『とある学園の放課後』
季節が春から夏へ変わる。そんな暑い日の出来事だった。
「今日も来てくれたのね、安田クン」
夕暮れどきを迎えた生徒会室の中で僕は彼女を待っていた。
窓から差し込んだ日差しのせいか、キラキラと金色に輝く髪に見とれてしまう。
腰まで伸びたロングヘアを今日は一つにまとめていた。
ネクタイを外し、第一ボタンを外しているせいで少しだけ素肌が見える。
服の上からではわかりにくい巨乳……時々この部屋で前かがみになる時に気づいてしまった。
また、ブレザーを脱いだ彼女のシルエットは腰のクビレが強調されてとても美しかった。
彼女は鷹垣静香(たかがきしずか)という。
二年生でありながら本学園の生徒会長を務めていた。
「助かるわ。あなたが入ってきてくれて私一人でやることが減ったから」
にっこり微笑みながら彼女が隣に座る。視線のやり場に困る。
目をそらすとつやつやした太ももが目に入った。
「あっ、こ、これ預かっている要望書です」
「ありがとう。うんうん……みんなから頼りにされるのは嬉しいけど、程々にしてほしいと思う時はあるわ」
無茶な要望をまとめた書類に目を通し、困ったように鼻で息を鳴らして彼女は眉根をひそめる。
そんな些細な仕草もどこか絵になる。
容姿端麗というのはこの人のためにあるような四字熟語だと思う。
しばらく二人がかりで書類整理やスケジュールのチェックをする。
今は生徒会には僕と彼女しかいなかった。
先輩たちは受験ということもあって早めに生徒会を卒業してしまったのだ。
十五分ほど経った頃、思い出したように会長が近づいてきた。
「ところで、頼んでいたデータは手に入ったのかしら?」
少し低い声で尋ねられたのでコクリと小さくうなずいた。
フラッシュメモリーを手渡す。
中には、とある教師の画像が入っている。盗撮画像である。
複数の女子生徒からセクハラの相談があり、会長と一緒にそれを突き止めるのが僕の役目だった。
学園の先生方に言ったところで揉み消されるのが目に見えてる。
ならば自分たちで証拠を固めて、警察と教育委員会と先生たちと動画配信サイトに届けてしまおうということだった。
一週間かけて罠を張った。
ある意味で囮捜査に近い。
見事その網に引っかかったヘンタイ教師を糾弾する材料は完璧に整った。
とにかく僕の仕事は終わったのだ。
ほっと一息ついたところへ、会長の手のひらが僕の左足に触れた。
「ありがとう。これで確実に勝てるわ。
頑張ってくれた安田クンもたまには息抜きしないと、ね?」
声を殺すのが精一杯だった。
気持ちいい……生徒会長の、静香さんの手のひらがゆっくりうごめいているだけで全身がしびれてくる。
それだけじゃない。股間がビクビクと波をうち、ゆっくり持ち上がってくる。
「わかっていると思うけど内緒にしてね」
わずかに膨らみかけたペニスにそっと被せられる魅惑の手のひら。
思わず声が漏れる。
指の先がカリカリと先端をひっかくたびに感じてしまう。
慌てて自分の口に手を当てるけど、それで快感が遮られるわけではない。
「クスッ、こんなに大きくして……期待していたんでしょう?」
指先がいびつな円を描く。
亀頭で、裏筋の近くを探り当てるようにしながらクニュクニュとうごめいて僕を追い詰めてくる!
ギュッと目をつぶってみても無駄だった。否、我慢自体が無理。
暗闇の中で静香さんに犯されている妄想が勝手に展開されてしまう。
気持ちいい、気持ちいいいいいいい!!
