『保健体育の実習は』
きりとは一人きりの家の中、パソコンに向かっていた。
ある言葉、単語を検索したいのだ。
「はだか、おっぱい……違う、なんだっけ」
今の言葉を検索して、きりとは少し後悔した。
自分の求めているものではなかったからだ。
偶然耳にした同級生の女子の会話を一生懸命思い出してみる。
「そうだ、ブルマだ!」
きりとはようやく目的の画像を見つけることができた。
それを見た瞬間、口をあけたまま顔を赤くした。
次の日、休み時間にぼんやりと教室の天井を眺めていた彼に、一人の女子が声をかけた。
「どうしたの、きりとくん」
「あっ、ひかりちゃん」
ひかりは、きりとにとって一年生からずっと同じクラスメイトで気の置けない友人だった。
たまにお互いの家へ遊びに行ったり来たりする。
異性の壁を感じたことが無い関係。
「あのね、ここだけの話にして欲しいんだけどさ」
「なになに?」
「昔の女の子って、今みたいなハーフパンツじゃなくて……」
「ブルマのこと?」
「やっぱり知ってるんだ……」
きりとの目に驚きと興味の気配を感じ取ったひかりは、ささやくように続けた。
「うちにもあるよ」
「えっ、ホントに!?」
「うん。おねえちゃんのだけど」
「そっかぁ……」
高揚と落胆を順序良く繰り返すきりとの反応が面白く感じたのか、ひかりの中にちょっとしたイタズラな感情が生じた。
「はいてるところ見てみたい?」
「え、それって、あ、あの……」
「おねえちゃんから借りてきて、ひかりがはいてあげる」
「いいの!」
思わず大きな声で返事をしたせいで、二人には教室に居た全員の視線が集中した。
その次の日、きりとの夢が実現する事になった。
下校後にお菓子を持ってひかりの家へ急ぐ。
気分が高揚しているせいで疲れを感じない。
きりとはいつもより早くたどり着くことができた。
「いらっしゃーい」
「おじゃまします。これ、お菓子」
「ありがと。じゃあひかりの部屋で待っててね」
その数分後、お菓子とジュースをお盆に乗せたひかりが戻ってきた。
「あれ、まだはいてないんだ」
「そんなにあわてないの!」
「あわててなんか、ないよ……」
「ふふふ、じゃーん!」
ひかりは背後に隠し持っていたものを彼に見せ付けた。
「おお、これがブルマ……でもなんか色が違う」
「学年によって紺色とか臙脂とか合ったんだって。昔は」
「そうなんだ」
「じゃあ後ろ向いてちょっとだけ目をつぶってて」
きりとはひかりに言われたとおり、ぎゅっと目を閉じる。
いつになく緊張する。いやが上にも、期待が高まる。
「おまたせー、もう目を開いていいよ」
「う、うん……うわぁ……!」
「どう、かな?」
「すごい、脚が長いっていうか……いつものひかりちゃんじゃないみたい」
「褒めてくれるんだ。ありがと♪」
ひかりがにっこりと微笑むと、きりとは今まで感じたことの無い気持ちになった。
彼女は運動神経が抜群で、いつもマラソン大会では一位を取っている。だから足は細く、筋肉質だといえる。
だがその鍛えられた肉体はブルマとの相性が非常に良く、またショートソックスの視覚効果もあって更に脚が細く見えるのだ。
おまけに体操服をブルマの中にいれず、外側から被せる様子がとても新鮮で、普段以上にひかりを魅力的に見せている。
「どうしたの、きりとくん。お腹が痛いの?」
「ちょ、ちょっと待って……なんか僕、おかしい」
「ひかりに見せて。手をどけて」
「駄目だってば! ああっ」
きりとの守備も空しく、ひかりは彼の両手を握って払いのける。
ひかりは目をパチパチさせながら何度も見比べた。
恥ずかしそうにする彼の顔と、下腹部のふっくらした部分を。
「あっ……そういうこと、なんだね」
「えっ、怒らないの」
「そんなことしないよ。興奮しておちんちんおおきくしちゃったんだよね」
