃにされている!
ヌルヌル感が増した粘液のせいで、思わず腰がガクガクと跳ね上がる!!

「だ、だめっ! そんなにコネまわしちゃだめえええええ」

「ほら、効いて来た……んふふ♪」

千春ちゃんの指先が何度もクルクルと亀頭を撫で回す。
その動きにつられて僕の腰も自分の意思に関係なく前後してしまう。

やばい……このままじゃもうすぐイっちゃうううううう!


「はい、いったん終わり」

「えっ……」

突然彼女の手の動きが止まった。
もう少しでイけたのに……

「そんな残念そうな顔しないで?お兄さん」

「…………」

千春ちゃんは僕の手錠を外すと、背後に回りこんできた。
そして僕の上半身を起こして後ろから抱き付いてきた。

「千春のおっぱい、あんまり大きくないの……ごめんね?」

そ、それでもコリコリした何かが僕の背中に当たってる!
悶々としている僕の耳元で千春ちゃんが小さな声で言った。

(このあとも思いっきり感じさせてあげますね?お兄さん)




背後に回った千春ちゃんは、僕の目の前で残りの青い粘液を手の上に乗せた。

「おちんちんに触れないで射精させてあげます」

「なっ……」

そんな神業みたいなこと、舞ちゃんだってつる姫さんだって出来るわけない!
いぶかしげな顔をする僕に向かって不敵な笑みを浮かべる千春ちゃん。


「もちろん普通の状態なら私だってそんなことできません。でもこれだけ青い薬を塗られちゃったら……」

彼女の指先が僕の乳首に触れた。

「どうですか……? 感じちゃうでしょ」

「うっ、えっ……? 体が……ああああ!!!」

「ふふふ……どんどん塗ってあげますよ」

千春ちゃんは乳首の次に脇の下、膝、肘などの体のくぼみを全部粘液でネトネトにしてきた!
青い薬が付着した部分は全てジワジワとした快感がくすぶっている……

(な、なんだこれ……!?)

いつもならこんなに感じることはないのに、これも青い粘液のせいなのだろうか。
乳首を触れられているのに、ペニスが極上の愛撫をされているように感じる。
まるで目に見えない指で体を内側からくすぐられているように!

「うっく……」

「どうですか、お兄さん。あの薬、気に入ってもらえましたか?」

優しくそっと僕の乳首に触れる千春ちゃん。
その甘く蠢く指先に反応して、ビクンと跳ね上がる僕の体。


「あううぅ……!!!」

「フフッ、直接触れられてないのにすごく感じちゃうなんて素敵でしょ?」

青い薬を塗られた体の部分は敏感になる。
それだけでなく触れられてない部分に刺激が集中するようだ。
甘い痺れが触れられてないペニスの先端にジンジンと蓄積されていく!!


「ち、ちはるちゃ……」

「このままアソコをしごいたら、お兄さんすぐにイっちゃうかも……?」

「はぁ、はぁ……そんなこと……ふあぁぁっ!?!?」

そーっと伸ばされた彼女の足の指がチョンッと亀頭に触れた。
すでにドクドクあふれ出してるガマン汁と青い粘液が千春ちゃんの足先を汚した。

「足でいじられても感じちゃうでしょ…………?」

「き、きもちい……いよぉ……」

「やだ、ヘンタイさんだ……お兄さん」

ピチュ……クチュ、クチッ、ジュプ……

千春ちゃんは両足の裏にヌルヌルの粘液を絡め、左右の人差し指と中指で交互に先端と裏筋をなぞってくる。
さらに五本の指全部を使ってペニスをゆっくりと扱き上げてくる!

「はぁっ! ひいいっ……」

「こういう風にゆっくりシコシコされると……どうです?」

クチュクチュクチュクチュッ!!


「ああっ、やばい!そんなにこね回さないでええええ!!」

「ホントにかわいい、お兄さん♪」

千春ちゃんは丁寧に指先をウネウネさせてペニスをしごきあげる。
だが射精に必要な決定的な刺激は与えてくれない。

(ほ、ほんの少し強くしごいてくれたらイけるのに……!!)

