※イラストは絵助さん
絵助さんのイラストメインのサイトです。彼は『入学おめでとう~はじめては幼馴染~』と『ベッドの上ではどうかしら?』の原画担当です。


「ようやくこれで終わりかな」

クリスマスの前日、俺はいつものように仕事をこなしていた。
季節柄、配達の荷物が多くて最近忙しい。

(早く帰って奈緒のプレゼント選んでやらないとな)

今年もいろんなことがあったけど、一番の大きな出来事は奈緒のことだった。
お隣さんで幼馴染の広瀬奈緒。すっかり可愛らしくなった彼女が、俺に告白してきた。
俺としては断る理由はないというか、むしろ密かにあいつの事が好きだった。
春先から付き合い始めて、今回が初めてのクリスマス。
何かいい思い出になるような場所にも連れて行ってやりたいのだが、仕事が俺の邪魔をする。

「なんだか悩み事があるみたいね?」

作業中の俺に声をかけてきたのは、職場の一期上の先輩社員である鶴田さんだった。

「ええ、そうなんです」

反射的に答える俺をみて、プッと吹き出す鶴田さん。

「普段はポーカーフェイスのあなたが珍しく焦っているように見えたからね?」

「ホントですか?」


自分ではまったくそんなつもりはないのだが、自然に体からにじみ出ていたらしい。
俺は決まり悪そうに頭をポリポリとかいて見せた。

「実は彼女のことで…………」

「えっ? 彼女いたの! タカヒロくん!!」

鶴田さんは目をキラキラさせて突っ込みを入れてきた。
俺ってそんなにもてないように見えるのかな?
まあ別にいいんだけど…………

「クリスマスのプレゼントのこととか?」

まさにずばりそのことだ。女の勘は恐ろしい。
俺は鶴田先輩に悩みを話すことにした。
しばらくはウンウンと聞いていた彼女が、急にこう言い出した。

「じゃあ私がプレゼント選び、付き合ってあげるわ」

女性が欲しいものは女性に聞いたほうが早いかもしれない。
俺のセンスではガンダムのプラモとか選びかねない。

「お願いします」

俺は頭を下げて鶴田さんにお付き合い願うことにした。







その頃、奈緒は学校の友人・中野美奈と一緒にカラオケ屋にいた。
冬休みに突入したらしく、二人とも時間を気にせず昼間から数時間歌っている。
サービスタイムなので料金もほとんど無料だ。

「もう何回目よ、奈緒~! またカレシの自慢?」

「へへへ♪ いいでしょ~」

原画・彩色 絵助さん

クリスマスソングを歌いながら、奈緒は美奈にノロケまくっていた。
もはや呆れ顔の友人が奈緒に問い返した。

「それで今夜はクリスマスイブだけど、何かいいことあるわけ?」

「うっ、それは聞かないで…………」

急に沈んだ表情をする奈緒。

「カレシは仕事だから特に予定はないの」

「そっか」

ちょっと悪いことを聞いてしまったかな、と、美奈は反省した。
気を取り直して奈緒の喜びそうな話題を振った。

「でもさ、奈緒のカレシってすっごい優しいんでしょ?」

「うん! 超やさしいんだよ!!」

パッと明るくなる奈緒の顔を見て、友人はまたもや反省した。
奈緒にまたノロケさせる材料を与えてしまったことに対してである。
このままでは身が持たないので、ちょっとイジワルな言葉を付け加えてみる。

「奈緒のカレシ、そんなに優しい人だったら…………」

「うん?」

「他の女のコからもモテるだろうし、今夜は帰ってこないかも?」

「タッ、タカヒロに限ってそんなことないよ!」

ムキになって怒り出す奈緒をみて、美奈はニヤニヤしながら続けた。

「奈緒のカレシさん、私も誘惑しちゃおうかな~~~」

「や、やめてよねっ! あたし信じてるもん」

奈緒がプイッと横を向いたところで、次の曲がスタートした。







それから一時間ほどして、奈緒はカラオケ屋を出て近所のショッピングモールに出かけた。
街は赤と緑の装飾で賑やかに飾り立てられている。
洋服や雑貨の店をいくつか周った所で、美奈がアンティークな雰囲気の店を指差して奈緒に言った。

