「あら、こんにちはショータくん!」

「こ、こんにちは!」

 マンションで隣に住んでる綺麗なお姉さんが僕は好きだった。

 お姉さんの名前は藍子さんと言う。
 歳は僕より少し上で、優しくて綺麗な人だった。

 藍子さんはいつも笑顔で挨拶してくれる。

 それに大体いつも決まった時間に外へ出かけるみたい。
 お散歩が趣味みたいで小さなカメラをいつも持ち歩いてるって前に話してくれた。

 たまにだけど、お出かけの時間帯を狙って僕も外に出る。
 お姉さんに会える確率が高いから。

 運よく今日もこうやってお話することができた。


「もうすぐお誕生日なんだよ、私」

「えっ、そうなんですか……」


「うん。今度の土曜日なんだけどね。ショータくんもお祝いしてくれるかなぁ?」

「はいっ!」


「ふふ、本当に? 嬉しいなぁ~」

 お姉さんの柔らかい笑顔に思わず見とれてしまう。
 この時僕は誕生日に何かプレゼントしようと心に決めた。







――そして誕生日。僕はいつもより早く起きた。


 緊張しながら藍子さんの家のチャイムに指を伸ばす。

ピンポーン

「はぁい……あら、ショータくん。どうしたのかな?」

「こ、これ! 誕生日、だから」

 僕はお姉さんにリボンがかかった封筒を差し出した。
 なんだかすごくドキドキする。


「覚えててくれたんだ。嬉しい!」

 差し出した僕の手を愛子さんの両手がふんわりと包み込む。

(うわぁ……)