彼女にばれないように腰を動かそうとしても既に快感でしびれて動きが取れない。
もどかしい表情の僕をじっとみつめながら千春ちゃんの愛撫は続く。

「もっとゆっくり気持ちよくなりましょ?お兄さん」

何度も何度も繰り返される寸止めのような足コキと、乳首や脇の下への愛撫。
すっかり呼吸を乱された僕を見ながら千春ちゃんが妖しく微笑んだ。


千春ちゃんがゆらりと立ち上がった。


「今度は足も動かなくしちゃいましょうね?」

「や、やめっ……」

カシン……

あっという間に再び手錠をはめられた!
さらには下半身の自由も奪われてしまった。


「あ、ああ……」

「どうです?ぜんぜん動けないでしょう」

その様子を見て安心した千春ちゃんが再び尋ねてきた。



「今度は黄色……?」

黙り込む僕の視線を追いかけて、千春ちゃんが勝手に判断してきた!

「お兄さん、もう自分の指じゃいけない体になっちゃうかも!」

な、なんでそうなるんだ?
言いようのない不安に駆られる僕。
彼女が持っているあのサラサラした薬の効用はいったい……

「このお薬はね、別名『悶絶の黄砂』っていうのよ」

なんという不吉な響き……

「どうやって使うと思う?」

黙って首を振る僕。そんなの予想できない。
普通に考えたら赤青黄の3色の中では2番目に安全そうな色だ。
でもなんだかやばそうだ……。

きゅぽっ、と薬の容器のふたを開ける千春ちゃん。
開栓したことで空気と反応したのか、黄色い粉薬が妖しげな湯気を放ち始めた!

「や、やめて……」

「だめです。これはこうやって使うんですよぉ!」

慎重な手つきで千春ちゃんは自分の手のひらに黄色い小さな山を作った。

「んふふー♪」

そしてベンチに横たわった僕の体の真ん中辺り……
おへそとみぞおちの間にサラサラと粉を振り掛けた!

「お兄さん、ゆっくり悶えさせてあげます……」

黄色い薬を降りかけた場所から少しずつ指先で伸ばすように
千春ちゃんは僕の体をサラサラと撫で回す。

(気持ちいいけど…………こ、これはっ……)

じーっと上目遣いのまま、性感マッサージのような手つきで僕の体を撫で回す千春ちゃん。
急にこみ上げてきたゾクゾク感を押さえ込むように、僕は口をへの字に結んで抵抗した。
でもこんなの普通のマッサージだと思えばなんてこと……ない……

「ガマンできるのはこの辺までですよね…………?」

「ふああっ!?ぐうっ!……ぶ……あ、ああああ!!」

突然千春ちゃんの指先の動きが変わった。
乳首やおへそなどの感じやすい部分は避けて、体の表面の毛穴だけを責める愛撫……とでも言えばいいのだろうか。
まるで僕の性感帯だけをあぶりだすようなピンポイント攻撃!
しかし肝心なところはわざと避けているような動き。

「つるひめ様直伝の指技『ロイヤルフェザータッチ』はいかが?」

「そんな、あああぁぁぁ…………」

「おちんちん触って欲しくなった? うふふっ……お兄さん、もっといっぱいガマンさせてあげる」

千春ちゃんの巧みなマッサージのせいでガマン汁がドクドク噴出してくる。
あの黄色い薬の効果なのか体中が性感帯になってしまったかのような錯覚に陥る!

「ち、ちはるちゃ……この薬って一体?」

「ホントはもうわかってるんじゃないですかぁ? わからないならもっと悶えさせちゃうけど」

「ちょ、えっ……ああああ!!!」

千春ちゃんはさらに黄色い薬を手に取り、自分の体にうっすらとまぶし始めた!

「これで私も気持ちよくなれるけど、先にイっちゃうのは間違いなくお兄さんのほうだよ?」

スリスリ……

千春ちゃんはスベスベの体全体を使って
僕に覆いかぶさりながら体をくねらせてきた!!

「だ、だめっ!そんなに動き回っちゃだめえええええ」

「お兄さんまるで女の子みたい……んふふ♪」

千春ちゃんの乳首が何度もクルクルと僕の乳首とふれあい、撫で回してくる。
その動きのせいで僕はどんどん高められ、快感を求めて腰を突き上げる。

(もっと悶えるところ見せて、お兄さん……)

しかし千春ちゃんは決してペニスに触れてこようとしない!!
今この状態で千春ちゃんの体でペニスにすり潰されたらすぐにイけるのに……


「もっと感じさせてあげますね」

「えっ……」

突然彼女の動きが止まった。
高められた快感が僕と彼女の体の隙間でくすぶってる……

「私も気持ちよくなってきちゃったよ、お兄さん……」

「はぁ、はぁ、はぁ……なんで動きを……」

「ここからが本番ですよ?お兄さん」

千春ちゃんは僕の両脇に手を忍ばせて今まで以上に体をぴったりと密着させてきた!


