『公園のあの子』
連休最後の日、僕は近所の公園にでかけた。
気分転換になるしお金もかからない。公園は最高の公共財サービスだ。
ベンチに腰を掛けると元気に走り回る男の子やどんぐりを拾っている女の子たちが数名見受けられた。
賑やかで無邪気な様子に心が癒やされる。
その子どもたちの中でひときわ可愛らしい女の子を見つけた。
何がそう感じさせるのかと聞かれると説明に困るけど、全体的にバランスの良いプロポーション。
特に頭が小さい。六頭身で足が細い……。
髪の毛はふたつに結んでいて、耳のあたりは隠れてる、ちょっとおしゃれな雰囲気だ。
こんなに遠くからでもわかるくらい目が大きい。
服装はグレーのウインドブレーカーを羽織っていて、中にはグリーンのシャツを着ているように見えた。
それに縞々のニーソスタイル。しかし幼い印象は受けない。
(きれいな子だな……)
僕自身ロリコン気質ではないけど、その少女には特別な何かを感じた。
どこかで会った気もする。
でも知り合いにあんな美少女はいない。
そんなことを考えていたら、少女がニコニコしながら僕の方へと近づいてきた。
「おにいちゃんヒマ?」
「あ、うん……」
返事と同時に僕の目の前に差し出されたのは少女の手のひらだった。
形の良い、まっすぐとした白い指先。
「じゃあ遊ぼ? あたし、まりあ!!」
元気よく名前を告げた少女の手に引かれて僕は公園内を小走りに駆け出すことになった。
周りの大人から不審者の目で見られないか不安になったが、それは杞憂だった。大人は僕しかいないからだ。
(これってナンパされたことになるのかな……)
まりあという少女に付き従うように、僕はそれからしばらく公園内で彼女と一緒に遊ぶことに決めた。
「ちょっと待って、まりあちゃ……」
彼女の名を口にした途端、世界が止まった。
「なんだこれ……体が急にッ」
動けない。本当に世界が止まっているようだった。他の言い方を瞬時に思いつかない。
首から上、正確には口さえも動かせないけど意識だけははっきりとしてる。妙な感覚だ。
周りの景色も灰色になって、時間が止まっている。
その動かない世界の中でゆっくりと彼女が振り向いた。
「まりあと遊んでくれてありがとう。おにいちゃん♪」
穏やかで上品な微笑み。
少女は振り向いてからゆっくりと僕の体を両手でさわさわと撫ではじめる。
髪の毛から顔、首と胸、脇腹から腰――全身をゆっくりと彼女の手が這いまわる。
すると不思議な事に、凍りついた世界から解き放たれたように全身の感覚が戻ってきた。
「おにいちゃんの気持ちが緩んだから空間を縛っちゃった。あたしね、実は淫魔なの」
「いん……ま……?」
「クスッ、難しいこと言っても仕方ないよね? とにかくおにいちゃんは今から犯されるの。それだけ」
少女が軽く指を鳴らすと、灰色の世界に亀裂が走った。
僕達の足元が大きくえぐられて、亀裂から生じた空間に飲み込まれてしまった。
◆
「…………うぁっ」
しばらく気を失っていたらしい。目を開いて周りを見る。暗い。
僕は柔らかな布団のようなものの上で大の字になっていた。
生きている感覚はあるけど手足が動かせない。
これもまたうまく言えないが、肩・肘・腰・膝などの関節がしびれているのだ。
指先を動かそうとしても意思が伝わらない感じ。
それ以上に状況が理解できない。
公園で少女と手を繋いで、時間が止まって、彼女は自分のことを「いんま」だと宣言して――
「寝てる間に色々調べちゃった。おにいちゃんって童貞クンでしょ」
「ぅわああっ!!!!」
なんの気配も感じないうちに添い寝されていた。
公園で出会った少女が僕の右腕を枕にしながらこちらを覗いている。
間近で見るまりあちゃんの顔立ちは綺麗でとても子どもとは思えないほど……そうだ、「いんま」っていうのはもしかして――!
