「召喚3 果てなき抱擁』
もう何度目だろうか。気絶と覚醒の繰り返し。
目覚める度に自分の体が作り変えられているように感じてしまう。
ごく少量を舐めただけで頭の芯まで痺れるような甘露……とろけるような甘い液体をコクコクと飲まされ続けている。
すでに数分以上、数秒ごとにわずかに滲む蜜の味を求め、抱きしめられた腕の中で僕は小さく悶える。
「ふふ、そんなに慌てないの♪」
耳をくすぐるその声は、甘露と同じくらい危険な浸透圧で僕の心にジワジワと同化してくる。
柔らかな太ももに膝枕をされてからずっと彼女の言いなりだ。
ゆっくり時間をかけて全身を手のひらで愛撫されてからの添い寝。
ふんわりした生地のセーターをめくりあげ、顔全体を包み込まれてからは時間の感覚が麻痺しかけている……
ほのかに感じる彼女の体温と乳首の甘さだけがすべての世界。
もっと味わいたい。
甘い蜜の味をもっと……
いや違う、そうじゃなくてこれ以上は――
「んぐっ、ん、ん! も、もういっぱい、もうらめえええぇ!!」
やんわりと拘束された頭を振って逃げ出そうとする。
しかし手足はもちろん全身が脱力してしまっていては逃げ出すことなどできるわけもない。
セーターの中で小さく震える僕の顔を、この上なく柔らかなバストがねっとりと舐め回してくる。
「自分で呼び出したくせに何を言ってるの? お仕置きよ……」
クニュ、クニュン♪
「あああぁぁぁ……!」
無理やり頭の位置を矯正され、僕は再び桃色の乳首を口に含まされた――。
この甘さがもう病みつきで……この呪縛から逃げ切れないかもしれない。
◆
昨日、ほんの少し淫らな妄想をしただけで淫魔が現れてひどい目にあった。
『ばいばい、おにーちゃん』
それが彼女の最後の言葉。
僕が壊れる一歩手前、気を失う前に満足してくれたみたいで助かった。
金髪ツインテのロリサキュバス……
その容貌に似合わず、エッチについては僕なんかより全然上手でさんざん犯し尽くされた。
特にサキュバスの尻尾による吸引は凶悪で、こっちがもう限界を迎えているのに強制的に復活させられてしまうのだ。
可愛らしい顔で僕を見つめながら何度も何度も何度も何度も……
「……あれは思い出しただけでヤバいな」
記憶をたどるだけで溜息が出る。
そして無意識に股間を弄んではみるものの、自分では物足りない。
ミニスカートとニーソの組み合わせも完璧で、何もされなかったとしても見抜きしてしまうほど可愛らしかった。
もう一度会いたい気持ちもあるけど、昨日と同じことをされたら今度こそ枯れ果ててしまうかもしれない。正直恐ろしい。
「はぁ」
何度目かわからぬ溜息のあとで、今度は自分勝手に犯してくる年下じゃなくて、もっと包容力のあるお姉さん的な存在がいいな……そんなことを妄想した瞬間の出来事だった。
「んふっ、本当にエッチな男の子ね?」
誰も居ないはずの部屋によく響く声。
時間の停止、空間の断裂、そして僕の部屋を満たす桃色の瘴気……
またしても僕は淫魔を召喚してしまった。
しかも今度は角、羽、尻尾完備でいかにも淫魔といった容姿の美女。
マニア垂涎のスタイルといえよう。
髪は腰まで長く、腰のクビレと胸の大きさがアンバランスでたまらない。
顔立ちは昨日のロリをそのまま大人にしたような強気さがあって、Mっっぽい男性ならそのままひれ伏してしまいそう。
フワリ……
僕に覆いかぶさるように虚空から舞い降りた淫魔が、そっと人差し指を僕のおでこに押し当てる。
「このままだと勝負にならないから……ね?」
ぴとっ……
指先がほんのり光っている。
おそらく僕の思考を読み取ったり、逆に何か書き換えたりしているのだろう。
しばらくすると彼女の体がほんのりと淡い光りに包まれた。その光は数秒間で落ち着いた。
「悪く無いわね、こういう装いも素敵だと思うわ」
変化したサキュバスの声を聞いて僕の背中がブルっと震えた。
性的な意味だけではなく、とにかく心地よい声なのだ。
さっきのおでこへの指あてで、僕の好みを把握したのかもしれない。
髪型はゆるふわ系のセミロングになって、表情も穏やかになっている。
どこからどう見ても優しいお姉さん。
さらに露出の多かった衣装が変化して、半袖のサマーセーターになった。
キュロットスカートから露出しているのは生足……ではなく、透明なストッキング。こちらも凄く手触りが良さそう・
しかし胸の大きさに変化はなく間違いなく巨乳。
鷲掴みにしたい気持ちはあるけど、お姉さんに無断でそんなことが許されるはずもない。でも触りたい!
