仕事帰りの電車を待っていた俺の後ろで声がした。

「ひさしぶり~! ウチのことわかる?」

 俺の目の前に元気な女子高生がいた。

「んっと……誰だっけ?」

 背は俺より少し低いくらい……165センチくらいか。
 肩くらいの長さの黒髪を後ろでひとつに結んでいる。

 肌の色は白く、ほのかに香水のにおいがした。
 すらりとしたスタイルの美少女だが思い当たる節がない。

「思い出せないの!? マジで?
 でもそうよね、4年くらい経つかしら? あなたがウチの初めてを奪ってから」

 あっ……思い出したぞ。
 こいつは 出会い系ではないけど、チャットで知り合った女子学生。

 当時はまだ中……今よりもだいぶ若かったはずだ。
 俺が初めて彼女と会ったときは衝撃的だった。
 滅多に出会えない本物の美少女だったからだ。

 彼女は当時からすでに背が高く、あまりにもはっきりとした顔立ちをしていた。
 アイドル候補生といっても差し支えないほど個性的な美しさだった。
 何回かのデートのあと彼女は大胆にも自分から俺をエッチに誘った。
 さすがに年齢差を感じていた俺はしばらくの間エッチを固辞し続けていたが……

「ウチがいいっていってるんだから、いいじゃん!
 あなたがセックスしてくれないなら、他の男の人とやっちゃうよ?」

 俺はその言葉に負けた。
 そして若々しい身体を遠慮なくいただいた。

 まもなくして他に好きな男が出来たとかで……すぐに別れた。
 ちょっとだけ悲しかったが年齢差がありすぎる二人にはいずれ別れが来ることもわかっていた。

 だからけっこうさっぱりと忘れることが出来た。
 その当時は幼さを残していた彼女が再び俺の目の前にいる。
 以前とは比較にならないほどのまぶしい色気を振りまいて。


「ウチね、ずっとあなたに会いたかったんよ」

 ふたりで駅のコーヒーショップに入った。
 さすがに人ごみの中で立ち話をするわけにもいかず、彼女の手を引いてホームから少し離れたこの店に入った。

 手を握られたのがうれしかったのか、彼女は歩きながらニコニコと笑い続けていた。

「なんで俺に…………?」
「あなたと別れてからいろんな人と付き合ったけど、どうしてもエッチで満足できなかった。」

 アイスコーヒーを飲みながら彼女は話を続けた。

「あなたのテクが忘れられなかった、とかいったら迷惑かな? あはぁっ」

 俺は複雑な心境だったので黙って苦笑いをした。
 そして彼女は衝撃的な言葉を口にした。

「だからね……あなたのことを乗り越えるためにもう一度エッチしたかったんよ!
 そしてウチのテクニックであなたを虜にして、女としてのプライドを取り戻したいんだぁ」

 ようするに俺とバトルファックしたいらしい。
 久々に会った元カノから俺は挑戦状を叩きつけられているということか。

 俺のエッチはたしかにかなりマニアックだ。
 処女だった彼女にとっては刺激が強すぎたのかもしれない。

 当時の彼女を徹底的に言葉責めして、さんざん恥ずかしがらせた記憶がある。
 そんな俺との行為と比べれば同年代の男子では満足させられないのも当然だろう。

 しかし言い換えれば俺とのセックスは彼女にとっては一種のトラウマになっているのだ。

「それにウチね、あのころよりも胸が大きくなったんだよ…………見て欲しいなぁ?」

 俺のほうに顔を寄せ、胸元をチラリと見せようとする。
 制服の向こうにはふっくらとした彼女のバストが白く見え隠れした。

 生意気にも誘惑してくる彼女を見ながら俺は思案をめぐらせていた。
 実をいうと俺も彼女と別れたあと、しばらく他の女では満足できない時期があった。

 それほど彼女の若い身体は魅力的だった。
 その彼女が、さらに魅力的になって俺の目の前にいるのだ。

 決意は固まった。
 俺達は席を立って改札口の向こうのホテル街へと向かっていった。




つぎへ










※このサイトに登場するキャラクター、設定等は全て架空の存在です
【無断転載禁止】

Copyright(C) 2007 欲望の塔 All Rights Reserved.