「うん、そうね。だいたい正解。えっちな悪魔、と思ってくれていい。ニンゲンじゃないよ? あたし」
少女は唇の端を歪めて淫らに微笑んだ。
どうやらこちらの考えてることはダイレクトに伝わるらしい。
いかに可愛くて魅力的だからといって、悪魔になんて屈するものか。
僕がそんなことを頭に思い浮かべると彼女はますます嬉しそうな様子で笑った。
細い指先が僕のおでこをクリクリと弄ぶ。
「抵抗しても無駄だよ~。淫魔はね、おちんちんに触れるだけで沢山のことがわかっちゃう生き物なの」
ツツツツ……ツプ……
「うっ」
その指先が僕の耳に差し込まれ、それから顎の方へと滑ってきた。
腕枕の態勢のまま、僕の首や胸、お腹へと少女の手のひらがゆっくりと移動してゆく。
ただ触れられているだけなのに、それはまるで魂を直接撫でられているみたいで……
声を出さずにいるのが精一杯なほど心地よくて、逆にそれが恐怖となる。
ツウッ……
手のひらがやがて僕の下腹部へと達した。
「うああっ!!」
ズボンの隙間から差し込まれた彼女の手のひらがペニスに触れた瞬間、自分でもはっきりわかるくらい腰が跳ね上がった。
い、今の感触……一体何だ!? 尋常じゃない刺激が足の先から駆け上がってきた。
「クスクスッ、超敏感だねぇ~」
まりあちゃんは妖しく微笑みながら手のひらをキュッキュと握りしめる。
「あっ、ああっ、うあぁぁぁっ!」
口から溢れてしまう情けない嬌声。
その小さな手が握りしめている肉棒は、あっという間に屹立して言い訳のできない大きさにされてしまう。
(きっ、気持ちいいぃぃぃ……!!)
大きな瞳に見つめられたままリズミカルにペニスをしごかれただけで魂が蕩けそうになる。
いつの間にか僕は全裸にされていた。
「ほらぁ、流れ込んでくる……おにいちゃんは自分よりちっちゃい女の子が好きで、ギュッてされると興奮しちゃうし、髪の毛をなでなでするのも好き。それに……あたしのことが大好き♪」
うっとりした様子で、まりあちゃんが呟く。
さらに彼女は上半身を起こして、両手で僕の胸に手をつきながら静かに顔を寄せてきた。
「ねえ、なでなでして~」
美少女の頭がピトッと胸に押し当てられる。
反射的に僕は手を伸ばして柔らかな髪の毛に触れる……ああぁ、僕の手が動くようになってるじゃないか。
でもそんなことよりも少女の髪に触れることに集中してしまう。
まりあちゃんが僕に撫でられて目を細めている。
「んふ、きもちいい……おにいちゃんもそうでしょ?」
その問いかけに首を縦に振る。
「じゃあこんどはギュ~~~~♪」
頭を撫でられたまま、まりあちゃんが僕の背中に手を回してきた。
(ああぁぁ……)
密着している上半身が熱い。
本当に融け合ってしまいそうな錯覚。
彼女に抱きしめられた僕は呼吸も忘れて夢中になる。
こんな可愛らしい子にだったら、少しくらいなら心を許してもいいのかも……と思い始めてきた。
「これでもう逃げられないね。可愛いお顔になってるよぉ」
僕を抱きしめたまま彼女は言う。
真上から体を重ねられ、まりあちゃんはすでに大きくなっているペニスを庇うように太ももの間にそれを挟み込んだ。
「あっ!!!」
ほっそりした足、程よい弾力性のある太ももの内側でペニスが踊る。
少しひんやりした感触に刺激され、大量の我慢汁が絞り出されたような気もする。
「そろそろ気持ちはリラックスできた? 次は体のほうを徹底的に素直にしてあげる……」
「うっ、そ、それって!!」
快感でピクピク震えている僕を見下ろしながら、彼女は背中に隠していたものを見せつける。
「これ? しっぽ」
あっけらかんと言い放つ彼女。たしかにそれは尻尾としか言いようのないものだった。
黒みがかった紫色で、先端が花の蕾のような形状をしている。
何よりもそれは、まりあちゃんの意思で自由に動かせるように見えた。
その蕾が少しだけ開いて、中から透明な粘液がゆっくりと垂れてきた。
「な、何を……!」
「おにいちゃんが気持ちよくなるように今からまりあのジュース漬けにしてあげる~」
最初の粘液が完全に垂れ落ちるよりも速く、その蕾が完全に開いて大量の汁が僕の体に撒き散らされた。
ピュルルッ!!
