『魅惑のラッキーガール♪』











(選択肢 3)



 勇人は戸惑っていた。
 ラウンドのはじめ、茄子に軽く握られた左手の指が今でも甘く疼いているのだ。
 ささやき声を吹き込まれた耳も然り、優しく触れられているペニスは欲望を吐き出したくてたまらないと悲鳴を上げている。
 バトルファックとは言えまだ何も性技らしい性技を出していない相手に対して情けない自分自身が許せない。
 そんな状況でありながらも反撃の糸口を見つけることができなかった。

「クスッ、さっきからどこを見ているのです?」

「うっ……」

 茄子に声をかけられ勇人は絶句する。
 なぜなら、偶然彼女の目から視線をそらした先にあったモノを見つめていたのだ。
 彼の視線の先が捉えたのは真っ白で清らかな、どこか気品すら感じさせるほど見事な球体だった。

「……バレバレですよ。ふふ、可愛い♪」

 男子の熱い視線を意識してなのか、茄子は誘惑するように軽く腰を捻ってみせた。
 くびれた腰が小さくS字を描くと同時に、美乳が揺れた。

(うううぅぅ、なんだよこれ……)

 今になって彼は気づく。
 彼女のバストはその細い体には若干不釣り合いなほどの大きさだと。

 試合開始直後と違って今は重力の従っているため、茄子の美乳が一層艶かしく感じられる。
 間違いなく極上の柔らかさを秘めた女性の象徴が彼を魅了する。

(ねえ、どんな風にされたいですか?)

 彼女がもう一度腰をひねると、魅惑の双丘はさきほどとは少し違った揺れ方をした。
 男なら誰でも触れてみたくなる甘い果実を見せつけられた勇人が理性を崩壊させるには十分すぎる視覚効果だった。

「あっ、あっ……!」

 無意識に彼の両手が茄子のバストへと伸びる。
 それを確認することもなく、彼女はやんわりと彼の両手に自分の手のひらを重ねた。

(ああああぁぁ、触れないいいいぃぃぃ!!)

 自分とは全く比べ物にならない細腕にそっと抑え込まれ、勇人は身悶えする。
 まるで彼女の手が自分の力を全て吸い取っているような気さえする。

「ちょっと意地悪な質問でしたね」

 うまく身動きが取れない勇人を真上から見下ろし、茄子は微笑む。
 そしてゆっくりと彼に顔を寄せ、鼻先で囁いた。

「たっぷり甘えさせてあげます。お望みどおりに」

「……えっ」

 勇人は困惑した。
 しかし彼女の甘い吐息と、囁かれた誘惑の言葉を彼が理解する前に茄子は次の行動へと移ろうとしていた。


「先に抵抗力を奪っておきますね」

 勇人の瞳に映る彼女の姿が徐々に大きくなる。
 甘い香りも同時に強くなって――、

「んちゅっ……んっ♪」

 小さな音を立てながら、柔らかく優美な唇が彼の呼吸を奪う。

 勇人は大きく目を見開いた。
 対戦相手の美少女が自分と唇を重ねたという事実、そして全く抵抗できなかった自分……

(な、なんで……俺と、キス……ぁ)

 だが思考を巡らせた直後、すぐにそれは霧散した。

 脳内を駆け巡るのは熱心にキスを繰り返す茄子のことばかり。

 あまりにも心地よい美少女のキスに勇人は骨抜きにされてしまったのだから。


「チュッチュッチュ……んふ、これでもう動けませんよね?」

「ふ、ああぁぁ……」

 まだ夢の中にいるような表情の勇人を見つめながら茄子は少し意地悪な表情をする。
 まだ彼女とのキスの余韻に溺れる対戦相手の体をチェックするように両の手のひらで撫で回してみる。

「くふっ、あ、ああああぁ! そ、そこ……ぉ……」

「クスッ♪」

 予想以上に好反応に気を良くした彼女は、そのまま彼の体を弄ぶ。
 局部には触れないように、緩慢な刺激を全身に……



――約二分後。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 茄子の手のひらによって勇人の体はほのかに紅潮しており、誰の目から見ても敏感になっていることがわかるほどだった。

 実際に彼はもう身動きが取れる状況ではなかった。
 少しでも動けば茄子に開発された性感帯が疼いてしまうのだ。
 手のひらの余韻だけで射精してしまってもおかしくないほど勇人は追い込まれていた。

「ではたっぷりと味わって下さい。鷹富士茄子の胸の中を……」

 そんな彼の腰を抱き込むようにして真っ赤に濡れたペニスの先端を彼女は衣装の隙間へと導く。
 茄子の衣装はセパレートの水着のような構造になっており、スポーツブラのようにバストを支えている部分には小さな切れ込みがあった。
 それはまるで対戦相手を包み込むためのように、ちょうどよい隙間である。
 勇人はその様子を息を弾ませながら見つめていた。

「ふふふ、恥ずかしいですか? あなたは丸裸にされてしまったというのに私は着衣のまま……」

「うううぅぅ!」

 羞恥心を煽られ、勇人の顔がますます赤く染まる。
 しかしもう彼に反抗する気力はないに等しい。
 茄子の手のひらで徹底的に愛撫された肉体は、彼女による次の愛撫を待ちわびているようにも見えた。