「今からお兄さんを私のキス奴隷にしちゃいます」

「キス……なっ……」

その甘く危険な響きに、不安顔をする僕に向かって不敵な笑みを浮かべる千春ちゃん。

「何度も何度もキスを重ねながら」

「あっ……!」

そういいながらも僕に唇を重ねてくる!
小さな甘い舌先がグリュグリュと僕の口と思考をかき乱す。

「ゆっくり体を擦り合わせて……」

ちゅぴっという音とともにキスから解放されたのも束の間、
今度は太ももの表面でペニスを軽く刺激してきた。

「うわあああ!!!」

「もっと焦らしちゃう。千春のことしか見れないようにしてあげます」


千春ちゃんが繰り出す技は、キスと性感マッサージの複合技。
普段ならこの程度は耐えられるのに……!
最初にまぶされた黄色い粉が僕の汗と彼女の体液を吸って、何か変化している……

(な、なんだこれ……!?)

いつもならこんなに感じることはないのに、これも黄色い薬のせいなのだろうか。
触れあう乳首も、奪われて弄ばれる唇も、全ての感覚が研ぎ澄まされている。
永続的にペニスが極上の愛撫をされているように感じる。
まるで目に見えない指でゆっくりシコシコされているように!

「う……うっく……」

「どうですか、お兄さん。この薬、気に入ってもらえましたか?」

優しくそっと僕の乳首にキスをする千春ちゃん。
さらに甘く蠢く舌先が乳首を転がすと、ビクンと僕の体が跳ね上がる。


「はぁ、あっあううぅ……!!!」

「おちんちんに直接触れられてないのにすごく感じちゃうなんて素敵でしょ?」

黄色い薬で体を敏感に開発され、両手足はベンチに拘束されている。
さらに千春ちゃんはペニスを扱いてくれない。
このままでは自分で扱くことも出来ず……気が狂っちゃう!


「ち、ちはるちゃ……」

「このままアソコをしごいたら、お兄さんすぐにイっちゃうかもね……?」

千春ちゃんは僕に見えるように手をゆっくりとペニスのほうに伸ばしてきた。
や、やっとしごいてもらえる!!

「ギリギリのところで扱いたふりとかしたら…………?」

千春ちゃんはイジワルな笑みを浮かべながら、手で筒の形を作ってペニスをすっぽりと包み込む。
そしてしゅこしゅこと上下運動を僕に見せ付ける。

その空気の流れだけで僕は充分感じさせられてしまう!

「ちゃ、ちゃんと……おねがい……」

「やだ、お兄さん……おねだりですかぁ?」

千春ちゃんの指がほんの少しだけ裏筋のあたりをシュッと掠めた

「はぁっ!ひいいっ……」

「あらごめんなさい。うふふ♪」

すでに歓喜の涙でベトベトになっているペニスを、千春ちゃんは突然握り締めて扱いてきた!!

クチュクチュクチュクチュッ!!

待ちわびた刺激に睾丸の奥がギュルギュルと音を立てるかのように震えだした。
や、やばい……一気に爆発しちゃううううぅぅぅ!!

「そんなにこね回さないでええええ!!」

「ホントにかわいい、お兄さん♪」

千春ちゃんは丁寧に指先をウネウネさせてペニスをしごきあげる。
だが突然すごい力でペニスの根本を締め上げた!

「ぐあああああああああ!!!」

「まだイくには早いですよ、お兄さん」

快楽と激痛に挟まれ、のた打ち回る僕の体の上でクスクス笑っている千春ちゃん。
もどかしい表情の僕をじっとみつめながら千春ちゃんの愛撫は続く。

「もっとゆっくり気持ちよくなりましょ?お兄さん」

ペニスの根本を締め付けていた指を離すと、再び千春ちゃんは僕の体の上で淫らなパウダーダンスを始める。
そして性感を高めてからの高速手コキでまたもやイきそうになると寸止め。
何度目かの寸止めを経て、僕の精神はイカされることしか考えられなくなっていた。

(も、もうイかせてええぇぇ…………)