「奈緒っ、あれってカレシさんじゃない!?」

「えっ?」

基本的に奈緒は他人の言うことを疑わない。

何でも真に受けるのがおもしろくて、
美奈はよく奈緒をびっくりさせるようなことを言うときがある。

「もー! また、あたしをからかうつもり?」

「ちがうってば~! ほら、あっち見てみなよ!」

また美奈のイタズラか、と思いつつも
彼女が指差す方に振り向いた奈緒の目に、タカヒロらしい人物が映った。

「ヤダ、本当にタカヒロだ!!」

いつも着ているコートや鞄など、奈緒も何度か見たことがある。
まぎれもなくそれはタカヒロの姿だった。
だが気になったのは彼のことではなかった。

「誰あの人。すっごいキレイな人!!」

奈緒より先に美奈が言った。
タカヒロの隣には奈緒の知らない美しい女性が立っていた。
年齢はおそらくタカヒロよりも少し上で、身長は奈緒よりも高い。
いかにも20代前半の女性という感じで、美人の分野に入るだろう。
目が大きく、少しツリメで勝気な雰囲気。
栗色の髪を肩の辺りで軽くカールさせている。

「これなんかいいんじゃない?」

「そ、そうかな…………」

遠くで話している二人の声が聞こえた。
コロコロと鈴のような声で笑う見知らぬ美女。

(あんなに親しそうにしてる!)

友人の手前もあり、奈緒は口には出さなかったが
心の中は穏やかではなかった。

どうやらここはアンティークの小物などを扱う店らしい。
全体的に赤っぽい照明で照らされた店内は大人のイメージだ。
もちろん奈緒はタカヒロと二人でここに来たことはない。

(やばいなぁ…………奈緒、すっごいショックだろうな)