 それはとてもあたたかで、優しくて、僕の頭の中が真っ白になるほどの心地良さだった。
 大好きなお姉さんが喜んでくれてる。
 ただそれだけでこんなに嬉しいなんて。

「何をくれたのかな。開けてもいい?」

 僕は黙って頷いた。恥ずかしくて顔をあげられないまま。
 スルスルとリボンが解ける音がした。


「ふふっ、こういうの好きだよ。ありがとうショータくん」

 その言葉にもう一度僕は嬉しくなる。
 一生懸命考えた「なんでもするチケット」をお姉さんに手渡すことができたのだから。







 その日の夜はなかなか寝付くことができなかったけど、気が付くと次の日になっていた。
 まだ眠い僕をお母さんが起こしてくれた。僕あてにお客さんが来てると言われた。

 パジャマのまま玄関に向かうと、そこにお姉さんが立っていた。

「おはようショータくん。まだ寝てたんだ……ごめんね」

「いえっ! あっ、おは、おはようございます……すぐに着替えてきます!」


「うふふふ」

 慌てて背を向けた僕を見て藍子さんが笑った。
 お客さんが誰なのか教えてくれなかったお母さんを少し睨んでから僕は急いで身繕いをした。


「もし良かったら私とデートしよ? このチケット、今日使ってもいいでしょ」

「ええええっ」

 突然の申し出にびっくりした。
 同時に後ろで聞いてたお母さんの視線を感じて、僕は全身が真っ赤になったような気持ちになる。

 そんな僕の手を引いて、藍子さんは一緒に散歩してきますと言いながらお母さんにお辞儀をした。

 僕は家を出てからのことをあんまり覚えてない。
 幸せすぎて何も思い出せないといったほうがいいかも。

 近所をお散歩して、それからおしゃれな喫茶店で美味しい紅茶をごちそうになった。
 歩いてる途中でベンチに隣同士になって座りながら写真を撮ったりもした。

 そしてマンションに帰ってきた。



「今日はありがとうショータくん」

「あ、あのっ、僕の方こそ……楽しかったです」


「ふふふ、良かった。じゃあお別れする前にお母さんにも挨拶させてね……あっ!!」

 愛子さんが僕のうちのチャイムに指を伸ばそうとしたので、思わずその手を強く握った。

「どうしたの?」

「えっと、あの……まだいっしょにいたい、です……」

 うつむいたまま、僕はその言葉をようやく絞り出した。
 藍子さんの手を握ったまま、心臓がバクバク言ってる。

「このチケット、まだ有効だよね?」

 お姉さんは僕の手を握り返しながらそう言った。

「はい……」

「じゃあ私の部屋に来て? もう少しだけお話しようね」








 僕のうちの隣、お姉さんの部屋はとても広く感じた。

「ここはね、事務所が借り上げてる女子寮なの」

「どういうことですか?」


「私、こう見えてもアイドルしてるんだ。ふふ、驚いてくれるかなぁ?」

 突然の言葉に僕は固まった。


「びっくりしちゃうよね? こんなにボーっとしてる私がアイドルとか」

「……ぜんぜん驚かないです」


「えっ?」

「だってお姉さん、キレイだもん……優しくて可愛くて、それから、えっと……うああっ!」

 言葉に詰まったところで僕はお姉さんに抱きしめられた。


「ありがとうショータくん。そんなふうに言われたの初めてよ?」

 ぎゅううううっと、更に強く抱きしめられる。
 ふわふわした藍子さんの髪が僕の耳や頬をくすぐってる。

 自分の中で抑えきれない感情が膨らんできて、僕もお姉さんの体にキュッとしがみついた。

「だ、大好きっ……お姉さんのこと、ずっと前から」

 思っていても口に出せなかった言葉を伝えたことで、気持ちが溶けていくのを感じた。

「くすっ、言わせちゃった♪」

「あっ、迷惑……ですよね」

 少しだけ顔を上げるとお姉さんと目が合った。
 そして微笑みながら首を横に振るのが見えた。


「女の子が、大好きな男の子に対して……どういうことをするか知ってる?」

 今度は僕が首を横に振る。
 すると藍子さんは少しだけ目を細めてから、いつもより低い声でそっと囁いてきた。

「今から教えてあげる……」










 藍子さんは僕の手を引いてソファに座る。

「こうして並んでると恋人みたいだね」

「は、はぃ……」

 そっとお姉ちゃんの腕が回された。


「クスッ、真っ赤になって可愛いなぁ」

 それからいつものように微笑みながら、藍子さんが寄りかかってきた。
 あんまり重くない。これなら僕でも支えられる。

 少しだけ押し返そうとした時、藍子さんの顔が近づいてきた。
 ゆるふわの髪が僕の耳にかかってくすぐったい。

「あ、あのっ」

「そうだなぁ~……うん、じゃあキスからはじめましょう。ねっ?」

 僕の返事を待たずに、お姉ちゃんが僕の呼吸を奪う……顔の大きさ、僕とあんまり変わらない。
 今までにこんなに近くでお姉ちゃんを感じたことはもちろんなかった。

 柔らかくてツヤツヤした唇が甘噛してくる。
 チュッチュと小鳥がさえずるように何度も何度も藍子さんの唇と繋がるたびに力が抜けていく。

 気づけば僕はクタクタになって、お姉ちゃんの腕に抱かれていた。

「ぅあっ、あ……」

 はじめてのキスは、甘いミルクティーみたいな香りがした。



「へぇ~、年下の男の子って可愛いんだね……」

 おねちゃんの人差し指が僕のおでこに触れる。

 さらにソファに転がされ、手際よく僕の衣類が脱がされていく。
 恍惚感いっぱいのまま、お姉ちゃんの手で裸にされてしまった。


「ああぁ、はずかしいです……見ないで!」

「ダ~メ。手をどけて? ねっ?」

 少しは抵抗してみたものの、やんわりと手首を掴まれ、頭の上に持って行かれてしまった。
 女の子の前でこんな格好にさせられちゃうなんて。

「うっ、うっ、うあああぁぁ!」

「あらぁ、もう元気いっぱいになっちゃったね♪」

 藍子さんは暴れだしそうな僕に覆いかぶさりながら、右手でそっとおちんちんに触れてきた。
 その途端僕はビクッと体を震わせたまま動けなくなってしまう。

(何? これすごく気持ちいい……でもなんで、汚いよ、そんなところ触ったらお姉ちゃんの手が)

