『すんなりオッケーしてくれた割には気難しい彼女』


 今年の夏は彼女である小佐木純礼(すみれ)と旅行をする。
 その時のプランについて今日は話し合うと決めていたんだけど……

(今日もかわいいな……ぶっちゃけ今すぐエッチしたい!)
 夏を意識したつもりはないのだろうけど、シンプルなTシャツにジーンズ、それに素足というリラックスした間柄ならではの装い。でもそれがそそる。脱がせるのは大変だけどそれだけの価値はある。
 ミディアムからロングになりつつある美しい黒髪に触れたい。
 少しチークをさした白くて整った顔にも触れたい。キスしたい。

 しかし僕の彼女は気難しい。
 だから常にタイミングを窺ってる。
 特に自分の要求を通したい時、そうこんな時は思い切り緊張するのだ。

「エッチしたいの?」
「そ、そうだね。駄目かな」
「ううん、駄目じゃないよ。ただ今すぐっていうのが」

 眉間にシワを寄せて、しばし指先を顎に当てるような仕草で彼女は考え込む。
 こちらが恥ずかしさに顔を赤くしていることには言及してこない。
 それは救いだけど、わりと淡々としているというか、ムードに欠けると思う時はある。
 普通の会話の中にうまく要求を織り込めない僕の問題ではあるけれど。

「なんか、ごめん……」
「キミの問題じゃなくて、こっちの都合かな。心の準備とかそういう……」
「行為自体の問題ではなかったのか」

 そう尋ねると彼女は小さく頷いて、こころなしか顔を赤くした。
 基本的な部分ではオッケーだったらしい。

「ま、いっか。やってみてから考えましょ」

 ぱん、と手を叩いてからすみれは立ち上がった。スルスルと自分でジーンズを脱いでしまい、いきなり目の前に真っ白な美脚がさらされる。

(うわぁ……展開早すぎじゃね?)

 うまく声も出せずにその光景を見つめている。純白にレースをあしらったショーツも、しゃがんだ時に僕の目の前にまっすぐ降りてきた黒髪も素敵だし、白いTシャツ一枚になった彼女は清潔なエロさに満ち溢れていた。

「よいしょ……準備はいいかしら?」

 そんな彼女が正面から抱きついてきたのだ。
 ますます動けなくなってしまうのは当然のことだろう。

「えっ、あの……」

 返事を待たずに彼女は唇を重ねてきた。

「ん、ちゅ……ゆっくり温めてあげる……」

 そのキスは一度だけではなく、何度も、感触を確かめるように少しずつ角度を変えて繰り返される。チュッチュ、という音が気にならなくなるくらい気持ちをかき乱されて恍惚としてしまう。

 純礼はすっかり骨抜きになった僕を満足そうに見つめながら僕の下半身をむき出しにして、それからシャツをまくりあげて乳首にキスまでし始めた!

(き、きもちいいっ、なんでこんな、積極的になっちゃうんだよ! これじゃあ僕の方から手が出せないっていうか、流される……気持ちよすぎて動けないよぉ!!)

 純礼はわざとシャツを脱がしきらずに僕の腕に絡めて拘束した。
 その後で自分もTシャツを脱ぎ、ブラとショーツまで惜しげなく脱ぎ去った。

「私の方から入れてあげる」

 全裸で密着した状態で彼女が囁いた。

「ゆっくり食べてあげるからね……よく見てて?」

 結合部を見るように促され、そのとおりにする。エロすぎる……
 片膝をついた彼女が自らの秘所へ僕自身を招くようにクイッと腰をひねる。
 先端が膣口に触れる。
 その時点でやばい。
 見てるだけで射精してもおかしくないほど気持ちいい。

「エッチだよね、これ……んっ、ああぁぁぁ……♪」

 興奮が収まらないどころはうなぎのぼりでおかしくされていく。
 先端が膣口にチュプ、と咥えこまれた。
 なんとかこらえる。ここでイってしまうのはもったいない……

 ペニスの先端をしっかりと飲み込んでから、彼女はもう片方の足も開いて、しっかりと僕に覆いかぶさってきた。対面座位と呼ばれる体位だろう。密着感が半端ない。
 彼女の長い腕が僕の顔を抱きしめ、目の前には美しい曲線を描くバストが揺れている状況。