何も言わずに一点を見つめたまま動かない友人をみて、美奈はドキドキしていた。
自分の一言でこの後どんな修羅場を迎えるのかと思うと責任を感じざるを得ない。

奈緒たちはタカヒロと謎の美女に気付かれないようにしばらく様子を伺っていた。
その間、奈緒は石造になったように身動きひとつしなかった。

すると、美女がさりげなくタカヒロに腕を絡めた。
もちろん彼はすぐに気付いて恥ずかしそうに振り払ったのだが、

「うう~~~! 許さん、タカヒロ!!」

さすがに堪えきれず、奈緒が発した言葉に美奈はビクっとした。







それからしばらくして、奈緒は親友と別れた。
少し引きつった笑顔を見せる奈緒を心配そうに見つめながら、美奈は手を振った。

奈緒は自宅の前を通り越して、隣のタカヒロの家のドアを開けた。

「こんばんはー、おばさん。お邪魔します!」

「あら、奈緒ちゃん。いらっしゃい」

玄関にタカヒロの靴はなかった。
奈緒の声に反応したタカヒロの母親が、彼女を出迎えた。

「大変です、あいつが浮気ですよ!」

「あらあら…………」

興奮気味に取り乱す奈緒を見ながらも、
ニコニコした表情を崩さないタカヒロの母。

「とにかくこっちにいらっしゃい、奈緒ちゃん」

「うう~~~、あたしの純情を返せ~~~」

タカヒロの母に促されて、奈緒はブツブツいいながらも玄関の先に上がった。








「…………で、なにがあったの?」

「えっと」

タカヒロの母親は面白そうに奈緒を見つめている。
興奮気味の奈緒の目の前に、
彼女の好きそうなクッキーとジュースを置いてやる。

出されたお菓子に遠慮なく手を伸ばしながら
奈緒はついさっき起こったことをタカヒロの母に全て話した。

きれいな女性と一緒に歩いていたこと、
自分の知らないおしゃれな店にいたこと、そのほか感じたこと……

「そう、それはちょっと悔しかったわね? 奈緒ちゃん」

「うっ…………」

揺れる乙女心に、ニコニコしながら鋭く突っ込むタカヒロ母。
奈緒のほうも一通り誰かに話したことで、少し落ち着きを取り戻していた。

「で、でも! どんな理由があっても許せない!」

「そうねぇ。許せないわよね。だからこそタカヒロに詳しく話を聞いてみないといけないんじゃない?」

「はい…………」

タカヒロの母親も奈緒のことはよく知っている。
隣同士ということもあって、奈緒の母親とは仲良しだ。
負けず嫌いでヤキモチ焼きのところなどとてもよく似ていると思う。

出されたジュースに少し口をつけてから、チラリと上目遣いで奈緒が尋ねてきた。

「最近のタカヒロって、なんか変わったことありました?」

「そうね。今朝なんか『毎日忙しくて奈緒ちゃんに申し訳ない』って言ってたわよ」

「うそだぁ~~」

奈緒は少し照れたような顔をしながら、クスっと笑った。

「やっと笑ってくれたね、奈緒ちゃん」

「えっ…………あ、あははっ」

「やっぱりあなたは笑顔のほうが可愛いわ」

「…………」

ほっとしたような顔をするタカヒロ母をみて、奈緒は急に自分が恥かしくなった。
それと同時にタカヒロに対する怒りを八つ当たりしてしまったことを申し訳なく感じていた。

「それとね、さっきの嘘じゃないわよ。顔を見れば大体わかるの」

そんな思いを察したのか、タカヒロの母親は少しおどけたように奈緒に語りかけた。

「親子だから?」

「それもあるけど、あの子の悩みって大体はあなたのことみたいよ?」

「ええ~~~! それってどういう意味…………」

「そこまではわからないわ」

うれしさ半分、そして微妙に困り顔をする奈緒。
まるで自分の娘に接するようにタカヒロの母親は奈緒をやさしく見つめていた。

「でもね、奈緒ちゃん…………とりあえず、あの子を信じてあげて?」

さっきより少し真面目な口調で語りかけるタカヒロ母。
奈緒もその微妙な変化に気付いたのか、神妙な表情になった。

「あたし、信じてます!」

「それなら安心ね」

「はい」

自分をじっと見つめるタカヒロの母の視線をまっすぐに受けて、奈緒は小さく頷いた。








それから少しして、奈緒はタカヒロの家の玄関を出た。

「奈緒?」

「あっ、タカヒロ!」

ちょうど帰ってきたタカヒロが不思議そうな顔をしている。
奈緒はさっきタカヒロの母に言われた言葉を思い出してみた。


―― あの子を信じてあげて ――


もちろん信じてる。
タカヒロが自分以外の女性と一緒になるなんて考えられない!

でも現実的にショッピングモールの中で見かけた光景が目に焼きついて離れない。

「ずいぶん遅いお帰りね」

「あ、ああっ…………仕事が少し長引いちゃってな」

奈緒を心配させないためのタカヒロの嘘。
それもわかってる。
でも、素直に言ってくれればいいのに!
信じたい気持ちもいっぱいあるけど、それよりも本当のことを聞きたい。
彼女の心の中がヤキモチでいっぱいになりかけていた。

「ふんっ!」

「な、なんだよ! 仕方ないだろ俺だって…………」

「だって、あたし見ちゃったもん!」

「!!」

タカヒロはその一言で凍りついた。
もちろん心当たりはあるが、まさか奈緒が見ているはずはない…………のだが…………

「な、なにを?」

「タカヒロ、女の人と買い物してた!」

とうとう口から出てしまった言葉。
もう後には戻れない。
奈緒は大きな瞳でタカヒロの目をジーっと見つめた!

「あれは、会社の先輩だよ。プレゼント選びに付き合ってもらったんだ」

多分タカヒロは嘘をついていない。
奈緒だってそれくらいは感じ取れる。
それでもやっぱり悔しい気持ちで今は胸がいっぱいだった。

「でも…………でも、あの人すごくきれいだった」

「ブサイクだったら良かったのか?」

「そういうこといってるんじゃなーい!! むぎゅ…………」

突然、奈緒の視界が真っ暗になった。
タカヒロが急に彼女を引き寄せて、抱きしめたのだ。

「俺のいうことが信じられないか?」

「ず、ずるいぞぉ……タカヒロォ……」

「返事は?」

「ウン…………」




とりあえず彼女は全てを信じることにした。
さっきまで一人でキレていた自分を思い出すと、なんだか情けなくて涙がにじんできた。

「泣くなよ、奈緒。ほら」

タカヒロが小さな袋を奈緒に手渡した。

「それがさっきの女の人が選んでくれたプレゼント?」

「ちがうよ、これは俺が選んだんだ。」

「またウソ…………」

「だから嘘じゃねえってば。先輩はこれじゃないほうを選んだ。でも俺はこっちのほうが奈緒に似合うと思ったんだ」

渡された袋の中には、青い髪飾りが大事そうに包まれていた。
月明かりを弾いて淡く輝いている。

「きれい…………」

奈緒の口から漏れた一言に、タカヒロもほっと一息ついた。


「ずいぶん寒いと思ったら、見てみろよ」

「?」

タカヒロが空を見ている。

それにつられて奈緒も夜空を見上げた。

青い髪飾りの上に、ひらりと粉雪が舞い降りた。


「わぁ…………」

さっきまで涙すら浮かべていた奈緒の表情がパッと明るくなった。
街灯に照らされた雪が淡い光を放ちながらゆっくりと舞い落ちる。
その光景はまさにクリスマスのイメージそのものだった。