「でもこれが今の私とあなたの立場です。与える者と与えられる者……わかりやすいでしょう」

「く、くそおおぉぉ……」

 わずかに悔しさをにじませる勇人の表情をうっとりと眺める茄子。

 恋人を愛でるような手つきで、両手の人差し指をカリ首にそっと這わせる。

「ううう、あぅぅ!」

 爪の先でペニスをくすぐりながら彼を高めると、茄子は一層妖しく微笑んでみせた。

「このまま、衣装の中で搾り取ってあげます」

 クイッと彼女が前傾姿勢を取ると同時に、勇人のペニスの四分の一程度が真っ白なバストへ吸い込まれた。

「あっ、ああああああああああああああああ!!」

 次の瞬間、彼の全身が脱力した。
 さらに数秒間後にはペニスの半分が茄子の胸の中に取り込まれる。

「窮屈な谷間に挟まれて、しごかれて、優しくいじめられて――」

「んはっ、ああ、な、なにこれえええぇぇ!?」

「さぞかし心地よい天国なのでしょうね」

 穏やかな笑みとともに、ゆっくりとペニスの感触を味わう茄子。
 勇人は乳内に挿入される最中、あまりの心地よさに限界まで体を反らせていた。
 彼女のバストは柔らかそうな見た目とは違い、絶妙に張り詰めていた。
 例えるなら処女の膣内を想起させるほどだった。

(いいっ、こいつのおっぱい、なんだよこれええ! 反則だああぁあ!!)

 叫ぼうとしても体が言うことを利かず、勇人はただただ悶えることしかできない。
 この上なく硬くなった肉棒が美少女の柔肌に溶かされ、意のままに操られてしまう光景。

 とうとうペニスの全てが茄子のバストに支配されてしまうと、勇人は身を震わせて耐えることしかできなくなった。
 膨れ上がったペニスは完全にバストの中にあり先端すら見えない。

 そんな状態で茄子は自らの両腕を内側に締める。

「ほらぁ、きゅっきゅっきゅ♪」

 柔らかそうにバストが形を変える度に勇人の体が跳ね上がり、茄子はリズミカルにその動作を繰り返す。

(で、出ない! 出せないいいいいぃぃぃ!!)

 勇人はすでに三回、絶頂を味わっている。
 目の前が白黒になって射精しているときと同じ現象を感じていると言うのに、一向に訪れない解放感……

(ふふ、簡単には出せないですよ? 私のおっぱいの中でもっと泳がせてあげる)

 許しを請うように視線を合わせた勇人には、茄子の目がそう囁いているように感じた。


「うあっ、あああああ!!」

 必死になって自分から腰を振ろうとしても無駄だった。
 茄子は意地悪に体を追従させ、勇人が自発的に達することを許さない。

 そんな攻防を数分間続け、彼のすべての力を奪い去った後に茄子は一旦ペニスを引き抜いた。

「そろそろフィニッシュですね。脈動でわかります」

 目の前でヒクついているペニスと、完全に戦意を喪失した勇人を交互に見つめる茄子。



「そろそろ種明かしをしましょうか」

 茄子は四つん這いになるようにしてペニスに触れぬようにゆっくりと全身を勇人に重ねる。
 彼の顔の脇に両手をついてゆっくりと語り始めた。

「私の体に触れたり、私に触れられた対戦相手は、ほぼ確実に発情してしまうんです」

 そう言いながら勇人の上に馬乗りになって、彼の乳首を弄ぶ。
 続いて指先で脇腹、肋骨などを軽くひっかくと、自然に勇人の腰が跳ね上がった。

「ほらね、もう自分でもコントロール出来ないほどに感じているでしょう? 哀れで可愛そうな男の子たち……仮にも『幸運の女神』と呼ばれる私に勝てるはずなどないのに」

 それは息も絶え絶えの獲物に対する完全な勝利宣言だった。
 ゆらりと立ち上がった茄子はそのまま彼をまたぐようにして背中を見せ、腰を下ろす。

 勇人はうつろな目で茄子を見つめているが、その目に闘志や敵意は宿っていない。

「そのかわり私は幸せを分け与えてあげるんです。こんな風にね……」

 ちょうどシックスナインの体勢。だが勇人からの反撃は一切不可能。
 茄子は余裕たっぷりに上半身にあたるペニスを再び胸の中へと捕獲する。

クププププ……

「ううっ、あっ、あああああああああああ~~~~~~~~~~~!!」

 ビュクッ、ドプドプドプッ!!

 ペニスが全てバストの中に潜り込む前に勇人は射精してしまう。
 だがそれにお構い無しで挿入を続けた結果、

ビュルッ、ドクドクッ!!

「あら、もう二回目ですか?」

「んあ、あああ、気持ちいいよおおぉぉぉぉぉ!!」

 ガクガクと腰を震わせながら勇人は三度目の絶頂を懇願する。


「とっても幸せそうなお顔……私も嬉しくなっちゃいます♪」

きゅうううっ!!

 先ほどと同じように茄子は両腕でバストを締め付けてみせた。
 そして小さく叫ぶ勇人……

 突然やってきた快感に抗うことができず、勇人はわけの分からぬ言葉を発し続けて三度目の絶頂をした。


「さあ、もっと幸せになりましょう」

 笑顔を絶やさぬまま茄子の陵辱はそれから30分以上続けられたという。




(了)










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