すっかり呼吸を乱された僕を見ながら千春ちゃんが妖しく微笑んだ。


「じゃあそろそろお兄さんの心を奪ってあげます」

余裕の表情で千春ちゃんがゆらりと立ち上がった。





このとき僕は……



選択肢

1・大好きな舞ちゃんのことを思い出した

2・もう千春ちゃんのことしか考えられない














































選択肢1



「ちはるちゃん! もう……」

「お兄さん、さっきからイきたくてしょうがないんでしょ?」

過ぎた寸止めのせいで身動きできない僕を見下ろしながら、千春ちゃんはニヤニヤと笑っている。
彼女の言うとおり、僕はもう射精のことしか考えられなくなっている。


「じゃあ言ってください……『舞よりも千春のほうが魅力的だ』って」

「えっ!!」

「別にいいじゃないですか。今だけでいいんです。千春の恋人になってください」

舞ちゃんを裏切ることなんて出来ない……
たとえほんのひと時でも、それで全てが終わってしまう気がするから!


「そんなこと……!」

「ふふっ、言えませんか? それが舞への愛の証明になるとでも思っているのですか?」

歯切れの悪い返事をする僕を見て、千春ちゃんの表情がさらに小悪魔的に変化する。

付き合っている彼女に対しては、最大限の愛情を注ぐのは男として当然のこと。
いくら体は快楽を求めているとはいえ、それは越えてはならない一線だと思う……。

「舞ちゃんへの想いを変えるわけにはいかない!」

「やだ、ますます燃えてきちゃう……じゃあ思い知らせてあげます。お兄さんの愛の脆さを」


千春ちゃんがとうとうパンティを脱ぎ去った。


(もうアソコが濡れてる……!)

遠めで見てもわかるくらい、千春ちゃんの秘所からはすでに淫らな雫が滴っている。


「おにいさん……」

僕の視線が釘付けになったのを確認した千春ちゃんは、少しだけ脚を開いた。
さらに左手の人差し指でその潤った膣口をクニッと開く。

トロリ……

「くふっ……ほら、もうこんなになってるの。千春のココ、お兄さんのが欲しくてたまらないって言ってるんですよ?」

「そ、そんなこといわれても!!」

「千春の大事なところにお兄さんの熱いものを埋め込んでみたくないですか?」

さらに千春ちゃんは僕の腰のあたりに片膝をついた!
ヒクヒクと震えながらも雄雄しくいきり立つペニスとの距離は10cm以内。

(あ、あれが千春ちゃんのアソコ……!)

本音では今すぐにでも入れて欲しい。
あの小さめのアソコでキュンキュン締め付けて欲しい!

でもそのためには……舞ちゃんを裏切る一言を彼女に伝えなくてはならない。
僕は思わず目を瞑った。
このままアソコを見つめていたら、いずれ誘惑に負けてしまう。

だが千春ちゃんがそんなことを許すはずもなかった。
さっきペニスから10cm以内に近づいていた千春ちゃんのアソコが、すでに1cm以内にまで近づいていた!

「えいっ」

「んっ……あっ、これはぁ!!!」

亀頭の先に確かに感じた柔らかい感触。
上質な絵筆で亀頭の先を舐められたような感触。

「お兄さんは千春の誘惑に絶対逆らえません。男の人なら誰だって……」

僕は不安になって薄目を開けた。

(ち、ちはるちゃ……ん!!)

もはやペニスと密着しているといってもいいほど、
至近距離で待機する千春ちゃんの秘所。

さっきの刺激はおそらく彼女の陰毛が亀頭をサワサワと撫で回した!?

「快楽に抗うことなど、出来るわけないですもの」

僕が薄目を開けているのを気づいているのか、
千春ちゃんは上半身はそのままで腰から下だけをクネクネとグラインドさせた!

「うああっ!!」

「感じますか? 千春のスペシャルテクニック……」

間違いない。陰毛による亀頭愛撫……
彼女の腰の動きに連動して、亀頭の表面をサラサラとした快感が流されている。

「私のアソコの入り口でお兄さんを焦らしてあげる」

ピチュ……

「ひっ!?」

い、今のは間違いなく膣口の感触!!
ヌメヌメした暖かさがペニスの先から全身に拡がる。

「ちはるちゃん……うああぁぁ!!」

ピチュ……ピチュッ、プチュ……

今度ははっきりとわかるほどにアソコ同士が密着した!
一気にガマン汁が先端からあふれ出す。
ペニスはもう彼女の膣内に入ることを切望しているのだ……

「でも絶対入れてあげませんから」

「そ、そんな……」

「舞への愛、素晴らしいことですわ。どこまでできるのか、千春に見せてくださいね?」


いよいよ千春ちゃんの腰の動きが激しくなろうとしていた。

ちゅぷ……ちゅぷちゅぷちゅぴっ♪


「あん……すごい、お兄さん」

彼女の腰のグラインドに上下の動きが加わった。
まるで亀頭だけがフェラされているかのように、どんどん快感が降り積もる。

(も、もう少しで挿入できるのにいいいぃぃぃぃ!!)