「ねえ、タカヒロ」

「うん?」

「こういうときは、何かロマンチックなこと言わないとダメなんだよ?」

降り出した雪から身を隠すように、タカヒロにぴったりと寄り添う奈緒。
奈緒の頭についた綿雪を指先で払いながら、タカヒロは内心困り果てていた。

(急にそんなことを言われても…………)

普通の男性なら気の利いたことでもいえるかもしれないが、
彼は元々そういうタイプじゃない。

「じゃあ、奈緒」

「はい」

「あのな…………」

「ウン…………」

「…………」

タカヒロが石造のように固まってしまった!
この雰囲気は彼にとって辛すぎた。

「もうっ、タカヒロ! しょうがないなぁ~」

「す、すまん」

「でも、そういうところ奈緒は大好きだよっ!!」

無邪気に喜ぶ奈緒の姿を見て、タカヒロの肩から緊張感が抜けた。
無理にムードを作るよりも、自分の考えてることだけを言うことにした。

「俺もお前のこと、好きだ」

「えっ!」

「おかしいか?」

「そんなことないけどっ!」

今度は奈緒が真っ赤になる番だった。

「顔がトマトみたいですけど?」

「タカヒロ、今までそんなこと言わなかったジャン!」

「こんなこといつも言えるわけないだろ」

「でもずるいよ、奈緒の気が緩んでるところで…………」

しどろもどろになっている奈緒の頭を、タカヒロは優しくポンポンと撫でた。

「来年も、その次のクリスマスも一緒にいような」

「ウン…………」

仲直りした二人を包むように雪が降り積もる。
明日の朝にはきっと雪だるまが作れるくらいになっているだろう。

しばらく雪のクリスマスを楽しんだ後、タカヒロは奈緒に向かって囁いた。

(さて、お仕置きタイムかな?)

「なっ、なんでそうなるのよ!タカヒロ!!」

二人の夜はまだ始まったばかりだった。












「…………で、何でお前は体操服なんだ?」

「今日はクリスマスだからね!」

ここは奈緒の部屋。
なぜか奈緒のご両親も妹の美緒ちゃんも出かけていて、彼らは二人きりだった。
高ぶった感情をぶつけ合うにはぴったりのシチュエーション。

「答えになってないだろ、それ」

「タカヒロから一杯搾り出してあげるための戦闘服だよ」



その言葉を聞いて、タカヒロはめまいがした。

(なんでこいつそのことを…………)

彼は着衣の美少女が大好きだった。

「ホワイトクリスマスにしてあげる…………なんちゃって♪」

言葉の意味がわかってるのかどうかは別として、奈緒はやる気満々だ。

「えいっ」

奈緒は思いきってタカヒロの胸に飛び込んでみた!
しっかりと彼女を抱きしめるタカヒロ。

少女の体温と着ているものの柔らかさを感じて、あっという間に股間が膨れ始める。

「まあいい。今日は徹底的にじらしまくってやるよ」

「きゃっ」

抱きしめていた奈緒の体をくるっと180度反対に向けて、乳首を軽く弾いて見せた。

「はぁんっ!」

どうやら奈緒のほうもすでに感度が高まっているようだ。

小さくうめく美少女の声を聞いてから、タカヒロは着ていたシャツを脱ぎ去った。

「タ、タカヒロ…………」

頼りなさそうな奈緒の声を聞いたタカヒロが突然彼女の唇を奪った!

