『ひめまつり2018』



 今年もそろそろあの季節だ。
 窓の外からあの歌が流れてくると、自然と人形屋さんのことが頭に浮かんでくる。
 そんな日曜日の午後だった。

ピンポーン♪

 珍しく来客だ。こんなくたびれたアパートに……特に疑いもせずにドアを開ける。
 たとえ何かの売り込みだったとしても、僕は一応話を聞くことにしているのだ。
 だが現れたのは小柄なスーツ姿の女性だった。しかも見覚えのあるこの女性は――、

「おにいちゃん!」
「えっ、どうしたの舞ちゃん!?」

 息を弾ませて僕の部屋へやってきたのは、駅前の人形卸問屋のBF姫「三人姦女の一人・舞姫」こと舞ちゃんだった。 
 ひな人形の新作ができたらしく、営業の帰り道だという。
 渡されたパンフレットを眺めてみると、今年の流行はバブリー人形……なんだこれ。

「おみず、ほしいの……」
「はいはい」

 立ち話も悪いので、彼女を中に招く。
 この部屋に住み着いた淫魔も、今日は不在なので安心だ。
 奴は最近この時期になると魔界に戻ってひめまつりの布教に精を出すのだ。

「あれれ、今日はいないの? サキさん」
「サキじゃなくてサキュ、いや……あいつは里帰りだってさ」
「そっかー。じゃあ、くっついちゃお♪」

 舞ちゃんは立ち上がり、僕の隣にちょこんと座り込んだ。
 なんだかふんわりした気分。



 ちらりと横目で彼女を見ると、ブラウスの下に透けているピンク色のブラが目についた。
 そんなつもりじゃなかったのに、と反省する。

 それから暫く、舞ちゃんが人形の話、最近のお仕事の話、鶴姫さんの話などをしてくれた。
 二杯目の紅茶を入れに僕が立ち上がろうとした時、急に彼女が腕にしがみついてきた。

「な、何?」
「大丈夫だよね。舞は、今でもおにいちゃんの一番だよね?」

 話を聞いてみると、同棲している淫魔のことを気にしていたらしい。
 それで最近ここに足を運ぶことも少なくなり、電話やメールも減ったのか。
 仕事の途中とは言え、舞ちゃんは勇気を振り絞ってここに来た。
 チャイムを鳴らして淫魔が出てきたらそのまま帰ろうと思っていたと言う。

「本当にあいつとはなんでもないから」
「あー、なんだか怪しい~! おにいちゃん、やっぱりサキさんのこと好きなんだ~!」
「なんでそうなるの!? って、うわああぁぁ……!」

 思い切り腕を引っ張られた僕は天井を見上げることになった。
 目の前には可愛らしい、そして何処か妖しげな目をした舞ちゃんがのしかかっている。
 一体何処にこんな力があるのだと言うほど、舞ちゃんは素早く僕を押し倒してきたのだ。

「舞ちゃん、駄目だよ……こんなことしちゃ」
「おにいちゃんの弱いところ、いっぱい責めちゃうもん! まずは首筋……」

ちゅう、ううぅ……!

「ひいいっ!」

 僕の首に腕を回した舞ちゃんは、左耳の下辺りに口づけをしてきた。
 さらにそこから舌先で血管をなぞるようにして、懸命に顔を上下させる。

(い、いいニオイだ……)

 彼女に口元からチュッチュという音がする度、髪の香りが漂ってくる。

「レロ、チュッチュ、んふふ……汗かいてるね?」

 さらに舞ちゃんは、僕の左耳を優しく唇で挟み込んできた。

「うあっ、あああああぁぁ~~ングゥッ!」
「もう、大きな声出しちゃダメ~……」

 耳を愛撫しながら、舞ちゃんの手のひらが僕の口をふさいだ。
 これじゃあまるでレイプされてるみたいな……でも、舞ちゃんに支配されるのはどこか背徳的で抗い難い。

 僕が静かになったのを見計らい、今度は口元を塞いでいた手がゆっくり降りていく。

シュル……くちゅっ……

「ああぁっ!」

 気がつくと、彼女の小さな手のひらがペニスをしっかりと握っていた。

「舞のお手々、気持ちい~い?」

 声を押し殺すのに必死な僕は、ウンウンと頷いてみせる。
 すると彼女は手のひらのくぼみで亀頭を包み込んで、ぐるぐる回し始めた。

「うあっ、あああぁ!」
「大好きだもんね、これ~」

 手コキと同時に囁かれると快感が倍増する。
 細い彼女の体が僕を絡め取り、じっとしているだけでも体温と甘い香りによってイかされてしまいそうだった。

「もう少しヌルヌルにしたら、そっちにもキスしてあげるからネ」
「そっち……って?」
「……舞のお口で、おにいちゃんのおつゆを拭き取ってアゲル♪」

 手のひらのくぼみでのローリング愛撫がやんで、代わりに指先で弄ばれる。
 裏筋をピンッと指で弾かれ、爪の先はさらに敏感な先端をくすぐるようにひっかく。

「う、うまい……ぃ……!」
「鶴姫さま直伝だからね。もっと感じていいよ、おにいちゃん」

 カリ首に指を巻き付け、ゆらゆらと左右に揺らす。
 続いて上下に小刻みにピストンされると、堪らなくなった僕は自分から腰を突き上げてしまう。

「おにいちゃん、はっずかしい~」
「うっ、うううぅ……」

 覗き込むように彼女は僕の顔をじっくりと眺めてから、満足したように囁く。

「お手々で感じちゃったよわ~いおちんちんはね、今から舞にゆっくりしゃぶられちゃうの。」
「え……ええっ!?」
「いっぱい感じてね。ほら行くよぉ……」

 小さな頭がゆっくりと僕の下腹部に多い重なる。
 ほんの一瞬だけ彼女の体温が遠ざかってから、僕は彼女に包み込まれた。

ヌリュッ……ジュルルル……

「あ……ふあああっ!」
「はむっ、チュル、ピチュ、チュッ……んふふふ」

 突然暖かい檻に放り込まれたペニスは我慢などできない。
 透明な粘液を新たに製造し、彼女に捧げてしまうしか無かった。
 舞ちゃんのフェラはとても健気で、柔らかくて、残酷な刺激だった。