「ハァハァしてるキミも可愛いわね」
無意識に逃げ出そうとする僕の体を静香さんが背中に回って抑え込んできた。
柔らかな髪の先が肌に触れる。甘い香りに包まれて恍惚となってしまう……。
僕の身長より数センチ、彼女のほうが大きい。ほっそりした体なのに力も強かった。
手足を絡ませて僕の動きを封じてくるのが悔しくて、情けなくて、気持ちいい。
「私ね、知ってるんだよ」
ビクッとして振り返る、振り返ろうとした先で、会長の唇が僕を待ち構えていた。
「んっ……♪」
そっと顎に手を添えられたままチュパチュパと唇を吸われて、唾液を流し込まれた。
トロトロの唾液が僕の口の中で毒を存分に発揮する。
何も考えられなくされてしまう……
「キミは制服姿の私が好き……でしょ?」
「は、い……」
「素直でよろしい♪」
嬉しそうに彼女が笑う。
背中を抱かれ、身動きを封じられ、ペニスを刺激されながらキスまでされて……
冷静な思考ができなくなった僕は思わず何度もうなずいてしまう。
(すき、好きです会長……静香さん……ッ)
きっと彼女もその事に気づいてる。その上で僕を誘ったんだ。
生徒会の秘密任務を引き受けてくれる男子生徒を。
「あなたにお願いがあるの。聞いてくれる?」
「私の代わりに生徒会の役に立ってほしいの」
「もちろんただでとは言わないよ?
終わったら私があなたの願いを叶えてアゲル」
甘い誘惑だった。断りを全部潰されていた。
万が一僕が問題の人物に見つかっても生徒会の名前は口にしないという条件で、静香さんは僕の気持ちを利用したんだ。
カチャリ……
唾液を飲まされるキスをされながら、手首になにか鍵をかけられた。
おもちゃの手錠だ。
動けない。抵抗する。でも外れない。
むしろ外しちゃいけないと彼女に言われているみたいだった。
「おとなしくしてなさい。気持ちよくしてあげる」
「ッ!?」
「裸になってあげたこともあるけど、着衣のほうがおちんちんカチカチだもんね」
僕の手を拘束する必要がなくなった彼女は、両手を後ろから脇の下へ通してきた。
きれいな指先がクリクリと乳首を弄んできて、思わず溜息がこぼれた。
「全部見抜いてあげる。キミのかわいいところも、弱点も全部」
悪戯な指先がそのままスルスルと下へむかってズボンのベルトを外す。
我慢汁でどろどろになっているトランクスの中へ、美しい女神が舞い降りた。
思わず喘いでしまう。爪の先で先端をくすぐられ、身を捩る。
それでも逃げられない。女神の指技に勝てない!
「今日もおちんちんを取調べしてあげる。少しずつ裸にされていくのは気持ちいいよね」
両手の指先六本にペニスが蹂躙されていく。
人差し指から薬指までが緩く開かれ、その中にペニスが閉じ込められている。
ストローク重視の指コキに悶える。
肩のあたりに柔らかな膨らみをしっかり感じる。
しかも右の耳たぶをペロペロと舐められ、時々ふうううっと息を吹き込まれるとどうしようもなかった。
「私に感じやすい場所だけこんな風に責められて」
妖しい囁きが快感を倍増させる。
ヌチュヌチュと音を立てながら指先はなめらかに蠢き、どんどん僕を射精間際へと追い詰めてくる。
「我慢してるふり、もっと気持ちよくなりたいだけなのに」
「ちが、あ、ああっ!」
否定しようとしても、僕の息は荒くなり、腰から下もガクガクしはじめている。
それでも急がずに彼女の指が僕を責め続ける。
まるで形を覚えたとでも言わんばかりに、指先が作る形状は女性器そのもののようであり、吸い付きが一向に収まらない。
ずっと唇でキスされているような、濃密なフェラみたいな手コキだ。
自分から腰を突き上げても思うように刺激は得られないのに、彼女の意思で動いたときだけは桁外れに気持ちいい。