「んふぅっ!!」

無理やり振り向かされ、唇を奪われた奈緒が苦しげな声を出す。
タカヒロは左腕を奈緒の体に巻きつけるようにしながら抱きしめ、右の乳首をコリコリと刺激した。
切ない吐息を漏らしながら奈緒がその身をよじらせる。

「ん、ぷはぁ! 逃げられない……」

「逃がさないよ、奈緒。今はお仕置きタイムだ」

タカヒロは2年前に運送屋に就職している。
普段は力仕事をしているせいか非常にたくましい。
スレンダーな奈緒の体をゴツゴツとした指がサワサワと這い回る。

「やめてよぉ…………もう私悪いことしてない! ああぁぁ!!」

「そんな顔してもダメだ。覚悟しろ」

「やだぁ…………溶けちゃうよぉ」

男に負けたくない願望と同じくらい、実はレイプ願望の強い奈緒である。
だがタカヒロは決して乱暴に奈緒を扱わない。
奈緒が彼と初めて肌を合わせたときから今日まで、それは毎回感じている。

(私、やっぱりタカヒロが大好き…………)

学校では奈緒に言い寄ってくる男は、たくさん居る。
しかし彼女は男たちの告白を全て断っている。
相手は勉強が出来る優等生タイプだったり、スポーツ系のさわやかな男だったりいろいろだ。

タカヒロは普通の青年。
ただの幼馴染の年上の男性。
でも、奈緒にとっては特別な男性。

「彼氏様を疑うとはけしからん」

ぼんやりと恍惚感に浸っていた奈緒にタカヒロが囁いてきた。

「あんっ、な、なによぉ!?」

「なんでもない、さ」

タカヒロは指先でスレンダーな奈緒の背中や胸を弄ぶ。
まだ下半身には指先を伸ばさない。
時折首筋や脇の下などもくすぐりながら奈緒を悶絶させる。

「きゃふっ、ちょ、っとぉ! ふああぁぁ…………」

両手で優しくバストを揉まれながら、左の耳たぶをかじられた奈緒がビクッと身体を跳ね上げた。

「今の奈緒…………もうすぐイっちゃうだろ?」

「くふっ、そんなっ、ことないもんっ」

そう言いつつも、このままねっとりと愛撫され続けたら、イってしまいそうだった。

「ほら、熱くなって、トロトロしたものが流れ出してる」

クチュリ…………

(や、やだ。想像しちゃう!)

自然に股間をぎゅっと引き締めてしまう奈緒。
あいかわらずタカヒロの指はおへそより上にある。

「ふふ、せいぜい強がって見せてくれ」

「きゃふ! ああぁっ!!」

悶える奈緒をそのまま後ろに引き倒して、右腕に彼女の頭を乗せる。
腕枕の体勢で右手を握って、ヒクヒクと震える奈緒の股間にタカヒロの左手がそっと伸びた!

「この体勢はダメだよ! ズルいよぉ」

「だって奈緒、すぐにはイかないんだろ?」

ニヤリと笑いながら奈緒の左腕を自分の右わき腹で押さえつける。
モジモジしている奈緒の太ももの間に、タカヒロは左足を差し込んだ。
添い寝の体勢のまま彼女をベッドの上で大の字にしてしまう。

「逃げたかったら逃げてもいいよ?」

「くぅ…………んっ! そんなの悔しいじゃんっ」

奈緒が本気になって身をよじれば、タカヒロの拘束から逃げることはできるだろう。
だが彼女がそうしなかったのは、無意識にタカヒロにイかされたいという欲求が膨れ上がったからだ。
さらに言えば欲求不満のまま帰宅したせいもある。

勘違いとはいえ、ジェラシーで一杯になった幼い身体。
高ぶった欲求をぶつける相手に困っている可愛い幼馴染を、自分の手で慰めてやりたいとタカヒロは思った。


「服、全部脱いで」

「ウン…………」

奈緒は素直に従った。
ベッドの脇に遠慮がちに脱いだ下着や体操服を置く。

(これで少し俺も落ち着けるな)

体操服を着た奈緒を見ていると無条件で興奮させられてしまう。

(俺はロリコンだろうか?)

とにかく、着衣のほうが奈緒は魅力的に見えた。
だが服を脱がせてしまえばこちらのものだ、とタカヒロは感じていた。
奈緒の甘酸っぱい少女の香りが部屋の中にあふれた。


「今夜の奈緒って本当にエロい。自分から服を脱ぐなんて」

「なっ! だって、タッ、タカヒロが脱げっていうから!!」

「エロ奈緒にはもっとキツイお仕置きが必要だな」

恥ずかしさでしどろもどろの奈緒の体を起こし、長い脚に手をかける。
タカヒロは彼女の股間に顔をうずめた。

「や、やだっ! ヘンタイ!!」

反射的に太ももで彼の顔を挟み込む。

「足、閉じさせないよ?」

しっかりと彼女の足をM字に開いて、舌先をクリトリスに伸ばすタカヒロ。
その様子を見せ付けられた奈緒は次にやってくるであろう快感に備えて沈黙した!