くいっくいっくいっ♪

「はううううううううっ!!」

 お姉ちゃんの細い指が何度もおちんちんを撫でてきた。
 僕の体が溶かされちゃうみたいに気持ちいいのがいっぱい積み重なっていく……

 抵抗できなくなった僕を見下ろしながら、藍子さんが僕の腰を太ももで挟むように座る。

「じゃあそろそろいただきまぁ~す……」

「!?」

 しっかりと両手を僕の胸について、顔を覗き込んでくる。
 藍子さんの目が少しだけ潤んでいるのを感じる。

 スカートを履いたまま僕の真上でゆっくりと腰を沈めてくる……


チュ、チュルル、チュプッ――


「んああっ!」

 思わず声を出してしまった。
 おちんちんがなにか温かいものに包み込まれた。

 それはとてもヌルヌルしていて、動いても抜け出せそうもないみたいで……

「おめでとうショータくん。はじめて、だよね?」

「あああ、なにこれ……お姉ちゃん、なにこれえええええ!?」

 その問いかけに答えるように藍子さんはポニーテールの髪をかきあげた。


「あれ~、気持よくないかな?」

「わかんないっ、でも、あああぁぁ……!」

 お姉ちゃんの髪がフワリと揺れる。
 一度小さく伸び上がって、軽くストンと腰を下ろされる。

 たったそれだけなのに、おちんちんがヌルヌルに擦れてしびれて来た。

「これ、なんか……き、気持ち、いぃ……」

「良かった♪ お姉ちゃんの中で泳がせてあげるからね」

 快感に震える僕にニッコリと笑いかけながら、お姉ちゃんは体を前に倒してきた。


「素敵……こんなに硬くなってるぅ」

ぱちゅぱちゅぱちゅ♪

「あはああああっ!!」

 腰を合わせたまま僕は身震いした。

 この時になって僕はようやくおちんちんがお姉ちゃんの中に入っていることに気づいた。

 はじめての女の子とのエッチに心臓がドクドク言ってる。
 大好きなお姉ちゃんに抱きしめられて、体中が嬉しくて溶け出してしまいそう。


「ふふふ♪ ねえ、もうこのままイっちゃお?」

 僕を抱きしめたままお姉ちゃんが囁いてきた。
 とろとろで熱いお姉ちゃんの中で泳がされたおちんちんがキュウキュウに締め付けられてる。


「なんだかお姉さんキミとの赤ちゃんが欲しくなっちゃった」

「えっ!? そんなのダメだよ、嫌だ! いやあああああああ!!」

 女の子とエッチするときにヒニンしないと赤ちゃんができちゃうって学校で習った気がする。
 まだ大人になりきっていないエッチはとても危険な事だと教えられた。

 それなのに――、


「んふふ、じゃあガマンすれば?」

ちゅくちゅくちゅくちゅく♪

 僕をしっかりと抱きしめながら藍子さんは規則正しく腰を降る。
 そのたびに中でおちんちんが気持ち良すぎて暴れだすけど、ゆるゆるとした動きではぐらかされてしまう。

「あああぁ~~! またその動きいいぃぃ!!」

 気持ち良いのだけがどんどん僕に覆いかぶさってくるみたいで、身動きが取れなくなってしまう。


「いっぱい我慢して、射精しなければ赤ちゃんもできないから安心よ。でもぉ……えいっ♪」

クチュクチュクチュッ!

「ふああああああああああ~~~~~~~~っ!!」

 今度は腰の動きは小さかった。
 それでも気持ち良さはさっきより上だった。

 おちんちんを包み込んでいる肉襞がいたずらっぽくさざめくだけで僕は限界近くまで追いやられてしまう。
 先っぽから根本までがザワザワと震えて、気持ち良すぎて叫べないほどに。

 藍子さんは腕の中でジタバタもがき出す僕を優しく受け止めながら、相変わらず穏やかな笑顔だった。


「このおちんちん、もう限界みたいね?」

「はぁ、はぁ、あ、藍子さん……」


「私の中で真っ赤になって、プルプルして~、少しいじめるとピクピクしちゃうの……可愛いなぁ♪」

クチュウウウウウウウッ!!

 今度は腰を落とした瞬間に思い切り締めあげられた。


「あああぁ、やめて! 出ちゃうッ……

 もう我慢できそうにないのを感じながらも、容赦なく腰を動かしてくる藍子さん。
 僕のおちんちんが弱くなっちゃうところを見つけ出して、何度も同じ所を締めてくるうううぅぅぅ!!

「うぅ~ん? 聞こえなーい」

キュウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!

「嘘つきっ! お姉さんのうっ……んひいいいいいいいぃぃ!?」

「ねえねえ、この硬ぁ~くなってるのは何? 私の中でコリコリされて嬉しそうに震えてるおちんちんはどういうことなのかなぁ?」


クニュクニュクニュ♪ クニュクニュクニュクニュ♪ クニュクニュクニュ♪ 

クニュクニュクニュクニュ♪ クニュクニュクニュクニュ♪ 

クニュクニュクニュ♪ クニュクニュクニュクニュ♪ 


 今まで味わってきた全てを再現する腰の動きに僕は悶絶した。
 藍子さんは腰を少し浮かせたまま、何度もおちんちんをジュルジュル吸い立ててくる。
 
 まるで体中をペロペロされてるように気持よくて…・・・・このままだと僕が狂っちゃう!
 それなのにしっかりと僕に抱きついて、これじゃ逃げられないいいいぃぃ!

「ほら、もう素直になろう? ねっ?」

チュッ♪

「うあ、ああっ、だめだめだめっ! 腰動かさないで、締めるのもダメっ、でちゃ……あああああぁぁぁぁ~~~!!」

ドピュドピュドピュウウウウウウ!!

 最後のキスがとどめとなって、ついに僕は甘い誘惑に屈してしまった。

 気持ちいい……でも、このままじゃ赤ちゃんできちゃうよぉ……

 恥ずかしさと快感で顔を隠す僕の上で、藍子さんは呼吸を弾ませながら目を細めている。


「……ふふふ、あったかいなぁ。いっぱいお祝いしてもらっちゃった♪」

 静かに立ち上がったお姉ちゃんの太ももに、トロリとした何かが流れていた。



(了)










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