以前もこの手コキで虜にされた。
静香さんのテクに一発でノックアウトされた。
今もずっとされ続けている……
「隠さなくていいよ。私はキミの味方だから」
「みか、た……」
「もっとも、味方と言っても支配者だけどね?」
クスッと笑いながらとんでもないことを口にする。
でもその笑顔と口調に、僕の期待は高められてしまった。
支配されたい、もっと彼女に心を奪われたい……
ギリギリのところでプライドが邪魔して口に出さずにいる。
だが体はすでに彼女に従順にされてしまっている。
これ以上快感に抗うことなどできない。
僕はねだるように彼女を見上げ、服従の言葉を目で訴えた。
「私に堕ちた目になってる」
「う、ううぅぅ!」
「キミの我慢をそろそろ終わりにしてあげようかしら。きっちり支配してあげる」
会長はゆらりと立ち上がり、正面に回ってきた。
僕を見下しながら、恥ずかしそうにスカートをたくし上げた。
「最後はここに出そうね」
ほんの少しだけ見え隠れする白いレースのショーツは上品なものだった。
それを片足だけ脱いでから、静香さんが僕にゆっくり覆いかぶさってきた。
あの一番奥にある場所に劣情を注げるんだ……
たっぷり焦らされたペニスには最高のお預けだった。
柔らかそうなバストが目の前にある。
ブラウス越しでもはっきり感じる匂いがたまらなく魅力的で、男なら誰でもこの色気に狂ってしまうだろうと思う。
「キミの先っぽ、熱くて素敵……でも私に溶けちゃいそうよ?」
クスクス笑いながら腰をくねらせる彼女。
ねっとりと亀頭が舐め回され、緩くねじ込まれていく。
勝手に変な声が出る。止められなかった。
ペニスを包む膣肉はどこまでも柔らかくて、暖かくて、僕をゆっくりと溶かし始めていた。
一番奥へたどり着いたペニスを待っていたのは、とびきり柔らかいグミみたいな感触だった。
(し、子宮口で弄ばれてる……クニュクニュして、吸い付いてくるうううぅぅぅ!!)
前後に腰を振られるたびにコツンコツンと先端がぶつかり合う。
その都度心地よい電流が全身を駆け抜ける。
会長と、静香さんと一番深いところで繋がってる……そう思うだけでゾクゾクする。
支配されてるのに、逆らえないのに嬉しくて泣きそうになってしまう。
「おちんちん泣いてるね。
キミも気持ちいいでしょ? もっと擦ってあげる」
その刺激が甘すぎて僕は静香さんに抱かれながら泣いた。
気持ちよすぎてそれしかできなくされていた。
彼女は喘ぐ僕の顔を手のひらではさみ、膣内よりもねっとりと熱くキスをしてきた。
わずかに伸ばした舌を絡め取られ、先端を吸われるたびにビクビクと反応してしまう。
そのキスの快感は確実にペニスまで響いていた。
「……白くて元気なミルク、私の中にいっぱい射精(だ)して♪」
それからすぐに行われた本気の腰振りで僕は果てた。
ほんの数回だけのグラインドに屈した。
ビュルルルルルルル~~~~~~~~~~~~~~ッ!!
長い長い射精だった。
でも声が出せない。
はじめから我慢できるはずがなかった。
それでも我慢した。
最高の瞬間を少しでも先送りするために。
でもやはり無駄だった。
僕を捉えた膣肉がニュルニュルの襞で何度も弱点を擦り上げ、磨き上げ、射精を促してきたのだから。
そのあまりの快感に僕は気を失ってしまう。
彼女に抱かれ、支配された男はみんなこうなってしまうだろう。
これは生徒会室という背徳の魔窟で起きた出来事の一つに過ぎない。
何度も精を搾り取って、満足した会長が薄く笑う。
「んふ、ご褒美あげ過ぎちゃったかしら?」
極上の快楽を何度も味わいながら、意識が消えかける寸前に僕が聞いた最後の言葉だった。
『とある学園の放課後』(了)