2・下から
「こっちを選んじゃいましたね~」
僕が下からコースをお願いした途端、彼女の目が細くなる。
決して瞬殺されたいわけじゃない。むしろ男としては挑戦というか……
だいたいそんな簡単にイくわけがない。おっぱいに挟まれただけでイくのは巨乳フェチか童貞と相場が決まっている。
僕にはどちらも当てはまらない。
それでもやはり……
ふよんふよんっ♪
視線が勝手に釘付けにされてしまう。
この乳はヤバい。ナメてるのは僕の方かもしれない。
そんなことを考えてる間も、僕の視界で柔らかそうに揺れ続ける魅惑の器官。
架純ちゃんの可愛さとの相乗効果は予想がつかないほど強力なのかもしれない。
(や、やっぱりでけえ……僕のがすっぽり埋まってしまうのだろうか)
架純ちゃんが両脇をきゅっと締めながら、僕にそのバストを魅せつけるように揺らしてくる。
顔を見ても胸を見てもペニスの芯を何かが駆け抜けるようだった。
「しっかり立っていてくださいね。腰砕けになっちゃう人も中にはいるから」
「あ、ああ……」
彼女に促されて左右の壁に取り付けられてる手すりを握りしめる。
よく風呂場などですべり止めを兼ねて取り付けてあるあの樹脂製のバーだ。
(これで平気なはずだ。でも自分からこれを握りしめてると……)
まるで彼女に拘束されているような感覚。これも彼女の巧みな罠なのかもしれない。
男を瞬殺するための布石。
精神的な余裕を相手にさとられずに削る作業。
手すりにつかまることで、架純ちゃんに縛られていないのに自分から身動きを取れなくしているというか、手を離したら負けという気持ちにもさせられてしまうのだ。
「うふふ、緊張しなくていいんですよ? 出来るだけ手加減しちゃいますから」
「な……」
その言葉に少しだけプライドが傷つけられた。
「て、手加減はナシでいいよ! どうせなら全力でお願いしたい」
「え~、本気ですか? やっちゃっていいのかなぁ……」
いたずらっ子のように目をくりくりさせながら彼女が見上げている。
(ま、まっすぐ見つめられるとこっちが照れる……)
僕から目をそらさずに、彼女がゆっくりとした動作で自らの背中に手を回す。
衣擦れの音がして真っ白な桃、いやメロンくらいの大きさのバストが全貌を表した。
「全力ですよね? そこまで言うなら大丈夫かな、きっと」
ふたつのバレーボールを下から手のひらで支えるようにして、架純ちゃんはバストを持ち上げる。
桃色の乳首がツンと上向きになる。口に含んだらきっと甘い味がしそうな可愛らしいつぼみ。
彼女がゆっくりと僕に迫り、少しだけ背伸びをして目線を合わせてきた。
(か、かわいいいいぃぃ!)
すごく小さな輪郭の顔とアニメのキャラみたいに大きな瞳に吸い込まれそうになる。
少し頬を赤くした彼女が恥ずかしそうに言う。
「あの、すぐ終わっちゃイヤですよ? だから私からの、お・ま・じ・な・い」
くにゅ……
魅惑の肉球の、その先端が僕の胸板に触れる。
「はうああああっ!!」
ただそれだけなのに、全身に甘い電流が駆け巡った。
さらに桃色のつぼみはツツツツ……と胸板をゆっくり滑り、僕の乳首をコリコリと弄ぶ。
「あはっ、おっぱいにキスしちゃった」
「~~~~~~~!!!」
いたずらっぽく舌の先をペロリと出す彼女だが、僕は声を出さずにいるだけで精一杯だ。
それなのに、
「まだご挨拶してませんでしたよね。んっ……♪」
ちゅううう~~~
今度は唇と唇のキス。小さくて柔らかい唇が遠慮がちに押し当てられた。
そっと目を閉じた架純ちゃんを感じているだけで僕の全身が快楽で泡立つ。
口づけをされながら、乳首同士を擦り合わされる。正直、これだけで僕はもうイきかけていた。
体より先に心が折れかけた。
チロチロと小刻みに舌先が僕の口内へと侵入してくる。
微かに甘い唾液を感じながら僕はそのキスに酔わされてしまう。
「じゃあ……今からここへお迎えしちゃいますね~」
いつの間にかキスが終わり、彼女の頭の位置が下がり始める。
「んふっ、可愛いおちんちんさん♪ 暖かくしてあげるネ?」
両手で2つのボールを挟むようにして、彼女は自らのバストを中央へ寄せる。
僕は真上からその様子を見せつけられて驚愕する。
谷間が深すぎる……
さらに直上からはもうペニスが見えなくなっていた。
そそりたっているせいもあるが、完全にバストの影に隠れているので自分では位置が把握できない。
……………………クチュッ!
「ひいいぃっ!」
突然やってきた刺激。
それはおそらく彼女の下乳に亀頭が触れた合図だった。
ヌチュ、クリュ……クプ、チュル……
既にヌルヌルになっているペニスの先端が、自ら滑り落ちるように柔肉へと埋没してゆく……
「くすっ♪ いい子いい子……」
胸をギュウギュウに寄せているせいか、簡単にはバストの中へ収まる気配はない。
まるで処女の膣口に挿入するときのように狭い。
架純ちゃんは慌てることなく、何度も小刻みにバストを上下させて勢いをつける。
クッチュクッチュ、クチュッ、クプッ!
ジュプッ、リュプッ、ヌプッ!
ヌプッ、ヌッ!
プチュッ!