「うああああああああああ!!」
とっさに避けようとしたけれど今度は全身が脱力してしまって逃れられなかった。
生暖かい彼女の液体があっという間に上半身、胸からへそまでを覆い尽くす。
「もっと出るからね。おにいちゃんの指先までビチョビチョにしてあげるから」
さらにペニスはもちろん膝、足の指……腕や両方の指先、首までヌルヌルにされてしまった。
その上で美少女の可憐な指先が丁寧に僕の全身を愛撫してきたのだ。
濃厚なローションさながらの妖しい刺激に頭の中がぼんやりしてきた。
「どうかな? いいニオイでしょ~」
体中を粘液でヌラヌラと光らせながら彼女が言う。
もはやそこには出会った当初に感じた子供らしさは存在していなかった。
妖艶に微笑む淫らな天使……いや、淫魔がそこにいた。
膝立ちになって僕にまたがった彼女は、ペロリとした先で自分の唇を舐めてみせた。
チュウッ
「はううううっ!!」
音もなく彼女の尻尾が降りてきて、ヒクついた亀頭にやさしくキスをしてくれた。
不覚にもそれだけで射精してしまいそうになる……もう何をされても気持ち良くなる体に改造されてしまったんだ。
「感度良好。楽しみね。ふふふ……食べてあげる」
その言葉にビクンと反応してしまう僕。
まりあちゃんは焦らすようにゆっくりと、僕の腰に狙いを定めて膝を曲げてきた。
彼女はまだ全裸になっていない。
粘液のせいで衣類が肌に張り付いたまま僕を犯そうとしている。
逆にそれがエロティックでたまらない。
「初めておちんちん、いただきま~~~す♪」
グ……チュ♪
「ふあああああっ!!」
もう我慢できなかった。
生暖かいキスをペニスに与えられて悶絶してしまう。
「先っぽもーらいっ……えへへへへ」
チュ……プ……ゥ……
「うあっ、あああああ! があああああ!!!」
キスされた先端の感覚が消えて、熱だけが僕に伝わってくる。
その直後にカリ首がじわりと痺れて腰が震え始めた。まりあちゃんの膣内に迎えられてるんだ。ヤバい、この感触は絶対ヤバ――、
「ほらほら……全部入っちゃうよぉ?」
いたずらっぽく微笑みながら、彼女が一気に腰を下ろしてきた。
ジュプ、リュプウウウウッ!!
「いぎひいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!」
反射的に跳ね上げた腰が少女のお尻で潰される。
まるで待っていましたとばかりに二倍の快感で押しつぶされ、ペニスが奥深くに飲み込まれてしまった。
「んふっ、包み込んじゃった♪」
グチュッ、クチュッ……
完全に騎乗位の状態で僕は抑えこまれている。
「クスッ、そんなに暴れないでおにいちゃぁん」
クニュクニュクニュ……♪
「うっ、はぁ、暴れて、なんかああああ!!」
自分では意識できないほど僕は乱れていた。
目を開ければゆらゆらと腰をふる魅惑の美少女がいて、下半身は媚薬漬けにされてしまったように快感で痺れ、自分自身では身動きがとれない屈辱。
しかもまりあちゃんは膣内を巧みにうごめかせて常に僕を犯し続けている!
「おちんちん元気良すぎだよぉ……童貞だから仕方ないか? クスクスッ」
「んあっ、あああ! 気持ぢいいいいぃぃぃっ、これすごいよおおおおお!!」
彼女に話しかけられるたびに頭が蕩けていく。
「じゃあおにいちゃん、まりあとケッコンして~? いっぱいいっぱいエッチしよ~よ」
「しゅるっ、するっ! あああ、だからっ、うああああ!」
「あはっ、でもさっきあたしの中で勝手に動いたからぁ……今から気持ちい~い お・仕・置・き!」
クキュウッ!!
ペニスの中央が膣内で押しつぶされたのを感じる。精液の通り道を塞がれたような切ない痛みを伴う非情な制裁。
しかしそれは極上の快感でもあった。こらえていたものが漏れそうになる。
「ああああぁぁ、出ちゃうううう!」
「それはウソ。まだ我慢できるでしょ、おにいちゃん」
クイッ クイッ クイッ!