ぺちゅっ

「やっ!あっ、あぁぁぁ…………」

思った以上に優しいぬくもりに、奈緒は言葉を失った。
丸見えになっているであろう秘所を丁寧にタカヒロの舌先がなぞりあげたのだ。

ぷちゅっ、れろっ、れろれろれろ……

「はうっ! ひゃんっ…………」

小さくうめくのがやっとだった。
彼の舌がクリトリスを優しくつついたかと思えば、今度は膣口に少しだけ舌を挿入してくる。
まったく予想できない快感の連続攻撃。

「うわ、もうグショグショ…………奈緒、やっぱりエロいな」

上目遣いで自分を見つめるタカヒロと目が合って、奈緒はさらに感度が高まってしまう。
秘密の繁みにかかる彼の吐息や、時々クリトリスにぶつかる彼の鼻先など、どんな小さなことでも今の奈緒は敏感に感じてしまう。

「い、言わないで。はずかしぃ…………」

「まだイくなよ?」

消え入るような奈緒の声を聞いて、隆弘は思いっきり舌を伸ばした。


ずにゅううぅぅぅぅ!!


「はひゃ、ああぁぁ!!」

伸びきった舌先の全てを奈緒の膣口に潜らせ、さらに内部をかき混ぜるタカヒロのテクニックの前に、とうとう奈緒は耐え切れなくなった。





充分に前技で焦らされたせいもあり、奈緒は一瞬で天国に導かれた。

「ふああぁぁぁ」

ベッドの上で声を押し殺しながらビクビク悶える奈緒をガッチリと抑えたままタカヒロはクリトリスを舐め続ける。
彼の舌先がうごめくのに合わせて奈緒の体もビクンと揺れる。

「ら、らめぇ…………舐めちゃ……もう、舐めちゃ……ぁぁ」

部屋の天井を見つめながら口をパクパクさせる奈緒。
悶える彼女を支配しつつ、タカヒロは優しく秘所を舐め続ける。
それはまさに「後技」というにふさわしい愛撫。
異性を完全にイかせきるためのテクニックだ。

彼の念入りな愛撫のせいで絶頂に達した奈緒の意識は容易に元に戻らなかった。
永遠とも言える浮遊感の中、奈緒は更なる快感を与えられて神経の隅々までしびれてしまった!


「タカヒロありがと。すごく良かった」

「奈緒、なに勝手にイってるの? 本番はこれからだよ」

「え?」

うっとりと彼を見つめていた奈緒は、とっさに危機感を覚えて身を起こそうとした。
しかし先ほど与えられた快感ダメージが抜けきらない身体ではどうしようもない。

「気持ちいいのが続いてるだろ? まだ動けないよね?」

タカヒロがむくりと起き上がり、奈緒の細い腰を掴んで体をベッドの中央に据えた。
そしてトランクスを脱ぎ去ると優しく彼女の足を大きく開いた!

「きゃああぁぁ!」

引き締まった足首を掴んで奈緒の脚を開いたタカヒロの目の前には、細く長い脚と潤みきった秘所がヒクヒク震えていた。

「い、いやっ! こんなのあたし…………恥ずかしい!!」

「今日の奈緒は本当に無防備だな」




ぴとっ…………

チュルッ

「やめっ、ああっ!! 入って…………く……るぅ!!」

すでにギンギンになっているペニスの先を奈緒の濡れそぼった膣口にあてると、自然に吸い込まれるかのように奥へと導かれた。

(お、大きいいっ! ひいいぃっ!!)

待ちに待った彼のペニスではあるが、今の自分では挿入の快感を受け止めきれないと奈緒は怯えていた。


「気持ちよさそうだね、奈緒。もう一度瞬殺してあげる」

タカヒロはそう宣言すると、ゆっくりと押し込むようにペニスを奈緒の最深部へと向かわせた。

「きゃあっ! 気持ちよすぎてく、くるしいよっ! あたし壊れちゃう!!!」

「気が狂ってもゆっくり挿入してやるから平気だよ~」

「ひゃあああぁぁぁぁ…………ぁん」

「ほらもうすぐ先っぽが奥に触れるぞ?」

ジリジリとこすりつけるように腰を沈めていくタカヒロ。
ぷっくりと膨れたピンク色のクリトリスが柔らかくすり潰される。

「あっ、あっ、あっ!!」

奈緒にしてみればイったばかりで敏感な秘所への挿入。
さらに火照ったクリトリスへの容赦ない刺激。
どちらも無言で耐え切れるレベルではない!