「さあ、いいことしましょう? 優しくしてあげる……」
両手をゆっくりと広げて僕を誘ってくるサキュバスに、何の疑いを持たずにフラフラと身を任せる。
セーター越しでもわかる柔らかくて大きな胸に顔を埋めると、お姉さんは長い腕で僕の顔を抱きしめてくれた。
「ツノや尻尾は見えないようにしてるだけだよ? このまま魅了してあげるわ」
「はい……」
囁かれた言葉に素直に頷く。
抱かれているだけで僕はもう射精してしまいそうだった。
ベッドの上で一緒に転がると、お姉さんは微笑みながら僕の服を全部脱がせにかかってきた。
恥ずかしそうに股間を隠してみたけど、やんわりとその手を払いのけられる。
そして屹立したペニスに、真っ白で長い指が絡みつく。
クチュッ……
「あううっ!」
一本、二本……人差指と中指が優しく僕を撫でる。
さらに指と指の間で弄ばれるとヌルついた我慢汁がピッと弾けた。
「いっぱいお漏らししていいよ? 見えなくした尻尾で全部きれいに舐めてあげるから」
「えっ……あ、ああああ! なにこれええええ!?」
ピチャピチャピチャピチャ……
彼女の言う通りだった。
僕が見つめている前で、透明な何かが我慢汁を綺麗に舐めとって、代わりに快感を植え付けてゆく。
「はずかしい? クスッ、一緒に見ようね~」
お姉さんが僕の顎をクイッと下へ向けた。強制的に意識がペニスの先へと集中する。
細い指先がカリ首をめくり上げ、鈴口を爪の先でくりくりされると新たに製造された我慢汁がぴゅるっと遡った。
しかしその飛沫もすぐに舐め取られてしまう。
サキュバスの栄養にされてしまう……
「ほぉら、おちんちんパクパクしてきたぁ……お姉さんにシコシコされて、透明なアソコにキスされて、何度も何度もペロペロって」
「ううっ、ぅあ、うあっ、ああああああああああ!!」
言葉責めに耐え切れず、僕は思わず身悶えした。
頭の芯を犯されたみたいに全然我慢ができない。
それどころかもう射精したくて仕方ない。昨日までは少し残っていたサキュバスへの余裕なんて今は全然ない!