「え、えっちだ……」
「そうだね。でもこうしてほしかったんでしょ?」

 肯定する代わりに僕はバストの先端についているピンクの蕾を口に含んだ。
 純礼も小さく喘ぐ。たまらなく可愛らしい声だった。
 しばらくその行為に夢中になっていたら、不意に彼女の両手が僕の顔をぐいっと引き剥がした。

「あ……」

 正面からじっと見つめられて急に恥ずかしさがこみ上げてくる。
 乳首にしゃぶりついていたことを咎められているようでもあり、夢中になっていたことを戒められているようでもあり、でも気持ちよさはさっきよりも高まっている。

「恥ずかしいの? 私にしっかり顔見られちゃって」

きゅうううぅぅぅ……ッ

 膣圧が突然高まり、ペニスのクビレ部分が強く締め上げられた。
 思わず情けない声を漏らしてしまうほど気持ちいい!

 僕はたまらず両手を後ろについて、踏ん張りながら彼女を迎え撃とうとした。
 だけどその体勢を利用した彼女は追撃とばかりに体重をかけてくる。
 結局抑え込み騎乗位のようになってしまい、ますます僕は追い詰められてしまった。

「もう逃げられないね?」
「う、ううう、すみれ……」
「なぁに? 私に犯されたかった彼氏クン?」
「ちが、そんなつもりじゃ……」
「どんなつもりか知らないけどもういいわ。ほら、イっちゃえ♪」

 ひときわ強く腟内がざわめいた次の瞬間、僕は盛大に射精してしまった。

「うあああああああっ、あああーー……ッ~~~~!!」

ビュルルルッ!! ルルルルルルル~~~~!!!

 射精と同時にキスをされる。声も出せずに全て封じ込まれた。
 最初のキスと同じように何度も角度を変えてむしゃぶりつくように彼女にキスをされ、膣内では射精直後だというのにペニスがキュンキュン締め付けられて連続絶頂を強いられる。

 しっかりと組み敷かれたまま僕は十分以上彼女にもてあそばれた……

「いっぱい射精してスッキリしたみたいね」
「いや、ちょっとすごすぎて……」
「私は不満かも。
 だって、もっとうまくしてあげられたかもって感じてるから」

 最後の方で、急に彼女の言葉が弱くなった気がした。
 気になって見上げてみると、口元をキュッと結んで斜め下の方を見つめてる。

「えっ、なんでそこで顔赤くするわけ?」
「じつはね、エッチは好きなの。たぶんキミよりも。だから今日もどんなタイミングで押し倒そうか考えてて……そこで誘われたから調子が狂って暴走しちゃったみたい」
「初耳だね。そんなの今まで聞いたことなかったよ」
「言えないよね。でも好きなの。
 それでもなかなかうまくいかないなーって悩んじゃうんだよ!」

 真面目そうな顔で彼女は言ってるけど、これ全部エッチのことだし。
 しかも僕たちまだつながったままだからね。

 すると、今度は優しくペニスが締め付けられた。甘えてくるような柔らかな刺激。

「じゃ、じゃあもう一度……エッチする?」
「うん。しよ?」

 嬉しそうに微笑む彼女。これはなかなかレアな表情だ。写メ撮りたい。

「動いちゃ駄目~~~! じっとしてて? 気持ちよくしてあげるから、ね?」

 僕の胸に手をついて彼女が妖しく微笑む。
 まとわりついた膣内の襞がうねうねとペニスを包み込むと、僕の理性は再び吹っ飛んでしまう。

 その後も納得のいく絶頂を迎えるまで何度も射精させられた。
 僕の彼女はやっぱり気難しい。


『すんなりオッケーしてくれた割には気難しい彼女』(了)



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