まりあちゃんはこちらの顔色をうかがいながら腰の動きを速めたり遅くしたり調整してくる。
おかげでペニスは彼女に飼いならされて一向に萎える気配を見せない。
「はひゃああああ! 動いちゃらめっ、らめええええええええええ!!」
「あはは、かわいい~。ねえおにいちゃん……ホントはもうわかってるよね?」
「ぅえええ!?」
彼女の手のひらが、指が僕の両手に重ねられた。
ベッドの上でしっかりと両手を抑えこんだまま、まりあちゃんは大きく息を吸う。
「このままだとぉ……」
キュイイイィィ!
そして今までで一番強く膣口がペニスを締めあげた。
同時に膣奥もしっかりとカリ首を圧迫してきた。
強制的な射精封じに再び身悶えする。
「んはあああ!」
「……なっちゃうよ?」
「!?」
「まりあをお嫁さんにする前に、パパになっちゃうよぉ?」
「!!!!!!!」
見下されたまま告げられた言葉に戦慄する。
パパになる? それって子供ができちゃうってこと……こんな状況で、犯されたまま。
彼女はニヤニヤしながら楽しそうに僕の顔を覗いている。
そうだ、僕はレイプされていたんだ……
「あははははっ、いいの? それでいいの~~~? こんなちっちゃい子に逆レイプされて、人生決められちゃうんだよぉ」
急に涙が溢れそうになる。
でもその感情に反比例してペニスは更に硬くなったような気がした。
「んふっ、泣いてるの? おにいちゃん、だらしないね。でもおちんちん硬いんだけど?」
「うううぅぅぅ……!」
「もしかしたらニンシンしないかもしれないのに、不安で不安でたまらないんだ? あははははっ」
「そ、そうか……僕が射精しても子供ができるとは限らないじゃないか!」
「でもね、無・理♪ 絶対孕んでアゲる」
「え……」
少しだけ気力が戻りかけた僕に向かって残酷な笑みを向ける彼女。
「こうやって正常位にしちゃえば……」
まりあちゃんが僕の体を無理やり起こして、今度は自分が下になった。
するとペニスへのざわめきに変化が生じた。
「あっ……!」
「どうかなぁ? フフフ」
不思議な事にさっきよりも腰と腰が……密着して、ああぁぁ、きいいい、もちいいいいいい!! オマンコのなかグニュグニュって、僕を捕らえてくすぐってクチュクチュクチュってええええええええええええええええ!!!
さっきよりも気持ちよくて自分から腰を振ってしまう。しかも止められない。
まりあちゃんは腰の位置を調整して、こちらのピストンに合わせて迎え入れるポイントを少しずつずらしてきた。
そして……
ズニュウウウウウッ!!
「くあああああっ!!」
何故か僕は自分から腰を止めてしまった。
「えへへ、どうしたのぉ?」
「あ、あれ……動かせない……なんで」
「おちんちんの先っぽが一番奥に納まったでしょ。わかる~? ここが入り口なの。女の子の扉」
「!!!!!」
「子宮口にキスされた状態だよ。ほらぁ、腰振ってみて?」
そう言いながら彼女が自分から腰を振り始めた。
亀頭が膣内でロックされた状態で小刻みに揺さぶられると、快感が全身を駆け巡る……まるで一秒間に何周もするように。
「あがああっ、んひいいい!!」
「おもいっきりピュッピュできるように寸止めしてきたからどうなるか楽しみだね」
くいんくいんっ♪
そしてさらに8の字に腰を捻り始めた。
淫らな下半身の動きを見ているだけで射精してしまってもおかしくない。
それ以上に下半身がとろけだしてる……気持ち良すぎて自分を保てなくなる。
「フフフ……」
「ンあっ、ああああ、入ってくる! ねじ込まれて何かねじこまれてえええ!!」
「あれ~? 童貞おにいちゃんでもわかるんだぁ。まりあのアソコが膣内でウニュウニュしてるんでしょ? これって女の子なら訓練すると誰でもできちゃうんだよぉ」
彼女の腰が8の字の動きから、前後にしゃくりあげるようなグラインドに変化した。
「は、はひゅっ、む、無理いいいいい! これすご、ひいい! また締められて、吸い付かれてるウウウゥゥゥ!!」
まるで射精をリクエストするような淫らな動作に躰が硬直してゆく……
「ねえ、イって? パパになっちゃお……」
「んあああああああああああ!!!!!!」
顔を寄せてささやかれると気が狂いそうになる。
「おにいちゃんのドロドロおちんちんジュース、全部ちょうだい? 美味しかったらこれで綺麗に舐めとってあげるからぁ」
まりあちゃんは背中に隠した尻尾の中を目の前で開いて見せた。
ドロドロの粘液がピンク色の肉壷に満たされている。
入れたい、射精したい!