この上なくカチカチにされたペニスの先端だけを何度もかすめる彼女の膣口。
アソコ同士が接触するたびに淫らな水音が響く。

「この太いのが千春の中に入ったら、私すぐにイってしまうかも」

今の状態で挿入されたら、間違いなく僕が先に達してしまうだろう。
舞ちゃんへの誓いを自ら折らずとも、このまま彼女が腰を沈めてくれたら楽になれるのに!

「千春、お兄さんのことしか考えられなくなっちゃう……」

「えっ……」

「ふふっ、隙あり。先っぽがもうこんなにヌルヌルですよぉ……」

プチュプチュプチュッ!!

「うあああ!!」

千春ちゃんの甘い誘惑の言葉に魅せられ、気が抜けたところへの追撃。
精神的に無防備な状態で受けた快感は、僕の舞ちゃんへの想いを鈍らせた……


「このままクリだけ刺激して、私が先にイっちゃおうかな」

「い、一緒にイきたい……千春ちゃん……」

「うれしい……本当に一緒にイってくれる? お兄さん」

千春ちゃんは幾分腰使いを緩やかにして、僕の体の上でゆるゆると腰を回転させ始めた。
チュプチュプと音を立てながら亀頭がこね回され、クリトリスがツプツプと尿道をさす。
今までの上下左右の動きよりもジワジワと染み込ませるような甘い刺激。
ゆっくりと時間をかけて僕を蝕む作戦だろうか。

「あ、ああ……これすごいいいぃぃ……」

「ねえ、舞よりも千春のこと、好き?」

ここでまた彼女は愛撫を中断した。
快感と引き換えに僕の口から禁断の言葉を吐き出させようとしている。

「そ、それは……」

「ホントに今だけでいいのぉ。お願い、お兄さん……」

甘えるような声と、少し潤んだ千春ちゃんの瞳。
思わず心を許してしまいそうになる自分を必死で引き止める。

チュクチュクチュクチュ♪

「んはあぁぁぁ!!!」

もう少し僕が腰を突き上げたら確実に亀頭がすっぽり入るのに!
でも膣口が亀頭を舐めるのは本当に浅い部分だけ……

千春ちゃんの騎乗位のコントロールは残酷なまでに正確を極めていた。


「ああああぁぁ!!」

「ね? もっと気持ちよくなろ?」

小悪魔、いや淫魔のような千春ちゃんの誘惑。
堕ちてしまえばおそらく僕は彼女の虜になってしまうだろう。
舞ちゃんのことなどすっかり忘れるほど千春ちゃんにのめりこんで……

でもそれでいいのか?
残された舞ちゃんはどうなる?
それに舞ちゃんのひたむきさを好きになった僕自身の心はどうなる?