「ぐああああああああああっ!!」
い、今……先っぽが確実に入った。
「どうしたんですかぁ? そんなに動いてませんよ私」
そしてまた同じようにペニスの上からバストを突き刺し、小さくこね回した。
「うあっ、そ、それええええ!」
僕が悶えると意地悪っぽく彼女は嗤った。
簡単に繰り返されているけどそれはとんでもない刺激だった。
カリ首が窮屈な肉に包み込まれた直後に引きぬかれ、カサの部分を無理やりめくられる。
まるで強制的に童貞と同じくらいペニスを敏感にさせられてしまう技術。
その快感は今までに味わったことのないものだった。
「もっと奥まで入ろうネ?」
ずりゅううぅぅ……
「うあっ!」
ネットリとした暖かさに包まれる。
充分に湿らされた亀頭が難なく彼女の胸の最深部へと到達した。
「ほら、捕まえたよぉ~……いっぱい感じてね」
パチンと彼女がウインクをした直後、両手で挟み込まれたバストが粘土細工のように形を変え始める!
にゅぐっ、にゅる、くにゅううう! グチュグチュグチュッ!
「あはっ♪」
ちゅぽちゅぽちゅぽちゅぽ♪
じゅっじゅっじゅ……
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅッ!
「うあああああああああああ、な、なん……ひいいいいいいいっ! ああああああああああああああっ、がああああああ! ダメッ、それは駄目だあああああああ~~~~!!!」
両手で握った手すりにすがりつきながら僕はガクガクと腰を震わせる。
恥も外聞もなく快楽に喘ぐ。今までにない展開だった。
足腰に力が入らない!
もしもこの掴まってるバーがなかったら、彼女が言っていたように腰砕けになっているかもしれない。
ふと彼女の方を見ると、口を少し開けてトロリとした唾液を谷間に流し込んでいるところだった。
その様子もまた官能小説の一コマのように僕の脳を刺激する。
少し遅れて架純ちゃんの胸で悶えるペニスへの刺激が倍加した。滑らかすぎて我慢できないッ!!
(いいいっ、イく! こんなの無理、絶対我慢できないッ!! おっぱいの中であんなにドロドロにされたら、あ、ああああ!)
ほんの一瞬だけチラリとこちらを見つつ、彼女はまた同じように動く。
一秒間の間に何十回もドライでイかされているように頭の中が弾けだす。
こんなの十秒も耐えられない。
イくしかないっ、こんな反則おっぱいがあるなんて!
早く楽になりたい、それなのになれないっ!
「ん……苦しそう。そろそろ……いい?」
その言葉に僕は瞬間的に頷く。
なのに彼女は手を緩めず、何度も僕の弱点を責め、柔肉でペニスを処刑する。
(ああ、そうか! 思い切り締め付けられてるから、あのおっぱいの中では射精できないんだあああ!)
両手で挟み込んだ肉球の中で泳がされ、芯まで砕かれたペニスの中で精液が暴れまわっている。
しかしグニグニと蠢きながらもすごい圧力で押しつぶされているから発射できないのだ。
時間にすれば数秒程度、だがオナニーを三十回くらい寸止されたように僕は消耗した。
きゅっ、きゅううっ……!
「はい、どうぞ♪」
にこやかな表情で架純ちゃんが僕を見上げ、首を傾げる。
「えっ、あ、……あっ!」
突然ペニスへの圧力がゼロになる。
体中の熱が一点に集中する。
心臓がバクバク鳴って、足が震えだす。
手すりに捕まったまま、大の字で彼女に見とれながら、最高の瞬間が津波のようになって――、
「あああ、いっ、イくっ、イくよおお!!」
ぶぴゅっ、どびゅうううう~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!
「うあ、出る、まだ出るッ、出る出るううううあああああっ!!」
びゅる、びゅるるるるる~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!
断続的にイき続けてる間、僕は彼女から目をそらせなかった。
情けない顔も声も、そして大量の精液も全部彼女の胸に捧げてしまった。
律動が少し落ち着きかけた時、仕上げとばかりに彼女は両手をそっとバストの左右に添えた。
そして――、
「えいっ!」
くにゅんっ♪
ほんの一度だけ、完全に無防備と化したペニスへの追い打ち。
胸の中でカリ首をめくられ、残っていた精液をも全て搾り取るような無慈悲な快楽責め。
「くはああッ!」
どぴゅううううっ!!
甘い刺激を受け止めたペニスは何の抵抗もなく再び射精してしまった……
◆
それから少しだけの休憩をはさみ、徹底的に架純ちゃんの胸の中でイかされ続けた。
悶えても泣き叫んでも彼女はにこやかに僕を責め続ける。射精が十回目を超えた頃には目の前が真っ白になってきた。
快感の熱で犯され、自分の体を支えられなくなった僕を彼女が優しく抱きしめてくれる。
くにゅううううっ……
(ああ、柔らかいよぉ……このまま眠りた……ぃ……)
もはや手足に全く力が入らない。
そしてついに僕はそのまま意識を手放してしまう。
「全力のおっぱい攻撃はいかがでしたかぁ?」
「うぅ……」
「ごめんなさい。本当はね、最初からわかっていたの」
「……えっ」
「だって……このお店を選んだ時点で、パイズリして欲しい男の子なんて皆同じだもん。甘えん坊でMっ気の多い人しか常連さんにならないから」
そしてサービスタイムの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「今日は私を選んでくれてありがとう。でも途中からいっぱい手加減しちゃったから、続きはまた今度ね?」
「はは、嘘でしょ……」
架純ちゃんから渡された名刺を、僕は大事に財布の奥へとしまい込むのだった。
(了)