早く出して、淫魔のしっぽでクチュクチュにされたい!!
「んああああああぁぁぁ、いい、いっ、イくううううううう!!!」
ビュルッ、ビュククッ、ドピュウウウウウウウ!!!!
容赦なく追い打ちをかけてきた彼女の誘惑に、僕はもう逆らうことができなかった。
「はぁんっ♪ 溢れてる……おにいちゃんのいいよぉ♪ 全部飲んじゃうから」
射精している最中、まりあちゃんの体がほんのりと光を放って、天使みたいに見えた。
そして優しい表情のまま彼女は腰を上げ、広がったしっぽで震えるペニスを飲み込んだ。
キュプププウゥ
「ひ、あああぁぁ!」
「んふふ、ねえこれ、まだおつゆが残ってるでしょ……隠さないでね? ほらほらほらぁ」
ギュウウウウウウウウ!
「あああああぁぁ~~~!! これいいいよおおおおぉぉぉぉ~~~!!」
下半身を、全身を彼女に絡め取られた僕は絶叫した。
体中で彼女に搾り取られる……そう予感したからだ。
「おにいちゃん、まりあのおまんこにペロペロされて気持ちいい? おちんちんそんなに蕩けちゃうんだ。ウフフフフ……」
グッチュグッチュグッチュ……
「あ、ひ、いいいぃぃ!」
ビュルッ!
まりあちゃんの全身コキに耐え切れず僕は何度も射精してしまう。
全身がペニスになったみたいで、絡みつかれた快感がダイレクトに伝わってくる。
抱きしめられたまま何度も何度も何度も何度も――!
「言われたとおりにして~? 口を大きく開けて……うん上手」
言われるがままに口を開くと、彼女の美しい顔が近づいてきた。
もはや意識が消えかけてる僕に彼女は静かに命令する。
「最後に『忘却のキス』をあげる。とびきりの快感と引き換えに今日の記憶だけもらっちゃうからね」
フルフルと伸ばした舌先に、少女の穢れない唇がそっと吸い付いてくる。
チュルルル……
「んっ、んんー!!」
清らかな唾液を舌先にまぶされ、今度は逆に彼女が僕の中に入り込んでくる。
「んふっ、んっんっんふ~~♪」
チュパチュパと音を立てながら楽しそうに濃密なキスを繰り返す。
唇が重なるごとに何かが薄くなっていく。
吸い取られるッ、頭の中で彼女が溶け出して、それが全部吸い上げられていくっ、い、いい……イくうううう!
ビュルッ……
キスの終わりと同時に僕は小さく射精した。
そのことを確認してから、彼女はゆっくりと顔を離す。
ちゅ……ぽっ……
「吸い出し完了。今度こそおやすみなさい。……そして今日もありがとう」
目の前で美少女がなにか囁いたけど、もう何も考えられない。
快感だけで塗りつぶされた頭の中で僕は彼女の名前を忘れてしまう。
最後に少しだけ彼女が寂しそうな顔をしたのが気になった。
◆
「夢か……」
なんとなくホッとした気持ちで目覚める。
難しい夢を見ていたようだけど中身がうまく思い出せない。
こういう時は、きっと悪夢だったに違いないから早く忘れてしまえばいいと自分に言い聞かせる。
自室のベッドで目が覚めてからしばらくぼんやりと時間を過ごした。
何故か手足がだるく感じた。
ただいつまでもそんな事も言ってられない状況なので起き上がって会社へ向かう。
今日も一日が始まる。
そして次の休日、僕は近所の公園にでかけた。
気分転換になるしお金もかからない。
最高の公的施設。
ベンチに腰を掛けると元気に走り回る男の子や遊具で遊んでいる女の子たちが数名見受けられた。
その中でひときわ可愛らしい女の子を見つけた――。
(了)