快感でしびれ続けている身体を、舞ちゃんへの想いが一時的に正常に戻してくれた。

「ち、千春ちゃん……だ、だめだよっ! こんなことしちゃ!!」

「え? なんでですか?」

彼女の腰振りがストップした。
千春ちゃんは驚いた表情でこちらを見つめている。

「きみとはもっと、素直な気持ちで向き合いたいんだ……」

「うふふっ、お兄さん? 口ではそんなことを言ってても身体は正直ですよ」

千春ちゃんがそっと股間に手を伸ばす。

「ほら、こんなに…………うそっ!?」

しかしそこにあったのはさっきまでの射精寸前のペニスではなかった。
ほんの一瞬だけ取り戻した理性。
僕はありったけの集中力を注いで、快感を鎮めていた。

「そんな馬鹿な……あんなにイきかけてたのに! イく寸前だったのに!?」

満ちていた潮が引いていくように、体中の疼きが、快感の波が消えていく。
少し落ち着きを取り戻してから、呆然としている千春ちゃんを抱きしめながら僕は言った。

「体の反応だけが全ての答えじゃないんだよ、ちはるちゃん」

「私の魅力が足りなかったということですか、お兄さん」

「ちがう。足りなかったのは他のものだと思う」

「それは一体なんですか!?」

僕の腕の中で泣き出しそうな千春ちゃんを見て、言葉に詰まる。
今は何を言っても傷つけてしまう。
そんな気がした。

「わかって欲しい。君みたいに可愛い子がこんなことしちゃいけないよ」

「……」

千春ちゃんは僕から視線を逸らすと、しばらく黙り込んだ。




「……さい」

「えっ!?」

やっと口を開いた彼女の言葉は小さすぎて聞き取れなかった。

「お兄さんのお名前を教えてください」

まっすぐに僕を見つめる千春ちゃん。
さっきまでの彼女とは何か違う、決意のこもった声だった。

「僕は……」

自分の名前を素直に教えてあげた。
それくらいなら舞ちゃんに対しても許されると思った。


「覚えました。そして、絶対忘れませんから」

最初に来ていた着物を身につけながら千春ちゃんは言った。
そっと袖口で涙を拭っていたけれど、それは見ていない振りをしてあげた。

「今度あったとき、お兄さんのことを下のお名前で呼びますからね?」

「えっ、それは……」

「大丈夫です。きょうのことは舞にはナイショにしときますよ」

その言葉を聞いて、なんとなく気が緩んだ。
さっきの様子からして、この子は悪い子じゃないと感じていた。
今日の出来事をネタにして、僕と舞ちゃんの仲を壊そうとするような卑劣な行為はないと思う。

「でも私、舞には負けませんから」

「えっ……?」

着替え終わった千春ちゃんがポツリと呟く。

「いつか絶対にあなたのこと、振り向かせて見せますからね!」

「!!」

自慢のツインテールを揺らしながら振り向いた彼女は、さっきよりも可愛く感じた。
千春ちゃんを見て、不覚にもドキドキしてしまったことは舞ちゃんには内緒にしておこう。

僕はこのフロアをあとにした。








END
























































































選択肢2


「ち、ちはるちゃん……もう……」

「クスッ♪ お兄さん、さっきからイきたくてしょうがないんでしょ?」

過ぎた寸止めのせいで身動きできない僕を見下ろしながら、千春ちゃんはニヤニヤと笑っている。
彼女の言うとおり、僕はもう射精のことしか考えられなくなっている。


「じゃあ言ってください……『舞よりも千春のほうが魅力的だ』って」

「えっ!!」

「いいじゃないですか。今だけでいいんです。千春の恋人になってください」

舞ちゃんを裏切ることなんて出来ない……
たとえそれがほんのひと時でも、それで全てが終わってしまう気がするから!


「そんなこと……!」

「ふふっ、言えませんか? それが舞への愛の証明になるとでも思っているのですか?」

歯切れの悪い返事をする僕を見て、千春ちゃんの表情がさらに小悪魔的に変わる。

付き合っている彼女に対しては、最大限の愛情を注ぐのは男として当然のこと。
いくら体は快楽を求めているとはいえ、それは越えてはならない一線だと思う……。

「舞ちゃんへの思いを変えるわけにはいかない!」

「じゃあ思い知らせてあげます。お兄さんの愛の脆(もろ)さを」


千春ちゃんがとうとうパンティを脱ぎ去った。


(あっ、もうアソコが濡れてる……!)

遠めで見てもわかるくらい、千春ちゃんの秘所からはすでに淫らな雫が滴っている。


「フフッ♪」

僕の視線が釘付けになったのを確認した千春ちゃんは、少しだけ脚を開いた。
さらに左手の人差し指でその潤った膣口をクニッと開く。

トロリ……

「くふっ……ほら、もう……お兄さんのことが欲しくてたまらないって言ってるんですよ?」

「そ、そんなこといわれても!!」

「千春の大事なところにお兄さんの熱いものを埋め込んでみたくないですか?」

さらに千春ちゃんは僕の腰のあたりに片膝をついた!
ヒクヒクと震えながらも雄雄しくいきり立つペニスとの距離は10cm以内。

(あ、あれが千春ちゃんのアソコ……!)

本音では今すぐにでも入れて欲しい。
あの小さめのアソコでキュンキュン締め付けて欲しい!