「ち、ちがうよっ! 僕はそんな、ああっ、はううううぅぅ!」
ぎゅいっ! ぎゅっ、ぎゅっ……すりすり……
ひかりはすばやく右足のつま先で、ふくらみの頂点を踏みつけた。
更に何度か踏んでから、今度は優しく指の先でなぞってみる。予想通り、きりとの声と顔が切なくなってきた。
「えっち」
「ちがう、信じてひかりちゃん!」
「どーしようかなー」
「ああ、あ、足! 動かさないでえええええ!」
きりとの股間はどんどん硬く大きくなってゆく。ひかりはそれが楽しいので止める気はさらさら無い。
しかも恋人握りに近い形で彼の両手を拘束しているから、きりとは彼女の思うままなのだ。
「ああああ、で、出る、なんか出ちゃう、お漏らししたくないよ……」
「駄目だよ、我慢して!」
「で、でも!」
「今のきりとくん、すごくかわいいからもっと気持ちよくしてあげたいんだけどな?」
「ええっ……」
ひかりの甘い言葉にすがるように、きりとは頑張って歯を食いしばる。
やがてその努力を認めたのか、ひかりは彼を横たえて下半身を丸裸にした。
「はずかしいよ! 何をするの……」
「保健体育で習ったでしょ。男の人と女の人がすること。あれやってみようよ」
「えっ、それってセック――ふああああああ!」
彼の言葉が終わる前にひかりは動き出した。
「ううん、ヒニンしないと赤ちゃんできちゃうから。これはセックスごっこだよ♪」
「で、でも何か暖かくて柔らかいところに挟まれてる!」
「気持ちいいんでしょ」
「うんっ、あ、あっ、動かれると駄目だよっ、本当にでちゃう、お漏らししちゃう!」
「いいよ、セーシを出すところ見せて欲しいな?」
すっかり顔が赤くなり、喘ぐ事しかできないきりとを、ひかりは余裕たっぷりに見下ろす。
彼にしてみれば性の目覚めと初めての快感に耐える事に必死で、さらに友人の家でお漏らしなどしたら大変な事になる。
「じゃあ、心配ないようにしてあげる」
「はぁ、はぁっ、な、うっ!」
ペニスの先端が何かに包まれ、きりとは思わず腰を跳ね上げた。
ひかりが近くにあったボックスティッシュを数枚引き抜き、太ももから僅かに顔を見せている亀頭に被せたのだ。
「おちんちんつかまえちゃった」
「あああああっ! ひかりちゃ、なにしてるの? すご、い……」
「ひかりの右手で、きりとくんをなでなでしてあげるの。左手は、空いてるからまた手を握ろうね」
そして二人は今までに無く密着した。ひかりの顔が間近にある。見慣れてる、いつもの彼女だ。
きりとはそれでも興奮を抑え切れなかった。
「ほら、1,2,1,2……あったかい? きりとくん」
「あっ、あいっ、ふあ、あっ!」
「もう、それじゃわかんないよ~」
ひかりは気づいていないが、耳元でささやかれると、きりとはさらに我慢できなくなってしまう。
まぶたの裏に焼きついたブルマ姿の彼女と、現在触れ合ってる彼女が交互に彼を誘惑してくるのだ。
「でるよっ、ひか、りちゃ、あああああ! いくうううううっ!」
「いいよ! 出して~~~!!」
ビュく、ビュククッ、ドピュウウウウウウ!!
大量の精液は数枚のティッシュを容易に突き破り、ひかりの手を直接何度も押し上げる。
快感に流されつつ申し訳無さそうにしている彼を優しく見つめながら、ひかりは僅かに腰を浮かせた。
「ちゃんとしぼりきろうね」
今度は腰を浮かせたまま、ふとももの中央で亀頭を包み込んだ。
そしてぎゅっと押しつぶしたまま、彼女は腰を小刻みに揺らし始めた。
「ひっ、ひかりちゃ、駄目だ、また漏らしちゃうよおおおおお!」
「うんうん、そーだね♪」
悶えるクラスメイトの姿を見つめながら、ひかりは優しい口調で何度もその行為を続けた。
その日の夜、ひかりがブルマを悪用した事について姉から根掘り葉掘り問い詰められたのは言うまでもない。
(了)