「ああっ、出る! 出ちゃううううっ!!」
「もうちょっとだけ我慢して~」
「いっ!!」

 根本をきゅっと握られ、軽い痛みを感じたが勃起が落ち着くわけでもなく、そのまま焦らされる。
 舞ちゃんは息切れする僕を見ながら、ゆっくりと白い脚を大きく開いた。

「おにいちゃぁん、きて……」
「舞ちゃん……はぁ、はぁ、はぁ……」
「素直に挿入してくれたら、信じてあげるぅ。きゃあっ!」

 言葉の終わりを待たずに、僕は舞ちゃんに体を重ねた。
 ピンク色のスジに怒張を押し当てると、何の抵抗もなく彼女は僕自身を受け入れてくれる。

「ああああぁぁっ、何これぇ……!?」
「忘れてたの? おにいちゃん♪」

 そして僕は思い出した。舞ちゃんのアソコは特別製だってことに!

「ヌルヌルで暖かくて、しかも、しかもすごい、しゅごいいぃ!」
「舞はまだ全然本気じゃないのに……ふふふ、えいっ!」

きゅううぅぅ……

「ああああ、締まる! これいいよぉ、も、もっとぉ……!」
「あんっ! ふふっ、かわいいなぁ……年上なのに、舞に夢中になっちゃうんだ?」

 僕が彼女を組み敷いているのに、セックスは完全に彼女のペースだった。
 しかもこんなに余裕たっぷりに振る舞って、まるで鶴姫さんに抱かれてる時みたいな感覚……。

 彼女は下から僕の腰を動きをサポートしつつ、要所要所で腰を捻ったりくねらせて僕を喘がせる。

「すごいっ、こんなこと、できるようになって……あああぁぁ!」
「もっと激しく突いて! 上手にできたら、あとでおっぱいの中に入れてあげる♪」

 僕の両手が彼女にふんわりと包み込まれ、胸元へと導かれる。
 いつの間にかブラウスのボタンは半分外れていた。

ふにょん……

「おっぱい……え、ま、舞ちゃん! こんなに大きかったっけ……」
「最近大きくなったんだよ。お仕事中はブラで抑えてるけど、ふわふわで気持ちいいよ」

 予想以上の柔らかさとサイズに戦慄する。それは魅惑的な感触だった。
 最低でもEカップ以上に膨らんだ舞ちゃんのバストは、くっきりと谷間を主張する。

「おちんちん、我慢できるかなぁ? 楽しみだネ」
「あ、あああぁぁ……!」
「後でたっぷり甘やかしてあげるから、先におにいちゃんが舞を気持ちよくして~?」

 僕は一心不乱で腰を振った。
 舞ちゃんの喘ぎも聞こえたが、それより先に名器に精液を搾り取られた。
 それでも構わず腰を振ると、舞ちゃんも喘ぎだす。
 しかし膣内は相変わらず魔性の動きを繰り返し、さらに二度、三度と精を吐き出す。
 そして抜かずの五回目に差し掛かる頃、ようやく彼女も満足したように笑みを浮かべた。

「綺麗にしてあげるネ」

ふにゅっ……むにゅっ、にちゅっ、ぱふぱふぱふ♪

「うあああっ、お、おっぱいが!」
「やわらか~いでしょ?」

 僕の脚を広げ、舞ちゃんが間に座る。
 そのまま膝を差し込み、僕の腰を持ち上げた彼女がついにパイズリを開始した。

ふにゅふにゅふにゅふにゅ♪

「うあっ、あああ、気持ちいいよおぉぉぉ!」

 まとわりつくおっぱいの感触は極上で、単純な言葉しか僕は吐き出せなくなっていた。
 膣内で搾り尽くされたはずの精液がまた新たに生産され、ペニスに充填されていくのがわかる。

「出る、出ちゃうっ! あっ、あああああ~~~!」
「じゃあ最後は……ぱちゅんっ!」

 柔らかいバストを両手で押さえ込み、舞ちゃんは露出していたペニスを谷間の中に完全に隠してしまった。
 その直後、僕の腰が痙攣して射精を始める。
 密閉されたバストの中で虚しく小刻みをするばかりで、僕は二分近く悶絶させられた。

「ああああ、舞ちゃん、舞ちゃん、まい、ちゃんん……!」
「えへへ、なんだか嬉しいなぁ。よく考えたら、好きでもない人とエッチなんてしないもんね?」

むにゅむにゅむにゅううぅぅ!

「ああっ、ああああああ! こねこねしないで、おかしくなるうう!」

 悶えても、懇願しても彼女は許してくれそうにない。
 魅惑のバストの中で何度も放出させられ、目の焦点が合わなくなってから彼女は僕を解放した。



「おにいちゃん、あとで舞のことを叱って。もう疑わないからね……大好きなおにいちゃん♪」

 あまりの疲労感に気を失う直前、僕の頬に舞ちゃんは優しくキスをしてくれた。



(了)














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