でもそのためには……舞ちゃんを裏切る一言を彼女に伝えなくてはならない。
僕は思わず目を瞑った。
このままアソコを見つめていたら、いずれ誘惑に負けてしまう。

だが千春ちゃんがそんなことを許すはずもなかった。
さっきペニスから10cm以内に近づいていた千春ちゃんのアソコが、
すでに1cm以内にまで近づいていた!

「えいっ」

「んっ……あっ、これはぁ!!」

亀頭の先に確かに感じた柔らかい感触。
上質な絵筆で亀頭の先を舐められたような感触。

「先に申し上げておきますけど、お兄さんは絶対耐えられません」

僕は不安になって薄目を開けた。

(ち、ちはるちゃ……ん!!)

もはやペニスと密着しているといってもいいほど、
至近距離で待機する千春ちゃんの秘所。

さっきの刺激はおそらく彼女の陰毛が亀頭をサワサワと撫で回した!?

「快楽に抗うことなど、出来るわけないですもの」

僕が薄目を開けているのを気づいているのか、
千春ちゃんは上半身はそのままで腰から下だけをクネクネとグラインドさせた!

「うああっ!!」

「感じますか? 千春のスペシャルテクニック……」

間違いない。陰毛による亀頭愛撫……
彼女の腰の動きに連動して、亀頭の表面をサラサラとした快感が流されている。

「私のアソコの入り口だけでお兄さんを焦らしてあげる」

ピチュ……

「ひっ!?」

い、今のは間違いなく膣口の感触!!
ヌメヌメした暖かさがペニスの先から全身に拡がる。

「ちはるちゃん……うああぁぁ!!」

ピチュ……ピチュッ、プチュ……

今度ははっきりとわかるほどにアソコ同士が密着した!
一気にガマン汁が先端からあふれ出す。
ペニスはもう彼女の膣内に入ることを切望しているのだ……

「でも絶対入れてあげませんから」

「そ、そんな……」

「舞への愛、素晴らしいことですわ。どこまでできるのか、千春に見せてくださいね?」


いよいよ千春ちゃんの腰の動きが激しくなろうとしていた。

ちゅぷ……ちゅぷちゅぷちゅぴっ♪


「あん……すごい、お兄さん」

彼女の腰のグラインドに上下の動きが加わった。
まるで亀頭だけがフェラされているかのように、どんどん快感が降り積もる。

(も、もう少しで挿入できるのにいいいぃぃぃぃ!!)

この上なくカチカチにされたペニスの先端だけを何度もかすめる彼女の膣口。
アソコ同士が接触するたびに淫らな水音が響く。

「この太いのが千春の中に入ったら、私すぐにイってしまうかも」

今の状態で挿入されたら、間違いなく僕が先に達してしまうだろう。
舞ちゃんへの誓いを自ら折らずとも、このまま彼女が腰を沈めてくれたら楽になれるのに!

「千春、お兄さんのことしか考えられなくなっちゃう……」

「えっ……」

「隙あり。先っぽがもうこんなにヌルヌルですよぉ……」

プチュプチュプチュッ!!

「うあああ!!」

千春ちゃんの甘い誘惑の言葉に魅せられ、気が抜けたところへの追撃。
精神的に無防備な状態で受けた快感は、僕の舞ちゃんへの想いを鈍らせた……


「このままクリだけ刺激して、私が先にイっちゃおうかな……」

「い、一緒にイきたい……千春ちゃん……」

「うれしい……本当に一緒にイってくれる?お兄さん」

千春ちゃんは幾分腰使いを緩やかにして、僕の体の上でゆるゆると腰を回転させ始めた。
チュプチュプと音を立てながら亀頭がこね回され、クリトリスがツプツプと尿道をさす。
今までの上下左右の動きよりもジワジワと染み込ませるような甘い刺激。
ゆっくりと時間をかけて僕を蝕む作戦だろうか。