「イった直後の責めは効く? 少し手加減してあげよっか?」

与えられる刺激に抗うようにブンブンを首を振る奈緒。
タカヒロにしてみても彼女の感度の良さはよく知っている。
適度に調節はしているのだが、彼女にとっての快感許容範囲を大幅に超えている。


「ほら、キスしてやるよ。お前の一番感じるところ!」



「いちいちエッチなこと、言わないでぇ…………はぁ、はぁんっ!」

奈緒はもはや熱い瞳でタカヒロを見つめることしかできない。
その期待に応えるかのように、タカヒロは可愛い幼馴染に更なる絶頂を与えた。


「だ、めっ…………感じちゃうよぉ」

くにゅんっ

「はあああぁぁぁっ!!」

子宮口にペニスが触れた。
その刺激がやってきた瞬間、奈緒は自ら両手を口に当てた。
瞬間的に伝わってくる快感の波を受けて、自分が叫ぶことが間違いないと感じたからである。

「んふっ、んんっ、んんんんんー!!!!」

意識が遠のく。それも瞬時に駆け巡る快感によって。
歯を食いしばって震える身体を押さえようとする奈緒だが、


「イ……かない……もんっ」

「ほう、まだそんな元気があるんだ」

ずっ、ずずんっ

繁みの奥まですっかりグチョグチョにさせながらも生意気な口を叩く奈緒に、彼は容赦なく腰を打ちつけた。

「ひっ、うあああああぁぁ!!」

さらに何度もピストンを繰り返す。
タカヒロのカリ首が膣内を柔らかくひっかきまわす。
そのたびに快感にさらされた奈緒の表情が苦しげにゆがむ。
細い体を支配する快感と、タカヒロに犯される屈辱との間で気持ちが揺れ動いている。


「こんなのっ、ぜんぜん効いてな、あっ、あぁぁっ!!」

くちょくちょくちょくちょ…………

「何か言ったか?」

必死に強がりを言う奈緒の声を掻き消すかのような腰使い。
タカヒロは小刻みにリズムを変化させて彼女をあえがせた。
ずんずんと突き上げる激しいピストンから緩やかに回転させる腰使いへの変化。
奈緒の小さく引き締まった美尻を優しく掴んだまま、腰をぐにぐにと回し続ける。

「おなかの中が、おちんちんでいっぱいになっちゃぅ!!」

奈緒を抱き起こし、座位の体勢になる彼の肩に奈緒の爪が深く食い込む。
タカヒロは軽い痛みを感じているだろうが、そんなことは気にしていなかった。

「今夜の奈緒、素直で可愛いな。もっと感じさせてあげる!」

「はぁっ、あん! おかしくなっちゃう! ひっ、ひいいぃっ!やめ…………」

今度は腰と腰をあわせながらクリトリスをすりつぶすように意識した攻撃。
奈緒はすがりつくようにタカヒロに抱きついてきた。


「あっ、アアアアアアー!!!」

「ここまで密着されると、さすがに我慢できないだろ?」

ほほをすり寄せるような体勢でタカヒロは横を向いた。
そして舌先を少し伸ばして、奈緒の形が整った耳を丁寧に舐る。


「あっ、あんっ! うあっ、んん!! だめっ、イくっ!!!!」

快感に支配された奈緒は、もはや満足に返事もできなくなっていた。
腰の周りが猛烈な波に飲み込まれ、ゆらゆらと揺らされているかのように身体を細かく痙攣させる奈緒。


「イッちゃう! 本当にイっちゃ、ああっ、ああああぁぁ!!!」

相手が年上とはいえ、幼馴染とはいえ、一方的に男に快楽地獄に落とされた。
負けず嫌いの奈緒にとっては、毎度のことながらこの瞬間だけは屈辱と快感が入り混じってどうしようもない。

ツツー…………

彼女の美しい目じりから一筋の涙が流れた。
それが歓喜によるものなのかどうなのかわからないまま、奈緒の意識は闇に溶けた。






(了)






※ここまでお読みいただきありがとうございました!

原画・彩色 絵助さん