「あああああ! も、もう! お願いですううううぅぅぅ!!」
「ふふっ、そろそろ溜まってきた? じゃあ出しちゃおっか」
すっかりヌルヌルになったお姉さんの手が亀頭全体を覆い隠す。
「お姉さんのお手々にいっぱい元気よく、ね?」
そしてキュッとすぼめた手のひらを、ゆっくりと焦らすようにグリグリと円を描く。
しなやかな指に絡みつかれたまま、細かく洗われるみたいに刺激が加えられてゆく。
「お姉さんの目を見て……んふ、ほらぁ、びゅーびゅー♪ 我慢してても奪ってあげる」
ほのかに赤く光る彼女の目を見つめると、快感が急激に跳ね上がった。
手足の力が抜け落ちてサキュバスの腕の中で身を任せる。
僕はもう声を上げることすら忘れ、快感に酔いしれていた。
サキュバスの手淫は容赦なく、簡単に人間を追い込むことができる。
「じゃあそろそろ固めてあげる」
お姉さんは空いている手を使って自分のセーターをめくり上げた。
ふるんっ♪
目の前に現れた白い肌と見事な巨乳に言葉を失うも、すぐに僕の視界はその乳白色の物体だけで埋め尽くされた。
次に感じたのは彼女の鼓動と、汗の匂いだった。
「んふ……もう逃げられないよ~?」
優しくて嬉しそうな声がする。
同時に僕の首から上がサラサラした生地に包み込まれた。
やわらかなセーターを僕にかぶせて頭部を固定すると、お姉さんはまたゆっくりと指先で亀頭をこね始めた。
くちゅくちゅくちゅくちゅ♪ くちゅくちゅくちゅ♪ くちゅくちゅくちゅくちゅ♪ くちゅくちゅ♪ くちゅくちゅくちゅくちゅ♪ くちゅくちゅくちゅくちゅ♪ くちゅくちゅくちゅくちゅ♪ くちゅくちゅくちゅくちゅ♪ くちゅくちゅくちゅくちゅ……
言うまでもなく絶妙な指の動きと、押し付けられた温もりと汗の匂い……頭の中がサキュバスのことで一杯になる。
僕のペニスはこれでもかというほど大量に我慢汁を吐き出す。
「おちんちん素直になろ? ほらぁ、シュッシュッシュッシュ……」
魔性の指使いでカリ首から下、裏筋の集合部分をくすぐられるともう限界だった。
足の指がピーンとなったまま、僕はガクガクを腰を震わせ始めた。
「はぁい、これでお・わ・り♪」
クニュッ……ツツツツツー……
白く長い指先が、爪の先を使ってペニスの中央部分を根本から上に向かってなぞった瞬間――
「うあっ、あああああ出るッ! イくううううううううううう~~~~~~~ッ」
ビュクッ、ビュルルルル!!
生まれてきた中で一番長い射精を僕は味わった。
腰の震えが収まらず、何度も不規則に射精してしまう……
虚ろな目をしたままの僕を見つめながら、お姉さんはそっと体を起こす。
「出したわね。じゃあこれをお飲みなさい」
そして片方の乳首を僕の口元へ運んでから、そっと咥えさせた。
ニュルッ……クプッ!
「ぅ、んん、んっ!?」
はじめに感じたのは甘い、はちみつのような味わい。
続いてミルクのようなまろやかさ……
夢中になってコクコクと喉を鳴らして乳首に吸い付いているうちに、搾り尽くされたペニスが再び硬さを取り戻した。
「クスッ、元気ね?」
サキュバスの手のひらがやんわりとペニスを包む。
くちゅくちゅくちゅ……
「ああああぁぁっ!」
緩やかに上下に揺さぶられただけで射精直前まで追いつめられてしまう。
「あらぁ? もうイキ癖がついちゃったのかなぁ?」
いたずらっぽい口調で彼女が言う。しかしペニスをしごく動きはゆるくならない!
「ひああっ! いぎいいっ、イ……っ」
ビュルルルッ!!
今度はさっきまでとは違って一瞬で上り詰めてしまった。
そしてまた乳首を吸わされ、ペニスを撫でられると復活……
「うああっ! そ、そんな……」
「んふふ、もう気づいた? 飲んだ分だけおいしいミルクをいっぱい出せるようになるからね。またおっぱい飲ませてアゲる♪」
キラリと光ったお姉さんの目を見つめると、手足の脱力だけでなく体中が鉛のように重くなる。
徐々に僕の視界がピンク色に染まる……もはやお馴染みの展開。
ゆるふわ系のお姉さんに優しく延々と責められながら、やがて僕は気を失ってしまうのだった。
(了)