「あ、ああ……これすごいいいぃぃ……」

「ねえ、舞よりも千春のこと、好き?」

ここでまた彼女は愛撫を中断した。
快感と引き換えに僕の口から禁断の言葉を吐き出させようとしている。

「そ、それは……」

「今だけでいいのぉ。お願い、お兄さん……」

甘えるような声と、少し潤んだ千春ちゃんの瞳。
思わず心を許してしまいそうになる自分を必死で引き止める。

チュクチュクチュクチュ♪

「んはあぁぁぁ!!!」

もう少し僕が腰を突き上げたら確実に亀頭がすっぽり入るのに!
でも膣口が亀頭を舐めるのは本当に浅い部分だけ……

千春ちゃんの騎乗位のコントロールは残酷なまでに正確を極めていた。


「ああああぁぁ!!」

「ねぇ……もっと気持ちよくなろ? お兄さん」

「ち、千春ちゃんイかせて! お願い!!」

僕のリクエストを受けて、千春ちゃんの膣口がフェザータッチで亀頭に触れた。
そして表面の粘液を駆使しての拘束グラインド。
今度は裏筋への集中愛撫だ……


「舞よりも気持ちいいでしょ? ほらほらほらぁ~」

「ぐああああ!! き、気持ちいいいいいいい!!」

しかしそこで千春ちゃんは腰を浮かせて僕への刺激を中断した。


「お兄さん、舞よりも?」

「舞ちゃんより気持ちいいよぉぉ! 千春ちゃんの膣に入れてええぇぇぇ!!」

とうとう僕は禁断の言葉を口にしてしまった。
ただ、もう本当に限界だった。
あれ以上我慢させられたら精神が壊れてしまう。
それほどまでギリギリに千春ちゃんは僕を追い詰めていた。

「ふふっ、しっかり聞きましたよ。お兄さん」

「え、はぁ、はぁ……ええっ?」

「じゃあ降参の印を搾り取っちゃいます」

千春ちゃんは小さく深呼吸してからゆっくりと腰を落とし込んだ!

ジュプウウウウゥゥ…………

「ほら、イって! お兄さん!!」

ついに待ち焦がれた千春ちゃんの膣内への招待。
それは予想していたよりも熱く、そして優しく僕をとろけさせた。

「あああああああぁぁ!!!」

「きゃふっ! お兄さん、いっぱい出してええええ」

「イッ、イ、イくううううううう~~~~」


どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅ~~~~~~~~~~

目一杯体をそらせて、ありったけの精を僕は彼女に放出した!
何度も腰を跳ね上げて、小さな千春ちゃんの体に自分の腰を叩きつける。

女性上位の体勢なので跳ね上げられた彼女の体が再び自分に落ちてくるのだが、
千春ちゃんは意識的に膣を締め上げてキュウキュウとペニスを刺激する。

(これじゃあ! ま、また少しイっちゃうよぉ……)

断続的に少しずつ何度もイかされる感覚。
千春ちゃんは僕が射精した後も確実に一滴ずつ精液を搾り取っていく。

「気持ちよかったですか?」

「あ、ああ……最高だったよ」

心の底からそう思った。
徹底的に焦らされたあとで容赦なく搾られたのだ。
千春ちゃんの小悪魔的な魅力に、僕は完全に虜になりそうだった。

「ふふっ、ありがとう。ほら、さっきから舞も見てますよ?」

「!!!」

その一言で、背筋があっという間に凍りつく。

千春ちゃんが僕の背中のほうを指差した先に、
フロアの太い柱に体を半分隠すようにこちらを窺う少女の姿があった。

「ま、まいちゃ……」

「おにいちゃん…………」

僕の視線に気づいた舞ちゃんは、何かに弾かれたかのようにクルリと背を向けた!
そして小走りに僕とは反対側に向かって走り出した!!


「舞ちゃん!!」

つられて僕も走り出す。


「ウフッ……作戦成功です」

その姿を千春ちゃんは薄笑いを浮かべて眺めていた。



「う、ううううっ!!」

ようやく舞ちゃんに追いつくことができた。
僕に背を向けたまま、小さく震える彼女。
綺麗に結んだ二つの髪も、可愛いリボンも少しの時間差でフルフルと揺れている。

「えへっ、今の舞、なんかおかしいよね……でも止まらないの、涙」

「舞ちゃんあの、あのね……その……」

「いいんだよ、千春ちゃん可愛いし。舞よりもエッチ上手だし、おにいちゃんのこと好きでいてくれるよ!!」

泣いてた顔に無理やり微笑を浮かべて、舞ちゃんは気丈に振舞った。
僕はそんな彼女に対して何も言うことができなかった。

いや、何も言う資格はないのかもしれない。

「じゃあね、おにいちゃん……今まで舞のこと好きでいてくれてありがとう……」

僕に背を向けてお店の廊下を駆け抜ける舞ちゃん。
その小さな後ろ姿を僕は追いかけることが出来なかった。











【BADEND】